クビになった(と思い込んでいる)ウマ娘 作:珈琲派の紅茶派(最大の矛盾)
世間を騒がせたURAファイナルズ決勝後、ウイニングライブの前に私は倒れた。気を抜いた瞬間に崩れ落ち頭部を強打したと見られているらしい、検査すればあれよあれよという間に体の状態がバレた。足はボロボロ、ガタがあれよあれよとバラされる、あー、上手く隠してたのになぁ、流石に意識無い時は誤魔化せないわ
「レーゲンさん…」
はぁ、陰鬱だ、どう言い訳を考えたものか…
「レーゲンさん!」
ん?あ、呼ばれてる?
「レーゲンさん!!」
「あ、はおはお?レーゲンですよー」
「やっと気が付きましたか」
「全く、手のかかる友人だねぇ…」
「カフェと……タキオン?珍しい、トレーナー達は?」
「向こうで話し合ってます、それより…」
「違和感を感じてはいたんだがどうやって隠してたんだい?」
「骨とかの内部を筋肉で無理やりレントゲンとか取る方向にだけ異常がないようにしてたんだよ、簡単でしょ?」
「簡単とは?」
「ふぅん、なるほど、いや……それは無理があるのでは?まぁいい、言う気は無いということだろう?……それとは別になるけれどどうして隠してたんだい?」
「うーん…無理、だからかなぁ」
「「無理?」」
「明日世界が滅びるとする、意中の相手とうまぴょいするかい?」
「「は?」」
「うん、無理だろう?それと同じように私の体も限界点を超えつつあるんだ。走っていたらこれ以上を求めてしまう、そうなったら限界速度を超えた戦闘機よろしく走ってる間に自壊するのは目に見えるんだ、実際足はこの通りだし?」
そう言って目を向けたのは自分の足、なんかよう分からんけど危ない状態だったらしい
目を伏せる2人に更に言葉をなげかける
「あともし適切な処置を受けたとしても私が病み上がりとかだったら思いっきりなんの曇りもなく走ってくれなかったでしょ?このお人好しめ!」
「「………」」
「え?ちょっ、ナンカイッテヨークウキオモイヨー」
「無理して…」
「足壊して…」
「「言うに事欠いて空気重い!?誰のせいだと…」」
「スゥー……ほんとうに、申し訳ない」
「「謝って済むとでも?」」
「スマナイノー!?」
「「済むわけないじゃないですか…ハハッ」」
「ドウシテ…ドウシテ…」
「身から出た錆、ですよ、レーゲンさん」
「全く、君は私達が居なければ本当にダメだねぇ」
「む、聞き捨てならないぞ!私生活要介護狂科学者!」
「言ったなこの、天然ボケガサツお嬢様!」
「誰か天然ですか、誰が!」
「レーゲンさん、流石に天然については擁護できません」
「カフェ!?」
唐突な裏切りにダメージを受けつつも彼女が思ったのは……
「走り、たいなぁ…」
脈絡のない、それでいて純粋な欲求……しかし叶わない
「それは…」
「……」
圧倒的空気の重さ、きっと6天文単位ぐらいある………え?天文単位は重さじゃなくて距離?…気にするな!
ほ、ほら、でも……あれだよ、天文単位ってめっちゃ大きそうじゃろ?
