護衛艦きりしま、参ります!   作:OPRETER

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12.防備拡充! 南西諸島防衛作戦・Uマス

「北上さん!」

 おーう、と手を上げて答える北上さん。

 敵主力艦隊を発見した北上さんたち、北上、矢矧、磯風、浜風の4艦と合流した。

「お姉さまは……間に合いませんね」

 お姉さまと涼月、潮がこちらに向かっているが、まだ100km近く。

 しかし、敵艦隊もすでに200kmを切っている。

 お姉さまたちを待っていたら攻撃タイミングを逃すだろう。

「……金剛さん、残念ですが今の位置では間に合いません。後詰めをお願いします」

 大和さんがそう連絡する。

『了解ネ……』

 お姉さまは悔しげに答え、進路を基地へ向けたのがレーダー上で確認できた。

 涼月がいないから対空は事実上私一人か……かなりキツイけど、神の盾(イージス)の名に懸けてやるしかないね。

「矢矧さん、あなたも後詰めお願いします。

 北上さんと磯風、浜風はこのまま敵艦隊の迎撃に」

「「はいっ!」」

 矢矧さんをいったんその場に残し、私たちは敵艦隊へ向かう。

 

「北上さん、敵艦隊の構成ですが」

「撤退中に矢矧の偵察機でもう一度確認した。

 ナ級eliteが2、ツ級flagship、ヌ級flagshipが各1。んで、空母棲鬼と南方棲戦鬼。()()()()()()

 マジすか。

「どっちも鬼ってことは……」

「そう。どっちも『変身』残してるよ」

 ……うわぁ……限りなく無理ゲーだコレ……

 南方棲戦鬼に空母棲鬼にヌ級の3タテ? 瞬間の航空機数300超えるぞソレ……

 SPY-1の同時走査数をも超える数の暴力……

「……金剛さん、すみません」

 大和さんがお姉さまに連絡をとった。

『……どうしたネ?』

「敵主力艦隊に南方棲戦鬼と空母棲鬼を確認しました。()()()()()()()

『Really ?!』

「第二艦隊をまとめてこちらに向かってください。必要に応じてメンバーを入れ替えます」

『了解ネ! 艦隊をまとめてすぐ向かうネ!』

 交代要員の支援艦隊が確保できたが、まずは落とせるかどうかだ。

「少しでも削りましょう。鳳翔さん、140を切ったらお願いします」

「なにもしないよりはましですね。了解しました」

「きりしまさんは、」

「130で撃ちます。1発づつで」

 先回りして大和さんにそう言う。

「お願いします」

 

 

「敵艦隊まで150km、ハープーン攻撃用意はじめ」

『ハープーン攻撃用意、発射弾数2(フタ)発、目的諸元入力』

 私のSSM発射器(キャニスタ)が発射態勢に移る。

「こちらもそろそろ行きましょう。

 艦戦隊、艦攻隊、艦爆隊、発艦はじめ!」

 鳳翔さんが弓を放ち、その3本の矢は艦戦隊、艦攻隊、艦爆隊に変わり、敵艦隊へ向けて飛び去ってゆく。

「ハープーン1番、2番攻撃用意! よーい、()ーッ!」

 発射器(キャニスタ)からミサイルが撃ち上がる。

「きりしまさん、測距データ、ください」

 大和さんがそう言った。

「……はい、CIC、大和へ測距データ、送れ」

 CIC妖精さんから大和さんの砲塔妖精さんへデータが送られる。

「1番、2番、超長距離砲撃、用意! 

 ()ェ!」

 大和さんの46cm砲発砲! 

「頼むよ~」

 北上さんも甲標的を放出する。

「全艦増速! 砲戦距離まで近づく!」

 打てる手は打った。あとは実際対峙するしかない! 

「突撃陣形! 複縦陣!」

 増速しつつ陣形を組み直す。

 前列が磯風と浜風、中段が大和さんと北上さん、後列が私と鳳翔さんの突入複縦陣。

『ハープーン、目標に近づく! 

 4、3、2、1、目標命中(マークインターセプト)! 

 推定両鬼目標に命中! 

