ジョジョの奇妙なRTA   作:浅辺太郎彦

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今回はRTA奏者視点じゃなくて第三者視点です。


Part4,5 キング・クリムゾンVSチョコラータ&セッコ

 サン・ジョルジョ・マジョーレ島で一人の男がビデオカメラを回していた。まるで学術記録を残すかのように。だがカメラを回すこと、それ自体は特段珍しいものではない。サン・ジョルジョ・マジョーレ島は世界的に有名な観光地なのだから。

 

 そう、カメラを男が回す。それだけがこの場において正常と言えるものだった。現在サン・ジョルジョ・マジョーレ島の道路では多くの車が火をあげ、そして爆発している。水路では多くの船が油を流しながら沈没している。

 

 そして周りにはその十倍の緑色のカビに覆われた死体と、カビに食われながらも幸か不幸か死ぬには至らず未だ苦しんでいる半死人が山のように転がっている。

 

 そんな聖書における世界の終末を体現したかのような状況でカメラを回す男が普通なわけがない。そのカメラを回す男の服装は何枚かのパーツを無理矢理繋ぎ止めたような形状の茶色のダイバースーツを身に纏っており、その姿はまるでフランケンシュタインかのようだった。

 

 その男の名前はセッコ。ヨーロッパの中でも有数の規模を誇るパッショーネの中で最も精神が破綻した二人組である。セッコは上司(と言うよりは飼い主と言った方が正しいと思われる)のチョコラータと共に多くの人間を害してきた。

 

 時には自殺させ、時には衰弱死、時には自らの腹の中身を見せながら、時には腕を切り落としてその腕を電極で動かして、そんなふうに数え切れないほどに害を与えてきた。

 

 害する内容はそれぞれ違ったが彼らに害されたものは痛みと絶望の中に死んでいった、と言う点においては共通していた。そんな彼らのあり方はあまたの快楽殺人鬼にそのものだッた。

 

 だが、そんな彼らの先達には共通点があった。それは等しく王に断罪されていると言うことだ。そして、それは彼らも例外ではなかった。彼らを断罪する紅の帝王が、すぐそばまで迫っていたのだから。

 

 

◆◆◆◆

 

 

 セッコという男は常に強者の元で過ごしていた。子供の頃は自らより強くガキ大将の側で従順に過ごし、そのガキ大将がチンピラに喧嘩で負けた。するとそのチンピラにどこまでもついていった。そのチンピラがギャングにやんちゃしてケジメをつけさせられた。そうしたらそのギャングの舎弟になった。

 

 そのさまざまな相手に怪我を負わないように、危険ではないように媚を売る姿はまるで犬のようだった。勝ち犬でも負け犬でもない。ただの犬だ。

 

 だがそんな犬のようなセッコも怪我をする時が来た。そのギャングの命令に従順に犬のように従った結果、セッコの飼い主のギャング共々ギャングの抗争によって病院送りになってしまった。そこからセッコは外道の道を歩み始めることになる。

 

 セッコはたまたま、チョコラータにギャングが拷問されて苦痛に歪む姿を目にしてしまった。その姿チョコラータが拷問する姿を見て常人ならば絶叫を挙げるだろう。ギャングのボスであっても嫌悪感を抱くだろう。

 

 だがセッコは気が付いいたら、チョコラータの靴を丹念に丹念に飼い主に甘える犬のように舐めとっていたのだ。セッコは本能で理解したのだ。チョコラータが自らよりも多くのことを知り、多くの技術を持ち、そして多くの悪意を持つと。故に敗北宣言として靴を舐め始めたのだ。

 

 そんな奇特な姿を目にしたチョコラータは興味を持ったのかセッコを書類や免許を誤魔化して助手として扱うようにした。そして不審がられないようにするためか、それとも単なる趣味かはわからないがセッコに教育をし始めた。

 

 そんな関係が一年、二年と続いた頃、チョコラータは医療ミスを出して命を失わせた咎(と、なっているがチョコラータとセッコ以外にはバレていないだけで死因のは拷問ののちの狂死である)によって解雇された。それが最後に残ったチョコラータの公式な記録である。

