ライスシャワーに魔の手が掛かる 作:耳と尻尾に釣られたドクター
いつも感想ありがとう。職場でニヤついて不審がられる日々が続いております
追記:デイリー13位、短編デイリー1位になったみたいです。(?????)
追記の追記:デイリー5位?????????
商店街の一角にある怪しい佇まいの店、その扉には珍しく「本日出張につき臨時休業」の文字が書かれた看板がかけられていた。
「…臨時休業、珍しいなぁ」
「お姉さま?」
「ん、そっか。ライスは知らないっけ。彼ね、変なプライドというか拘りがあって出張とかまずしないのよ」
かけられた看板を見て仕方ないと言った様子でその場を離れるライスシャワーとトレーナー。商店街を軽くぶらつきながら、トレーナーは店長のことをライスシャワーに教えていく。
「なんでも、あまり派手に目立ちたくないのと好みの関係で自分から来た人以外は手をかけないのよ。だからお店に電話はなくて、彼個人の番号で連絡するしかないし、私も他のトレーナーに紹介したりしないのよ」
「好み、ですか?」
「そうね。でも、こればっかりはプライバシーに関わる事だから教えられないわ。私の場合は高校からの付き合いだから知ってるんだけど」
トレーナーは死んでも言えないと思っている。何せあの店長である彼は「ウマ娘の耳と尻尾でテンションが爆上がりする」なんて、彼の尊厳を守るためにも言えない。
しかし、このトレーナーも店長ほどではないがウマ娘の耳と尻尾を見るとついつい触って撫でたくなる。それ故に知り合って仲良くなったのだが。
「しっかしまぁ、予想外すぎて手持ち無沙汰になっちゃったわね」
「そうですね…あっ」
「んー?どうしたのライス」
立ち止まったライスシャワーの目線の先のあったのは、ゲームセンターのクレーンゲーム。その中にある景品はトゥインクルシリーズに出ているウマ娘達のぬいぐるみであった。5個ほど見え、そのうちの1個がライスシャワーのぬいぐるみだった。
耳をぴょこぴょこと動かして、前に向けている。完璧に興味を持っている証拠であり、そんなライスシャワーの表情は普段のおどおどしたものではなく、輝かしい位に可愛い年齢相応のものだった。
無論、それを黙ってみているだけのトレーナーではない。ライスシャワーは欲しがっている。だが滅多にお願いや我儘をしないライスシャワーの事だ、見ているだけで取りに挑もうとはしないだろう。
ならばライスシャワーの専属トレーナーとしてするべきことは一つ。
「…そうね、時間もあるし、ちょっとクレーンゲームで遊んでから帰ろっか」
「…!はい!」
トレーナーはライスシャワーにはバリバリ甘いのだ。
▼▼▼
「うー…」
「おうおうおう。珍しいな、マックイーンが休みなのにスイーツを食べに行かないなんて」
「ちょっとばかり、気になってしまいまして、それどころではないのですわ」
「マックイーンがスイーツより気になる事……
ま、まさかマックイーンにも春がッ!?」
「違いますわよ!?」
唸るマックイーンを揶揄うゴルシ。いつもの光景ではあるが、マックイーンはそれどころではなかった。
あの日以降、何度か例のマッサージを受けているが毎度毎度記憶が曖昧なのだ。施術の前後ははっきりを覚えている。だが、肝心の施術中のことを覚えていないのだ。
なんというか、寝ぼけている時の様であり、なんとなく受けているのは覚えているが細かくは覚えていないのだ。
一緒に行っているライスシャワーは何故か顔を逸らして曖昧にしか教えてくれない。店長は「普通通りです」と例の強面の仏頂面で答えるのみ。マックイーンはますます不安になるのであった。
「なあなあ、そんな面白そうな場所に行ってみたいんだけど、今度連れてってくれよ!」
「…あなた、故障どころか怪我の一つも無しで余裕で走ってるじゃないですか。それで行っても、あまり意味はないと思いますが」
「百聞は一見にしかずぅー!ゴルシちゃんは興味があるものなら突撃してでも確かめるに決まってるんだなぁー!」
「そうでしたわね…」
呆れたマックイーンは諦めてゴルシと共に例の店へと赴く。だがしかし、そこには「臨時休業」の看板が掛かっていたのであった。
▼▼▼
