黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り 作:雅媛
「痩せるためにはまず、カロリー消費量をできるだけ多くしないといけないわけだ」
「そうですわね」
「で、基本的にカロリー消費量は、動いている部位の量と、負荷の強さで決まる」
「なるほどですわ」
マックイーンを連れたゴールドシップが論評を述べる。
基本的な話である。マックイーンはそんな話をしながら一つのプールに連れていかれる。
「で、脂肪や糖を消費するには酸素が必須なわけだ。で、痩せるために完成したプールがこれだ」
「これ、ですか……」
目の前にあるプールは丸いプールだった。
直径5mほどの、特に変わったところがなさそうなプールである。深さは1.5mぐらいか。
つま先立ちしないと息ができないぐらいの深さだった。
「はい、このマスクをつけて」
「なんですの?」
「酸素濃度が高い空気が出るんだ。脂肪燃焼効果を増やすためだな」
「へぇ」
そういいながらマックイーンは酸素マスクをつける。小さなボンベがついた、少し仰々しいマスクだ。
ゴールドシップは操作盤の前に立った。
「あとはとにかく耐えればいいだけだからな! 頑張れよマックイーン!」
そういってゴールドシップがスイッチを押すと、プールの中の水が激しく動き始めた。
「にゃあああああああ!!!」
マックイーンは謎の悲鳴を上げた。
水流の流れは激しく、まったくもって耐えることができない。
右に回され、左に回され、前に動かされたと思ったら後に、左右に揺さぶられる。
酸素マスクが無ければとっくにおぼれていそうなプールの中で、マックイーンは翻弄され続けた。
洗濯機の中の洗濯物になったような気分になりながら、マックイーンはかき混ぜられ続けた。
「マックイーン♪」
「たすけてくださいまし!!」
「とりゃー!」
「なんではいってくるんですの!?」
「マックイーンが楽しそうだから♪」
「にゃああああああ!!!」
「マックイーン♪ がんばれ♪ がんばれ♪」
「へんなところさわらないでくださいまし~!」
それを見たゴールドシップは同じプールに飛び込んだ。
二人してもみくちゃにされ、洗濯されてしまう。
しかも操作する者がいなくなったため、時間が切れるまで止まりそうにない。
マックイーンの苦難はしばらく終わりそうになかった。
「うぐぐぐぐぐぐぐ!!」
「うぎぎぎぎぎぎぎ!!」
スカーレットとウオッカは小さな円形コースのプールを歩いていた。
一見すると何の変哲もないプールだが、実際は非常に特殊な装置が使われている。
水圧が通常の10倍かかるプールなのだ。
全身で加圧トレーニングができる最新式のトレーニングプールとして作り出されたこれは、当然使えば負荷もすさまじい。
慣れていない二人は必死に水の中を歩き続けていた。
「二人とも、あと2分経ったら一度上がってくれ。データを取ったらまたトレーニング計画修正するからね」
「「わかりましたぁ!!!」」
水中なのでケガをする危険性は基本ないが、負荷が高いので溺れる危険性はそれなりに高い。
タキオンは注意しながら二人を見守っていた。
「スズカさーん!」
「スぺちゃん、楽しそうね」
「はい!」
スぺとスズカは波の出るプールで浮き輪に乗って遊んでいた。
オリ主ウマ娘の『紫電の女王の栄光とその道筋』を書き始めましたが、こちらはこちらで通常通り更新していきます。
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今後の予定を書いています。何かご意見もこちらにお願いします
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