 続いて弾着、今!』

「航空機の追跡処理を中止して! 航空機数がこちらの処理能力を超える可能性が高い!」

『了解!』

 CICに航空機追跡を止めておくように言っておく。無理でも処理能力には余裕をとっておきたい。

「!」

 っていう間に敵航空機隊が上がってきた。

 レーダー画面に煇点(フリップ)が映り、追跡用のマーカーが設定されるがすぐに外される。

 それがまぁ雨のように。こんなんいちいち追跡してられっか……

「航空機隊、敵航空機と接触。さすがに多いですね」

 さすがの鳳翔さんもうんざりしているようだ。

「……さすがに制空権は取れません、が……!」

 顔をしかめる鳳翔さん。航空機隊を必死に指揮しているようだ。

 空母は麾下の航空機をある程度操れる。もちろん主体は搭乗している妖精さんにあるのだが、妖精さんに同調し、指揮することで航空機隊を操れるのだ。

 これは戦艦、巡洋艦が偵察機を操る場合も同様だ。偵察機妖精さんに同調することで、偵察機の視界を得られる。

 ……ちなみに、『きりしま』は、航空機(ヘリコプター)運用能力を持たない。(原型艦から持ってない。着艦甲板はあるが格納庫がない)

「いけました! ナ級1隻撃破、1隻中破!」

 さすが! 

「甲標的も敵艦隊に接触~」

 北上さんがそう言うとともに、

「砲戦距離突入! 全艦砲雷撃戦用意!」

 大和さんの声が響く。

「ワタシノ ホウゲキハ……ホンモノヨ……」

 そして南方棲戦鬼の声も。

「…………」

 私と鳳翔さんは警戒しつつ減速し、大和さんたちから離れて後方支援位置につく。

「第一、第二主砲。斉射、始め!」

 大和さんの砲撃! 

「ココハ……トオシマセン……」

 南方棲戦鬼も撃った! 

 ……どちらの砲撃も双方とも避けたのでダメージにはなっていない。

 その間に、

「総員、対空戦闘用意! 対空走査制限は解除!」

『対空戦闘よーい!』

 対空戦闘の準備に入る。

 さすがの南方棲戦鬼でも砲撃が届く距離じゃないが、航空機は来るからね……

「オチナサイ!」

 って言う間に来やがったよ! 

 南方棲戦鬼、空母棲鬼、ヌ級から航空機が上がる! 

「スタンダード迎撃はじめ! 発射弾数5発! 大和さんたちへ向かった機体を狙え! 

 こちらに来る機体は主砲で迎撃! 主砲対空戦闘!」

『スタンダード迎撃用意! 目標ロックオン諸元入力!』

『主砲対空戦闘用意!』

「スタンダード、()ェ!」

射撃開始(コメンスファイア)!』

 VLSからスタンダードミサイルが発射される。

「──!」

 と、ヌ級に水柱! 

「ィよーし!」

 北上さんの甲標的からの先制雷撃か! 

「ここで、確実に、落とーす!」

 さらに北上さん+駆逐2人の集中砲火! 直撃を受けたヌ級が沈んでゆく。

『敵機主砲射程内!』

 っと、見とれてる場合じゃないや! 

「主砲対空戦闘! 撃ちィかたはじめ!」

『主砲、撃ちィかたはじめ!』

 私の右腰に位置する主砲ユニットから砲撃開始! 上空の敵機を落としてゆく。

 ちらりと前線をみると、北上さん+駆逐2人がナ級とツ級を抑え、大和さんが鬼2体を相手取っている。

「…………!」

 知らず握る手に力がこもる。こういうときは『戦艦』ではない自分がもどかしい。だけどいまはこらえるとき! 

『敵機直上! CIWS(シウス)迎撃!』

 直上から落とされた爆弾を両肩のCIWS(シウス)が自動迎撃! 

「きりしまさん! 左、雷撃!」

 鳳翔さんの声。左にいた雷撃機からの雷撃! 

