今回、「擬音を使わない」という縛りを入れたのでそれも理由のひとつかねぇ…
「……いよいよか」
ひととおりの兵装チェックを終えて、いよいよ真骨頂のイージスシステムを試す。
「レーダー展開。警戒索敵始め!」
『索敵始め!レーダー展開!』
船体上部に折り畳まれていた4枚の板のようなSPY-1レーダーが頭上に展開し、四方を向く。
それと同時に、CIWSが置かれている両肩装甲から光が走り、目の前に半透明の空中ディスプレイが現れた。
「おおー」
レーダー索敵の結果が表示されてゆく。
距離とレーダー反射量から脅威度判定が行われ、
一番近いのは
「
『CIC了解』
CICからの返信で
一番遠いが、脅威度も高いと判定されたのは、
「
全部で23の
「恐らく
「見えた」
水平線に艦娘が4人。
背はそんなに高くないので間違いなく六駆の4人だろう。
大きく手を振っているのは暁かな?雷かな?
やがて4人の側まで到着する。
「はわわ、本当に霧島さんなのです!」
「
「まぁ、名前が同じな別の
驚いた声をあげる電と響に私はそう答える。
響は今日は『響』だ。『ヴェールヌイ』ではない。
この世界では『改二』相当や『改』で艦種が変わる場合、艤装が新しいものになり、『改二』前の艤装はそのまま残り、装備しなおすこともできる。
艦これのコンバート改装──いや、完全ノーコストだからアーケード版のカード入れ替えに近いか。
なので私も『霧島改』として出撃することは可能だ。
「今日はありがとね、4人とも」
「問題ないわ!もともと今日は警戒待機日だったしね!」
「それより霧島さんは大丈夫なの?大破轟沈寸前までいったって聞いたわ」
雷と暁がそう言ってくる。
「意識はもっていかれたけど僚艦が拾い上げてくれたみたいね。艤装はかなりやられたけど機関はギリギリ持ってくれたのかしら」
機関が停止すると艦娘本人と艤装とのリンクが切れる。そうすると水上に浮けなくなるので文字通り『沈む』。
なのでその前に僚艦が引っ張りあげて、あらゆる作戦を放棄してなにがなんでも帰還することが徹底的に義務付けられている。
このルールのおかげで開戦から6年間『人的損耗』はなんとかゼロに押さえられている。
女三人寄れば
体感時間はさほどもなく、演習用海域に到着する。
「司令官?演習用海域に到着したわ」
代表して暁が提督に報告。
『了解した。演習用標的は設置完了している。はじめてくれ』
提督から許可がおりる。
「ん~……」
雷と電は、艤装についている記録用全方位カメラのスイッチを入れ、
「記録開始」「記録開始なのです」
記録を開始する。
それを確認してから、
「じゃぁ、始めるわ」
私は海域に向き直る。
すでに展開済のモニターを再度確認し、目標が予想どおりであることを確認してから、
「演習戦闘よーい!ハープーン攻撃始め!発射弾数
『ハープーン攻撃始め。発射弾数
「ハープーン発射後両舷全速、戦闘機動!残りの目標は主砲攻撃を行う!
『主砲対水上攻撃用意!』
『戦闘機動用意!』
右腰のハープーンが外側を向いて発射位置に。
『ハープーン攻撃用意!よーい、
ハープーンのロケットモーターに点火、ミサイルは砲弾と異なり、ゆっくりと、
「おおー……」
暁だろうか響だろうか、驚嘆の声が聞こえた。
『続いて
二発目のハープーンを発射。
私は次の行動に移る。
「両舷全速!戦闘機動!主砲攻撃用意!目標
『両舷全速!』
ぐっ、と踏み込んで全力加速する。
護衛艦『きりしま』の最大船速は駆逐艦並みの速度が出せる。
ちなみに戦艦『霧島』も29
今回は限界性能を知る必要もあるので限界までぶんまわすつもりだ。
標的群を視界にとらえたところで爆発音。2つ。
『
『まもなく主砲射程圏内!主砲攻撃用意!』
主砲の127mm砲は艦これ的にいえば射程中距離砲だ。それなりに近づく必要がある。
「取り舵っ!」
接近しすぎず、かつ速度維持のためにあて舵をとる。
『主砲射程到達!主砲攻撃始め!』
『撃ち~方始め!
