あと、「シルキーフレーム -絹肌機械-」(あかやま壽文)が電子化したので。
シルキーフレームとミューフレアーは(マイナーだけど)美少女ロボ黎明期の聖書だと思ってます個人的に。
読め。<命令形
「はいよー、ソーキそば、上がったよー」
「あ、すいませーん」
カウンターに上がったどんぶりを受けとり、
席に座って、
「いただきます」
ずるずると麺をすする。
( ゚Д゚)ウマー
往路の船団護衛を終えた
船団はこの先で別の護衛艦隊の護衛で台湾、東亜方面へ向かうことになる。
私たちは逆に、東亜方面からの船団を護衛しつつ、内地へ帰還することになる。
「アレ……どうなったんでしょうね」
その綾波のことばに、全員が一瞬止まる。
「……気にしても仕方ないわよ。私たちの管轄じゃないんだから」
魚の唐揚げを頬張りつつ、川内さんがそう答える。
……先日の戦闘で入手したドロップキューブは、嘉手納基地の工廠妖精さんに渡した。
その中から「何」が出てくるか、出てきた「モノ」を「どう」するのかは、嘉手納基地の提督の決めることだ。
「内地まで持って帰ることはできないんですか?」
「アレは最寄りの基地に提出することになってる。それは
妖精さんの助力が必要とは言え、ドロップキューブは貴重な補給物資といえる。遠征艦隊に横取りされてはたまったものではないため、担当区域内の基地に提出することが義務づけられている。
ましてや、D案件となれば戦力拡充にもつながるだろう。
「Hi、センダイ」
私のうしろから川内さんへ向けての声。
英語ネイティブなイントネーション。
振り向いてみると、長い茶髪の女性がいた。
「アリゾナ? どうしたのこんなところに」
と川内さん。
ああ、この人がアリゾナさんか。前世の艦これでは実装されていなかった人。
Pennsylvania
わりと初期からこの沖縄を母港としているという噂は聞いていた。あのアイオワさんより前だったので驚いた記憶がある。
……彼女の本来の母港であるハワイは、いまだ深海棲艦の手の内だ。
ちなみに、アイオワさんは主に米本土西海岸を守っているらしい。
「この娘がね、あなたに会いたいって」
そう言って、後ろにいる女の子を示す。
青いショートカット、金色の瞳、青と白を基調としたセーラー服と、緑色のプリーツスカートに身を包んでいる。
おずおずと
「あ、あのあの、
と名乗った。
「!!!」
全員が固まった。
……なんてことのない挨拶に聞こえるが、客観的によく考えると言葉が矛盾している。
当事者からすればすぐにわかるが。
……噂をすればなんとやら、まさか本人の登場とは。
おそらく彼女は、先日のドロップキューブから「再生」された娘だ。はっきり言わなかったのは極秘事項のために口止めされているからだろう。
しかも「
……背格好からおそらくまだ成人していないだろうに。
もっとも、艦娘艤装を装備すると外見が艦娘の「元絵」に引っ張られることがある。髪の色とか長さとか髪型とか。
それを考えると、「再生」されたときに背格好も引っ張られたか……?