「安静にしてこれ直るのかねぇ……まぁ、何度やり直しても同じ道を選ぶだろうし後悔はしてないんだけどね~、てか2人とも何か言ってよ、目開けたまま立って寝てるの?」
「いや、重いんですよ」
「失礼な!?54kgじゃい!」
「な、何かしら!?その疑いの目は…」
「……レーゲン、その…その胸で54はサバ読みすぎだと思うんだがね?」
「……」コクコク
「だいぶ酷いこと言ったね?本当だから、体重計持ってきい?乗るよって」
「立てないのに?」
「あ、せやった……HAHAHA」
「笑い事じゃないだろうに…」
「大丈夫、大丈夫!最悪学者になって探すから、治す方法、タキオンより速度が出て白衣着たらタキオンのアイデンティティ奪っちゃうかも?」
「………モルモットくんはあげないよ?」
「一番最初に心配するのそこなの!?あれぇ?予想外」
「2人とも今更ですけどあんまり騒がないでください、ここ病室ですし」
「あ、そうだったね、うん……いつ頃退院出来そうなの?明日?今日?」
「今日でも明日でもありません」
「えぇ!?なんでだい!?こんなに元気じゃないか!」
「見てくれよカフェ、元気そうだろ?昨日ほぼ逝きかけてるんだぜ?」
「ネタに走らないで下さい、あとタキオンさんは不謹慎な便乗やめてください……はぁ、昔は落ち着いたいい人だったのにどうして…」
「それもこれも全部スレ民が悪いんだゾ」
「マジかよスレ民最低だな」
「え?犯人わかってるんですか?リスト下さい」
「「待て、カフェ、待て!ハイライト戻して!?」」
病室で賑やかすぎてこの後病院スタッフに叱られた
「だから言ったじゃん!」
「いや、言ってたのはカフェだから、嘘を堂々と述べないでくれたまえ」
「おふたりのせいですよ」
「「いや、カフェがハイライト消すのが悪い」」
「え?いや、レーゲンがわr」
「はい、という事で今後なんだけどね?……丁度いいから私は引退するよ」
「「え?」」
「引退して……そーだなぁ、トレーナーさんが受け入れてくれるならトレーナーさんと歩んで行こうかな、まぁ……いつかまた、今度は子供にでも託すよ、それでカフェとタキオンの子に大差を付けて勝ってもらおうかなぁ」
「ほぅ?言うじゃないか!モルモットくんと私の子が負けるとでも?」
「うわぁ……自分の子が勝つと思ってますよこの人たち、私の子が勝つのに」
「へぇ、タキオンは相手が決まってるんだ、いいなぁ……」
「「え?レーゲン(さん)はトレーナー(さん)に惚れてると思ってたけど(んですけど)?」」
「え!?いや??!その……ほら、今回こんな馬鹿やっちゃったし別にその…資格があるのか怪しいっていうかその…」
「でも、モルモットくんが君のトレーナーから惚気話ばかり聞かせられるって愚痴ってたし」
「あ、それ、私のトレーナーさんも言ってました」
「は!?いや!?そ、そんな事してないよ!?」
「「それは無理がある…」」
「して、ないよね?……うん、うん?ない、はず…」
「レーゲン」
「現実を見るのも大事ですよ?」
「覚えがないですから!」
「なんか勝手に布団に入ってきたとか」
「寝惚けてたの!」
「部屋の掃除とかやってるとか」
「それはその……見てられなくて…」
「そう言えばラボも掃除してくれていたね」
「私の周りは片ずいてな……もしかしてまた、ラボ汚しました?」
「い、いや、そんな事は…」
「そう言えば先日大会の前の日当たりに薬品爆発させてませんでしたか?」
「ターキーオーンー?」
「カフェ!?こ、これには深い事情がだね?」
「…………また片付けかぁ、別に好きじゃないから散らかさないでよ…これは私の子が勝つのにも納得だわ」
「は?私の子が勝ちますが?」
「へぇ…?私の子が勝つに決まっているだr」
「そろそろいいk…失礼しました!」
入ってきたレーゲントレーナー、即座に退出☆
「あ、トレーナー、行っちゃった……ふむ?」
「何を慌てていたんだろうね?」
「おふたりとも、そういう所ですよ?」
「おや?分かるのかい?」
「それもお友達のおかげかい?」
「なんで分かんないんですか………鈍感と天然が手を組むと手が付けられませんね」
「ちょっとまてぇ!貴方が天然でしょうに!?」
「天然はカフェもだろ?」
「?????」
「何を言ってるか理解してない顔しても変わらんで!現実だから!」
「天然枠はレーゲンさんだけで事足りるのでは?」
「いや、私はクール枠だからね」
「「それは、ない」」
「?????」
「確かにファンの間ではそうかもしれない、でも関係者一同は首を傾げること請け合いだね」
「いや、それでもタキオンだろ?カフェだろ?両トレーナーに、うちのトレーナー、生徒会及び理事長には猫被ってるし……私含めても6名では?」
「君、もしかして擬態上手い?」
「あ、なら足の怪我なかったことにして走れませんか?」
「唐突な無茶振り!?」
「やってみせろよ、レーゲン!」
「っ!?なんとでもなるはずだ!」
「レーゲンさん!?」
鳴らない言葉をもう一d(殴)
「いや、常識的にそれ……いや、うーん?」
