ウマ娘の世界な筈だが、うちのチームがカオス過ぎる。   作:湯川彼方

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アメリカの大レース、アーリントンミリオンが名前が変わって賞金が下がるってニュースを見ましたが、この作品ではアーリントンミリオンで通します。
年始に予定を組むのは、ウイ〇ングポスト的な感覚です。


年始は予定を組むのが、大変過ぎる。

 みなさん、明けましておめでとうございます。

 

 私たちは年末年始もトレーニング(シルさんはしばらく完全オフですが)の日々ですが、年が明けて昨年度のURA賞が発表されました。

 

 年度代表ウマ娘(兼最優秀シニア級ウマ娘)は、秋シニア三冠を達成したヒヌマボークさん。

 条件戦から有馬記念まで6戦6勝、重賞5勝うちG1を3勝と非の打ち所がない成績でしたからね。

 

 最優秀クラシックウマ娘にはマキシマム先輩が選ばれました。

 こちらは6戦5勝、重賞5勝うちG1を3勝。菊花賞に勝っていれば、年度代表ウマ娘争いは逆転していたかも知れません。

 

 シルさんは残念ながら受賞できませんでしたが、年度代表ウマ娘の投票でも票が入っていましたし、最優秀クラシック級ウマ娘の方もマキシマム先輩と票が割れていました。ただ、やはり有馬記念で負けたのが響いた格好です。

 

 最優秀ジュニア級ウマ娘には、ブルーエンブレムさんが選ばれました。

 何だか年末は色々な事に振り回されていた感があったのか、「見てくれてる人は、ちゃんと見てくれてるんや!」と言ってちょっと泣いていました。

 ちなみに成績は3戦3勝、重賞2勝うちG1を1勝(京都ジュニアSとホープフルS)。

 ヘルメスさんは2戦2勝なので、1勝少ない分がエンブレム先輩に負けた大きな原因でしょう。

 まぁマイル戦よりも中長距離戦を重視する、日本の風潮のせいもあると思いますが。

 

 あとアルさんも同等の成績なんですが、地方シリーズにしか出ていないため、そもそも投票の対象にならなかった様です。

 

 

 

 

 さて、年は明けましたがチームとしての大きな予定は、しばらくありません。

 それはアルタイルやベガも同様みたいで、有力なウマ娘達は基本的に春頃まで休む様です。

 

 シルさんとアルさんの予定は、シルさんが阪神大賞典、アルさんが弥生賞からの始動予定となっています。

 

 ヒヌマボークさんが春シニア三冠の一つである大阪杯からの始動を予定しているため、シルさんも大阪杯ルートを検討していましたけど、2000mではヒヌマボークさんを相手にするのは厳しいため、勝負は天皇賞(春)と言う事になりました。

 逃げたと言われてもおかしく無いですが、正直言って2000m~2400mがヒヌマボークさんの一番得意な距離だと思いますし、この距離の芝(特に短い芝)のレースでは世界を見ても勝てるウマ娘がどれだけ居るだろうと言う感じです。

 それに休み明け1戦目で対決するよりも、阪神大賞典で一叩きして万全の態勢で天皇賞で対決する方が良いだろうと言う思惑もあります。

 

 ちなみにマキシマム先輩は、宣言通りドバイのシーマクラシックに出る予定の様です。

 賞金が高い事もあり、世界中の有力なウマ娘も出てきますので、マキシマム先輩と言えど油断できないでしょう。

 その先のレースは今の所未定ですが、遠征の最終目標はアーリントンミリオンかBCターフ、もしくはその両方の様です。

 

 

 アルさんの弥生賞ですが、他の有力馬が出てくるかは微妙な感じです。

 うちとしては、アルさんが初の芝レースと言う事で本番と同じ環境で走っておきたいと言う考えで弥生賞を選んでいますが、皐月賞トライアルとしては他に若葉SやスプリングSもありますし、特に優先出走権が必要ないウマ娘は他のレースを選ぶ可能性もあります。

 

 現にブルーエンブレムさんは、共同通信杯から直行するプランの様です。ホープフルSで皐月賞と同距離・同レース場を体験しているのもあり、むしろ東京レース場を体験するのとレース間隔を空けて調整をしやすくする事を優先する様です。

 まぁ、レース間隔が空き過ぎるとレース勘と言うか勝負勘と言うようなものが鈍ると言いますが、2カ月ぐらいならそこまで問題はないでしょう。

 