「あ……あ、うん。大丈夫だった?」
ようやく再起動した川内さんがそう聞くと、
「はい、もう、すっかり」
とサムはそう答えた。
「あの……聞いていいのかわかんないけど」
続いて綾波がおずおずと聞く。
「……どこまで、憶えてるの?」
「……」
その綾波の問いに少しうつむき、
「……『喰われた』ところまでははっきりと。そのあとは……まるで映画でも観ているようにうっすらと」
……深海棲艦だった間のことを憶えてるのか……
「ごめんなさい。嫌なこと思い出させちゃったわね」
「
サムはそう言って、自分の手を見つめ、ぎゅ、と握る。
……あまりよろしくないな。手段と目的が反転しかねない。先達として釘をさしておくか。
……そういえば、サミュエル・B・ロバーツって、確か……
「そういえば、サミュエル・B・ロバーツって、『戦艦のように戦った駆逐艦』って言われたって聞いたことあったわね」
と、私がサムに向かっていう。
「えっ」
「確か……随伴していた空母艦隊を守るために
敵艦隊に突っ込んで、
砲弾も魚雷も本当に全部撃ち尽くして、
轟沈した、って話よ」
「「……」」
一瞬、場が静まり返る。
「でもね、サミュエル・B・ロバーツ」
私はサムに向き直り、その眼を見据える。
「その名と魂を受け継いだとは言え、あなたがそんな風になる必要はないわ」
「……!」
眼を見開くサム。
「そうだねぇ」
川内さんが続ける。
「
だけど、この
場合によっては
負けなければ勝つ目は残る」
「こと、深海棲艦との戦いで、逃げることは恥でもなんでもないわ。無理なら逃げてもいいの。
まぁ、何のために戦うのか、を常に考えなさい、ってことね。
たまにいるのよね。『正義の鉄拳を振るうために正義をマウントする』やつが。
戦うことだけを目的に目標を設定するのはバカを通り越して無能のすることだけど」
これは私の持論である。
手段と目的が入れ替わっては意味がないどころか最悪害悪になる。
……どこぞの夜戦バカは微妙だが。
「…………」
私の言葉に何人かはどっかの軽巡に目をやるが、
「……まぁ、どこぞのバカはいちおーわきまえてる範囲でやってるのよあれでも」
いちおうそう言っておく。
口では言っているが実際は余力がある時にしかやってないのだあの人は。
……やってる時点で、ではあるが。
「……」
サムは口をつぐむ。なんと言っていいのかわからないのだろう。
「すぐ実戦、ってわけでもないでしょうから、ゆっくり考えなさい。
「……はい」
そういってうつむき、考えるサム。
「あの」
再び顔を上げ、
「お名前、教えていただけますか?」
「私? 金剛型の霧島よ」
嘘は言ってない。
「
「ええ、そうね。今は戦艦艤装は修理中で別の艤装だけど」
「…………」
……なんかすんげぇ尊敬の眼差しでみられてんだけど……
「あなたがキリシマだったのね。お手合わせ願いたいわね」
アリゾナさんまで食いついて来やがった。
「今回はご勘弁願いますか。また次の機会に」
「あらそう……」
さすがにいまは戦艦の相手はできねぇー!
「そろそろ行きましょうか」
「はい」
「「では、失礼」」
もう一度敬礼して、去っていった。
「「……」」
場が静まり返るが、私は座り直し、
「とりあえず、食べちゃいましょう」
まだ飯の途中だよ!
提督室のドアを川内さんがノックする。
「
「失礼します」
室内へ入り、提督に敬礼。
「第三水雷戦隊、川内以下3名、参りました」
「ご苦労様」
室内には女性提督が一人。
ユミコ・ナンブ
もともとは日本人で、高校まで日本で育ったが、高校卒業後に米海兵隊に入ったという異色の人だ。
生まれたのがハワイだったのでもともと米国籍を持っていたらしい。
提督適性(艦娘適性はないが、妖精さんを認識でき、コミュニケーションがとれる)があったため、
「ああ、あなたが霧島ね」
そう言って私の方へ。
「聞いたわよ。初めて発見された現代艦娘だ、って。しかもイージス艦娘とは」
「お耳が早いですね」
「この仕事、情報収集が命に直結するからね」
さすが叩き上げ。解ってらっしゃる。
「で、そんなあなたにお願いなんだけど」
「何でしょうか」
「さっきうちのサミーに会ったそうね。よければ稽古つけてくれないかしら」
「……演習をせよ、と?」
うなづくユミコ提督。
……うーん、どうだろう……
「……どうでしょう? あの娘もまだ艦娘になったばかりでしょう。練度的にもスペック的にも重荷かと。
まず成功体験をしてからのほうが良いかと愚考します」
「あなたがあの娘に言った言葉を聞いたわ。おかげでモチベが爆上がりしてて。この機を逃したくないのよ」
「では、三水戦との合同訓練というのはどうでしょうか」
と名取さんが提案する。
「きりしまさんだけでなく、
……イロイロとアレってなんや。まぁそうだけど。
「悪くはないわね……あなたたちの予定は……」
と、テーブルに戻って資料をひっくり返す。
「あった。あら、明日出発?」
「だったんですが、船団が少し遅れているので明後日にずれ込みそうです」
と、川内さんが答える。
「じゃあ時間は取れそうね。お願いできるかしら」
「「「了解しました!」」」
翌日。
「本日はよろしくお願いします!」
元気よく敬礼をキメるサム。
なるほど確かに
「じゃあ始めようか。まずはお手本ってことで、磯波」
「はーい」
川内さんの言葉に磯波は少し前へてで停船、主砲を構えて沖合いにある標的に狙いをつける。
「
主砲発射。標的にペイントが当たる。
「よーし。じゃあ次、浦波」
「はい」
それを見ている私の隣に、サムの監督官として同行しているアリゾナさんが来た。
「まさかイージス艦艤装とはね。私との手合わせ断ったのはそのせい?」
「さすがに単艦で戦艦のお相手はできませんよ……」
イージス艦単艦で戦艦の相手しろなんて自殺行為にもほどがあるわな。
「きりしまさーん! 次、いきます?」
「りょうかーい」
そう答えて前へ出る。
「さてさて」
主砲ユニットの下にあるグリップを握って、ユニットごとアームから切り離す。
主砲ユニットはそのままハンドガンのような武器となる。
「上手くできるかしらねぇ」
実際、手持ち兵装使ったことないんだよね私。
戦艦艤装もイージス艤装も砲は艤装側のマウントだし。
停船して、砲を両手で構えて、
「!」
発砲!
