黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り 作:雅媛
「ウララちゃんだ!」
「おかえりウララちゃん!」
「元気だった? 虐められなかった?」
高知トレセン学園につくと、ウララは生徒たちに囲まれた。
もともと高知トレセン学園から転入してきたウララは、当然友人がこちらにもたくさんいた。
人気者だったらしく、囲まれてもみくちゃにされ、楽しそうにしている。
「大丈夫だよー! みんな優しかったもん! これ、お土産!」
「「「「「わーい!!」」」」」
某有名菓子店の一口羊羹を皆に配り始めるウララ。
東京駅でお土産に購入したものである。
中央のトレセン学園と違い、高知のトレセン学園の人数は少ない。
総勢で100人強しかおらず、中央トレセン学園の10分の1以下であった。
とはいえそれでも数はかなり居る。
このお土産は、おこづかいをはたいてお土産を買おうとしていたハルウララの代わりに、おばあさまがカードで購入したものだった。
「「「「「あまーい!」」」」」」
ウマ娘は甘いものが大好きである。
すぐに羊羹を咥えて皆嬉しそうに声を上げた。
ほわほわした空気感が漂う中、キャッキャうふふと騒ぐウマ娘達。
そんな中ウマ娘達をまとめている教官が声をかける。
「ほら、今日はお客さんが来るって言っただろ。一度静かにしろ」
「お客さんってウララちゃんだけじゃないんです?」
「ウララもそうだが、ほかにも来てるんだ。すいません騒がしくて」
「いいのですよ」
そうして出てきたのは3人。
高齢のウマ娘
びっくりするぐらい美人の長身のウマ娘
小柄だがやはり神々しいぐらい美少女のウマ娘の3人だった。
三人とも顔が似ているし、血縁だろうか。
親と姉と妹だろうか、そんな予想を皆がした。
「こちらはメジロ家総裁のメジロアサマさん」
「気軽におばあちゃん、って呼んでね」
「おばあちゃんだいすきー♪」
「ありがとう、ウララちゃん」
まず出てきたのが大物すぎて生徒たちはビビった。
メジロ家と言えばウマ娘界隈ではトップクラスの名家だ。
そんなところのトップなんて話しかけるのも憚られる。
それをおばあちゃんと軽々しく呼ぶウララに、皆戦慄を覚えた。
東京は怖いところだ、と皆思った。
「そしてこちらがゴールドシップさん」
「ん」
「ゴールドシップ!」
「ん?」
「ちゃんと!! ご挨拶!!! しなさい!!!」
「うげっ!!」
「「「「ひっ!」」」」
次に紹介された姉っぽい人はゴールドシップといった。
メジロの名前を冠していないが、二人と顔が似ているし、葦毛だし、おそらく親族ではあるのだろう。
気の抜けた返事をした瞬間、横にいた神々しいほどの美少女が動いた。
叱り声とともに一瞬にして技の形に持っていくと、キン肉バスターをゴールドシップへ放った。
そのまま大股開きの無様な格好で堕ちるゴールドシップ。
東京は怖いところだ、と皆思った。
「大変失礼しました。メジロマックイーンと申します。よろしくお願いします」
今までの蛮行がなかったかのような、とてもきれいな笑顔で挨拶する美少女、メジロマックイーン。
東京は怖いところだ、そしてとんでもない連中が来た。
生徒たちも、教官たちも思った。
孫が元気がないと壊れるマックイーン。バランス理論です。
ちなみに地方に東京土産として持っていくのは虎屋の一口羊羹が個人的にはお勧めです。東京バナナは食べ飽きている。
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