「左逆転! 船首(バウ)スラスター全開!」

 航路をねじ曲げ、魚雷をかわす。

「鳳翔さん?!」

「大丈夫です! 損傷ありません!」

 よかった。

「補給完了。お返しです!」

 鳳翔さんが弓を引き、航空機隊を上げる。

「ナ級とツ級は磯風さんたちが抑えてるから」

「いえ、先にナ級を片付けて下さい。鬼級を削るより北上さんたちをフリーにしてリソースを集中させたいです!」

 鳳翔さんに意見具申する。

「……ツ級の相手は正直つらいのですけど、ね!」

 応じてくれたらしい。航空機隊が北上さんたちが交戦しているナ級とツ級に向かっていく。

「!」

 ツ級がそれに反応して対空砲火をしようとしたが、

「させません!」

 浜風と磯風の砲撃でタイミングをずらされた。

 爆撃と魚雷が2隻を襲い、

「────!」

「ナ級撃破! ならばこちらもいくぞ! 

 磯風の戦歴は伊達ではないぞ。忘れるな!」

 さらに、磯風と浜風の砲撃でツ級も沈む! 

「さすが鳳翔さん!」

 北上さんがそう叫んでくるりと振り返り、

「40門の酸素魚雷は伊達じゃないからねっと! 

 ……あんたらにブッ込むために取っておいたんだからねェ!」

 魚雷を全門斉射! 北上さんはナ級たちを抑えつつも、いつでも鬼2隻を相手取れる位置をキープしてたのか! 

 魚雷が走り、南方棲戦鬼と空母棲鬼の足元で起爆! 

「ワタシハ……モウ……ヤラレハシナイ!」

 私が対空戦闘している間に何度か撃ち合っていたのだろう、いまの北上さんの一撃で2隻とも大破状態! 

「いいや、終わりだね!」

 空母棲鬼にさらに魚雷! どこから……甲標的か! 

「ええ、終わりにしましょう!」

 さらに大和さんからの砲撃が南方棲戦鬼に突き刺さる! 

 そのダメージで空母棲鬼、南方棲戦鬼の艤装が全体的に起爆していく! 

「ソンナ……マサカ……ソンナ、コト、ガ……」

 炎が全体に周り、爆発に包まれる2隻。

「「…………」」

 しかし、全員警戒は解かない。なぜならば……

「……ヒノ……カタマリトナッテ……シズンデシマエ……!」

「……ナンドデモ、ミナソコニ、オチテイクガイイ……!」

 その炎の中から、空母棲姫と南方棲戦姫が現れることを知っていたからだ。

「……そう、わかっていた!」

「「!」」

 空母棲姫と南方棲戦姫の左右に爆発! 

「ナ……ニイ……!」

 さらに! 

「!」

 2隻の頭上から光の矢が1本づつ落ちる! 

「ガ……ァァァァ!」

 ひときわ大きな爆発が起き、その煙が晴れると2隻とも中破状態にまて損傷していた。

 種明かしをすれば、爆発は(きりしま)SSM(ハープーン)だ。

 鬼級の艤装が起爆し、変移が始まったと思われるタイミングで2発づつ、水平射撃(シースキミング)上空曲射(ポップアップ)で回り込むように撃っていた。

 今回、大和さんと鳳翔さんは基地から直接、そして私は途中で戦艦から護衛艦へ装備変更していて()()()()()()()()()()。残弾に余裕があるのだ。

 SSMは8発すべて使える。

 開幕で1発づつしか使わなかったのも、この変移のタイミングで使うつもりだったから。

 さらに発射器(キャニスタ)にはまだ2発残している。ボス戦だから使いきっても問題はない! 

「……キ……サマァァァァ!」

 南方棲戦姫がその手のひらから航空機を発艦させる! 

 だけども相手が悪いぜ! 神の盾(イージス)なめンな! 

「対空戦闘、VLSスタンダード! 10(トオ)発! 

 主砲対空戦闘用意!」

『スタンダード諸元入力!』

()ェ!」

射撃開始(コメンスファイア)!』

 背中の艤装のVLSからミサイルが撃ち上がる! 

 空中に火の玉が踊り、それを抜けた航空機隊がこちらに迫るが、

「主砲対空戦闘!」

 すでにこちらも対空戦闘準備を終えている! 

