黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り   作:雅媛

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未来編をちょこっと書いてみました。続くかは未定です。


第三部 未来でのゴールドシップ 第一章 黄金船の入学
黄金船の入学


ゴールドシップの入学は、トレセン学園内でもそれなりに話題であった。

なんせ、あの、ドリームジャーニーの妹であったからだ。

 

学園一の暴れん坊ドリームジャーニーは、学園内では知らないものはいなかった。

盗んだゴルシちゃん号で走りだす(ゴルシちゃん号はゴルシちゃんのものだがドリジャのアネキに学園入学時に持っていかれてそのまま返してもらえていない)のは序の口で、授業から逃亡するのは日常茶飯事、寮の門限を破るし、ついでにトレーナーさんの寮の部屋の扉も物理的に破っていた。

 

そのたびに、祖母であるイクノディクタス教官が謝罪し、親であるリョテイママも謝罪し、しかし本人は謝罪しないのだから大変だったろうと思う。

それでもまだ、最近は少しは大人しくなった[要出典]らしい。

多分去年、オルフェーヴルのアネキが入学したからだろう。

反社会的ウマ娘のドリジャのアネキだが、妹には比較的甘く、いいお姉ちゃんぶるのだ。

オルフェのアネキもゴルシちゃんも、ドリジャのアネキのことはよく理解しているので頑張って猫をかぶっているのはわかっている。だから、生暖かく見守るだけであった。

 

何にしろ、ゴルシちゃんが入学し、無事新入生代表挨拶も済ませて体育館から出てきたところを、このシスコンアネキ二人は待ち構えていた。

 

「ゴールドシップ! このお姉さまが学園を案内してやるぜ!!」

「……」

 

胸を張るドリジャのアネキ。いつも以上に小さく見えるし、現にとても小さいのだ。

なんせ現在身長132cmしかない。

アネキは日本最低身長G1勝利の記録すら持っている。アネキが4年前に勝利した朝日杯フューチュリティステークスの時は129.9cmしかなかったのだ。それから頑張って牛乳などを飲んでいたようだが、結局これだけの身長にしかなっていない。

170cmあるゴールドシップと比べればその身長差は一目瞭然である。飛びついてこられると、アネキの顔はちょうどゴールドシップのみぞおちあたりに来る。それくらいの身長差があった。

 

見た目だけ見ると非常にかわいらしいのがドリジャのアネキである。

鹿毛というありきたりの髪色だが、外見は小柄な美幼女であり、いつも背負っているウサギさんぬいぐるみリュック『イケゾエ』が非常に似合っている。

だが、彼女の持つ威圧感と業のせいで、周りから思いっきり避けられている。

体育館前の出口近くにもかかわらず、半径5mを避けて、皆歩いていた。新入生からすら、やべー奴と認識されている証拠であった。

 

だが、そんなことを気にしないのがドリジャのアネキである。

気性難を示す真っ赤で大きなリボンのついた尻尾を嬉しそうに振っていた。

 

隣でマスクをして、睨むようにゴールドシップを見上げている栗毛のウマ娘はオルフェのアネキだ。

オルフェのアネキはやはり小さい部類に入るウマ娘であり、ドリジャのアネキほどではないが、身長140cm台しかない。

常にマスクをしており、睨んでいるような表情を常にしているため、怖い人と認識されがちである。

だが、その内実は照れ屋さんであり、マスクを外すと恥ずかしくて暴走してしまう乙女なのである。まあ、暴走すると恥ずかしがって動けなくなる、とかではなく、どこぞの人型決戦兵器のように大暴れするのが問題なのだが……

今も、はたから見るとゴールドシップを睨んでいるだけに見えるが、単に妹に逢えてうれしいだけだろう。

やはり気性難を示す真っ赤で大きなリボンのついた尻尾を嬉しそうに振っていた。

 

新入生代表のあいさつをした、なんかでかいウマ娘ゴールドシップ

問題児で有名なウマ娘ドリームジャーニー

問題児でまだ有名ではないが、マスクをして目つきが怖いウマ娘オルフェーヴル

これだけそろえば周りは確かに近寄りたくないだろう。

現に徐々に立ち入られない範囲が広がっている気がする。

入学式後の入り口付近なのにすごい邪魔だろう。

これは早めにどいた方がよさそうだ。

 

「はぁ、ドリームジャーニーのお姉さまと、オルフェーヴルのお姉さま。ここは皆さまの邪魔になりますし、ひとまずカフェの方に移動しましょう?」

 

お嬢様言葉でそんな提案をする。

一応メジロの血を引くご令嬢だし、どこかのおばあさまのように学園にいきなり赤じゅうたんを敷くような無茶はしないが、最低限お嬢様っぽく振舞おうとゴールドシップは今のところ考えていた。

まあおそらく、すぐに飽きるだろうが。

お姉さまと呼ばれた二人はとてもご機嫌である。

シスコンだが、普段からゴールドシップが姉と思わないような扱いしかしていないため、その点だけはまれに喧嘩になるのだ。まあ、フィジカル的にゴールドシップのほうが圧倒的にでかいため、喧嘩になってもゴールドシップが負けることはないのだが。

 

ご機嫌になった姉二人を連れて、ゴールドシップはゆっくりと学園内のカフェへと向かうのであった。




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