第二試合が終わった後の第三試合と第四試合はすぐに決着が着いた。
第三試合はA組の轟焦凍と同じくA組の瀬呂範太の試合で、試合開始とほぼ同時に轟が巨大な氷の壁を作り出してミッドナイト先生ごと瀬呂を氷漬けにして試合終了。あまりにも一方的な試合内容に観客達から瀬呂に「ドンマイ」コールがされた。
観客達やB組のクラスメイト達も轟の実力に驚いていたが、俺は轟が纏う雰囲気の方が気になった。あのやり場のない怒りを体の内に溜め込んでいつ爆発するか分からない感じ……なんだか昔の兄弟子を思い出すんだよな。
第四試合は塩崎と飯田の試合。
ミッドナイト先生が試合開始の合図をするのと同時に飯田は足が早くなる個性「エンジン」を使い、高速で塩崎との距離を詰めていく。塩崎のツルが一番効果を発揮するのが中距離だから距離を詰める飯田の狙いはいいのだが、塩崎の方も飯田の対策を立てていたみたいだった。
「アバン流鎖殺法地裂衝」
「何っ!?」
高速で迫ってくる飯田に対して塩崎は、第一種目の障害物競走の時のように髪のツルを手に取り鞭にして、飯田……ではなく地面に向けて振るった。
アバン流鎖殺法地裂衝。鞭を使った大地斬と言うべき技で、その威力はコンクリートで作られた試合の舞台を粉砕するのに充分な威力だった。
そして地面が砕けて飯田の動きが一瞬止まると、その隙を逃さず塩崎の髪のツルが一斉に伸びて飯田を捕らえた。
よし。これで鉄哲に続いて塩崎も二回戦に進出だな。あと物間、嬉しいのは分かるがA組を煽るは止めろ。
次の五回戦はマキナと爆豪の試合。
試合会場に現れたマキナと爆豪の姿を見て、俺は以前に緑谷とした会話を思い出す。
『え? かっちゃんとまきちゃんが戦ったらどっちが勝つかって? ……う〜ん? 個性や戦い方の相性以前にまきちゃんは「爆豪ハンター」とか「爆豪勝己のトラウマ製造機」とか周りに言われて、一年に一回はかっちゃんを盛大に泣かしているかっちゃんの天敵だから、かっちゃんは戦い辛いと思うよ。例えば幼稚園の全力カウンターパンチ事件から始まって小一の爆豪全裸事件、小二の全裸でドロップキック事件、小三の男子トイレでパイルドライバー事件、小四の歩道橋の上からムーンサルトプレス事件……』
……あの時の緑谷、すっごい遠い目をしてマキナが爆豪にしでかした事件を言っていたけど、実際はどんな地獄絵図だったんだ?
そんな俺の疑問はこの後すぐに解消されるのだが、この時の俺は知らなかった。
あの時緑谷が言っていた、マキナが爆豪の天敵だという言葉の意味を。
これから行われる試合で爆豪に襲いかかる悲劇を。