 それに朝日杯勝者のヘルメスさんは、マイル戦の方へ進む様でニュージーランドトロフィーからNHKマイルカップを目指す様です。

 「長い距離は走りたくない」との発言にヒヌマボークさんは呆れていた様ですが、はるかさんやホクトベガさんもヘルメスさんの速度を活かすのそっちの方が良いと思ったのか、特に反対していない様子です。

 

 

 その他の知り合いだと、カザマゴールドさんはマイル戦を進む様ですが、アジアマイルチャレンジ完全制覇を狙う事は無いようです。

 ですが、マキシマム先輩とお互いに帯同出来るからか、ドバイターフへの挑戦は表明しています。

 まぁアジアマイルチャレンジはレース間隔が厳しく、現実では2レースに勝った馬が1頭居るだけで廃止されてますかですからね…。環境に慣れる時間も必要ですし、ウ〇ニングポストの様にはいきません。

 

 シャオツァンロンさんは、京都記念を叩き台に大阪杯でヒヌマボークさんへ函館記念のリベンジを狙っているそうです。

 …返り討ちに合う未来しか見えないのは私だけじゃないでしょう。鉄砲でもヒヌマボークさんが仕上がりを間違えるとは思えませんし。

 まぁ、その後は香港のレースと相性が良いのでは?と言う事でクイーンエリザベス2世カップへの出走も検討している様です。

 

 

 

 

 さて、まだ予定と言うほどじゃないですが、今年デビューを予定しているウマ娘達も準備が進んでいる様子です。

 

 ストさんはあまり暑さに強くない事もあり、デビューはアルさん同様に秋にする予定です。

 今年の最終目標はホープフルSのようですが、私の予想だとこのレースはめっっっっっちゃくちゃ厳しい事になりそうです。

 もういっその事海外遠征でもした方が楽なんじゃないでしょうか?

 

 その厳しい要因の一つになりそうなのが、アルタイルのヤシロハイネスさん。

 距離が長くなれば長いほど良いハイネスさんは、順調に行けばまずホープフルSに出てくるんじゃないでしょうか?

 まぁ、原作だと来年の秋まではまったく出番が無い筈ですけど、それを望むのは楽天的過ぎるでしょう。

 

 ベガは有馬記念で見た芦毛の娘、バトルハートさんは体調が弱いのもありデビューは急がないらしいですが、ピーターツーさんの方はやはり長距離の方が得意そうですから、ホープフルSに出るんじゃないでしょうか?

 

 他のチームはあまり交流が無いので解りませんが、少なくともアルさんの妹とバトルハートさんが居る以上、あのウマ娘が出てこない事は無いでしょうし、ストさんの他のライバル達も間違いなく居るでしょう。

 

 ちなみにひかりさんの方針で、同世代で一人のウマ娘しかチームにとらないらしいので、アルさんの妹を囲い込んで使い分けする予定は無いようです。

 まぁリギルの様な大チームを除いて、基本的にどのチームもそんな感じらしいです。

 

 スピカのウオッカさんとダイワスカーレットさん、ベガのピーターツーさんとバトルハートさんみたいに全く無い訳ではないですけど、その2チームにしても他の世代では基本1人ですから。

 そうする理由は、やはりウマ娘の数が増えるほどトレーナーの眼が届かなくなるからと言う事でしょうね。

 

 

 

 そうやって部屋で色々と考えている私に、フェアちゃんが声を掛けてきます。

 

「イッキちゃん、早く初詣行こう!」

 

 そうでした、今日はフェアちゃんと初詣に行く約束でしたね。

 

「そうですね、行きましょうフェアちゃん」

 

 神様が存在する事を知ってる身としては、気休めでも何でも今年も大きな事故が無いように祈っておくとしましょう。




「あっ、シルとマックスのチームの娘だよ!」
「あれ?シャオツァンロンさんも初詣ですか?」
「今年こそカノープス飛躍のために、チーム皆で来てるよ!」

 そう言ったシャオツァンロンさんは、一人のウマ娘を連れてきて紹介してくれた。

「今年のカノープスは一味違うぞ!だって大物ルーキーが入ったのよね!」
「がはは~、今年はロンが活躍するからなぁ~!」

((また、濃い娘が入ってる…))

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