 

 そしてチョコラータとセッコは二年ほど前にパッショーネに入団した。あとの顛末はそう大した話ではない。ただ警察などの法という最後のブレーキさえ失われた二人が暴走していった。そして彼らを止めるものは現れなかった。それだけの話である。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 そんな経歴故にセッコはチョコラータと自分達の勝利を疑っていなかった。断罪される、と言うことも。目の前に紅の帝王が現れてもなお気づかず、疑いすらしなかった。

 「ドッピオ、私は試練を乗り越えること、過去を乗り越えることによって人間は成長して行く、と考えている。北風は寒ければ寒いほど強いヴァイキングを産むように強い試練が人の限界を叩き壊せるのだと、そう信じている。

だが貴様らは試練ですらない。困難ですらない。ただのカビ掃除だ。『キング・クリムゾン』」

 

 

 彼が断罪されるまで、あとわずか。

 

 

◆◆◆◆

 

セッコの目の前にはドッピオが来ていた。そのドッピオを見てセッコは恐怖や警戒といった感情を感じることはなかった。ドッピオはセッコから見て鈍臭くてドジな同胞以外の何者でもなく警戒の対象に値しないと考えていたからだ。

 

 だからそのドッピオが自分の正面に現れても、何ら警戒することはなくただビデオカメラで映像に残しながらいかに殺すかだけを考えていた。だからドッピオの髪が伸びていても何ら警戒することなく慢心していた。

 

 もっとも慢心しても仕方なくはある。セッコは泥化させて防御と言うものを嘲笑う攻撃力、そして地面を潜る奇襲力がシンプルに強く、対策が難しいスペックだった。それに加えてそのスタンドと小指が赤い糸で結ばれたと例えられるほどの相性の良さのチョコラータがいたのだから。だがそんな事情は圧倒的強者のまえでは関係なく、その慢心のツケをセッコは支払うことになる。

 

 「お、おまえよぉ、な、なんでここにいるんだ?暗殺、チーム、の仕事、じゃあねえの、か、よお?」

 

 それはセッコの本心から出た疑問だった。なぜここにいるのか、そんな素朴な疑問。それを聞いてからドッピオを殺すのも悪くはないと思っていたからだ。

 

 「…『キング・クリムゾン』」

 

 その質問に対する答えは沈黙。そしてセッコに対する答えは結果で返された。セッコは次の瞬間正面にいないことに気づいた。目を離していないはずなのに視界から消え失せていたのだ。それとともに身体に違和感を感じた。

 

 「あ、あれ、いねぇ。どこ行きやがったんだ?」

 

 セッコは次の瞬間、浮遊感を感じるとともに自分のスーツごと頭部が何者かに掴まれている感覚を味わった。

 

(なんだ。お、おれの頭掴みやがって!な、なめてやがるのか!ぶっ殺してやる!)

 

 セッコは自らを侮辱された怒りのままに自らの頭を掴んでいる下手人を殺そうと腕を振るった。だがセッコは殺すこともできなかった。体を動かす事すらできなかった。異常に悪態をつくための声どころかうめき声をあげることすらできなかった。そしてそんな状態を自覚した次の瞬間、自らの首から下からの感覚が無くなっていることと、何故か自らの視点が下がっていることに気がついた。

 

 (な、なんだ?なにがお、おこっているんだ!?)

 

 次の瞬間セッコは首から下に引き伸ばされてぐちゃぐちゃになったような痛みを感じた。そこまできてようやくセッコは気がついた。自らの首がギロチンで斬られたかのように体と泣き別れしていること、そして自らが助からないことを。

 

 セッコはせめて自らの首を切り落とした顔を見ようとしたが首が切られたからか、それとも絶望感からかセッコの目は視力を失っていた。自分の敗北を確信したから靴を舐めようかと思ったが、下は動かなかった。何もできないので、せめて神に祈ろうとしたが思考するよりも早く頭は黒で包まれた。

 

 そしてセッコは自らを殺した相手の顔を見ることすらなく絶望感の中に沈みゆきながら意識を永遠に喪失していった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

