異世界帰りのヒーロー、アバンナイト   作:兵庫人

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黒岸健人・オリジン

 ドラゴンクエストみたいな異世界に転移して、その異世界の危機を救ったら元の世界に帰ってこれた。

 

 俺、黒岸(くろきし)健人(けんと)に起こった出来事を簡単にまとめたら上の一文となった。

 

 事の始まりは俺が十歳の時。いつもの様に自分の部屋のベッドで眠っていた俺は、次に目覚めると見覚えの無い中世の城の武器庫にいた。

 

 そしてその武器庫にあったやたらと不気味な剣に何となく触ると剣が手から離れなくなってしまい、困っているとやたらと目付きが悪い白髪の少年を連れたゲームの勇者のような格好をした男が俺の前に現れたのだ。

 

 行く当てのなかった俺は、そのゲームの勇者に誘われて白髪の少年と共に彼について行くことにして、そのままゲームの勇者……いいや、「先生」の弟子となった。

 

 先生は非常に優秀で多才な人で、先生のような人を「天才」と言うのだろう。先生は俺と白髪の少年に剣術を初めとする様々な武術だけでなく魔法の知識も教えてくれて、俺はこの魔法の事を聞いた時点でここがドラゴンクエストの世界だと確信した。

 

 俺はこのドラゴンクエストのような異世界で色々な事を経験した。

 

 まず、先生から免許皆伝の証を受けた記念すべき日に、兄弟子と言うべき白髪の少年が先生に襲いかかり、その戦闘によって白髪の少年が行方不明になった。

 

 先生と別れてからは世界各地を巡って武者修行をしながら元の世界に帰る方法と行方不明になった白髪の少年を探していたのだが、結局どちらも見つからず、武者修行を初めて数年後に大魔王を名乗る存在とその軍団が世界征服をするべく現れた。

 

 大魔王の軍団と戦いながら旅をしているとその旅先で、何故か大魔王の軍団の一員になった白髪の少年……いいや、白髪の剣士と同じ先生の教えを受けた妹弟子、弟弟子達と一斉に出会った。

 

 それから後は弟弟子達と共に大魔王の軍団と戦い、厳しい死闘と危機を何度も乗り越え、ついには弟弟子が大魔王を倒したのだ。

 

 しかし大魔王を倒してこれで終わりかと思った矢先に、死神を名乗る魔族が魔界に伝わる危険な爆弾を使い、地上の全ての生物を滅亡させようとする。

 

 この危機に俺は思わず仲間達の制止を振り切り、移動用の魔法を使って魔界の爆弾を持って天高くへ飛び立ち、地上への被害が出ない高さまで到達したところで魔界の爆弾が爆発した。

 

 魔界の爆弾が爆発した光を見た俺は自分の死を覚悟したのだが、爆発の次の瞬間、俺は元の世界にある自分のベッドの上で横になっていた。しかもドラゴンクエストの異世界に転移した当初の十歳の姿に若返って。

 

 十歳に若返った自分の姿を見て、あのドラゴンクエストの異世界での経験は全て夢だったのかと思った。だが身体能力は信じられないくらい高くなっていた上に、異世界で覚えた魔法は全て使えたので夢ではないのだろう。……何より異世界で長年愛用していた剣や鎧が、部屋の片隅にあったのがこれ以上ない証拠だ。

 

 爆弾が爆発した後、あのドラゴンクエストのような異世界は、弟弟子達は大丈夫なのだろうか? そもそも一体どうして俺が異世界に転移したのだろうか?

 

 いくら考えてもこれらに答えが出ることはないだろう。だが、そんな俺でもはっきりと分かることがある。

 

 それはこの異世界で得た力を正しい事に使うということ。

 

『その力を人々の為に使いなさい』

 

 俺に剣と魔法、そして人としての生き方を教えてくれた大恩ある先生の口癖。俺はこの先生の教えを実行する為に「ヒーロー」を目指す事にした。

 

 ヒーロー。

 

 それは世界人口の約八割が「個性」という超常能力を持つこの世界で、個性を悪用する犯罪者「(ヴィラン)」を、同じく個性を用いて取り締まる社会の味方、文字通りの「英雄(ヒーロー)」。

 

 ヒーローになると決めた俺は早速この若返った体を鍛え直し、数年後に数多くのプロヒーローを輩出した名門雄英高校へ受験した。

 

 これは俺が異世界で鍛えた力を持って、多くの人々を救うヒーローを目指す物語。

 

 ちなみにヒーローになった時のヒーロー名はすでに決めてあったりする。その名は……。

 

 

 

 

 偉大なる大勇者アバンの教えを受けた騎士「アバンナイト」!




……続く?
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