見てない奴はなんとしでも、手段を選ばずに見るのだ!! これは最優先事項である!! ジーク・シノ……ぐべらっ!?(調子に乗りすぎて狙撃されたようです)
思わぬ遭遇からお昼を含んで更に数時間進んだ。夕方となり予約を入れておいたホテルに到着した。そのホテルは高級ホテルと呼ばれるものでかなりの人気らしい。一泊なんと約40万円もするのだから凄いよな。
「ねえ、本当にここで泊まるの?」
「奮発してみた」
流石に一泊で40万は俺でも高い。だけど、今日は詩乃とやっちゃうつもりだからいい所にしようと思ったのだ。
「こんな所で大丈夫なの?」
「前払いしてあるから大丈夫」
ボーイに名前と予約の事を伝えると荷物を持ってくれる。バイクはあちらで保管してくれるようだ。それから誘導に従ってフロントのあるロビーへと向かっていく。詩乃は緊張しているのか、俺の後ろに隠れるようにして付いてくる。
ロビーも豪華でシャンデリアとかがあるせいか、城のようにも感じられる。そんな中、ロビーの2階でVIP専用の場所に通される。そこで予約の確認が行われる。確認の間は椅子に座って無料のドリンクで喉を潤す。
「本当になんか場違いな気が……」
「あははは、まあ学生がこんな所に来るなんて普通はありえないしね」
他のお客は明らかに高級なスーツを着ている人がほとんどだ。どれも豪華な服を着ている。まあ、俺の年収って映画とかの俳優の仕事とモデルの仕事で8桁になってるんだけどね。製作から何まで殆ど人を入れてないし、その分分け前も多くなる。もう放っておいても遊んで暮らせるだけのお金はある。直葉には内緒だが。
「和人に合わせると色々と大変そうね」
「諦めて。それより、どう?」
「これ? 美味しい」
「じゃあ、交換しよ」
「……いいけど」
顔を若干赤らめつつ互いのドリンクを交換して飲む。詩乃が頼んだのは紅茶だが、いい葉っぱが使われているようだ。俺の選んだのはコーヒーだったりする。
「苦い」
「あははは、ブラックは辛かったか」
「ブラックは辛かったか」
「むっ。飲めるわよ」
「あっ」
詩乃が全部飲んじゃった。まあ、別にいいけどさ。
「お客様。お部屋の方へ先にご案内致しますか? それともお食事の方を先になさいますか?」
「どうする?」
「私が決めるの?」
「俺はどっちでもいいし」
「じゃあ、食事が先かな」
「という事でお願い」
「畏まりました。お荷物の方はお部屋の方に運んでおきますが、よろしいでしょうか?」
「お願い」
「はい」
案内されてエレベーターに乗り込んで上へと上がっていく。レストランのフロアに到着すると執事服を着た老人が現れた。
「どうぞこちらに」
案内されて窓際の席に着くと、ドリンクと料理が運ばれてくる。流石にお酒は駄目だ。
「夜景が凄く綺麗ね」
「そうだね」
「ねえ、なんでこんな所にしたの?」
「それは詩乃と初めての旅行だし、詩乃の事を貰いたいなって」
「っ!? ばっ、馬鹿でしょ。こんな所に連れてこなくてもいいのに……」
「どうせならいい場所がいいし。GGOでも選びたいね」
「あっそ。好きにしたらいいわよ。私はそのっ、和人のモノだし……」
顔を真っ赤にさせて俯きだながら言ってくる詩乃は可愛い。
「ほ、ほらっ、冷める前に食べよ」
「そうだね」
美味しいコース料理を食べたら執事服の老人にスイートルームに案内される。一日中ホテルに滞在する場合も快適に過ごせるように作られた部屋は調度品からしてもどれも最高級の品物だろう。
「壊すと大変な事になりそうね……」
「数百万はするだろうね。まあ、ここに泊まる時点でそれぐらいぱっと払えないと駄目なんだけどね」
「……まあ、気にしなくていいって事ね」
「そうだよ。故意的に壊されるのはちょっと嫌だけど」
「しないわよ!」
「なら問題なし」
「案内をしてもよろしいでしょうか?」
「「お願いします」」
2人で真っ赤になりつつ、執事さんにお願いする。部屋の案内や飾られた絵などの調度品の説明など色々とされる。俺と詩乃は執事さんの話に興味を引かれて聞きまくる。内装の写真も撮らせて貰う。こっちはVRで映画に使う予定だ。
