遊戯王GX 語り継がれぬ物語 デュエルアカデミアのもう1人の英雄 作:桐山唯
第80話 暗躍する影、帰還への道標
とある図書館。フードの少年は先の激戦を何も無かったかのような表情で歩く。
「流石に禁止カードを使うデッキは多少辛いね。そう思うだろ?ユベル。」
「でも君はそれでも勝てたんだろう?」
「ああ。そして、君の一番のお気に入りに付く虫だが…彼女、相当のやり手だね。まさかあの牢獄を脱出するとは。」
そう、彼女もまたハイロンに勝利しているのだ。
「で、その虫はどうしたんだい?」
「残念だが、逃げられたよ。だが…転移先は…ここ『デュエルアカデミア』だから大丈夫だよ。」
「ふぅん。」
扉が開く音が聞こえる。
「どうやら客人のようだ。」
時は戻り唯がこの世界に転送された時に戻る。
私はベッドの上に居た。
「ここは…」
「唯、気付いたか。」
「貴方は…ヨハン?」
ベッドの脇には青い髪の少年が居た。
そう、留学生のヨハンだ。
「唯、お前が倒れたあの時俺達は別次元に飛ばされたみたいなんだ。」
「やはりあの光は私達だけでなく皆まで…」
「俺達は何とか対策を探そうとするが、当てもあるはずが無く八方塞りの状態だ。そんな時にレイが何者かに襲われた。」
そして、ヨハンは私の隣のベッドを指す。
そこには苦しそうなレイちゃんが居た。
「そんな…」
「この世界の砂に潜水艦が埋もれていたのを三沢が見付けていてな。そこに薬があるかを探しに行って戻って来たらこのアカデミアの大半の生徒がゾンビ化していた。」
「ゾンビ…?」
ゾンビと言うと生ける死体である。
そんな存在に生徒達が変えられてしまったのか…
「今の所、無事と確認されているのは俺に十代、ジム、オブライエン、アモン、剣山、翔、明日香、ナポレオン教頭、クロノス教諭と数十人の生徒だけだ…」
「まさか…」
「そうだ、鮎川先生も…事態は一刻を争う。そのために俺達は生徒達…デュエルゾンビ達を強行突破してここにたどり着いた。今、十代は鮎川先生と戦っている。」
そんな…皆この世界に…
「《ワイルドジャギーマン》で鮎川先生にダイレクトアタック。インフィニティ・エッジスライサー!」
鮎川先生ライフ1800→0
「勝負が付いたようだ。俺はレイを担ぐ。唯は…」
「私は大丈夫。ここを早急に去りましょう。」
「ええ。」
こうして私達は保健室を強行突破、そして購買部へただひたすらに突き抜けて行った。
「さて、状況だが…」
「元の世界に帰れる手段は見付かっておらず、デュエルゾンビへの対処も厳しい…」
「どうするか…」
「1つ、可能性がある。」
そうだよな…可能性があるよな…
ん?
「今、可能性があるって…三沢君、心当たりが?」
「ああ。もしかしたら発電所を使えば元の世界と通話出来るかも知れない。」
「となると、一番の目的は発電所の制圧…。」
これが唯一の可能性…