黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り 作:雅媛
スペシャルウィークの弥生賞と皐月賞
「ということで、弥生賞の研究をしていこう」
トレーナーがこういったときに、止めるべきだったとスズカは後悔した。
年が変わって、その年のスピカの初戦はスペシャルウィークのきさらぎ賞、そして弥生賞という順番であった。
早速スぺは圧倒的な強さできさらぎ賞を勝利し、弥生賞へとコマを進めた。
早くも三強と謳われ始めたスペシャルウィークだったが、弥生賞にはキングヘイローとセイウンスカイが出る。
あの二人に勝つには、単にトレーニングを重ねるだけでなく研究も必要であるという事で、展開の研究やコース分析などをすることになってしまった。
そして教材となったのが去年の弥生賞だった。
「へー、スズカさんも出てたんですね」
「……」
ワクワク、といった体でビデオを見るスぺ。
去年の黒歴史を掘り起こされたスズカは顔面蒼白である。
他のメンバーもスズカが負けたという事だけは知っていそうだが、これから起きることについては知らなそうである。
いや、ゴールドシップだけはニヤニヤしているので確実に知っている。
トレーナーが苦笑しながら、ビデオを再生し始めた。
ビデオの中のスズカはスタート直前、ゴールゲートの下をくぐった。
「スズカさん!?」
スぺが悲鳴を上げる。
「「「スズカ先輩!?」」」
マックイーンとスカーレット、ウオッカも悲鳴を上げる。
「これはなかなか……」
タキオンは興味深そうに見ていて
「ふふっ」
ゴールドシップは笑いをこらえていた。
スズカは真っ赤になって固まっていた。
しかし、これで受難は終わらなかった。
「スズカ、どうしてこういうことをしたんだ?」
トレーナーからのさらなる問い詰めである。
トレーナーとして理由を知りたいのは当たり前である。当時の東条トレーナーにだってかなり理由を聞かれた。
公開処刑すぎる状況に、スズカは真っ赤になりながらもしぶしぶ答える。
「前日…… 緊張しちゃって眠れなくて…… それで当日も寝ぼけてて全然覚えてないんです…… 多分エアグルーヴが世話してくれて連れてってくれたんだと思うんですけど……」
「なるほど」
「それで、ファンファーレで目が覚めたんですけど、何が起きてるかわからないし、エアグルーヴを探して……」
「スズカさん……」
真っ赤になりながら理由をしゃべるスズカ。
自分でもひどい理由だと思っている、あるまじき暴挙だった。
「繰り返さないようにしないとな」
「はい……」
「大丈夫ですよ! スズカさん、緊張して寝れそうにないときはわたしと一緒に寝てますから!」
「スぺちゃん!?」
反省しなきゃ、とスズカが気合を入れた瞬間、スペシャルウィークから大暴露が始まった。
「緊張している時、スズカさんは部屋でずっとぐるぐる左回りしてるんですけど、寝ないと体に悪いと思って。ぎゅって胸に抱きしめるとすぐ寝るんですよ、スズカさん」
「スぺちゃん!?」
「逆に私のレース直前は、スズカさんがぎゅってしながら寝てくれるんです。スズカさん、いいにおいがしてよく寝れるんですよね」
「スぺちゃん!?」
「香港国際カップの朝なんか、勝利の女神の……」
「スぺちゃん!?」
慌ててスズカはスぺの口を手で押さえた。
香港国際カップは、去年の年末にスズカが招待された香港で行われた国際G2だ。
スズカにはトレーナーの他にもスぺが同行していたが、まさかそこまでしていたとはだれも知らなかった。
ちなみに絶好調のスズカは全員ぶっちぎって優勝していた。
スカーレットとウオッカは真っ赤になっていた。
空気に耐えられなかったタキオンは、窓から逃げようとして窓枠に足を引っかけて地面に落下した。
ゴールドシップはマックイーンを見た。
マックイーンはスイーツ食べたいな、と思った。
「あー、対策ができていて何よりだな、うん」
トレーナーが強引に話を締めた。
誰も見ていないところでビデオの中のスズカが惨敗をしていた。
結局弥生賞は、スズカの勝利の女神のおまじないのおかげか、スぺが圧勝した。
しかし皐月賞はスズカが恥ずかしがって拒否したため3着に終わってしまうのであった。
スぺスズはいいぞ
キングヘイローは弥生賞も皐月賞も2着でした。
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