 そんなセッコの末路をセッコを殺した本人であるディアボロ以外に見ていたものがいた。セッコの飼い主であるチョコラータだ。そのチョコラータの視界にはマジックやトリックでは全くもって不可能な光景が広がっていた。

 

 おどおどとしたこの裏社会に似つわないほどの常識人にしてドジなドッピオの筋肉が隆起していき、髪型が変わっていったのだ。そして変わっていった次の瞬間セッコの後ろに変異したドッピオが現れセッコの首を赤色のスタンドで切断した。

 

 切断し終わると体は不要と言わんばかりに頭部のみ切り落とされたセッコの死体を残してドッピオとセッコの頭部が消えていったのだ。このスタンドなしではあり得ない怪現象を前にしてチョコラータは、興奮していた。

 

 「なるほど、確かに強力なスタンドだな。能力は瞬間移動と言ったところか。その能力ならボスにドジであっても親衛隊に選ばれる理由がわかるよ。

 

 だが、そのスタンドが力及ばず倒れる時どんな顔をするのだろうな。おれはいまあのスタンドを乗り越えたい!あの強いスタンドを持っている、その顔を絶望に歪めてやるぞ!セッコ、ちゃんとカメラを構え、と、そうか。もう死んでいたな」

 

 だがチョコラータは興奮していたがそれと同時に冷静な思考能力を保っていた。いかにしてあのドッピオを殺すかということを考えるために。

 

(あいつは恐らく近接パワー型だな。そうでなければセッコの首を一息に切り落とせるほどのパワーはないだろうからな。

 

 となると今ヘリコプターの上にいるわたしに届きうる攻撃は投擲だけだ。そして投擲なら動く時に必ず投げてくる動きの射線が見えてくる。それを辿れば場所がわかるからそれさえわかればグリーンデイは容易く殺せる。まあ心配なのは顔が上に向いてくれるかどうかってところかな?絶望の顔をよーく見てみたいからな。)

 

 思考による熱のためかチョコラータは何気なくハンカチで汗を拭いた、しかしその汗は異様に粘りがあった。チョコラータの長い拷問経験から見て汗としてはありえない粘りだったので汗を拭いたハンカチを見ると、そのハンカチは血に濡れていた。汗は血だったのだ。

 

 そして後ろから鼻腔に血の気配が忍び込んできたのでチョコラータが背後に振り向くとヘリコプターの壁と衝突した潰れたトマトのようになったセッコの頭部があった。

 

 「何なんだこれはぁーッ!何故ここにセッコの頭部があるッ!能力か?仮にこのチョコラータの考察通りドッピオの能力が瞬間移動であったとしても血が顔に当たる瞬間に気づけるはずだ。しかしながら認識すらできなかっただとッー!

 

 クソっ、このわたしでさえも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだ…催眠術だとか超スピードだとかチャチなもんじゃあ断じてありえない。もっと恐ろしいものの片鱗何じゃあないのかと言うんじゃあないかという仮説が脳裏に浮かんでくるよ。」

 

 そしてチョコラータが人生にたった数度しか体験したことのない恐怖を味わい、その恐怖を好奇心へと変換することで逃れようとしていた次の瞬間、ヘリコプターのエンジンに何がが衝突してきたことでヘリコプターが爆発した。

 

 

◆◆◆◆

「アリーヴェデルチ、チョコラータ。このディアボロはギャングの中でいろいろなゲスを見てきたが、その中で最も嫌悪感を抱いた相手だったよ。」




今回のバトルが何したのかよくわからないという人のために解説すると、セッコにキンクリで気づかれずに背後に回って首を手動で落とす→キンクリで気づかれないように物陰に隠れる→セッコとか石を投げて、投げるときに手から離れた瞬間にキンクリを使うことでどっから飛んできたのか悟られないようにする

って流れですね。ていうかこれ書いててやっぱキンクリって相手が悪いだけでめちゃくちゃやばいなって

リゾットとかの暗殺チーム視点、、、いる?

  • (いら)ないです。
  • いる(鋼の意思)
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