(追記)4/25大幅編集しました。
高等部の生徒会室とはおもえないほど豪勢なつくりの部屋の中央に鎮座するのは皇帝とも称される無敗の三冠ウマ娘シンボリルドルフ。彼女がただ机上のコーヒーを飲むその一挙一動からさえも気品が感じられる。煌びやかな部屋の雰囲気でさえも彼女を彩るアクセントにしか感じられない。まさに皇帝。スペシャルウィークはそんな彼女の風格に圧倒されていた。
ルドルフ「スペシャルウィーク、まだチームを決めてないのか?」
トレセン学園に入学する生徒の多くはチームに所属し、それぞれのチームのトレーナーの指導を受ける。また、チームに入ることでライバルを見つけ切磋琢磨し己を磨くことができる。
スぺ「はい、テスト負けちゃいましたから」
まるで面接を受けているかのような緊張感で受け答えるスペ。
ルドルフ「そうか、なら面白いチームがあるんだが興味ないか?」
ルドルフがそう問いかける。先程の威厳のある姿が心做しか和らいだように感じた。
スぺ「面白いチームですか」
ルドルフ「ああ、スピカと言ってな、癖のあるチームだがいいチームだ。それにいい腕のトレーナーもいる」
テイオー「ええ⁉転入生スピカに入るの?」
ルドルフの背後から突然どことなくルドルフに似た可愛らしいウマ娘がひょこっと顔をだした。
ルドルフ「それはスペシャルウィーク次第だ。ちょうどよかった。テイオー、スペシャルウィークの案内をしてやってくれ。スペシャルウィークこちらはトウカイテイオーだ」
テイオー「よーし、会長の頼まれ事なら!転入生、いくよ!」
そう意気込んで生徒会室から出ていくテイオー。スぺもそれに続こうとする。
ルドルフ「待て、スペシャルウィーク、君はこの意味が分かるか?本校が掲げるスクールモットーだ。」
Eclipse first,the rest nowhere
スぺ「え、えくりぷ、、あのすみません。分からないです」
ルドルフ「まあいい、行ってこい」
スぺ「は、はい。あの会長さん」
ルドルフ「なんだ」
スぺ「これからよろしくお願いします」
ルドルフ(唯一抜きんでて、並ぶものなし。この言葉の意味を彼女が知る時が来るのだろうか。あの人ならきっと彼女を導けるだろう)
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テイオー「そうだ、転入生は三冠ウマ娘狙ってるのー?」
スぺ「ええっと、具体的なレースとかはあんまり」
テイオー「目標もないの?」
スぺ「・・・」
テイオー「ねぇねぇ、会長どう思った?」
スぺ「シンボリルドルフさんですか?」
テイオー「会長は走るのも速くて超かっこいいんだ。ホント最高だよね!」
スぺ「テイオーさんは会長さんが大好きなんですね」
テイオー「うん!僕ね、会長みたいになりたいんだ。皇帝って呼ばれてる会長みたいに・・・それが僕の夢、目標なんだ」
自分の夢を語るテイオーの瞳は淀みのないまっすぐな瞳だった。自分の憧れに向かって突き進む。そんな姿がスペには少し眩しく感じた。
テイオー「まあでも、まさか会長が転入生にいきなりスピカを勧めるとはね」
スぺ「そうだ、気になってたんですけどそのスピカってチームってどんなチームなんですか?」
テイオー「変わったチームだって話だよ。実のところ僕もあんまり知らないんだよね。あはは・・・」
スぺ「へぇ・・・」
テイオー「で、でも噂じゃトレーナーがかなり変わった人で何人も脱退者が出てるらしいよ!」
スぺ「それはあんまり聞きたくない情報だったなぁ」
テイオー「ご、ごめん・・・」
スぺ「でも、会長さんからのアドバイスだし、見学だけでも行ってみます。ありがとうございます、テイオーさん」
テイオー「どういたしまして。早くチーム決まるといいね!」
スぺ「はい!」
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スぺ「確かここら辺にスピカの部室が。ん?」
柔らかい感触の何かにぶつかるスぺ。顔を上げると目の前に怪しげなサングラスの三人組がいることに気づいた。不穏な空気が漂う。
???「スカーレット、ウオッカやっておしまい!」
スぺ「あの、名前言ったら変装の意味ないですよって、うわぁぁ!」
杜撰な作戦だが妙に手際よく、ずた袋に詰め込まれ、担ぎ上げられた。
???「「「えっほ、えっほ、えっほ」」」
スぺ「な、なにこの状況。そういえばお母ちゃんが言ってた、都会は危険がいっぱいだってこんなことならもっと人参食べとけばよかったー!」
東京へ来る前母親に言われたことを走馬灯のように思い出す。転校初日に拉致事件に巻き込まれるとは某幻想殺しもびっくりの不幸っぷりだ。
???「ほら、連れてきたぞ」
八幡はグラサン三人組に制裁チョップを軽くかます。
???「いてっ」
???「いたっ」
???「アウチ!」
八幡「誰がずた袋で連れて来いっつたよ。完璧に拉致じゃねぇか」
