結局騎馬戦は俺と物間、マキナと塩崎を除いた生徒達でもう一度やり直すことになった。
次に行われるトーナメントは総勢十六人の勝ち抜き戦。それに参加する残り十二人を何としてもこの騎馬戦で決めたいと言う事らしい。
騎馬戦が終わるまでの間、俺はB組の観客席で休ませてもらうことにした。ドラゴラムにトベルーラ、レムオルとマヌーサにメダパニ。第一種目と第二種目でそれなりに魔法を使い魔法力を消費してしまったので、トーナメントにむけて少しでも休んで魔法力を回復させるためだ。
今も騎馬戦を頑張っているB組のクラスメイト達の応援もしたいが、それはA組を煽りながらB組を応援している物間に任せることにして、俺は目を閉じるのだった。
「……友。親友。そろそろ起きなって。騎馬戦、終わったよ?」
「……何?」
どうやら少しの間眠ってしまったようで、物間の声で目を覚ますと観客席にはB組のクラスメイト達が全員座っており、試合会場を見ればミッドナイト先生がトーナメントのルールを説明していた。
「それではトーナメントの組み合わせを発表します!」
ミッドナイト先生の声と共に試合会場にある大型モニターにトーナメント表が映し出された。
第一試合 緑谷出久 対 心操人使
第二試合 切島鋭児郎 対 鉄哲徹鐵
第三試合 轟焦凍 対 瀬呂範太
第四試合 飯田天哉 対 塩崎茨
第五試合 機械島巻菜 対 爆豪勝己
第六試合 麗日お茶子 対 八百万百
第七試合 芦戸三奈 対 拳藤一佳
第八試合 物間寧人 対 黒岸健人
「俺は物間とか……」
「………!?」
トーナメント表を見て俺が呟くと、その横では物間がマナーモードの携帯のように体を震わせており、他のクラスメイト達が彼の肩を叩いたりして励ましていた。……いや、そこまで怖がらなくてもいいんじゃないか?
それから昼休憩を挟み、何故かA組の女子生徒全員がチアガール姿になって応援をするという奇妙なイベントを目撃した後、いよいよトーナメントが開始された。
第一試合は緑谷と、唯一の普通科の生徒の心操人使。
「あの心操って奴、どんな奴なんだ?」
俺、騎馬戦の間寝ていたせいで心操がどんな戦い方をする分からないんだよな。第一種目と第二種目を突破した以上は弱くはないと思うんだが……。
「心操は轟……ほら、第一種目で氷を出してきたあの顔に火傷がある子のチームにいたよ。最初は目立っていなかったけど、最後辺りに他の騎馬に声をかけて、声をかけられた騎馬は急に動かなくなったんだよね」
俺の呟きを聞いた拳藤が心操の騎馬戦での様子を教えてくれた。声をかけられたら急に動かなくなった? 話しかけた相手を拘束する類いの個性ってことか?
「それはちょっと気になるな。……そういえば拳藤って騎馬戦で誰と組んでいたんだ?」
「アンタ、騎馬戦では私達のことをろくに見ずに全員の鉢巻きを情け容赦なく奪って行ったからね。……私は鉄哲と緑谷、それとA組の麗日って子と組んだのよ」
俺が聞くと拳藤は僅かに恨むような視線を向けてから答えてくれた。
ただ、騎馬戦のことは本当にすまなかった。あの時はミッドナイト先生に突きつけられた一千万ポイントという理不尽につい腹が立って、「Plus Ultra」しすぎたというか……。
俺が拳藤の視線から逃れるために試合会場を見ると、今まさに緑谷と心操が入場しようとしていた。
トーナメントの組み合わせを一部変更しました。