ダイの大団円   作:ギアっちょ

3 / 3
出来た!
完成です。やっと書けました第三話。

思ったよりも長くなったけど。


エンゲージ・リング

「さて・・・ダイ君!」

「は・・・はい!」

いきなりソープに名前を呼ばれて、背筋がピンと伸びる勇者ダイ。

 

右手と右足、左手と左足と、同じ側の手足を出しながら

緊張した顔でソープに近づいていく。

 

「大魔王バーンを倒したその『竜の騎士』の力・・・

 その根源たる『紋章』2つのうちの一つは

 元々はキミの父上のもの。それをキミに譲られたものだ。

 つまり、その『紋章』は

 ダイ君からも・・・抜き取ることが出来る。

 わかるね?」

 

周囲の仲間に動揺と驚きが走る。

まさか!いや、だが実際に・・・!

 

「レオナ姫、ココからは僕のアイデアなんだが・・・

 ダイ君から『紋章』の力を抜き、彼を普通の人間にして、

 その『紋章』をレオナ姫の『パプニカ王国』で管理するんだ。」

 

「「「!!」」」

そんなことが?!

 

「なに、ダイ君から完全に『紋章』を取り上げよう、

 っていうワケじゃない。

 もしかしたら、何かの脅威が迫って

 再び地上の世界に危機が訪れたときには

 その『紋章』の力が必要になるだろうからね。」

 

「そして、いざというときに

 その力を使うかどうかは『パプニカ王国』が決める!

 おもしろいと思わないか?

 

 まぁ、ダイ君が『特別でもなんでも無いただの人間』なら、

 心無いことを言うヒトもいないだろうし・・・ね?」

 

一同は顔を見合わせる。

そんな夢物語な事が可能なら、一気に『問題』は解決する。

 

「ダイ君の気持ちはどうなの・・・?」

レオナが問う。

「オレは賛成だな!

 なにせそれが出来れば、ダイはずっと・・・

 何も心配しないで、みんなと一緒に居れんだろ?!」

ポップが続く。

そして、周りに同意を求めるようにみんなの顔を見渡す。

うなずく一同。

首を横に振るものは誰もいなかった。

「決まりだな!!」

 

「ソープさん、そんな事ができるのなら、

 是非お願いします。」

「私からもお願いします。」

ダイとレオナが頭を下げる。

 

「じゃぁ決まりだ。

 とは言っても、僕がやるわけじゃないけど。

 彼女にお願いするよ。

 

 リンス!おいで。」

 

「はい…」

次の瞬間、ソープの後ろに黒髪の女性が現れた。

腰まで伸びた髪、若干装飾は有るが、

鎧ではなく、あくまで動きやすそうな服を身に纏った、細身の女性。

ただし、そこに女性が現れる直前まで、「そこ」に誰もいなかったし、

気配も全く無かった。

 

勇者一行のなかの何人かがそのことに

ビクッと反応したが、

それを口にするものはいない。

一行の常識の通じない力の行使も

既に「またか!」くらいの気持ちなのだろう。

 

「彼女は、メル・リンス。

 魔法の使い手としては僕以上でね。」

「リンスとお呼びください。」

 

顔を青白くするのはポップ。

ソープ以上の魔法の使い手?!

『あれ』よりもまだ更に上が有ったっていうのかよ?

 

なんとなく事情を察したメルルは苦笑する。

恐らく、ソープは「自分だってなんでも出来るわけではない」とでも言いたいのだろうが

あれだけの凄まじい力を見せられた後では、もう手遅れなんですけど・・・

 

リンスは、つかつかと前に進み、

両の掌を上に向けて開いて、ダイに示す。

「さ、貴方の手を出してください。」

 

「はい。」

ダイが恐る恐る両手を広げて、前に出すと、

リンスはその手に自分の手を重ねる。

「ちょっとくすぐったいですよ?」

 

そして、リンスの体が一瞬眩しく輝く。

刹那、眩しさに目が眩むダイと仲間たち。

それは一瞬だった。

リンスは、そっとダイの手を離した。

 

「ダイ君!大丈夫!?」

「うん。でも、なんとなく自分の中にあった『なにか』が無くなったような・・・

 ちょっと不思議な感じだ。」

心配するレオナに、

自分の両手の甲を代わる代わる見つめながら、ダイは返事をした。

 

リンスがゆっくり自分の手を広げると、その掌の中には

大きな丸い宝石が嵌った指輪が2つ握られていた。

「出来ました。完成です。」

 

右手に握られた指輪には赤い宝石。

左手に握られた指輪には青い宝石。

そして、その宝石のなかには、それぞれ『紋章』が一つずつ輝いている。

「ソープ様、こちらを。」

「うん、ありがとう。」

リンスはソープに2つの指輪を手渡すと、静かにソープの後ろに下がった。

 

「この指輪には、それぞれ『紋章』が封じられている。

 赤いほうが父上から譲られたもの、

 青いほうがもとからダイ君に宿っていたものだ。

 『紋章』の力を開放するには、

 まず、青い方一つをダイ君の指に嵌めた上で、もうひとりが

 もう1個の、赤い指輪を・・・こう・・・合わせればいい。

 『紋章』の力は、ダイ君の体に戻るだろう。」

ソープが、両手の拳を突き合わせるジェスチャーをする。

 

「ちなみに、

 同じことをダイ君以外がやっても何も起きないよ?

 そもそも、それはダイ君専用だからね。」

「え~!! それ使ったら僕もメッチャ強くなれると思ったのに!!」

チウが残念そうな声を出すと、周りでドッと笑いが起きた。

 

「で、この指輪を・・・」

ソープは指輪を1個ずつダイとレオナに握らせる。

青い指輪はダイに、そして赤い指輪はレオナに・・・

「王女を守る騎士がいて、

 騎士の力は、王女のものだ。

 そして、二人の手にはおそろいの指輪が。

 ・・・あとは、『わかる』ね?」

 

「「え!?」」

二人が互いの顔を見て、直後に顔を赤くする。

 

「ひゅーひゅー!!」

「お似合いだぜ~」

「結婚式はこのまま、ココで始めればいいの?」

みんなが囃し立てる。

 

「ソープ様、そろそろお時間かと」

リンスが告げる。

 

「それでは、僕はもう失礼するよ。

 君たちの世界のこれからの繁栄を祈る。

 じゃあね~!!」

 

「ちょ、ちょっとまって!

 まだ何もお礼をしてない!」

マァムが引き留めようとするが間に合わない。

 

「『ルーラ(瞬間移動呪文)』!!」

そう言ってソープがパチン!と指を鳴らすと、

ソープとリンス、二人の姿は一瞬でかき消えた。

 

「今の・・・絶対に

 ただの『ルーラ(瞬間移動呪文)』じゃねぇよな・・・」

ポップがボソリと呟いた。




というわけで、
無事にハッピーエンドです。

拙い文章ですが、
盛り込みたい要素は詰め込んだし、
書きたいモノは書いたんで
ココで終わり!

まぁ、ファンが
妄想して喜ぶための二次創作だし、
全知全能の神様 アマテラス陛下だから
なんでもありでも許してください(;´∀`)・・・

此処までご覧いただき、ありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。