ウマ娘の世界な筈だが、うちのチームがカオス過ぎる。 作:湯川彼方
今日はトレセン学園の入学試験です。
そのため、生徒は学校が休みとなるんですけど…
「ごめんなさい、今年の入試の案内係はデネブになりました…」
「あぁ~、ひかりさんそんなに気にしないで下さい。どこかのチームはやらなくちゃいけないんですから」
残念ながらひかりさんがハズレくじを引いたため、私たちが案内係になった様です。
「ちなみに、今回担当するのは他にスピカとカノープスよ。協力してやってちょうだい」
うん、スピカのトレーナーは本当にくじ運が無いようですね。
スピカとはあまり面識が無いですが、これを機にお近づきになりたい所です。
…
スピカとカノープスのメンバーも集まり、各々チームを超えて交流している様子が見られます。
スペシャルウィークさんとアルさんは、何となくウマが合ってる感じですね。アルさんがサイレンススズカさんを彷彿とさせるので、話しやすいのでしょうか?
シルさんは、シャオツァンロンさんに絡まれてますが、カノープスのメンバーがシャオツァンロンさんを回収して行きます。
イクノディクタスさんにアルゼンチンバックブリーカー状態で連れ去られる姿を見て、新加入のロンマンガンさんが愕然としています。
ストさんはゴールドシップさんに絡まれています。どうやら遊び相手になりそうだとロックオンされた様子です。
マキちゃんは、トウカイテイオーさんに可愛がられてます。テイオーさんもどちらかと言えば小柄なウマ娘なので、自分より小柄な娘を可愛がる機会に楽しそうな様子が見えます。
そして、私の所には…
「あら、イッキさんじゃない」
「メジロマックイーンさん、おはようございます」
芦毛の会の件で知り合った、メジロマックイーンさんが来ました。
「ヒヌマボークさんは貴女の予想通りになりましたわね。シルフィードさんには残念でしたけど」
マックイーンさんは、有馬記念の件を話してきます。
事前に私が予想した通りにヒヌマボークさんが入会資格を得ましたからね。
…もちろん個人的には、シルさんに勝って欲しかったんですけどね。
まぁもっとも…
「まぁ、シルさんなら今年には間違いなく入会資格を得ますよ!」
急に名前が出たからか、シルさんが私たちの方を向きます。
「えっ?ボクがどうかしたの?何の話?」
「ふふふ、イッキさんの予想がまた当たると良いですね。シルフィードさん、いずれ会える事を楽しみにしていますわ」
メジロマックイーンさんは、シルフィードさんに思わせ振りな事を言います。
それにしても…
「(えっ、あの会って、そんな秘密にしとくものなんですか?)」
小声でマックイーンさんに聞いてみます。
入会資格に届きそうなシルさんなら、会の存在くらい言っても良いのでは?と思いますが。
「(あまり大っぴらにすると、入会希望者が殺到しそうって事で広めて居ないんですわ。入会したい娘をあまり無碍に断るのも可哀そうですし)」
「(なるほど)」
あの会にはオグリキャップさんを始め、人気の高いウマ娘が多いですからね。
芦毛と言うだけで際限なく入れる訳にいかない理由も、その辺にあるのでしょう。
まぁタマモクロスさんは、もっと会員を増やしたそうですけど。
…
私達は、ある程度チームで担当区域を決めて案内を始めます。
まぁ、その方がやりやすいだろうと言う事で誰も反対はしませんでした。
私たちデネブは、一般入試の受付の辺りを担当していますが、ふと見ると何やら困っていそうな娘が…
!?
「アルさん、マキちゃん、あの娘が困ってそうなんで、ちょっと行ってきますね!」
私は近くに居る先輩に声を掛け、困っている娘の元へ行きます。
その娘の容姿は、私の良く知っている人に似ています。
「イッキちゃん、頑張ってますね」
「あれ、あの娘アルさんに似てるのね。あの娘が妹なのね?」
「いえ、私の妹は同じくらいの身長ですから違います。…ですが、確かに私に似ていますね」
そう、アルさんに何となく似ているその娘に、私は声を掛けます。
「何かお困りですか?」
その娘は、私の顔と腕に巻いた“案内係”の腕章をみて、少しホッとした顔をしました。
「あぁ、すまねぇ。あたいは編入試験なんだけど…場所が解んなくなっちまって」
「あぁ、編入の方はあっちの方ですね。一般の入試とは別れているんですよ」
そう、トレセン学園の入試は中等部・高等部の一般入試に加えて、地方からの編入試験も同時に行っているため、人数が多いので場所を分けて試験をしています。
なので、この人の様に迷い込んでくる娘は他にもいました。
「良かったら案内しますよ」
「わりぃ、助かるわ」
案内をしつつも、この人の事を探っていきます。
見た目は近くで確認しましたし、後は話をして情報を集めるとしましょう。
「編入試験は大変らしいですよ。特に一度入試で落ちてる娘は、かなり厳しく見られるそうです」
「へっ、あたいが落ちるとしたら面接で試験官に嫌われた時くらいだぜ!まぁ、ここの入試を受けるのも初めてだしな」
この人は相当な自信家ですね。
かと言って、自己分析が出来ていない訳でも無さそう。
競争能力も頭も相当良さそうな雰囲気がします。
そんな事を考えていると、この人の方も私を見ている様子がありました。
「あんた、歳はいくつだい?かなりやりそうな感じじゃないか」
「春に中等部2年になりますよ。まぁ私は大したこと無いですよ、うちの先輩達はもっと凄いですから!」
私の言葉に、その娘は少し凶悪そうにニヤリと笑います。
好戦的で、それでいて強いウマ娘に興味を持つあたり、もうこの人の正体は間違いないでしょう。
「そりゃあ楽しみだぜ。地方だとまったく相手にならない奴ばっかだったからなぁ~」
そんな事を話していると、編入試験の受付を見つけます。
「あっ、着きましたよ。そこで受付してください」
最後に、一応確認だけしておくとしましょう。
恐らく、私の予想は外れていない筈です。
「じゃあ、頑張ってくださいね。ボムクレイジーさん!」
「おぅ、ありがとよ!入学出来たらお礼するぜ!」
…やはり来ない訳は無いですよね。
素質なら有馬記念での三強やアルさん以上かも知れない娘が。
「ん?あたい名前言ったっけ?」
ウマ娘名鑑その9
ボムクレイジー(優駿の門)
原作ではアルフィーと交代で主人公になる馬。
見た目はアルフィーにそっくりだが体格は二回りは大きく、そして血統はサンデーサイレンス産駒のアルフィーに対して、父グリーングラス 母父シンザンと日本競馬の結晶の様な血統。
そして究極の気分屋で、下手すると人間よりも頭が良さそうな馬だが、最終的に日本馬として現実漫画含めて唯一BCクラシックに勝つほどの活躍をする。
容姿(ウマ娘)
腰まで伸びた黒い綺麗な長髪で、前髪の中央が白色が入っているのはアルフィー同様だが、よく見ると少し癖っ毛。右耳に爆弾の飾りが付いている。
顔立ちは釣り目で、体格はアルフィーに比べて背が高く、肉感的なセクシー体型。
普段着はTシャツにジーパン。
勝負服は背中に注連縄を背負った緑地の法被のような上着に、インナーは黒いタートルネックのシャツに黒いショートタイツ。