遊戯王GX 語り継がれぬ物語 デュエルアカデミアのもう1人の英雄 作:桐山唯
「俺の負け…か。もうお前を止めはしない。だが、降り掛かる災いに注意するのだな。このカードを渡しておく。」
「これは…」
渡されたのは4枚の白紙のカード。
「これは俺らはストライドフォースと呼んでいるが奇跡を呼ぶ力を集める事で真の姿を現すカード。その力はきっとお前の助けになるだろう。」
「奇跡を呼ぶ力…そんなのどうやって集めれば…」
「普通にデュエルしていれば必要な力は自ずと溜まるだろう。普通のデュエリストでも可能だがお前や十代の奇跡的なドロー力があれば特にな。後、これを持って行くと良い。」
渡されたのはペンダントであった。
「これから迫るダークネスからの危機に立ち向かうのに役立つだろう。」
「ダークネスって、吹雪さんに取り付いていたって言うアイツ…?だけど、それなら十代さんが…」
「天上院吹雪以外にももう1人犠牲者が居たのだ。アカデミアの双璧と呼ばれた二人と並ぶとされる3人目がな。」
「その人がダークネスに…」
ドン!
大きな爆発音が起こる。
「どうやらあちらも終わったようだな。」
「十代、無事なの?!」
「あ、ああ…何とかな…。すまないヨハン!」
「何故謝ったりするんだい?俺はお前に助けられた。それでいいじゃないか。」
「みんなの上に起こった災いは……全てアイツが引き起こしたもの……しかし、その原因を作ったのは……クロノス先生、後は頼みます。」
「シニョール十代、どうするつもりなのーネ?」
クロノスにヨハンを預け、十代はユベルの方を向く。
「もう仲間達を巻き込むのは止めてくれ!これはお前と俺との問題だ!」
「ほう、覇王の君が言うか?」
「覇王は死んだ!俺の中にはもう覇王はいない!」
「さて、気分を変えて最終決戦に相応しいフィールドで再試合といこうか?」
と、ユベルはいきなり上昇して上の雲の中に消えて行く。
「行くしかないよね。」
「うっ。」
「ヨハン!」
「すまない、本当なら俺も行くべきだろうが…せめて俺のカードだけでも…」
「待ってくれ十代。お前、まさか……」
「ああ、止めても無駄さ。」
「出来れば一緒に決闘いたいが、今の俺の状態じゃ…せめて俺のデッキを一緒に連れて行ってくれ、十代。」
「解った。このデッキと共に戦うよ。」
ユベルを追おうとする十代に、ヨハンは自分のデッキをお守りとして渡す。
「十代が何と言おうと私も付いて行く。」
「唯、お前…はぁ…。分かったぜ…。」
「シニョール十代ーいに、シニョリーナ唯、ここは敵のフィールード。どんなデンジャラスなトラップが待ち受けているーか、解らないノーネ。」
「大丈夫です、クロノス先生。」
「何が待ち受けていようと突っ切ります。」
十代が右腕の親指を上に掲げると、それが合図となって私達はファイナルデュエルステージへと招待されていきました。
雲の中は一杯の等身大シャボン玉で溢れかえっていました。
「これは……オサム兄さん!!」
十代がシャボン玉包まれたと思ったら、小さい頃の十代とデュエルしている男性映りました。
そしてシャボン玉は破裂して消えました。
どうやら、シャボン玉は回想機械のよう。
「理解ったかい十代?僕はいつも君の為に生きてきた。君を泣かせる奴らを君の周りから排除してやっていたんだ。」
「ユベル!そうやってお前は俺の周りにいた友達を苦しめた!友達に気味が悪がれ、
誰もデュエルしてくれなくなった!」
「君には僕と言う親友が在った。僕だけを見ていれば良かったんだよ。僕は僕のもの、君も僕のもの。」
「ユベル、どうしてそんなに…」
そして、再び回想が始まります。
小さい十代とスペースシャトルが映る。
「十代、僕はこんなに君が大好きなのに、君はそんな僕を宇宙に…」
「違う!宇宙の正しい波動を取り込ませる事で、お前の歪んだ精神をカウンセリングしようとしたんだ!!」
「宇宙には波動が満ち溢れていた。」
「俺のデザインしたカードは、ネオスペーシアンの放つ正義の闇の波動を受けて、新たな力をゲットした。」