「以上になります。何かご質問はございますか?」
「大丈夫です」
「はい、ありがとうございます」
「では、何か御用がございましたらこちらのベルを鳴らしてください。直ぐにお伺いに参りますので」
「わかりました」
執事の人を見送った俺は詩乃が不思議そうにベルを見ている。
「これを鳴らしたら来るのよね?」
「そうだね」
「なぜ?」
「センサーが仕掛けられているとか。持ち上げたり、中のクラッパーに取り付けられていて知らせる仕組みかもよ」
「ふ~ん」
「っと、それよりもお風呂に入ろっか」
「いっ、一緒に……?」
「そう、一緒に。洗いっこしようよ」
「っ!? か、和人がの、望むなら……いいよ……」
「ありがと」
「あっ!? ちょ、ちょっとっ!?」
そっぽを向いた詩乃をお姫様抱っこで抱え上げて風呂場に向かう。ここの風呂場は天井と壁を開けられる仕組みで絶景の夜景を見ながら露天風呂が楽しめるのだ。てな訳でスイッチを押した後、詩乃の服を脱がしていく。
「じ、自分で脱げるわよっ」
「いや、脱がすのが楽しいんじゃないか」
「へっ、変態っ」
「変態で結構」
「とっ、というか……なんか手馴れてない?」
「あっはっは……」
その言葉に乾いた笑いを出しながら沈んでいく。
「ど、どうしたの?」
「いや、女装させられた時が何度かあってね。まあ、この見た目だし仕方ないんだけどさ……」
「ああ、それで慣れてるのね」
「うん。脱ぐのとか、着るのとか何度もしたしね。一部では男だと公表してるのに男性からラブレターが……」
ああ、思い出しただけで震えてくる。襲われた事も何度かある。もちろん撃退して警察に引き渡したが。子供の頃からこの美少年っぷりだったし。これが誤算の一つだ。他にも直葉や両親が女装させようとしてきた事もある。
「だ、大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。うん、問題ないよ。目の前に愛する可愛らしい彼女が居るんでしね」
「ばっ、馬鹿っ」
「本当に可愛いな」
「ほ、ほら和人も脱いでよ! 私だけが裸とかずるい!」
「ほほう、じゃあ脱がしてよ」
「ぐっ……いっ、いいわよ! 覚悟しなさい!」
詩乃が頑張って服を脱がしていく。アソコを出した時など超真っ赤になって固まった。まあ、直ぐに復帰してそっぽを向いてバスタオルを身体に巻いてさっさと風呂場に行ってしまったが。
「さて、洗いっこしようか」
「ねえ、本当にやるの? 凄く恥ずかしいんだけど……」
「どうせこれからもっと恥ずかしい事をするんだし」
「それはそうだけど……」
「詩乃が本当に嫌なら止めるけど……」
「別にそこまで嫌じゃないわよ……んっ、やりましょう」
気合いを入れた詩乃はスポンジにボディソープを付けて行く。俺は風呂用の椅子に座って詩乃の洗ってくれるままに身を任せた。ここで手で……とかいうのはエロの定番だけど、流石に詩乃がいっぱいいっぱいだろうしやらない。ただ、お互いに身体を洗いあうのはさせてもらった。その後、湯船に身体をくっつけながら浸かって夜景を楽しむ。設置されていた冷蔵庫からドリンクを入れる。
「乾杯しようよ」
「そうね……」
2人でゆっくりとお風呂を楽しんだ後、無言で身体を拭いて髪の毛を乾かす関係で詩乃が先に出る。俺が寝室に戻ると詩乃はベッドの上でバスローブ姿で待っていた。
「えっと、不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します」
三指をついてベッドの上でそんな事を言ってくる詩乃に思わずルパンダイブをしてベッドの上に押し倒した。
「とうっ」
「ちょ、ちょっとっ!?」
「もう我慢できないからね」
「ぷっ。ええ、我慢する必要もないから、好きにして。でも、キスからがいいかな」
「そうだね。じゃあ――」
「ちゅむ……んちゅ、ちゅ……」
唇を合わせて優しくついばんでいく。次第に口を開いてお互いに舌を絡め出していく。
「れろぉ……んろぉ、ちゅ、く……れりゅっ……んっ、んんっ……ちゅろっ……」
詩乃と舌を交わしていくと、我慢できずに手が詩乃の身体の上を撫で愛撫ていく――