黄金船の長い旅路 或いは悲劇の先を幸せにしたい少女の頑張り   作:雅媛

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最速の貴公子のクラシック戦線異状なし

皐月賞

クラシック三冠の初戦の日、トウカイテイオーは姿を現した。

今までと同じく、それまでのトレーニングはすべて公開されずにいた。

しかし、シンボリルドルフと共にいる姿や、トレーニングルームに入る姿はしばしば確認されており、シンボリルドルフから仕上がりは万全だという回答は出ていた。

 

当日の人気は トウカイテイオーが一番人気

ミスターシービーと同じチームのシガーブレイドが二番人気であった。

 

「テイオーさーん!! がんばってくださーい!!!」

 

大歓声の中からでも、耳聡くキタサンブラックの応援の声を拾ったテイオーは、彼女がいる方向に笑顔で手を振った。

歓声はひときわ大きくなり、キタちゃんは満面の笑顔になった。

 

 

 

今回のレースは単なるステップレースの一つだとシンボリルドルフは考えていた。

メジロマックイーンのホープフルステークスでのあの強さは予想外だったが、三冠には出てこないのだ。

それにもしも出てきたとしても、今のテイオーなら勝負できると考えていた。

 

シガーブレイドは確かに速いが、『テイオーと比べれば』大したことない。

例年ならば三冠のうち一つか二つは取れそうな実力だが、その程度ではテイオーには勝てないだろう。

 

テイオーの素質は類まれなる柔軟性と、その精神性にある、とシンボリルドルフは分析していた。

 

柔軟性により非常に怪我をしにくい体質である。関節系の負傷はまず起こさないだろう。

骨折だけは心配だが、最近の研究の進展や食事療法などもあり、そちらの可能性も非常に低いと思われた。

怪我をしないというのはそれだけでウマ娘にとっては非常に大きな才能である。

ハードなトレーニングにより能力を伸ばせるという事だし、レースプランもプラン通りに遂行できる。

そのアドバンテージは非常に大きかった。

 

もう一つはテイオーの精神性だ。

臆病で特に他人を怖がる。対人関係は壊滅的で、おハナさんとすらろくに会話できず、シンボリルドルフか、あの応援に来ているキタサンブラックぐらいしか会話をしない。

ルームメイトのマヤノトップガンとすら話さないのだからそのコミュニケーション能力は致命的だろう。

しかし一方で、その分一人で淡々と努力し続ける才能があった。

やるように言えば、特にメンタルフォローをすることもなく淡々とメニューを消化する。

どれだけハードなトレーニングでも音を上げない。体の丈夫さも合わせれば、伸びる余地が非常に大きいウマ娘だった。

また、レースに対して常に平静を保っているのもシンボリルドルフは評価していた。

他人に興味がなく勝負にも執着がないのは、闘志が欠けると考える者もいるだろうが、好不調の波が非常に少ないという事と同義でもあるのだ。

ウマ娘によっては好調により波乱を起こすのを狙うこともある。それ自体、シンボリルドルフは否定しない。

だが、「絶対」を目指すならば、負けないようにすることを重視するべきなのだ。

そういう意味でも、トウカイテイオーは皇帝に並びうる素質を持ったウマ娘であった。

 

レースは順調に推移した。

テイオーは圧倒的な速さで逃げていた。

テイオーは今までは比較的前目につけて直線で抜け出すというスタンスを取っていた。

王道のレース展開であり、テイオーの才能ならば、上手いレース展開は難しくなさそうだった。

しかし、本質的にほかのウマ娘を嫌うテイオーならば駆け引きは止めた方がいいのもあり、逃げた方がいいだろうと思ったルドルフは戦法を変えさせたのだ。

マークを複数からされても、抜け出せないなどの展開が起きにくいだろうことも戦法変更の理由だった。

 

高速で逃げるテイオーに追いつけるウマ娘は一人もいなかった。

結局前半1000mを60秒、後半1000mも60秒で走破した。

結局誰にも影を踏ませることなくテイオーは一勝目を飾った。

 

高く突き上げられた一本指が、彼女の自信を示していた。

 

 

 

結局日本ダービーまで、彼女は無欠の存在であった。

圧倒的に逃げ切って走るテイオーの影を踏むものはいなかった。

二冠を取ったテイオーは、秋の三冠目、菊花賞に向けて努力を重ねるのであった。




適当にウマ娘について雑談するディスコードサーバー
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雑談したくて作りました。
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