黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り 作:雅媛
「うほほーい!」
ゴールドシップはテンションマックスだった。
ゴールドシップは天才だ。
だから、全体的に他人を見下す傾向がある。しかし、自分がすごいと思った相手には敬意と好感度が振り切れる。好き好き大好き暴走船になってしまう。座礁しても突っ走る、はた迷惑な黄金船と化す。
もちろんそんな相手は多くはない。その少ない一人に、アグネスタキオンがいた、というだけである。
ゴールドシップが知る未来では、ノーベル医学賞確実といわれたアグネスタキオンは、しかしその生涯は恵まれていなかった。
海外を放浪し、何度も迫害されながらも、その研究に生涯を費やした。
誰も恨まず、誰も憎まず、ただただウマ娘のために研究するその姿は、徐々に人々を惹きつけ、最後には偉大な成果を残した。
しかし、その放浪の時の無理がたたり、アグネスタキオンは早くして亡くなってしまう。
その遺言は「私はまだ、限界の先に、ウマ娘達の可能性の果てにたどり着けていない」だったという。
その姿を想像し、ゴールドシップは素直にすごいと思ったものである。
今回の逆行で、彼女のことは全く考慮に入れていなかった。
時代的には彼女の学生時代と大体あっているが、出会う事なんてないと思っていたからだ。
しかし、出会ってしまった。これは運命である。きっと運命の出会いである。
運命の出会いじゃないというならば、三女神の首根っこつかんでパイルドライバーかましてでも運命の出会いにしてやる。
ゴールドシップは誓った。運命を捻じ曲げてやると。
アグネスタキオンのサインを制服のど真ん中にでかでかと書いてもらって、ゴールドシップのテンションは壊れた。
邪神でも召喚しそうな怪しい踊りをしている。
その光景を、マンハッタンカフェとアグネスタキオンは、ただ見つめていた。
「それで、キミは何といったかい?」
「ゴールドシップです! アグネスタキオン博士!」
「私は博士ではないのだがなぁ…… で、用事はこれで全部かい?」
「いえ、博士を退学にしようとする勢力の殲滅を図りたいと思います! ひとまず生徒会長と理事長と理事会の主要メンバーはケツから手を突っ込んで奥歯がたがた言わせてやりますよ!」
「物騒すぎる!?」
どこからかとりだした釘バットとシルクハットを振り回すゴールドシップに、マンハッタンカフェが叫ぶ。
アグネスタキオンは苦笑しながら、ゴールドシップを諫める。
「出会ったばかりのキミがそこまでする必要もないよ。無駄な時間を使いたくないだけなんだから。海外でも研究はできるし」
「博士の時間はウマ娘にとって、いや、人類にとって、いや、宇宙全体にとって最も貴重なんですよ!? 海外で新しく拠点を構える手間なんて取らせません!」
「いや、だから……」
「大丈夫です。証拠は残しません」
そういう問題ではないのだが…… ゴールドシップを見る二人は思った。
ゴールドシップの殺る気は十分だった。
ゴールドシップにとって、アグネスタキオンは絶対だ。
彼女を助けるためなら、トレセン学園を更地にしてもおつりがくると思っている。
ふんす、ふんすと鼻息荒くイレ込んでいるゴールドシップを見て、アグネスタキオンも困惑していた。
嫌われるのは慣れている。
嫌がられるのも慣れている。
その原因が自分にあることもわかっているから、相手が悪いと思っていない。
あまり興味がないから、ただ聞き流すだけである。
だが、こうやって好意全開で来られると非常に居心地が悪いのだ。
そう、あの子と一緒にいるときのように……
「タキオン先輩!!」
大騒ぎしているところを訪れたのは、チームスピカのメンバーになったダイワスカーレットだった。
惨劇の世界線のタキオンは、アプリ版でのトレーナーに出会えずそのまま退学しています。
JRAとかがつける異名とか二つ名はどれもかっこいいのですが、タキオンが音速の貴公子なのでしょうね。
タキオンなんだから超光速だろ!?(タキオン粒子は質量虚数で超光速で動くと考えられている粒子)音速って遅すぎない!?
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今後スピカに加わってもらいたいメンバーは?(補足は活動報告へ)
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蹴りたいトセジョさん&きれいなシチーさん
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不屈の帝王 トーカイテイオー
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不撓の王・高貴な雑草魂 キングヘイロー
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うーららーん! ハルウララ
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朝はパン派 ライスシャワー
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イマジナリフレンドならアドマイアベガ
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ウマ娘最小ニシノフラワー
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やっぱりメジロマックイーン
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メジロはメジロでもライアン
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私服のセンスが光るメジロドーベル
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パーマーのこと忘れてない?トレーナー?
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その他ー活動報告へ