護衛艦きりしま、参ります!   作:OPRETER

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戦闘前段階が思ったより長くなったので分割。
戦闘も下手すると前後編になっちゃうか…?



11.防備拡充! 南西諸島防衛作戦・哨戒中

「じゃあヤマト、オキナワ(ここ)を頼んだわね」

「任されました、アリゾナさん」

 アリゾナさんの言葉に大和さんが答える。

 いよいよハワイ奪還へ向けて、米艦隊が沖縄を出発する。

 ……とはいえ、おそらくそう簡単にはいかないだろうというのが、ウチの提督と大本営の分析結果だ。

 何しろあそこは、アリゾナさんの化身にして最初の姫、泊地棲姫のいた場所であり、アイオワさんの化身にして最強の姫、中枢棲姫のいる場所だ。

 まず間違いなく、深海棲艦の中枢の中枢と言える場所。

 そんな場所に、こんな短い準備期間で攻撃を仕掛けるのはかなり分の悪いギャンブルと言える。

「アナタと手合わせできなかったのがちょっと心残りかしら? キリシマ」

「作戦が終わったら改めて。お姉さまと二人でゆっくりお相手しますよ」

 と私も答える。

 ちなみに、今日の私は『戦艦』の巫女服で見送りに来ている。

 護衛艦のセーラーのほうが着るのは楽なんだけど、こっちのほうが気が引き締まるのよね。

「Kongo CrassのSisters Powerを見せるネー!」

「……さすがに2対1じゃないでしょうね」

 いわゆるジト目でお姉さまをみるアリゾナさん。

「なに? 2対1でやりたいの? ワタシは別にかまわないケド?」

「おねーさま。ボケもいい加減にしてください」

 

 

「「「…………」」」

 水平線に艦隊が消えて行く。

「……大和さん、正直、どう思います?」

「ハワイ作戦?」

「はい」

「……橋頭堡の確保まではいけるでしょうけど……正直、いつまで維持できるか、な気がするわ……」

「ソウダネー。米国が補給(Supply)の重要性を理解していないはずがないケド、いつまで抑えられるか……」

「主補給線としてはALからのラインのつもりでしょう。問題なのはALを抑え続ける大駒を配置できるか、と、この南西諸島の抑えの駒」

「……駒が足りない?」

「それも大駒が。特に北方棲姫(ほっぽ)を抑え続けるだけの力量を持っている駒は、米国にもほとんどいない」

「Fumm……確かに、今回も陸奥さんと伊勢さん使いましたしネー……」

 北方棲姫(ほっぽ)のような、場所に縛られるタイプの陸上型深海棲艦は、涌く(リポップする)のだ。

 AL列島がシーソーゲームになっているのはこれが理由。

 涌く(リポップする)原因はまだわかっておらず、ゆえに確保し続けるにはそれなりの戦力を張り付かせなければならない。

 時期もまちまちで、一説には戦力をある程度引き上げたらそこで出た、なんて話すらある。

「……ハワイ作戦のドロップに期待ですかねぇ……」

「敵からの戦力をあてにするのもアレですけど、それしかないでしょうね」

 大和さんはくるりと振り返り、

「さて、哨戒行きましょうか」

「……大和さんはまだ修理終わってないんで、待機で秘書艦だそうですよ」

 その私の言葉に思わずズッコケる大和さん。珍しい……

 まぁ、哨戒に大和さん使うなんてできるはずがない。燃料どんだけ飛ぶと思ってるねん! 

 

 

「さぁ、砲撃戦、開始するわよー! 

 主砲、敵を追尾して! ……撃て!」

 私の41cm砲が火を吹くぜ! 

「────!」

 砲弾が空母ヲ級改flagship(フラヲ)に突き刺さり、沈んでゆく。

「……なんとか、なりましたか、ね」

 朝霜の言葉に、

「なんとか、ね」

 そう返す私。

 ……さすがに私と初霜、朝霜の3隻でのイベント海域哨戒はキツイわー……いや、(ユニット)ないから仕方ないんだけども。

 というわけで、戦艦『霧島』(わたし)は21駆の二人と共に、イベント海域と化した沖縄周辺南西諸島を哨戒中である。

 大和さんはまだ修理が終わってないのと、哨戒に使うにはコスパの問題で基地に詰めている。

 お姉さまは修理を終え、私とは別班で哨戒中。

 ちなみにこの世界、高速修復剤(バケツ)に類するものはあるが、工廠妖精さんに多大な負荷をかけ、使いすぎると妖精さんがストを起こしたりするので、なるべく使わない傾向にあるが、さすがに今回は使っている。

