護衛艦きりしま、参ります!   作:OPRETER

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ないようが、ないよう…



05.デブリーフィング

「はぁ……なんとかなった……」

 演習海域から鎮守府に戻ってきた。

 そこで待っていたのは、

「やってくれたのお、自分」

 先に上がっていた龍驤さんが腕組みして待っていた。

「……せやかて工藤」

「誰が工藤やねん」

 いいツッコミです龍驤さん。

「……いや実際、演習なんですから、攻撃受けることは折り込み済みですよね? ちゃんと演習弾使いましたから実質のダメージないですよね? 演習海域内にいたのを確認してから撃ちましたけど?」

 といいつつ、スロープを上がって上陸する私たち。

「……まぁ、せやけど。あの距離から来るとは思わんかったわ」

「いまの私を誰だと思ってます? 戦艦『霧島』ではなくイージス護衛艦『きりしま』ですよ?」

「……せやったな。あんな短時間で12機全機撃墜たぁさすがやな」

「でも結構ギリギリな気がしたのです」

 と電の言。

「……まぁ、ね。あとはデブリーフィングにしましょう。いろいろ反省点も多いし」

 一旦この話は打ち切る。

「そうね。潮を落としたいわ」

 うーん、と伸びをしながら言う暁。

「龍驤さんは?」

「うちは先に入ったからええよ。会議室押さえて提督に連絡しとくわ」

 ひらひらと手を振って建物へもどる龍驤さん。

「……あんな眼の毒見せつけられて轟沈しそうになるのは一度で充分や」

 聞こえそうに無いよう小声で言ったのだろうが私には聞こえてしまった。申し訳ないです龍驤さん……! 

 

 

「ぶへ~……」

 風呂はいいねぇ……リリンの生み出した最高の癒しだよ……(嘘)

 という訳で、私と六駆の5人は風呂に入っていた。

 この基地(ウチ)では24時間態勢で艦娘専用大浴場が艦娘持ち回りで運営されている。

 これは通常の施設ではなく、艦娘がなかば勝手に作ったもので、基地の施設管理部とは別管理になっている。

 艦娘運用が始まった最初期に、海から上がったあとに風呂に入れないとは何事だ! という声が上がったが、施設管理部は風呂の使用制限を解かなかったため、なら自分たちでやる! と言い出してはじまったもの。

 最初は駐車場に私物のコンテナトラックを持ち込み、その中に風呂釜と風呂桶を設置したのが始まりで、現在では工廠近くのプレハブ小屋に、設置、撤去コストとメンテナンス性からブルーシートの湯槽になっている。

 閑話休題

 

「……あいかわらずものすごい迫力なのです……」

「見てるだけでも眼福ではあるけどね」

「ま、まぁ、レディーにはあそこまでのは必要ないのよ、うん」

「そ、そうよね! うん」

 ……聞こえとるよおまえら。

 まぁ、なにかというと、私の目の前でぷかぷか浮かんでいる私の胸のふくらみである。

 ……うん。片手の手のひらで支えられないくらいあるんだこれが……

 ……龍驤さんがちょっと毒づいてたのもこのせいである。

 いや、艦娘はじめたころはこんなになかったのよ?! 

 改になったあたりから増えはじめて、わりと大きめな海外艦娘にまじってトップクラスなサイズになってしまっている。

 いつもはサラシでがっちがちに固めているのでそこまで暴れないが。

 とはいえ、『元絵』から外れたサイズな艦娘は私以外にもそこそこ見かけるので、もうそういうものなんだと割り切ることにしている。

「……そろそろあがりましょうか」

「「「「はーい」」」」

 

「では、デブリーフィングをはじめる」

 という提督の宣言から、プロジェクターでホワイトボードに映しだされた2枚の画像が動き始める。

 さっきの演習で同行していた雷と電が撮影した全方位カメラのデータから、(きりしま)が入っている画角を切り出したものだ。

 さらには高高度から撮影した空撮の動画もある。さすがに実戦では制空権の問題からやらないが、演習の場合、立ち位置の確認のため撮影することがある。

 画面の中の(きりしま)が、開幕ハープーンを撃ち放つ。

「いきなり撃ったんかい」

「そら撃ちますよ。対艦攻撃能力はほぼハープーンに負ってるので」

 龍驤さんの言葉に答える私。

 ちなみに、デブリーフィングの出席者は提督、私、六駆の4人に龍驤さんと、機材操作と書記に大淀さんの8人だ。

「あー、こうして見ると、結構無駄な動きしてますね」

 俯瞰画像はほぼ定位置から撮っているので動線はわかりやすい。

 自分としては近場から潰していったつもりだったが、俯瞰画像からするともっと近い目標があったりして後で戻るという動きがあった。

「それでも、ちゃんと距離を取って攻撃してるあたりさすがですね」

 そらぁ、一発食らえばオシマイですからね、と暁の言葉にひとりごちる。

 画面の中の(きりしま)は、主砲を撃ちまくって、ひとつひとつ目標を潰していっている。

「ハープーン使わんのはアレか? 弾数か?」

「ですね。今回演習弾は4発しか入れてきてないので」

 提督の問いに私はそう答える。

 そもそもの装填数が1回の出撃で8発しかないのだ。(1戦闘ではない)

