共感   作:Writh

1 / 1
人間関係
他人と話すということ


 私は、人と話すのが苦手だった。

 話し始めて、とても仲良くなると、ようやく、みんなのいう『普通に』話せるようになる。

 でも、そこまで持っていくのが大変だ。

 なんで、そんなに人と話すのが苦手なのか。

 それには、小さい時のトラウマも影響している。

 

 幼稚園の時、私はいじめられていた。

 今思えば、その、私をいじめていた子の親は、幼稚園で開催するイベントに全く来てなかったから、両親ともに来ていた私に嫉妬したのだろう。

 何故私を選んだのかは知らないが。

 そうしてその子は、仲の良い子と一緒に私をいじめた。

 幼稚園児如き、と思うかもしれない。

 でも、そうではなかった。

 最初の頃…私が、いじめられていると自覚していなかった頃だ。

 いじめっ子達のグループはいつも笑顔で、とても楽しそうに見えた。

 私も入りたくて、声をかけて見た。

 だけど、それに気付いたリーダーっぽい子は、私のことを突き飛ばしてこう言った。

「誰も、あんたみたいなクズとはいたくないの。二度と話しかけないで。」

 そのまま歩いていく彼女達を、私は呆然と見つめることしかできなかった。

 エスカレートしてきて、最後の方は、私がものを運んでいると、教室から出てきたいじめっ子メンバーの1人がスッと足を出してくる。

 私は足元が見えず、それに気が付けなくて、そのまま躓いて転び、運んでいたものを壊してしまった。

 挙げ句の果てには、その子は、まるで私がわざと踏んだかのように周りに訴えたのだ。

「ひっどい!美菜!私の足踏むとか、最低!」

 

 ⎯⎯⎯美菜、というのは、私の仮名だ。本名の代わりに使わせてもらう⎯⎯⎯

 

 すぐさま、沢山の人が集まってきて、私を責め始めた。

 先生もやってきて、私がものを壊しているのを見て、「なんてこと!」と言った。

 その後散々叱られた私は、帰りに親にも先生が話しているのを見た。

 絶対叱られる。

 そう思ったが、帰ってきた私を見て、母はこう言ったのだ。

「転ばされたんでしょう?怪我はない?」

 母は、私を信じてくれていた。

 私は泣きながら、本当のことを説明した。

 両親は信じてくれて、次の日、先生達に言ってくれた。

 その後、いじめっ子達とは別の小学校へ進むことができた。

 幸い、小学校の地区が違ったのだ。

 しかし、地獄は終わらなかった。

 小学校に行くと、今度は名前でいじられたのだ。

 本名がいじりやすかったから、私はそれにも悩まされた。

 しかし、それはまだ良かったのだ。

 一番辛かったのは、暴力だった。

 ある1人の男子に、標的にされたのだ。

 それ以来、殴られ、蹴られ続ける毎日。

 2年生で厳しい先生が担任になり一度止んだものの、3年生でリバウンドのようにさらに酷くなった。

 4年生になって、流石に隠すのが限界だった。

 親にばれて、その後色々と話すことになった。

 5年生は、1人だった。

 話しかけることもできず、かと言って話しかけてくれる人もいない。

 でも、それで幸せだった。

 6年生で、先生に少し相談してみた。

 すると、それを聞いていた亜衣流(これも仮名だ)さんが、私に話しかけてくれた。

 それ以来、同じ趣味を持つ人と仲良くなれたりした。

 しかし、あまりにも遅すぎた。

 すぐに卒業の日が来てしまい、私たちは離れ離れになった。

 私は、中学受験をしたのだ。

 受かって、そちらに進むことにした。

 中学に入って、先生の話を聞いていた。

 リングファイルを開くように指示が出た時、私は初めてそれをみたため、開け方が分からなかった。

 その時、隣の子が親切に教えてくれたのだ。

 その子は『麻希』という名前だった。(ここから先、名前は全て仮名だ。)

 その後、私は頑張って話しかけてみて、もう1人の子とも仲良くなれた。

 しかし、3度の喧嘩で、あまり話さなくなった。

 その後も、しばらくは1人だった。

 最初は寂しかったが、しばらくすれば慣れた。

 所詮、その程度だったのだ。

 しかし、2年生になって、転機が訪れた。

 元同じ塾の子が話しかけてきてくれたのだ。

 その子は『胡々露』という子だった。

 そのあと、『玲菜』や『志野』、『和香羽』や『湖乃』に『未唯』も紹介してくれた。

 はじめての、心から信用できる友人だった。

 最初は、それだけで満足できていたのだ。

 しかし、私は、またも悩みを抱える。

 

 今回共感して欲しかったのは

“話しかけることに恐怖を感じる人がいる”

 ということだ。




他人と話すのは、話しかけるのは、難しい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。