 ……大和さんの艤装はそれでも終わってないわけだが。

 閑話休題。

 

 米艦隊がハワイ奪還作戦へ出発したのち、私たち第二戦隊は3班に分かれて周辺一帯の哨戒、掃討にかかった。

 今回は火力必須のため、私は戦艦(改二)仕様だ。

 同時運用はできないけど、着替えと装備変更で戦艦と護衛艦を使い分けられるのはいいよね我ながら。

 ……ひさびさの戦艦装備の実戦でちょっとうきうきしてたのはここだけの秘密で。護衛艦装備じゃ俺Tueeeeはできねぇんだよ……

『北上より全艦!』

 ん? 北上さんから通信? 

『敵、主力艦隊発見!』

「!!」

 なんですと?! 

『沖縄本島より南西約400km、進行中!』

『北上さん! 交戦中ですか?!』

 基地の大和さんが反応した。

 私はそれを聞きつつ、初霜、朝霜にアイコンタクト。

 二人ともうなづき、ともに全速で基地へのコースをとる。

『まだ交戦してない。電探と偵察機で遠方確認した時点で撤退に移ったから。

 艦隊構成も詳細は不明だけど、鬼姫級らしき姿は確認した!』

『……出せますか? 出せますね?! 

 ……はい。

 金剛さん! 霧島さん!』

「こちら霧島、補給と装備変更のため帰還中!」

 と答える。

『金剛! こっちはちょっと距離があるネ! 合流までしばらくかかるネ!』

 お姉さまはしばらくかかるか……! 

『こちら護衛艦『すずつき』、きりしまさんの護衛艦艤装を搭載して緊急出港した! 基地に向かっているなら30分で合流できる!』

「ありがとうございます! 助かります!」

 すずつきの艦長さん有能! 

『私と鳳翔さんも出撃します! 洋上で合流、敵主力艦隊を迎撃します!』

 大和さんと鳳翔さんも出撃す()る! 

 なんとかフルメンバー揃えられそうだ! 

 

 

「見えた!」

 やっと護衛艦『すずつき』が見えた。

 その艦尾に近づき、梯子に手を掛ける。

 初霜と朝霜に周辺監視を頼み、私は甲板へ昇る。

「お疲れさまです」

 甲板上に仮設されたテントの中へ入ると、台に置かれた私の護衛艦艤装が鎮座していた。

 よく見るとわらわらと妖精さんたちが最後の整備を行っているのが見える。

「みんな、よろしく」

 グッ、とこちらに気づいた妖精さんたちが一斉にサムアップ。

 戦艦艤装を台に置き、

「機関停止。

 こっちも、ごめんね、みんな」

 こちらも妖精さんたちにサムアップで返された。

 戦艦艤装を外し、テントの隅に置かれているバッグを開いて中に護衛艦艤装の制服が入っているのを確認、戦艦の巫女服をその場で脱ぎ始める。

 恥じらい? んなもん気にしてる場合じゃねぇ! 見られたって減るもんじゃねぇし、なんなら見られたほうが綺麗になるんだよ! 

 ……まぁ、いずれにせよ、艦娘(このしごと)してると、そーゆーのがだんだん麻痺してくるのはたしかだ。

 ただでさえ女所帯なうえ、被弾すれば神霊装甲(アストラルアーマー)の効果で怪我こそしないが代わりに制服が弾け飛ぶ。それをはじらって気にしていたらさらに被弾して最悪轟沈だ。

 なので艦娘は肌の露出には無頓着になってくる。

 女としてそれはどうよ? という意識もなくはないので、少ないプライベートではわりとガーリーな服装をする者も多い。

 それはともかく、着替えた私は艤装を装備して機関を始動、テントからとびでて甲板から水面へジャンプ! 

 水面に着水したら全速で航行する。

「初霜! 朝霜! あとよろしく!」

「「はいっ!」」

 初霜と朝霜は基地に戻り、別動隊に備えることになっている。

 さて、それはともかく、

「SPY-1起動。周辺走査開始」

『全力走査開始!』

 SPY-1(イージスシステム)で周辺走査する。

 ……ええと、これがすずつき、これが大和さんと鳳翔さん、お姉さまは……範囲外か。

 北上さんたちは……いた。これだ。

 私から見て南南西に約200km、沖縄本島からは南西約240km。

 となるとそのさらにおおよそ100~150km向こう側に敵主力艦隊、と。

 まずは大和さんと合流だな。

 

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