「ああ、そうだったね。僕のカプセルには、もっと力強く、禍々しい光の波動が降り注いだ。そして僕に力をくれたんだ。」
ネオスペーシアンとは真逆…破滅の光がユベルを…
「光の波動……!?正しき闇と対峙する、この宇宙を破壊し尽くす意思!!!ユベル!!お前にもその影響が!!?」
「僕は毎日毎日君に呼びかけて慟哭いていた。でも!いつからか君からの反応はなくなったんだ!!!」
再び、回想。
ユベルの悶え苦しむ夢を見て、小さい十代は眼を覚ます所。
「あの頃は……ユベル、毎晩お前の夢を見てウンウン魘されていた。心配した両親は俺の記憶の一部を眠らせたんだ。」
「君が僕の事をこってり忘れんぼしている頃、僕は地獄の苦しみを味わっていたよ。
ユベルのカプセルは地球に落下し、
大気圏との摩擦で燃えてしまっています。
「その時気付いたんだ。これが十代の愛の形なんだって。十代は僕が好きだから僕を痛めつけ、苦しませているんだって。ホラホラ、僕が苦しんでいる間、君の事を忘れる事なんて片時も無いからねぇ。」
「どうしてそう歪んで…」
「君のかけた謎が解けた時、僕は嬉しかったよ。だから決めたのさ。12の次元に分かれて存在している全ての宇宙を、僕の十代に対する愛で満たそうとね。そしたらきっと、君も僕の愛に気付いてくれるだろう……。だから君と関わる全ての人間を、世界を……苦痛みと悲哀みで満たそうとしたんだ。その考えは間違っていなかったよ。
だってさ、君は現に僕の前にいるんじゃあないか。だけど、誤算は唯、君だよ。まさか、ここまでしぶといとはね。」
話をしていると入り口らしき物が見えて来た。
恐らくこの先がラストステージ。
side翔
「クロノス先生、これ、お願いします。」
と、翔はクロノスにアモンのディスクを手渡し、暗闇の雲に向かう。
「シニョール翔?そっちに行っちゃデンジャラスなノーネ!!」
「翔のアニキー!!」
「十代の戦いを最期まで見届けるって。」
「アニキー、オイラも一緒にギャラリーになる~!!」
翔とおジャマ・イエローはギャラリーとしてファイナルステージに招待されました。
「シニョール翔~!!超大変なノーネ!!すぐに連れ戻さない~と!」
しかし、ヨハンはクロノスに待ったをかけました。
「行かせてやって下さい、クロノス先生。」
「パッペロケ(?)」
「俺達がこの世界に足を踏み入れたのは、偶然じゃない気がする。」
「何の意味が有るノーネ?」
「今は解らないけど……いつかわかるときが来る……。その時誰かが……ここで起こった事を伝えなくてはならない。」
「それが、シニョール翔の天命だというノーネ。そうなノーネ……神は如何なる人にも、大事な役割をお与えになるノーネ。シニョール翔に、幸運~を。」
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「何か気味が悪いわ~。何かしら!!?何かシャボン玉が沢山振ってくるわ~!!あれま、万丈目のアニキ!!」
オジャマイエローがそんな事を言っているとシャボン玉に包まれた翔の眼に万丈目の顔が映る。
「……万丈目さんだ!!……翔!!聞こえるか!翔!!?」
「オバケー!!オバケよー!!!!」
side:十代&唯
入り口を抜けたそこは雲の床の上だった。
「怖いなあ。どうしてそんな怖い顔をするの?」
「俺の仕打ちが憎かったのなら、俺にだけ復讐君すれば良かったんだ!!!」
「憎い?復讐?人聞きが悪いなあ。何を言っているんだい。言っただろ、全ては十代に喜んでもらえると思って、努力してきたんだよ。」
「ハァ?俺が喜ぶ!!?仲間達が傷付き、苦しみ、斃れ、犠牲になっていっているのに!!!!」
「だってさぁ、それが愛じゃないか。君を苦しめて、愛の深さを伝えたかったのさ。」
「ユベル!お前にはもう何を言っても無駄なのか!!?」
ここがラストステージ…
「さぁ、全てを終わらすデュエルを始めよう。」
「「「デュエル!」」」
ユベルライフ:16000
十代ライフ:8000
唯ライフ:8000