「走りたくないのかい?」
「…………出来るの?」
「いや」
「………無理じゃん」
「やるんだよ、他でもない君が!」
「ハハッ……冗談でしょ?こんな事になったのn」
「あの、レーゲンさん……えっと、この記事…」
カフェが差し出したのは春天の少し前、トウカイテイオーの故障と復帰の記事だった
「…………あんじゃん、実例」
「残念ながら奇跡、なんて謳われているけれどレーゲン、君に出来るかい?」
「………………希望をチラつかせるなんて…ほんと…もー、分かった、分かったよ、やるよ、やってみせるよ、今度は5バ身以上差をつけて圧勝してあげるから足洗って待ってて、引退はなしだ……って今更だけど私最近やらかしすぎ?」
「今度は私が勝つとも、モルモットくんにも負け続けてると思われるのは尺だからね」
「今度は私が勝ちます。足壊す様な人に負ける訳にはいかないので」
「何おう!?私のアドバイスなかったら多分故障してたくせに!」
「それとこれとは話が違います、わかってて壊す様な人に負ける訳にはいかないだけです」
「あの可愛かったカフェが言葉の暴力を!?……さてはあのトレーナーか!?血祭りよ!タキオン、手伝いなさいな!」
「いや、君の言動が移ったんじゃないかね?」
「私の言動が暴力的とでも!?」
「「え?割かし」」
「?????????」
「宇宙レーゲンやめてください」
「凄い顔してるよ、レーゲン…」
「………温厚な私もキレることはあるんですよ?知ってますか?身構えてるうちに死神は来ないんですよ…」
「なんでキレてるんですか…」
「恐らく暴力的じゃないと主張したいんだろう」
「うーん……無理では?」
「私は…淑女ですから暴力的な訳…」
「あるだろう、あれは確かこの前の日曜日……」
『動きなさい、動きなさい!………この手に限りますね、暴力は全てを解決します』
「って」
「その記憶、消そう、ね?それとも命の灯火を消すかい?」
「レーゲンさん!」(無言の腹パン)
「うっ!?……ガクッ」
「か、カフェ!?」
「一応怪我人なので気絶させた方が興奮すると不味いので」
「え?あ………そう言えば」
「忘れてたんですか!?」
「いや、高反発過ぎて…」
「実際レーゲンさん適当に煽ると大体凄い早さで載せられますからね」
「あー、あの『怖いんですか?』って単調な煽りだけで200%ぐらいのキレッキレ早口になってたのはさすがに驚いたよ」
「…………寝てれば美人なんですけどね」
「………レーゲンには壁が多いからね」
「いつになったら」
「カフェ…?」
「いつになったら私達は本当の意味で向き合えるんでしょうか…あの仮面を引き剥せるんでしょうか」
「………彼女のトレーナーさんに任せる他無いと私は思うけどね…彼女は…強すぎる」
「でも、だからといって……今回はたまたま運が良かっただけです、こんな無茶を続けるなら」
「うーん、一種の狂気だからね、彼女のアレは……まるで『勝つ事でしか存在できない』みたいに」
「………その価値観を壊す為にももう一度、もう一度勝って証明しないと、まぐれじゃなくて実力だって事、それで」
「本当にそれで変わると思うのかい?あのレーゲンドメインが、雨天の獣が」
「レーゲンさんのあの性格は…多分防衛本能の様なものです」
「……ん?どいう意味だい?」
「レーゲンさんが弱音を吐いているのを見た事ありますか?」
「いや、レーゲンは弱音なんて……もしかしてあるのかい?」
「…」コクリ
「………どうやら私は本当には理解してなかったのかもしれない」
「えっと……確か…有マの後…URAの間だったと思います、真夜中に寮を抜け出して行く影が見えたので追っかけたんです、塀すらひとっ飛びで月光に照らされた顔を見てレーゲンさんだって分かりました」
そしてカフェは語る、1人でトレセンを抜け出し大きな木下に行った事、そして木を登って行った事、暫くして弱音が聞こえてきた事
「その弱音の内容は?」
「全部に悩んでましたよ?自分の早とちりする所から始まり普段の振る舞い、足、レース、その他諸々」
「えぇー!?なんだいそれ!見たかった」
「深く考えすぎなんですよ、レーゲンさんは…」
「まぁレーゲンはそのうちに吹っ切れるだろうよ、少なくとも私は信じてるよ...それに―」
「それに?」
「――私達が信じてあげなくて誰が彼女を信じるんだい?」
「珍しく良いことを言いましたね...そうですね、待ちましょう、今はただ」
そこに居ない筈の彼女の言葉をふたりは確かに聞いた
『今だけは前を見てみましょうか...トレーナー、忙しくなりますよ、これまで以上に!』
所で途中からカフェさんからカフェに呼び方変わってるの気がついた人居る?
因みにレーゲンはとある事があってカフェに取り繕わなくなったという背景が、カフェはこの事故を境にレーゲン呼びとさん付けの間を行ったり来たりする様に
あ、これをもって無理矢理の完結とさせていただきます、いやー、話はあっちゃこっちゃいくし本来死ぬ予定を変えるために色々死に設定が出るし...まぁ、いいや!おわり!解散!また生きてたらどこかで!