ウマ娘の世界な筈だが、うちのチームがカオス過ぎる。   作:湯川彼方

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年末のG1が、多過ぎる。

 う~ん、これからどうなりますかね。

 

「イッキちゃん、どうしたの?」

「年末のレースの事を考えていました」

 

 私は今フェアちゃんとランちゃん(ランナクローズ)と、3人でお茶をしています。

 

 その最中、これから知ってるウマ娘の方々がG1に立て続けに参戦する事を考えていました。

 

「あぁ、うちの先輩も気合入ってる。ヘルメス先輩も珍しく毎日練習してる」

 

 ヘルメス先輩ねぇ…

 あなたも先輩のこと言えないのでは?と思いつつも気になるので質問します。

 

「…いつもはそんな練習しないのですか?」

「う~ん、週一くらい?」

 

 まぁあの合宿の時の様子を見たら、調子(体調)が良い日は週一くらいな気もしますからね。

 結局、ミニレースの日以外でテンション高かったのはバーベキューの時くらいでしたし。

 

 別に毎日練習するのが良い訳じゃ無いですけど、流石に週一は少ない気がします。

 天才型のウマ娘さんは、それでも結果を出せちゃうので羨ましいです。

 

「ぷひ~、ランちゃんと一緒ね」

「私は週二くらい。…体調が良ければ」

 

 それって実質週一と変わらなくない?

 うん、やっぱりこの娘も天才型だ。

 

「ジュニアクラスの先輩達も、みんなG1だもんね」

 

 フェアちゃんの言葉に、ランちゃんが話しだす。

 

「ヘルメス先輩の朝日杯は、ユキノテイオーさんとカザマエメラルドさんの逃げウマ娘2頭が強敵。…まぁ競り合って潰れてくれれば先輩が勝つでしょ」

 

 ユキノテイオーさんは優駿の門に出て来た“逃げる精密機械”の異名を持つウマ娘です。ミホノブルボンと同じチームで師弟関係にある様です。

 カザマエメラルドさんは、原作で見たこと無いですけどカザマゴールドさんと同じチームの逃げウマ娘だ。まぁカザマシリーズはシルバーとかダイヤモンドとか色々居ましたからね。

 

 2人とも弱いウマ娘じゃ無いですけど、ランちゃんの言うように逃げウマ娘同士で競り合えば、有利なのはヘルメスさんでしょう。

 

「エンブレム先輩はホープフルステークスに出るよ。パトリオットさんとかガンファイターさんとかが前評判高いけど、先輩も負けてないもん!」

 

 パトリオットさんは外国産馬で、外国産馬がダービーに出られなかった風のシルフィードの時代では“幻のダービー馬”と言われたほど強いウマ娘です。

 ガンファイターさんは、優駿の門で先ほど出たユキノテイオーさんを若葉Sで差し切った、“後門の狼”の異名を持つ追い込みウマ娘。ナリタタイシンさんと姉妹らしく、同じチームに居るらしいです。

 

 出てくる時期が早まっている様に感じる二人ですが、原作当時の状況とレーシングプログラムや育成環境の変化によるものでしょうか?

 

「アルさんは全日本ジュニア優駿ですが…正直地方のウマ娘は誰が強敵か解らないですね。園田で勝ったロードディングルさんが一番の強敵な気もしますし」

 

 現在の登録ウマ娘を見る限り、正直私の知る限り強豪ウマ娘は居なそうですし、アルさんの勝ちは揺るがない気がします。

 

 あと、どのチームの先輩も出ませんが今週末の阪神ジュブナイルフィリーズでは、原作でシルさんのお嫁さんになるシズカさんの名前や、キュータさんの名前も見られます。

 …この世界は全員女性なので出られるのは良いのですが、キュータさんはアレを取った前提でこっちに出てるのでしょうか?

 

「後は香港国際シリーズも気になりますね。カザマゴールドさんが香港マイル、シャオツァンロンさんが香港カップ、ユメノタローさんが香港ヴァーズってシルさんとマキシマム先輩の友達がたくさん出ますから」

 

 香港は日本から近いから、割と気軽に海外遠征出来ますからね。

 G1ウマ娘の勲章が得られるかどうかは重要ですし、自分の適性に合ったレースを選ぶのも大切です。

 

「まぁ、それよりも気になるレースが…」

「「「有馬記念(だね)(だよ)ですね」」」

 

 皆の声が一つになりましたが、やはり一番の注目は有馬記念ですね。

 

「三強対決って評判だけど、ヒヌマボーク先輩の様子を見てると負ける所が想像できない」

 

 ランちゃんがヒヌマボークさんの事を話すが、シルさんとマキシマム先輩との対決を熱望していた事もあり、気合が入ってるらしいです。

 

「それはマキシマム先輩も同じだもん!ようやく調子が上がってきたけど、凄い気迫だもん」

 

 マキシマム先輩も脚の痛みが無くなって、一気に調子が上がっているらしいです。

 敵に塩を送った形ですが、故障されるよりは100万倍マシですからね。

 

「それを言ったらシルさんも…」

 

 シルさんも…

 

「「?」」

 

 あれ?シルさんヤバくない?

 

 

 

 

 今回の有馬記念の相手は、これまでにない強敵ヒヌマボークさん。

 ましてや、マキシマム先輩も菊花賞のリベンジに燃えています。

 

 もちろんシルさんが勝つことを信じてますが、勝つために私に何か出来る事が無いかを考えました。

 

 私は今日まで、原作知識からシルさんの成長を前倒ししてきました。

 曰く、二段式スパート。

 曰く、重心の矯正によるスタートの改善。

 曰く、仮称ピーターツーペース。(これは勝手にシルさんが修得してましたが)

 

 そして更に何か少しでも勝ち目を増やす手が無いか考えた結果…

 

 

 もう、私の知識を出し尽くしている事に気が付きました!

 

 

 こうなったら、安心沢さんにレースで勝てる秘孔(成功率50%)でも…

 それともスパートを三段式(安直)にでもするべきでしょうか…

 

 そんな事を準備運動中に考えていると、シルさんが話しかけてきました。

 

「イッちゃん、何考えてるの?」

「いやぁ、シルさんが有馬記念に勝つにはどうすれば良いかなと思いまして」

 

 私は素直にそう伝えると、シルさんは笑いながら答えました。

 

「う~ん、難しい事を考えること無いんじゃない?」

「え?」

 

 その言葉に、呆けた顔をした私。

 そんな私を見て、シルさんは言葉を続けます。

 

「今日までボクがやって来て事の積み重ねが、ダービーや菊花賞でマックス相手に優勝出来た事につながったと思うよ。だから、ボクは有馬記念に向けてそれを更に積み重ねていくのが大切かなって」

 

 …私はちょっと天狗になっていた様です。

 

 今日まで私の介入で上手く行ってきた事に調子に乗って、練習の大切さを忘れていたかも知れません。

 

「そうですね、やっぱり普段の練習が一番大切ですからね!」

 

 そう言って笑いあう私とシルさんですが、他の皆がもう練習に入っている事もあり、ひかりさんの激が飛びます。

 

「こら、気を抜いて無いで走りなさい!」

「「はい!ひかりさん!」」




小細工をいくらするよりも、結局は基礎能力を上げるのが重要と言う話。
なお、名前だけ出て来たウマ娘が本編に出てくるかは未定です。
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