ウマ娘の世界な筈だが、うちのチームがカオス過ぎる。   作:湯川彼方

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巻末のウマ娘名鑑は、ネタバレ防止でざっくりとした説明にしています。


ライバルチームもカオス過ぎる。

「皆さん揃いましたね。じゃあ今日のトレーニングを始めましょうか」

「「「「はいっ!トレーナー」」」」「えー、今日は疲れてるからパスー」

 

 チーム“デネブ”のトレーナーである、駿川ひかりさんの号令で本日のトレーニングが始まる。

 私たちも気合が入った返事をする。(1名を除いて)

 

 シルさん(シルフィード)アルさん(アルフィー)の二人は、どこかモデルとなった馬の騎手の印象を受けるトレーナーに絶大な信頼があるため、基本的に反発することはない。

 二人の元の騎手の印象は大分違うはずなのですが…あえて言うなら、馬を人間の様に思って尊重してくれる所が似てましたかね。

 

 マキちゃん(ミドリマキバオー)は、とにかく走るのが楽しいと言った感じです。気合が入ると同じ手足を同時に出すと言う、とても走りにくそうな走り方で恐ろしい速度を出しています。(きっとアレがこの世界でのマスタング走法なんでしょう)

 

 一方でやる気の感じられないストさん(ストライクイーグル)は、普段は本当にやる気が無いんだけど、いざ走るとなると恐ろしい身体能力を発揮します。

 こんな稀代の癖馬は現実の競馬じゃ…いや、居ましたね。しかも思い切りウマ娘の顔役となっている娘のモデルとして。

 

「ストさん、一緒に頑張りましょう!」

「…へいへい、可愛い後輩に言われたなら、良いところ見せないとなー」

 

 そして私は私で、それなりに楽しくトレーニングしてる。やはりトレーナーが美人なひかりさんであるのが、やる気に関係してるかも知れません。

 …良いじゃないですか、記憶が戻ってからどうしても男性的な思考に引っ張られてしまうんですから。

 

 

 

 

 

 

 朝のトレーニングを終えて、それぞれの教室に向かう私たち。

 

 入学したての私が所属するのは中等部1年。

 1番学年が上のシルさんが高等部2年で、次が高等部1年のアルさん。

 1番体格が良いが実は中等部3年のストさんに、意外にも私より1年先輩のマキちゃん。(なので本当はちゃん付けは怒られそうですが、マキちゃんは気にしてないし可愛いらしいので、どうしてもマキちゃんと呼んでしまいます)

 

 中等部の私やストさんにマキちゃんは、まだまだトレーニング中心ですが、シルさんは今年のクラシックシリーズに出る予定のようです。

 

「どうしても勝ちたい娘が居るんです。」

 

 そう言ったシルさんの瞳は、普段の元気な感じからは想像できない程に真剣でした。

 

 さて、そんな事を考えながら歩いていたら教室につきました。

 

「おはようございます。」

「「「おはよー」」」

 

 挨拶をする私に、すでに教室にいる娘たちが挨拶を返してくれます。

 その中で私の元に駆け寄ってくる小柄なウマ娘が一人。

 

「おはよー、イッちゃん」

「おはようございます。フェアちゃん」

 

 彼女はフェアリィクロス。クラスで1番仲良しな娘ですが、現実の競馬では聞いたことのない名前なので、モブウマ娘なのではと思っています。

 左耳に十字架の耳飾りを付けているので牝馬と言う事になりますが、モブウマ娘でも細かな設定をしているなんて、さすがC〇gamesと言った所でしょうか。

 

「ねぇ、イッちゃんはチーム決めた?」

 

 フェアちゃんが私にチームに入ったか聞いてくる。

 トレーニングは一人でもできるが、チームに入らないとトゥインクルシリーズに出られないので、新入生はまず入るチームを探すのが基本だ。

 まぁトウカイテイオーさんみたいに、長い間チーム未所属のウマ娘も居るには居ますが。

 

「うん、“デネブ”ってチームに入ったよ。フェアちゃんは?」

 

 私は未所属ならフェアちゃんをデネブに誘おうかなー、なんて考えて聞いてみる。

 時折「ぷひー」と顔を真っ赤にするフェアちゃんが可愛らしいので、同じチームになれば楽しいかなーって思ってたりする。

 

「私もチーム決めたよ!“アルタイル”ってチーム!!」

 

 と思っていたが、フェアちゃんもチームを決めていたらしい。

 ただ“アルタイル”なんてチームは、アニメで聞いたこと無いので友達として一抹の不安がある。

 なので、ストレートに聞いて見ることにする。

 

「そうなんですね、でも“アルタイル”ってどんなチームなんですか?」

「えーっとね、とにかく先輩がみんな凄いの!どの先輩もG1ウマ娘だって言われても納得するくらいに凄いの!」

 

 

 その言葉に私は考える。

 

 

 

 考えて、考えて。

 

 

『どうしても勝ちたい娘が居るんです。』

 

 

 そしてシルさんの言葉を思い返し、ある仮説に辿り着く。

 

 

「へー、凄いですね。そんなに凄い先輩が居るのなら、一回練習を見に言っても良いですか?」

「うん!多分大丈夫だよ!」

 

 私は仮説を立証するため、“アルタイル”の練習を見に行くことにした。

 

 

 

 

 

 

「それでね!あの先輩が…」

 

 横で教えてくれるフェアちゃんの言葉を聞きながらも、私は茫然としていた。(2回目)

 …やはり私の仮説は正しかったと思いつつ、フェアちゃんが紹介してくれたウマ娘達を見回す。

 

 

 

「今日は良い天気やねー。えぇ練習日和やなー。」

 

 関西弁を喋る、長い癖っ毛の銀髪をポニーテイルにした美女。

 

『白い皇帝』ブルーエンブレム

 

 

 

「そうですねー、お昼寝でもしたい所ですけどねー」

 

 長い紫の髪を靡かせる、おっとりとした印象を受けるスレンダーな美人。

 

『盾の覇王』ヤシロハイネス

 

 

 

「ハイネス先輩、そんなんじゃマックス先輩に怒られますよ」

 

 跳ね上がった前髪が特徴の、艶やかな長い黒髪の美女。

 

『黒い帝王』カスケード

 

 

 

 そして…

 

「ハイネス、たるんでいるならスペシャルメニュー行くか?」

 

 切れ長の目でハイネスさんを睨んでいる、中心が白みがかった茶髪の美少女。

 

『闘神』マキシマム

 

 

 

 …なに!?この競馬漫画ライバルオールスターズは!!




ウマ娘名鑑その2
「シルフィード」(風のシルフィード)

 生まれた時に母馬である「サザンウインド」が死んでしまい、後に主戦騎手になる森川駿に育てられた芦毛の馬。
 数々の苦難を乗り越えて、後に日本調教馬ながら(現在まで現実及び作者の知る限りの漫画を含めて唯一の)凱旋門賞馬となる馬。
 鋭い末脚が武器で、『白い稲妻』と称される。

・容姿(ウマ娘)
 銀髪のショートカットで、右耳に妖精をかたどった飾りを着けている。
 顔立ちはあどけなく、体格も小柄ながら大きなバストと更に大きなヒップを持つ。
 普段着はボーイッシュで動きやすい服装が多く、パーカーとボーダーシャツにショートパンツ姿が特によくみられる。 
 勝負服や一転して純白のドレス姿。上着がたなびく様子が妖精の羽の様に見える。
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