標的の横に水柱がたった。
「「……」」
「うーん、普段手持ちしないからねえ」
ふたたび構えて、撃つ。
……6発目でようやく根元に当たった。
「……じゃあ次、サム、いってみましょう」
「は、はい!」
私と入れ替わりにサムが前へ。
停船して構える。サムの主砲はPDWのようなストック付きなのでブレにくいだろう。
私は主砲ユニットをアームにマウントし直してアリゾナさんの隣に戻る。
「……外したのはわざと?」
「まさか。通常、こいつは自動射撃ですからね。手持ちで射たないと訓練になりません。
まぁ、普段手持ちで撃たないのであのていたらくでしたが」
実際、マジでブレブレやったわ。主砲ユニットでかいし重いしなー。エアガンでも買って練習するかなー
「ありがとうございました!」
砲撃訓練を終えて、ふたたびサムが敬礼で挨拶する。
「お疲れさま。参考になったかしら?」
その川内さんの問いに、
「はい!」
と元気よく答えるサム。
うむ、初々しいねぇ。
……しかし……よくよく考えると、だ。
サムは確か、ブラウザ版5周年任務の任務報酬だったはず。
でも、こちらではすでに開戦から6年経っている。
……
アケでの記憶に残っているのは、確かAL/MIだっけ。
ブラウザ版はやってないから、Wikiで調べた程度なんだよな。あとはシブとかツイートで画像が廻ってきたとかさ。
サムが降りてきたのは、なんてことはない遠征任務だ。たまたまいままで降りてこなかったといえばそれまでだが。
「……」
それを言えば
いままでのルールではあり得ないイージス艦艤装。
近いうちになんかありそうだな。改二の艤装、早めに上げてもらわないとアカンかも……
「キリシマ? 大丈夫?」
とか考えていたらアリゾナさんに心配されてしまった。
「ええ、ちょっと考え事を」
「どうしたの?」
「……そろそろ大規模戦、来そうかな、と」
「あれ? 日本だとこの間あったばかりでしょう?」
「ええ、まぁ」
確かに。つい先日、ブーゲンビル島での大規模戦「ブイン防衛作戦」が終わったところだ。
……ちなみに私は本土待機組でしたのよ。
「さすがにそんな短いスパンじゃ来ないでしょう。いくら
「まぁ、その筈でしょうけど」
フラグがクソ怪しいんだよなー……
「きりしまー! 帰るわよー」
「はーい!」
川内さんの言葉に、とりま、港への帰路についた。
アリゾナは(大方は予想したと思いますが)この世界では泊地棲姫から中身ごとドロップしました。この世界の泊地棲姫はアリゾナと五航戦艤装2隻分のトリプルドロップという超レアケースだったのです。
容姿はとりあえずアズレン準拠で。
ちなみに、その時霧島さんは後方支援艦隊だったので前線のドロップ騒ぎは知らなかったのです。
ユミコ准将は某漫画の人がモデル。まんまですが。
ちなみに、艦娘の自衛隊内での階級は一律三佐(少佐)扱いとなっています。これは艦娘は戦闘艦艇扱いになるので左官以上で、運用母艦の艦長(一佐(大佐)クラス)が場合によっては命令を下せるようにこの階級になってます。
つまり長門も占守も階級としてはおなじ。また、階級が上がることもありません。