「やあやあ。ご足労かけてもらって済まないね。忙しい身だから出歩くわけにはいかなくてね」
「忙しいと言うよりは出歩けない体なだけでしょう。自覚があるのならもう少し体を労って頂きたいものです」
「それは無理なお願いだよ。私は果てが見たいのだから、常に限界を追うのでね」
トレセン学園の保健室。そこのベットを一つ占領して待っていたのはアグネスタキオンであった。
慣れた様子で保健室に入り、カーテンで仕切られたベットへと近づいて声をかけたのは、いつも以上に厳つい顔をした店長である。
いつも通りのアグネスタキオンに対して、隠すこともなく大きなため息を吐く店長。少し見方を変えればトレーナーとウマ娘に見えるが、実際は店員と客である。
ちなみに、店長が来ている間は緊急時を除いて保健室への入室禁止となっている。これに関しては理事長も許可しているので誰も文句を言えないのであった。
だがしかし、事情を知っている者であれば入室禁止の理由もわかるであろう。
何せ店長はその手を持って既に何人ものウマ娘達を手籠にし、一度味わってしまえばそれ以外では満足できない体にしているのだ。
他人に聞かれてしまえば何を勘違いされるか分からない以上、あらかじめ人払いをしておくのが唯一の安全策である。
「はぁ…ではまずいつも通り脚の様子から確認するので横になってください」
店長の指示に大人しく従ってベットの上でうつ伏せになるタキオン。指示されるのが嫌いなタキオンではあるが、店長の手による施術の時は言うことをきっちり聞くのである。
店長は横になったことを確認し、タキオンの爆弾を抱えている左脚をゆっくりと触って確認していく。
最初は撫でる様に優しく全体を、それが終われば一番不安な部分とその周辺を指全部を使って少しずつ押して、押し込んで、ほんの少しの異常も逃さない様にじっくりと確かめていく。
「少しでも違和感や痛みがあれば言ってください。もう少し左脚の確認をしていくので」
「ふっ…うぅ…ンンッ…ああ、わかっている、さ…んっ」
店長の指がタキオンの左脚の脹脛(ふくらはぎ)を包み込む様に動き、そして絶妙な力加減で押し込まれる。
タキオンは何回か受けているとは言え、くすぐったい様な気持ちよさと温かさを持つ感触に慣れることはなく、時折足先をピクピクさせている。
「…大丈夫そうですね。ただ、やはり触ってみて危ないと思える部分とそうじゃない部分が曖昧になりつつあるので、全力疾走は大きなレース以外ではやめておいた方がいいでしょう」
「んっ…そうかい…」
「左脚はまあ、こんなところです。が…相変わらず無茶な姿勢で固まったままで居る事が多い様ですね。見るからに姿勢が乱れてます」
スッとタキオンの左脚から手を離し、子を叱る親の様に指摘する店長。わかっていてもちょっとだけ不機嫌になったタキオンは抗議の意も含めて尻尾で軽く店長を叩く。
「ええ、ええ。分かっていましたとも。今回はいつもより長めに間が空いたので悪化しているだろうとは思っていました、が!流石に不養生すぎますぞ!」
「余り大きな声を出さないでくれ。研究を投げるわけにもいかない以上、無理を押すのは当然の事だからね」
「それでうまく動けないなんて事態になったら元も子もないでしょう!ただでさえ爆弾抱えてるのですから、少しは気にして頂きたい!」
店長、余りの不養生タキオンに思わず説教をかます。
顔は厳つい上に見た目も怖いと避けられる店長ではあるが実際はそうでもなく、寧ろ人付き合いのいい方である。ましてや、目の前にいるのがウマ娘となればテンション爆上がりになる為、健康を思えば叫びたくなるのを説教で抑えているだけマシであった。
「こうなったら…私は今日こそ持てる実力を持ってあなたの体を万全にしてから帰ります。どれだけ抵抗しても抵抗できないくらいに揉み疲れさせて差し上げましょう…!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。流石に自力で動けないくらいに施術をされるのは私としても本意ではないのだが」
「いいえ、流石の私でもこれはダメです、譲りません。大丈夫です。理事長と会長の前で誓約書を書いているので邪な意思を持ってやる事は決してありません。安心して体を差し出してください」
