まだまだ先が見えませんがお付き合い頂ければ幸いです。
鈍い音が鳴り、血潮をまき散らす。
反逆者は中々タフでかなり荒々しいモノでも問題なく、骨が拉げ、肉が抉れる程度の重傷で済んだ。
もう間もなく夜が明けるという所でのギブアップ宣言を受けたので、急いで気絶した少年少女を叩き起こし急いで地下へ戻る。
何とか、地下へ戻り、時計を確認すると既に夜が明けているであろう時間だ。
……もう少し遅かったら塵になっていたな。
「やべー……。マジで死ぬかと思ったぜ……。」
「ヴィンセント様!? 何処に行っておられたのですか!」
何とか屋敷の近くまで戻るとグリ爺が焦った様子で現れる。
その後ろには屋敷に努めている使用人に、衛兵、そして俺の両親まで現れた。
「ヴィンセント、今まで何をしていた!!」
そして、父親は俺を見るや直ぐに前に出てきて凄まじい雷を落す。
ついでに拳骨も降って来た。
余りの衝撃に周囲の人々も唖然とし、肝心の俺自身は目を回していた。
当然、父親の有難いお説教なぞ聞こえる訳がなく生返事を繰り返していた。
そんな俺に再び堪忍袋を切らした父親が再び拳骨を落す。
あれ、前が見えないぞ……?
というか無茶苦茶ヤバい予感がするんだが……?
感じるはずのもの―――痛みを感じない。コレ、結構ヤバくない?
「こい! 修正してやる、ヴィンセント!!」
「え、ちょ……! ナスカ様、お待ちを! 幾ら何でもやり過ぎです! それにこのご様子では何か―――」
「黙れ、グリース! 家庭の問題にお前が口を出すな!」
何かグリ爺が言っているが父親は聞く耳持たずだった。
そしてそのまま俺の襟首を掴み、屋敷の中へ連れていく。
―――結果だけ言うとどちゃくそ怒られた。
△▼△
山吹色の少年―――グレンが幼馴染と共に村へ戻って一週間が経った。
戻った直後は大人達にたくさんの心配と説教をもらい、申し訳なさで一杯になっていた。
自分の浅はかさで友人達を巻き込んでしまったこと、自身が姉と慕う人物の処遇……。
あらゆる物事で思考が堂々巡りになっていた時だった。
「……よし。初めてだが何とかなるものだな。」
室内に黒い靄が現れる。
部屋の扉に窓は閉められて密閉され、何処からも侵入経路はないはずなのに。
当然、少年は驚くも靄は不気味な挙動を繰り返し、やがて人形をとり―――一人の魔人が現れる。
「やあ、久しぶり。」
黒い髪に、特徴的な八重歯。
直ぐに分かった―――あの夜に出会った
「お前、どうしてここに……!」
「何でって……聞いてないのか? 俺、今日から代官になったから。」
「はあ!?」
「あ、後、お前達はお咎めなしな。」
「はああ!?」
「そして俺は一応、領主の跡取りだから他人がいる所じゃあ、言葉遣いは気を付けろよ。」
「はああああ!?」