 が、SPY-1が警告音を発する! 

「……後方から砲撃?」

 空に火花が走り、航空機隊をまとめて吹き飛ばした! 

「三式弾!」

 振り向いたその先に、

「真打ち登場ネ!」

「お姉さま!」

 お姉さま率いる支援艦隊が現れた! 

「あとは任せるネ!」

 私と鳳翔さんを通りすぎ、砲戦距離へ突入する! 

「冥土の土産に全弾持っていけ!」

 北上さん、磯風、浜風が魚雷を全弾発射! 

 そのまま、後方へ下がる。

「砲雷撃戦、始めます!」

 入れ替わりで、21駆の二人と、涼月、潮を率いて、矢矧さんが突っ込んでくる! 

「阿賀野型を軽巡と侮らないで! 

 全艦! ()──ッ!」

 2隻の姫級に北上さんたちの撃った魚雷が命中! 間髪入れずに矢矧さんたちからの砲撃が突き刺さる! 

「ワタシハ……モウ……ヤラレハシナイ! 

 オチナサイ!」

 南方棲戦姫が魚雷を放つ! 

 しかし、ヒット&アウェイした矢矧さんたちには追いつけずかわされる。

「こっちも忘れてもらっちゃ困るネ! 

 Bur──ning L──ove!」

「敵艦捕捉、全主砲薙ぎ払え!」

 お姉さまと大和さんの砲撃が両姫に突き刺さる! 

「オチロ──!」

 空母棲姫が艦載機を上げる。が、

「近づけるわけにはいかない……撃て!」

「対空迎撃! VLSスタンダード10(トオ)発! 撃てィ!」

 対空専門職が2隻も(わたしと涼月が)いれば恐るるに足らない! 

 ゲーム的に(前世で)はあり得ない姫2隻VS連合艦隊、艦娘側(こちら)が有利な条件ではあるものの、17駆2隻と北上さんはすでに魚雷なしのため離脱。

 大和さんもなんだかんだで、すでに大破寄りの中破。

 姫級の火力は馬鹿にできない。一発大破は充分ありうる。

「残機数的に、これが最後ですね……!」

 鳳翔さんが艦載機を上げ、姫2隻に襲いかかる! 

「サクテキヲ、オロソカニスルカラダ……!」

 空母棲姫はこれで大破状態に! 

「チッ……!」

 南方棲戦姫の砲撃! 火線は大和さんへ向かうが、

「やらせないネ!」

 お姉さまがフォローに入り、砲撃を弾く! 

「さぁ、決めますヨー! 

 全主砲、Target!」

 お姉さまの砲撃! 南方棲戦姫に突き刺さる! 南方棲戦姫大破! 

「オ……ノレ……!」

 南方棲戦姫と空母棲姫はお姉さまたちのほうに向き直るが、その後ろに水柱が立った! 

「!」

 振り向く南方棲戦姫。

「────!」

 空母棲姫の艤装が爆発し、沈んでゆく。

「!」

 その向こうに、矢矧さん率いる水雷戦隊! 魚雷で仕留めたんだ! 

「これで……終わりですね!」

 大和さんの46cm砲が狙いをさだめ、

「敵艦捕捉、全主砲薙ぎ払え!」

 発砲! 

「────!」

 ふたたび振り向いた南方棲戦姫に砲撃が突き刺さる! 

 ついに、南方棲戦姫の艤装も火を吹きはじめる。

「ワタシモ……ワタシモ……モウイチド……ヨミガエル……ノ、カ……」

 南方棲戦姫の艤装全てが炎に包まれ…………

「…………」

 ついに、その姿が海中に消えた。

「……終わりました、か?」

 鳳翔さんがそう呟き、

「……ええ、終わったようですね」

 私はそう答えた。

 見ると、南方棲戦姫の炎から立ち上った火の粉のような粒子が、大和さんとお姉さまのもとへ集まって……それぞれ、30cm四方の『ドロップキューブ』となった。

 そのキューブを、大和さんは大事そうに抱え、

「さあ、帰りましょう」

「「はいっ!」」

 




さて、これでネタ尽きた。
次はなにをしようかな。
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