「体を差し出すのはモルモット君だけで十分なのだが!?」
「今日のモルモットは貴方ですよ、アグネスタキオンさん…!」
「後生だ、待ってくれ…!今日はこの後モルモット君に新薬を飲ませて観測をする予定が──」
焦るタキオンの声が途中で切られる。問答無用で店長がタキオンの腰に手をかけ始めたのだ。
先程まで左脚を入念に揉まれ、既にスイッチが入り掛けだったタキオンの体は大人しく受け身の体勢になっていた。まさしく「口で抵抗していても体は正直」を体現している。
ぐにっと店長の指が腰の固まった筋肉を解そうと的確な場所を押し込む。半分奇襲に近い状態で始まった為に、タキオンは思わず声を漏らした。
「っあう…!んっ、うぁ…!」
「おやおやおや…いけませんねぇ…こんなに固くなっているじゃないですか」
「く、うぅ…卑怯、だなっ…あぅっ」
「卑怯、と言われるのは心外です。私はただ仕事をしているだけ、ですからね」
「なぁっ…!うぅうん…!」
ちょっとだけ悪ノリする店長ではあるが、その腕は確かであり、決して手を抜くことはない。
タキオンは逃げ出すことはおろか、抵抗もしないで時折足先をギュッと丸めたりしているだけであった。
店長の指は腰から背筋を這う様に登っていき、肩へとその指を伸ばしていく。ピンポイントで押す様な動きのほかに、絶妙な力加減でぐぐぐっと伸ばす様に動かすこともあり、タキオンはなすがままになるしかない。その口からは気持ちいことを思わせる溜息が漏れるばかりである。
「ふっ、んぁ…は、あぁう…んっ…」
「随分と溜め込んでるみたいで…いや、これは予想以上に酷いですね。もう少し放置してれば腰痛や目の疲れになってそうですね…」
ベットの上で力無くだらーんとしてるタキオンの顔は完全に蕩けている。いつものどこか怖い感じの目はその影を一切見せることなく顔と同じく蕩けている。
肩までしっかりと揉んだ店長も少しばかり休む。ウマ娘の筋肉は人と比べて密度も多く、それに伴って固さもある。それ故に揉むのにもそれなりの力と体力がいる。
ましてや、タキオンの様にストレッチも余りやらない不養生なウマ娘の筋肉となれば、必要な力と体力はさらに増える。一筋縄ではいかないのだ。
そして何より、これからが『本番』である。
「さて…軽く解すのは終わりました。ですので、これから本格的に『治して』いきますよ」
「…ふぇ?」
これで終わりと思っていたタキオン。しかし店長はこれからが本番だと言う。
今の時点でも既にキてると言うのに、これ以上一体何をしようと言うのか。
「今やったのは解すだけ。このままではまた固まるので、これから正しい位置に戻すんですよ」
タキオンはうつ伏せであったが故に店長の顔が見えていない。しかし本能的にわかった。今の店長はきっと、ニッコニコ笑顔であるのだろうと。
その日、トレセン学園に一つの聞きなれない声が少しの間だけ響いた。
▼▼▼▼
「いやはや、体がとても軽い。流石、レジェンド達が絶対に手に入れたい人材による施術だよ」
「タキオンさん、とても調子が良さそうですね」
トレセン学園のカフェテリアにて、ご機嫌なタキオンとタキオンに勉強を教わっているダイワスカーレットが話をしていた。
タキオンは側から見ても、とても調子が良いとわかる位にご機嫌であり髪と尻尾もそれを示すかの様に輝いている。普段のタキオンからすればありえない状態である。
それをみたダイワスカーレットはタキオンに何があったのかを聞いてみた。
「タキオンさんがそこまで褒めるくらいの人のお店って、どこにあるんですか?」
「おや、おやおやおや。気になるのかい?」
「そう、ですね。ちょっと肩とか凝りやすいので受けれるなら一回試しに、って思ったんですけど」
「ふぅむ…まぁ、君にならいいだろう。彼の店はね…」
匿名投稿してますが特に深い意味はないです。もし「トロ顔ファンアート描きました」って人がいればこちらに(Twitter
→@kagemototouka
DMでも普通にリプでもどうぞ。発狂してウマ娘を引きにいくと思います。
感想でタキオン寄越せって言った人!書いたぞおらぁん!タキオォンにしたぞぉ!
…実は喘ぎ声を削ったんです。年齢制限に引っ掛かりそうな気がして…