「……127mmじゃかなりキツいな」

「そもそもが駆逐艦クラスですからね」

 護衛艦きりしまの艦種はDDG……Guided Missile Destroyer、すなわち駆逐艦である。

 画面の中では、大型目標に対処し損ねたあげく、3発目のハープーンを撃ったところだ。

「結局撃ったか」

「積み重ねればなんとかなるかと思ったんですが」

 カスダメ重ねてもなんともならんと思い知っただけで終わりましたとさ。

「……やはり対艦攻撃能力が限定的すぎるか」

「基本、防空艦ですから。それ以上は無理かと」

 イージス、神の盾の意味は、航空機に対する能動的防御(アクティブディフェンス)にある。

 画面の(きりしま)は、さらに主砲を撃ちまくって、20個の標的を撃破した。

「航空機を確認したのはいつだ?」

「もう少し前、40分前後です」

「ええと……」

 大淀さんが画面のタイムカウントを巻き戻す。

 さらにレーダー画面が表示され、40分ごろからC(チャーリー)13(ヒトサン)のナンバリングが振られた目標、龍驤さんから発進した航空機のE(エコー)群が映る。

「……こんな前から捉えられとったんかい」

「この時点では演習海域外でしたから、追跡はしつつも脅威判定は保留してました」

 龍驤さんの言に補足する。

「で、連絡とって演習目標と判定、まず発艦させた龍驤さんを最優先で叩くために最後のハープーン使いました」

 私の言葉に合わせるように画面の(きりしま)がハープーンを撃った。

 その後もスタンダードと主砲で航空機を撃っていく。

「対空ミサイルはわりと撃ったんか」

「VLSは多少余裕ありますからね。それでもなるべく主砲で撃ってますが」

 龍驤さんの言葉にそう答える。

 VLSは見かけ8×2の16セルだが、実際は90セル(90発)分の搭載量がある。

 これは原型の『きりしま』の性能(前29+後61)に準ずる。

 ちなみに、原型が端数なのは原型の『きりしま』のVLSが、3セル分づつ搭載作業用のクレーンになっているためだ。

 約1/4の25発は対潜用アスロックをいれていて、残りが対空用スタンダードの構成になっている。

「あ、外した」

 暁の呟きのとおり、標的を外す。

「ミサイルって、撃ったら必ず当たるんじゃないの?」

 と暁が言うので、

「そんなわけないでしょ。誘導するとはいえ、いろんな要因で当たらないことはあるわよ」

 当たり前な話である。

 画面では、結局CIWS(シウス)まで使って撃墜し、ギリギリで魚雷を避けて終了、となっていた。

「……なるほどなぁ。おおよそカタログスペックは出せる、と考えてよさそうだな」

 提督かそう総評する。

「正直言えばもう少し対艦能力が欲しいところだな。Mk.41にハープーン積めなかったっけか?」

「いやそりゃ無理でしょう。スタンダードを無理やり(ふね)に当てることはできるでしょうけど。第一、対空ミサイルの数を減らしてどうするんですか」

 提督が珍しくすっとんきょうなことを言いやがった。

 対空ミサイルの数減らすとか、本末転倒でしょうが。

 たしかに対艦能力欲しいけど! 

「まぁ、防空担当が増えるのは正直ありがたいしな。しばらくは頼むぞ霧島」

「了解ですが、戦艦艤装のほうは?」

「そっちも修理はすすめてるが、優先順位は下げてる。しばらくは大規模攻勢は無理そうだしな」

 資材的な意味でですねわかります。

「扶桑姉妹か伊勢姉妹のうち一人を廻してもらえるか相談中だが、いざって時には『改』艤装で出てもらうかもしれんから、心づもりはしといてくれ」

「了解です」

「まぁ、とうぶんは護衛艦艤装で運用することになるだろう。沿岸警備や船団護衛には充分だ。次の予定は追って伝える。以上」

 




とゆーわけで、前話のアンケートで、
遠征:14票
実戦:12票
となりましたので、遠征任務となりました。

遠征船団護衛にでも行きますか…



【挿絵表示】

ちなみに、護衛艦きりしまはこんな感じです。
つみだんご式霧島改二ベースで作成しました。(まだ一部未完成)
艤装のパーツ配置は、いわゆる「\イージスです/」こと「宮城地元からやってきた金剛型2番艦」を元にしています。
霧島「あの、胸部装甲がえらく増量されてるんですが」
性癖に従った結果だからシカタナイネ!
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