いつもいつもかなり投稿が不定期なので生存確認用のTwitterアカウント置いときます
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ハーメルンの小説に関する適当な事を呟いてます
時に、俺は神という存在が嫌いだ
あの傲慢不遜で常に偉そうな態度が気に入らない。
持ってるものが違うだけで妖怪と対して変わらない癖に自分達は高位の存在と勘違いしている
そもそも、人間が居ないと存在を保つことも出来ない卑小な存在のくせに人に対して恩着せがましく接しているというのもおかしな話だ
伝説も神力もあのプライド高い性格すらも、全てが人によって形作られた存在、他者から貰うことでしか何一つ得られないただの受け皿
ちょっと前にもルーミアとその事について愚痴り合いながら魚をもぐもぐしたばかりだ
特にちょっと貢物を分けてもらおうとしただけなのに本気で殺しに来る所とか大嫌いだ
フレンドリーに接しようとしても殺しに来るし、ごはんの物々交換を提案しても殺しに来るし、終いには視界に映ったという理由だけで殺しに来た奴もいる
野蛮人め、許せん
ケチで傲慢で気まぐれで…そんなどうしようもない存在
それでも人は神を信じるというのだ
理解に苦しむ、正直神なんてどいつもこいつもクソみたいな奴だろうし実際そうだった。
みんなの思う理想の神様なんて存在しないんだと当時はショックを受けたものだ
だが、そうだな…幻想郷に来てから俺も少しだけ認識が変わった。
神なんてだいたいクソだ、だがそれでも、神はいた
◆
大体秋の始まりの時
八百万の神のその一人、紅葉を司る神、秋静葉にとって初めは少し寝起きの調子が良いな〜と感じる程度だった
次にいつものように秋に備えてせっせと紅い綺麗な葉を塗っている時、あれ?やっぱりいつもよりも調子がいいなぁ…と妙な力の増幅を感じていた
妹の秋穣子が『私の時代がもうすぐ来る!』と張り切って土をいじってたのは記憶に新しい、何のかわりも無い、毎年恒例の事であった
また秋穣子もそんな力の上昇を確かに感じていた。それは神として生きるならもっとも重要な力であり、自身の存在の証明でもある、いわゆる信仰心だ。
自分にとってはちょっとテンションが高いな〜ぐらいの気持ちだったが、いつもならそろそろ『穣子だけ人里の収穫祭に招かれてずるい…私も秋の神なのに…』といじけ始めるのに、今年はやけに楽しそうに葉を触る姉が印象に残った。
心なしか自分の育てている作物、穀物も自分のテンションの高さに釣られてか、いつもよりも大きくすくすくと育っていき、今年の収穫祭は豊作になるだろうと予想出来た
そんな少し変わったことがあった数日後、時間も経って不思議なことも薄れていった時期だ。
妖怪の山の麓のその近く、ギリギリ山天狗達の監視範囲の外でのこと。
ザクザク、と小枝を踏みしめる音と共にやや背の高い人影がこちらに向かって歩いて来た。
灰色の着物を着た灰色の男。
頭には底の広い円錐形の笠を被っており、笠から覗く髪の毛も、服と同じ灰の色
影のかかった顔は無表情で、穣子はひどく冷たい印象を受けた
他所から来たであろう妖怪
穣子は一応妖怪の山には入らないように忠告しておくかと頭を悩ませていた
一方静葉もその見慣れない変わった妖怪に気付いたのか作業を止めて様子を伺っている
結局何も思いつかないまま足音だけが近付いてくる
そして妖怪は丁度会話ができるほどの距離になって止まった。
(ど、どうしよう!?なんか怖い人に目をつけられちゃった…)
まさか自分の目の前で止まるとは思っていなかった穣子は顔を強ばらせ、姉に小さくsosを送った。
静葉は無視した。
(あ゛っ……)
あまりに自然に無視され、驚き固まる穣子
しかし時間は無情にも過ぎていく
灰色の妖怪がゆっくりと頭の笠を取る
穣子は、とうとう冬の妖怪が、冬を早める為に自分を殺しに来たのだと恐怖した
そして妖怪が口を開いた
「あなた方は妖怪の山にいらっしゃると言う、秋の神様でしょうか?」
「…へ?そ、そうだけど…」
予想に反して丁寧な言葉で、尚且つ敬意が籠っていた。
今まで持っていた恐怖は一旦沈み、今度は困惑する
この妖怪に感じていた違和感、どこか全く関係のない者とは思えない感覚
同じように不思議に思ったのか、薄情者の姉が再びこちらに意識を向けた
「今年の秋も御二方のおかげで例年よりも豊作だと人里は活気づいています。しかし申し訳ない、私はまだ幻想郷に来てから日が浅く、御二方のことをつい最近まで知ることがありませんでした。遅れましたが挨拶に来ました、名前を白墨と言います」
