遊戯王GX 語り継がれぬ物語 デュエルアカデミアのもう1人の英雄 作:桐山唯
唯達の罪、その刑罰とは…
第69話 血の牢獄
「ここは…」
光に包まれ、その光が収まった後…
私の回りを囲んでいたのは黒くて冷たい鉄格子だった。
その鉄格子は所々赤く染まっていた。
「マスター?」
その声の主は私が居る鉄格子と同じ鉄格子に居た。
「アシュレイ、どうして?」
「それはこちらの台詞です。マスター。ここは、罪人を裁く血の牢獄。ブラッドプリズン。」
「ブラッド…プリズン…?だけど、アシュレイはそんな事をするような…」
「いえ、コブラ戦の中、マスターに施した剣の術。それこそが禁忌なのです。その効果はすばらしい物ですが、対象者は副作用として悪影響を及ぼします。強靭な精霊でさえ、かなりの重症になるケースも見られます。人間に使った場合どのような事が起こるかも予測が不可能なのです。」
アシュレイは私のためにこんな場所に…
「マスターは悪くはありません。マスターを失う位なら自らを犠牲にします。」
「そんな…私もアシュレイを失いたくないよ。」
「ここでは、神判の儀と言う物があるそうなのです。内容は分かりませんがそれが成功すれば…」
「助かる可能性があるのね?」
「ええ。」
ブラッドプリズン。血の牢獄を覆う闇を掻き消す様に光り輝くそれが上がって来る。
それはタロットカード20番。正位置では「復活、結果」。逆位置では「行き詰まり、悪い知らせ」を指すカード。
「審判」。カード名を性格に言うのであれば《魔導書の「神判」》
「噂によるとこの牢獄の中の数ある檻の中に正しき者のみの檻があるのならそれを見つけ出し、その者を釈放の間へと移されるのだとか。」
「もしかしたらこれで…」
「恐らく…ですが、釈放の間と呼ばれる場所に行った者はこちらへ帰って来る事はありません。なのでその先でどうなるかは誰も知りえないのです。」
「そうなのか。」
でも、ここに少しでも可能性があるのなら諦めない。
神判から放たれた光はやがて1つの檻に収束される。
それが光照らすのは…
「第1段階ね。」
「ええ、マスター。」
私達の檻は高く上昇を始める。神判も同じく上に進んだのだが、あちらの方がかなり早く、気が付けば視界から消えていた。
途中、似た様な鉄檻が同じ方向に飛んでいる事に気付いた。
鉄檻には全てプレートがあり、そのプレートに書かれていた物は《色欲》《暴食》《傲慢》《怠惰》《憤怒》《嫉妬》《強欲》
「これって…」
「人を罪に導くと言う7つの感情…七つの大罪と呼ばれる。」
「もしかして、神判の儀って…」
「あれらとのデュエルでしょうかね。」
私達の檻を含む8つの檻がやって来たのは大きな円形のステージであった。
そのステージに現れた1つのホログラム。
それは禁止カードの1つ、処刑人マキュラであった。
「罪人、アシュレイ。並びにそのマスター、桐山唯。貴様等は神判に選ばれた。ここにいる7体の悪魔と貴様等の計8人によるデュエルの総当たり戦。これで貴様等が他の悪魔を退け1位になれば貴様は我ともう1人の処刑人とのデュエルを許可する。そして我等2人にも勝つなら神判の間へ入る事を許可しよう。そこで、起こる神判の儀により貴様等がここから出れるかが決定する。」
「つまり、神判の儀まで9人とデュエルをし、その全てに勝てば良いのね。」
「話の分かる娘だ。期待している。」
そう告げるとマキュラのホログラムは消える。