そもそもずた袋常備してるJKって何?流行ってんのずた袋。今春のトレンドはずた袋なの?ずた袋で周りと差をつけちゃうの?せめてゴルシだけでも部室に残すべきだったと少し後悔したがあとの祭りだ。
ウオッカ「いってぇな!連れて来いって言ったのはトレーナーだろ!」
スカーレット「そうよ!連れて来いって言ったのはトレーナーなんだからケチつけないでよね!」
八幡「人をずた袋にぶち込んで連れてくるってどこの国の文化だよ。治安悪すぎだろ、世紀末か。ただ案内してくるだけでよかったんだよ。普通そうするだろ」
こいつらも大概だった。朱に交わる前に真っ赤だった。
ゴルシ「それじゃつまんねぇだろ!」
八幡「ずた袋にエンターテイメント性なんかねぇよ、あほか」
スぺ「あのぉ」
スカーレット「ちょっと、新メンバーが置いてけぼりになってるわよ」
スぺ「こ、ここってスピカの部室であってますか?」(うわぁ、思ってたよりも怖いチームだよぉ)
ゴルシ「そうだぞ、新メンバー」
八幡「まだ決まってねぇよ。生徒会長から言われて来たんだろ」
スぺ「はい」
八幡「あいつの勧めだからって無理に入ることないぞ。つーかなんであいつが勝手に俺のチームの勧誘してんだよ」
チームスピカは所属メンバー3人うち2人はデビューも迎えてないひよっこチームだ。チームとして出発地点に立ったばかりのチームに転入生を紹介するのは理にはかなっているが別の何かを感じる。あいつの考えることは時々分からない。
スぺ「会長さんとお知り合いなんですか?」
八幡「お知り合いというかなんというか。関係性を正しく説明できないってのが本音だな」
スぺ「はぁ」
ウオッカ「会長ってあの無敗の三冠ウマ娘の?」
スカーレット「あんたにそんな社交性が備わってたのね」
八幡「何だよ、小中高大ありとあらゆるグループ活動で俺の押し付けあいが始まる程度には人気だったんだぞ。俺、超社交的。」
あれ、楽しい楽しい学生時代の思い出なのになんか涙が。
スカーレット「押し付け合いって・・・」
スぺ「あはは・・・」(テイオーさんが言ってたように変わった人だな)
スぺ「ああ!スズカさん、どどど、どうしてここに!」
視線を横にやると昨日の府中競馬場でのレースでスぺを虜にしたサイレンススズカが立っていた。スぺは憧れのウマ娘との突然の対面に取り乱す。
ゴルシ「スズカは今日付けでリギルからうちに移籍したんだよな」
スズカ「ええ、まぁ」
スぺ「うぇー!どうしてですか!」
スカーレット「あのチームはスズカさんの走りが分かってないのよ」
スぺ「でもリギルって学園内最強なんじゃ」
八幡「チームが強いのと指導の善し悪しは全く別もんだ」
ゴルシ「いうねぇ、トレーナー」
八幡「別にリギルのトレーナーの指導が下手ってわけじゃねえよ。あのチームは徹底徹尾練習が管理されたまるで軍隊みてぇなチームだ。隙を許さず、甘えを許さず、ただ頂点を目指す、間違いなく学園最強の名にふさわしいチームだ。トレーナーの腕も学園内でも指折りだしな」
ウオッカ「やけに詳しいなトレーナー」
スぺ「なら」
八幡「でも、俺は好きじゃない。一から十までみっちり管理してトレーナーが指導するってのは理想的だ。だが、レース中は一人だ。トレーナーの言いなりのマリオネットじゃ限界がある。自分で考えて、自分でどうにかするのが一番だ。俺は飢えた人間に魚を与えるんじゃなくて、魚の取り方を教える、あくまで手助けするだけだ」
スペはルドルフから言われた言葉を思い出す。
ルドルフ((スピカと言ってな、癖のあるチームだがいいチームだ。それにいい腕のトレーナーもいる))
スぺ(腕のいいトレーナー・・・)
ウオッカ「とか言ってほんとは練習メニュー考えるのがめんどくさいだけだろ!」
ゴルシ、スカーレット「そうだ(よ)、そうだ(よ)」
スカーレット「そうよ、毎回、毎回自分で考えろって」
八幡「言ったろ、俺は放任主義なんだよ」
ウオッカ「練習ボーッと眺めてるだけと思ったら突然変な練習させられるしよ!」
八幡「毎回理由は説明してるだろうが」
スカーレット「でもなんなのよ。前だって突然穴掘りさせられるし!」
八幡「前も言ったろ、あれは全身の筋肉を手っ取り早く鍛える方法だ」
どうやらこいつらは俺の練習が不満らしい。の割には毎度文句垂れながらではあるが言われたことをきちんとこなしてくれる。揃いも揃ってツンデレかよ。
スぺ「私、このチームに入りたいです!」
ウオッカ「ええ、今の会話で入りたい要素あった⁉」
スぺ「トレーナーさんお願いします!」
八幡「俺のモットーは来るもの拒まず、去る者追わずだ」
スぺ「それって」
ゴルシ「素直に歓迎するくらい言えよ、トレーナー」
スカーレット「やったわね、新メンバーよ」
ウオッカ「ああ」
スぺ「スズカさんこれからよろしくお願いします」
スズカ「ええ」
スぺ「皆さんもこれからよろしくお願いします!」
ウオッカ、スカーレット、ゴルシ「よろしく(な)!」
八幡「早速だがスペシャルウィーク来週デビュー戦な」
スぺ「ええええっ!」
情景描写とか心情描写とかうまく書きたい