発砲。約5秒間隔で3発。
「速い?!」
雷か電の驚きの声。秋月型の長10cm砲ちゃんでも装填にこの倍はかかるからだろう。
……2発命中。小目標だったおかげでなんとか破壊できた。
「目標
「ふぅ……」
『予定目標なし』
20個の演習用目標を破壊し終えた。今回は砲撃訓練予定だったので反撃されることはなかったのだが。
「雷、何分?」
「あ、ええと、開始から53分、かな」
「……だいぶ速かったわね」
自分でも驚きだ。戦艦『霧島』なら射程は長いが装填に時間がかかるので3時間はいきそうだ。駆逐艦、巡洋艦連中だと装填は早いが射程は短いので走り回ることになり結果2時間ぐらいが普通だろうか。
とはいえ、
大型目標はさすがに無理があったのでハープーンを1発使ってしまった……演習弾は残り1発……
「……提督?終わりました」
提督に連絡をとる。
「……で、この航空機は演習目標ですか?」
「「え?!」」
そう。終盤にSPY-1レーダーに航空機を捉えていた。
捉えた時点では演習領域外だったが、いまは演習領域内に入って来ている。
『あらら、もうばれたんかい』
「……龍驤さんでしたか」
『ま、そういうこっちゃ』
はぁ、と息をついて、
「ハープーン6番発射用意。目標
『ん?』
左側のハープーン
「撃て」
爆音と共にハープーンミサイルが発射される。目標は航空機を発進させた
いちおう、龍驤さん自身も演習領域内にいることは確認済み。そして撃ったのも演習弾だ。
『な、なにしたんや?!』
それには答えずに、
「対空戦闘用意!」
『対空戦闘!』『対空戦闘!』
「VLS、対空戦闘。まずはスタンダード4発。目標はCICに一任。主砲対空戦闘用意」
『CIC指示の目標、スタンダード攻撃始め!』
妖精さんのその声のあと、船体横のVLSからミサイルが立て続けに4発発射される。
「両舷全速!」
ふたたび全速航行を始める。
『のわ~!』
『
龍驤さんの悲鳴が通信越しに聞こえた。演習弾だから怪我も破損もしてない……はずだ。
上空で爆発音。離れてはいるが……遠いとも言い切れない。
『主砲対空戦闘!撃ち~方始め!
主砲が仰角をあげ、発砲を始める。
「あと4発はスタンダート使っていい!迎撃はCICに一任するっ!全力回避行動!」
なにしろ一発もらった時点で大破轟沈してしまうのが現代艦の宿命だ。
CICという『もうひとつのアタマ』があることをこれ幸いに、迎撃行動はCICに丸投げし、私はレーダー画面とにらめっこして回避動線を頭の中で計算する。
『
『
「魚雷回避運動!ランダム加速に備え!」
魚雷の対抗手段は往年からの鉄則『避ける』以外の方法はない。魚雷の迎撃システムなぞ2000年代になっても存在しない。
ホーミング魚雷に対しては「誘導装置を騙してそらす」ことはするが結局「避ける」ことには変わりはない。
なので基本、魚雷に対しては「魚雷を撃たせる前に搭載機/艦を落とす」ことが大前提になっている。
『スタンダード迎撃開始!
第二波のスタンダードが撃ち出される。
さすがは龍驤さんの艦載機、というべきだろう。第一波のスタンダードの迎撃で一旦は
上空の攻撃機は主砲でなんとかなるだろうが問題は低空の雷撃機だ。スタンダードで迎撃するがさすがのSPY-1レーダーでも波のある海面上の雷撃機は識別が困難になる。
警告音!
「!」
左に振り向く。主砲砲撃。
主砲が右腰にマウントされている関係上、どうしても左側が死角になる。おまけにSPY-1レーダーのエレメントを背中にでかでかと広げているので後方射角もほとんどない。
「実戦だとこのへん気を付けないとだめね」
どうあってもミサイルの弾数が足りないから主砲頼みになりそうだしね……
さて、現状は、とレーダー画面を見ると、いまの砲撃で上空の目標は残り1、低空の雷撃機群は……スタンダードが命中し始めたか次々消えてゆく。
しかし、
「!」
『
『
「
とっさに見上げながら叫ぶ。両肩の
すぐに上空には火球、つづいてもうひとつ。
雷撃機は、とレーダーを見ると敵機は映っていない。
『対空目標な』
「
『!』
『魚雷探知ィ!』
レーダー画面に合成される。
「回避!面かーじ!右舷逆転!」
左右のスクリューを逆転させて無理やり航路をねじ曲げる。
さっきまでの未来位置に魚雷の雷航が過ぎ去るのが見えた。
「………………」
『……探知圏内に対空目標なし……』
「……はぁ~……」
ようやく息がつけた。
「状況終了、対空戦闘用具収め」
『対空戦闘用具収め』
……な、なんとかなった……!
戦闘シーンは「フェアリィ鎮守府(後編)」(https://www.nicovideo.jp/watch/sm25442848)がイメージベースになってます。
…つか台詞回しまんまですね(^^;;;
きりしまさんの場合、シースパローは積んでないのでスタンダードになってますが。
というわけで、次回はデブリーフィングの予定。
そのあとはどうしようかなぁ。アンケートでもやってみるか。
次はどうしましょう?
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遠征
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実戦