シノンと共にガンゲイル・オンライン   作:ヴィヴィオ

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第2回BOB 2

 

 

 第2回BOB本戦。バトルロワイヤル形式な為、無人島にランダムで配置される。今回はバトルフィールドが工場地帯……いや、この言葉は正しくない。ここはそう、正式なものを教えよう。今回のフィールドは直径120Kmを誇る銀河帝国の最終兵器、デススターだ。映画のデータをそのまま対戦フィールドにされている。もっとも、俺は制限を与えられて司令室から基本的に動けない。フィールドを知り尽くしているからだ。

 

『えー今回用意されたフィールドはもう、皆さんお分かりでしょう。かの名作、スターウォーズをVR技術で再現した物です。そう、ここはデススター。そして、この施設の指揮官は皆さんご承知の方、ダース・ベイダー卿です。彼は映画にあった通り、ラストシーンの所に居ます。彼は今回、我が社が用意した特別枠で参加していただいています。彼の居たブロックの対戦相手の方には別にプレゼントが用意されているので諦めてください。さて、ルールをご説明致します。今回はポイント制を取っております。参加者は相手を倒せば100点が貰えます。特別参加のダース・ベイダー卿は1000点。10人分に該当します』

『これって彼を倒せばほぼ勝ちが確定ですよね?』

『倒せればですけどね。ちなみに殆ど補正なしで銃弾を平気で躱すような人ですよ? 無理だと思いますね。なお、ポイントは勝者に累積していきます。つまり、最後までわかりません』

『なお、イベントでエリアが崩落する事もあるのであしからず』

『説明はこんな所で行ってみよー!』

『各自、配布されたMAPを確認するように。そこに開始時間が刻まれている』

『では、バトルロワイヤル、スタート!』

 

 さて、動けないので武装を確認しておこう。今回、持ち込んだのはライトセイバー2本と光線銃、特殊加工のガントレットのみ。ライトセイバーも連結できるようにしてある。それが終われば暇なので席に座って待つ。

 

『おおっと、ダース・ベイダー卿、堂々と司令室の席に座って待ち構えています!』

『まあ、彼はこちらが許可を出さないと動けませんからね』

『このフィールドを知っているハンデですね! おっと、他の方達も司令室を目指しています』

『何人かは共闘でダース・ベイダー卿を倒そうとしていますね』

 

 座りながら仕掛けを放っておく。

 

『おっと、早くも脱落者が出ましたね』

『長距離狙撃ですね。このスナイパー、腕がいいですね』

『容赦なくヘッドショットを決めましたしね。こちらの方はダース・ベイダー卿を無視して数を狩る方針みたいですね』

『こちらの方も凄いですね。どんどん撃ち殺してますよ』

『闇風さんですね。優勝候補の一角ですから』

 

 暇だな。早く来ないかな。暇だし訓練でもしてるか。

 

『おっと、ここで司令室に到着したプレイヤー達が居ます』

『完全に組んでますね』

 

 扉が開いた瞬間、大量の銃弾が撃ち込まれる。それを腕を出して掌で受け止めるように見せる。

 

『おおっと、無数の弾丸が空中に止まった!?』

『これがフォースの力なのか!』

「嘘だろ、おい!?」

 

 ゆっくりと椅子から立ち上がってライトセイバーのスイッチを入れる。そして、目の前を斬る。すると止まっていた弾丸は落ちていった。同時に床を強く蹴って走り出す。

 

「く、来るなァァァっ!!」

「逃げっ」

「逃がさん」

 

 ライトセイバーを連結させて両刃にすると、相手がサブマシンを放ってきた。俺はライトセイバーを回転させながら突撃する。軌道を全て見切り、的確に調整して撃ち落とす。そして接近と同時にライトセイバーで縦横無尽に斬りまくる。

 

『おおっと、凄まじい強さです!』

『流石はダース・ベイダー卿!』

 

 乱戦になり、味方諸共……いや、敵同士だから問題無いのだが、構わず乱射してくる。そんな奴には片手で持った両刃のライトセイバーで防ぎつつ、近場の男に掌を向けて思いっきり相手に投げつける。

 

「うぉおおおおおおおおおぉぉぉっ!!」

「来るんじゃねえ!!」

 

 肉壁にして突撃し、確実に倒していく。俺のポイント目当てにどんどんと集まってくる。

 

「面白い。掛かって来るがいい」

 

 首を傾げて銃弾を避け、蹴りなどの体術も含めて徹底的に倒す。嫌な予感がして横に飛び退ると、前方から音速を超えた弾丸が俺の横を通って俺の背後に居た敵を蹴散らす。

 

「普通今のを避ける?」

「当然だ」

「でしょうね」

 

 撃ってきたのはシノンだ。俺諸共蹴散らしてくれようとしたのだ。まあ、戦うように言っておいたのもあるので問題無い。そして、シノンの攻撃と同時に高速で突っ込んでくる忍者姿のような者が銃を撃ってくる。

 

「一手、お相手願おうか」

「よかろう」

 

 銃弾をライトセイバーで防ぎながらへカートの弾丸を避ける。それに他の連中も次々と集まってくる。

 

「この俺が倒してやる」

「ゼクシード! 邪魔を……」

 

 俺はゼクシードと呼ばれた男の身体を引き寄せて闇風にぶつける。闇風はゼクシードと俺の間にある空間を撃った。するとゼクシードは地面に倒れた。

 

「フォースの正体は糸か」

「正解だ。どうやら小細工は通じんか。ならば」

 

 飛来するへカートの弾丸をライトセイバーで切り裂いて爆風を受けながら相手と対峙する。

 

「真正面から討ち滅ぼす」

 

 全力で行った戦いは俺の勝利で終わらなかった。闇風が爆弾を持って自爆特攻をしてシノン達に削られたHPを消し飛ばしてくれたのだ。第2回BOBは闇風の勝利で終わった。準優勝はシノン。ゼクシードが3位。俺は正規参加じゃないのでランクには入っていなかった。

 

 

 

 


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