話し方はたどたどしく、少し言い方もおかしいけれど、それは確かに感じる、実感できるほどの信仰心
最近だと嫌味な天狗から雑魚神様扱いされたり、人里でも秋の季節以外では忘れられてるため、自分がれっきとした神だと自覚することすら少なくなっていた秋姉妹にとっては懐かしい感覚だった
ここ最近の力の出処がわかると同時にむず痒いような、そわそわするような感覚に襲われる
率直に言うと気を大きくし、そして照れた
「へ、へぇ〜!挨拶!挨拶ね!で、でも挨拶なんて言っても私達そんなに堅苦しい神様じゃないけどね!…ねっ!お姉ちゃん?」
「え?あっ!そ、そうね!でもほら!私達って秋そのものの神様だし?力こそ無いけど、そこそこ偉いわよね!」
静葉は心の中で自分の存在を2段階ほど格上げした
穣子はにやにやする顔を手で抑えて考えた
(素直に信仰してくれるのは嬉しい…!けどああいう真剣な感じに来られた時ってどうやって対応すればいいの…!?か、神様っぽいってなんだっけ?今更威厳ある神様なんて出来ないし…)
穣子は秋が来れば子供のようにはしゃいでまわり、冬が近付けばテンションが下がって地面を蹴ったりするような俗物的な神様だった
「え、えーとこほん!3日後同じ時間にまたここに来なさい、秋の味覚をちょこっとおすそ分けしましょう!」
彼女が精一杯考えた秋を司る自分にとっての神様っぽいこと。
それは1年のうちでも短い秋をたくさん楽しんで貰うことだった
そしてそのことは目の前の妖怪、白墨にとってクリティカルとなった
「か、神様…!」
(あっ凄いぽわぽわした笑顔…!)
あんなに冷たそうだった顔が溶ける姿を見て困惑しつつも、結局その日はぽわぽわした白墨の背を見て終わる事になった。
3日後、時間通りにやってきた白墨は秋穣子から栗やらさつまいもをたくさん、秋静葉からは綺麗な紅いもみじが描かれた扇子を貰った。
そしてそれから毎年この日に嬉しそうに山へ行く妖怪が一人増えた。
ある事件を知っている天狗達からすればいい迷惑である。
◆
八雲の式神を名乗る妖怪が来てから1年
慣れた者もいれば未だに怯えている者もいる
良くも悪くもまだ1年
ただその少ない1年という期間でもそいつの話題は無くならなかった
置物みたいに人里内にいるかと思えば直ぐに消え、気付けば妖怪を殺している奇怪な存在
殺される妖怪は決まって人里内で人を襲おうとした妖怪で、その全てが犯行前には死んでいた
眉も動かさず、表情も変えず、声を発さず殺すだけ。
ふらっと現れてはまた消えて、人が襲われそうになった時だけ命が宿ったように動き出す
そんなことを1年間繰り返してきて付いたあだ名が八雲の操り人形
本当に生きてはいない、八雲紫が送り込んだ自動で動く人形と言う意味と、ただ忠実に八雲紫の命令を聞いている人形のような奴という二種類の意味がある
なにせ奴は本当に殺すだけ、人が人を襲うような事が起きても無関心。ただし妖怪が人を襲おうとした時だけ瞬時に行動するのだ
その異様さは命を感じさせず、ただ命令をこなすだけの人形のように見えるというのだ。
送り込んできたのがあの八雲紫ときたもんだ、どんな存在か皆目見当もつかない。
そんな殺しだけをする冷たい顔のやつが周りから良いイメージを持たれる訳もなく、ただただ恐れられている。
しかし最近だと妖怪から守ってくれるのだから、恐ろしいかもしれないが良い存在だと言い始める者まで出てきていた
ここで言う良い存在というのは善性の妖怪という意味ではなく、良い利益をもたらすという意味ではあるが…
そんな妖怪も最近じゃあよく人里の飯屋に行くという
隣の蕎麦屋の店主が『アイツが来ると客足が遠のくんだ…』と愚痴っていた
店主曰く、良い存在では無いだろうけど確実に悪いとも言えない、少なくとも、金を払ってくれている間は客だとか…。商売魂が逞しい事だ。
たった1年、たった1年でこの幻想郷は目まぐるしく変化していた。
その変化が果たして俺ら人間にどんな影響をもたらすのか…
せめて子供が生きている間は何事もなければ良いのだが…。
灰君は話すのがめんどくさいだけで話す必要がある時は話す子です
秋の味覚・・・さつもいもは前世と同じくらい甘さが凝縮されていて美味しい。秋の神さまさま
もみじ模様の扇子・・・秋静葉が自分も何か渡さなくちゃと考えて急いで作った綺麗な扇子。ちょこっとだけ秋の力が入っている、ちょこっとだけなので扇いでも秋の葉が喜ぶぐらいの効果しかない。一応弱小とは言え神様が作った扇子なので神器。灰くんは綺麗なので結構気に入ってる