ウマ娘短編集。   作:坂水木

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「エピソード・オブ・スカーレット」という中編小説を投稿していましたが、アニメ13話を見てこちらの短編集から外して別途で投稿することにしました。完結はしてるので、十日後くらいには投稿も終わってると思います。

お気に入りやしおり入れてくれた方には申し訳ないので、詫びとしてオグリキャップに甘いものいっぱい食べてもらうSSを書きました。

「エピソード・オブ・スカーレット」の方はそのままのタイトルで投稿し直しているので、改めてそちらを見てくださると助かります。


詫びとしてオグリにたくさん(二種類)甘いものを食べてもらうだけの話。

「なあオグリ」

「なんだ、トレーナー」

「ちょっとこのプラスティックケースを見てくれ」

 

 気取った言い回しをするトレーナーに、オグリキャップが近づく。

 

「こ、これは……!」

 

 それを見て、ごくりと喉を鳴らす。そう、トレーナーが持っていたのはケーキだった。当人が言ったようにプラスチックに入ったケーキではあるが、オグリキャップの目を惹いたのはある文字だった。

 

「期間限定っ」

「ふ、そうさ。期間限定のレアチーズandレモンタルトケーキさ」

 

 キラリと真っ白な歯を見せて笑うトレーナーを見向きもせず、オグリキャップはひたすらにケーキを見つめていた。

 白のレアチーズに淡い紫色のブルーベリーソースがかかったケーキ。半分に区切られた容器のもう片側には、鮮やかな黄色が彩るレモンタルトが置かれていた。サイズはそう大きくなく、ぺろりと食べられてしまうほどしかない。

 

「トレーナー、これは私のか?」

「ん?」

 

 男は問われ、頷くか迷う。オグリキャップに持ってきたのは事実であるが、ここまで興味を示すと思っていなかったのだ。どうしようか悩んでいるうちに、オグリキャップから再度声がかかる。

 

「……違うのか?」

 

 ひどく悲しそうな声だった。耳が垂れている。トレーナーはからりと笑い、いや、と首を振る。

 

「ふ、こいつはお前のものだよ、オグリキャ」

「そうか!」

 

 男の声は途中で吹き飛ばされ、オグリキャップによって手早くケーキは処理されていく。

 

「トレーナー、このケーキ美味しいな!」

 

 オグリキャップのトレーナー足る男ではあるが、やはりオグリキャップが一番輝いているのはレース中でも勝利後でもなく食事中なのではないかと、そう思うのであった。

 

 

ある日。

 

「へいオグリ、この箱を見てくれ」

「なんだ、トレーナー。それは?」

 

 問いかけられ、男はゆらりと手に持つ箱を揺らす。

 中身はオグリキャップへのプレゼントなのだが、彼女はまだそれに気づいていない。トレーナーはニヒルに笑い、その旨を伝える。

 

「これはお前へのプレゼントさ」

「なに、食べ物か?」

 

 第一に食べ物と言う辺りオグリキャップらしいが、トレーナーが買ってきたのはその食べ物なので否定せず頷く。

 

「ふ、そうさ。食べ物だよ」

「そうか…!トレーナーの買ってくる食べ物は美味しいから楽しみだ」

 

 箱を渡し、手渡されたそれをオグリキャップはそわそわとした面持ちで持つ。

 

「トレーナー、これは今開けてもいいのか?」

「おうよ」

 

 キラリと笑う男はいつも通り見向きもされず、オグリキャップは耳や尻尾をよく揺らして箱を開けていく。大きな箱の中に小箱があり、それは細長い形状をしていた。横に長く、大きくはない。開いてみると、中には丸型のお菓子がプラスチックケースに綺麗に収まっていた。

 

「これは?」

 

 呟くオグリキャップに、トレーナーはさらっと答える。

 

「マカロンさ」

「マカロン?」

「名前は知ってるだろ?」

「あぁ、食べたことはなかったが……そうか、これがマカロンか……!」

 

 口元に笑みを浮かべ、彼女はプラスチックの蓋を外して一つ目を取り出そうとする。そして止まった。

 

「どうした?」

「いや……どれから食べればいいかわからなくてな」

 

 マカロンは白、茶、緑、桃、黒の五色に分かれていて、それぞれ一つずつしかない。ケースに個々の味が書かれていて、左から順にバニラ、チョコ、抹茶、苺、ゴマとなっていた。

 

「好きなものから食べればいいさ。全部お前のものなんだ」

 

 ふ、っと笑いオグリキャップへ好きにしろと言う。

 それを聞き、彼女はこくりと頷きごくりと喉を鳴らす。

 

「トレーナー…!これは、美味しいぞ!」

 

 またとても美味しそうに喜んで食べるオグリキャップを見て、トレーナーは満足感に浸る。やはり、オグリキャップは食べている姿が一番良いと。

 ちなみに、どれが一番美味しかったかと聞いたところ、どれも美味しすぎてわからないという答えが返ってきた。オグリキャップらしい回答である。




超突発で作ったので、この世界線でのオグリキャップはこうだと思っておいてください。

短編はまた何か書くと思います。それでは。
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