黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り   作:雅媛

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スタミナトレーニング LV15

「痩せるためにはまず、カロリー消費量をできるだけ多くしないといけないわけだ」

「そうですわね」

「で、基本的にカロリー消費量は、動いている部位の量と、負荷の強さで決まる」

「なるほどですわ」

 

マックイーンを連れたゴールドシップが論評を述べる。

基本的な話である。マックイーンはそんな話をしながら一つのプールに連れていかれる。

 

「で、脂肪や糖を消費するには酸素が必須なわけだ。で、痩せるために完成したプールがこれだ」

「これ、ですか……」

 

目の前にあるプールは丸いプールだった。

直径5mほどの、特に変わったところがなさそうなプールである。深さは1.5mぐらいか。

つま先立ちしないと息ができないぐらいの深さだった。

 

「はい、このマスクをつけて」

「なんですの?」

「酸素濃度が高い空気が出るんだ。脂肪燃焼効果を増やすためだな」

「へぇ」

 

そういいながらマックイーンは酸素マスクをつける。小さなボンベがついた、少し仰々しいマスクだ。

ゴールドシップは操作盤の前に立った。

 

「あとはとにかく耐えればいいだけだからな! 頑張れよマックイーン!」

 

そういってゴールドシップがスイッチを押すと、プールの中の水が激しく動き始めた。

 

 

 

「にゃあああああああ!!!」

 

マックイーンは謎の悲鳴を上げた。

水流の流れは激しく、まったくもって耐えることができない。

右に回され、左に回され、前に動かされたと思ったら後に、左右に揺さぶられる。

酸素マスクが無ければとっくにおぼれていそうなプールの中で、マックイーンは翻弄され続けた。

洗濯機の中の洗濯物になったような気分になりながら、マックイーンはかき混ぜられ続けた。

 

「マックイーン♪」

「たすけてくださいまし!!」

「とりゃー!」

「なんではいってくるんですの!?」

「マックイーンが楽しそうだから♪」

「にゃああああああ!!!」

「マックイーン♪ がんばれ♪ がんばれ♪」

「へんなところさわらないでくださいまし~!」

 

それを見たゴールドシップは同じプールに飛び込んだ。

二人してもみくちゃにされ、洗濯されてしまう。

しかも操作する者がいなくなったため、時間が切れるまで止まりそうにない。

マックイーンの苦難はしばらく終わりそうになかった。

 

 

 

「うぐぐぐぐぐぐぐ!!」

「うぎぎぎぎぎぎぎ!!」

 

スカーレットとウオッカは小さな円形コースのプールを歩いていた。

一見すると何の変哲もないプールだが、実際は非常に特殊な装置が使われている。

水圧が通常の10倍かかるプールなのだ。

全身で加圧トレーニングができる最新式のトレーニングプールとして作り出されたこれは、当然使えば負荷もすさまじい。

慣れていない二人は必死に水の中を歩き続けていた。

 

「二人とも、あと2分経ったら一度上がってくれ。データを取ったらまたトレーニング計画修正するからね」

「「わかりましたぁ!!!」」

 

水中なのでケガをする危険性は基本ないが、負荷が高いので溺れる危険性はそれなりに高い。

タキオンは注意しながら二人を見守っていた。

 

 

 

「スズカさーん!」

「スぺちゃん、楽しそうね」

「はい!」

 

スぺとスズカは波の出るプールで浮き輪に乗って遊んでいた。




オリ主ウマ娘の『紫電の女王の栄光とその道筋』を書き始めましたが、こちらはこちらで通常通り更新していきます。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=258834&uid=349081
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