灰の旅路   作:ぎんしゃけ

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投稿遅れてごめんなさい
毎回遅れて謝っている気がする、どうもしゃけです
そしてテスト期間入るのでまた投稿遅れるかも…

ま、まあ未来の話は置いといてやっと投稿した7話ぜひぜひ感想評価付けていってください
モチベとやる気とテンションが上がります


第七話 旅をすると言ったな、あれは嘘だ

MgMg eating!

今日も今日とてメシが美味い、命蓮寺に居候して初日の朝

相変わらず人の手で作られた料理は美味いものだいやほんとにマジで美味しい

別に魚がダメとは言わないけどこれは別格だよね、ここで一生ダラダラしてたい

 

と考えながら食べていると何かが近付いて来るのを感じる

 

……人の気配!

 

「あなたが姐さんの言っていた居候ね」

 

水色の髪に水色のフード?のようなものを被ったいかにも尼さん(色を気にしなければ)といった見た目。残念人ではなく妖怪だった

 

とりあえずいつも通り適当に頷いておく

へっ!巷で噂の居候とは俺のことだぜ!

 

「…へぇ、その居候さんはここに来てから何をしているの?姐さんからは高名な僧だと聞いていたからさぞ素晴らしいことをしていらっしゃるのだろうと思っているんだど」

 

話している間が勿体ないのでもぐもぐと口にご飯を含みながら考える

どうして俺と話す人達はみんな青筋を立てているのだろうか?全くもって心当たりがない

更年期か?

 

そんな事を考えながらもぐもぐと口を動かしているとあちらの顔も含みのある笑顔のまま頬をヒクヒクと痙攣させていた

 

口の中にある食べ物を飲み込んで尼さんの方を向き口を開く

 

「朝ごはん」

 

我ながら今の行いを的確にかつ簡単に伝えたつもりだ、けれど確かに何かがプチッと切れる音が俺の耳にも聞こえた

 

「はたらけタダ飯喰い!」

 

直前、朝なのに命蓮寺に雷が落ちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうやだ、疲れた、お家帰りたい、帰ってご飯食べたい、甘いものがいい、砂糖、金平糖が食べたい

 

「ほら、早く歩いて」

 

間違ってる…こんなの非人道的だよ…

 

現在俺に強制労働をさせている尼さんこと一輪とご飯が美味しいと俺の中で評判の聖と共に里中を歩いている

 

なんでもありがたーい話をしてるんだってよ、よく分からんが恐らく宗教勧誘的なあれだろ

馬鹿みたいだ、神なんてどれだけ頼んでもどれだけ信仰してもなんにもしてくれやしない…現に色んな神々にご飯ちょうだいと言っても分けてくれなかったし、あいつらケチだ

そんなケチな奴らにお願いするくらいならそこら辺を暇そうにあるいてる白髪の不死人に魚取ってこいと言っている方が余程有意義だ

 

「今度はあっちでもやるからよろしくねー」

 

こいつ尼さんではなく悪魔なのでないだろうか

 

およそ人に持たせる量ではない重々しい何かが詰まった風呂敷を背負い直す

多分あの怪しい宗教勧誘の誘い道具かなんかだと思うでもまあ中身はどうでもいい、ただそんな重いものを俺に持たせて歩かせるという拷問にも近しい非道な行為を許してはいけない

 

美味しいご飯がなかったら文句をいってとっくに逃げ出しているのに…

忌々しげに一輪を睨む、でも悲しいかな、表情筋が死んでいるのかピクリとも動かない

 

少し時間が経って聖が里の外へ歩き始める

どんなに良い宗教でも口ばっかりで何もしなければ信仰も集まらないらしい

なんでも里の近くにたむろしている妖怪を退治するんだとか

 

悪いやつを倒して人気を得る、いいじゃないわかりやすくてシンプルで簡単だ

 

そこで俺は荷物持ち兼妖怪退治の手伝いとして働かされている(強制)

今日も同じように聖達と妖怪退治だ

 

しかし聖は宗教家のくせして妖怪だし、妖怪なのに妖怪を退治するし、でも妖怪と仲がいいし、とよくわからない

本人曰く妖怪と人との共存を望んでいるらしい、よくわからんから頷いていたら何故か俺も人と妖怪との共存の手助けをすることになっていた。まー俺は美味いご飯が食べられるならなんでもいいや

 

今回の妖怪退治の依頼も依頼主には退治と言っているが実際殺しはしない

妖怪がもう悪さはしないと誓うまで聖がひたすらにブン殴るだけ、晴れて悪さはしないと誓った妖怪は命蓮寺で修行して心を入れ替えるらしい。それってただの強制労働じゃ…何も言うまい

 

まあでも連れてこられた妖怪達も半年ほどたつとイキイキしながらやってるから別にいいか、妖怪寺と呼ばれているのも頷ける

 

 

「ほら着いたよボーとしてないでシャキッとして」

 

言われて一輪に肩を叩かれる

わかったから叩かないで欲しいただでさえ重いもの持ってるんだから

 

「仕方ありませんね、少しお灸を据えてあげましょう」

 

目的地に着いて聖が妖怪達に何か言うが当然の如く拳で語り合おうとなってインファイトになった

聖強いな1人一発づつ沈めていく

 

俺も結界をぶん投げて1人1人気絶させていく

 

「白墨、あんたは殴って戦わないの?」

 

それに対して俺は頭を横に振る

 

俺の体は残念なことに人間程度の身体能力しかないので肉弾戦なんてやるだけ無駄だ、妖力で身体強化して殴るってのもあるけど無駄に妖力使う割に対して役に立たないから普通に結界を投げてる方がいい

あれ?もしかして俺弱い?…涙出てきた

 

「っそ、まあ私はバリバリの肉弾戦が好きだけどね、いくわよ雲山!」

 

デ、デカァ!!

 

瞬間一輪の上にあった雲に人の顔と拳のようなものが現れ妖怪達をばったばったと吹き飛ばしていった

 

ええええ、なんじゃそりゃあ!

 

ものの数秒で妖怪達が毛散らされていく、これほんとに俺いらないんじゃないか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モグモグ

 

「美味い」

 

うんうん一輪が作る料理もなかなか美味しい

 

「いつも全然喋らないのにご飯食べる時だけ自己主張するのなによ…まあ言われて悪い気はしないけどね」

 

呆れたように一輪が言ってくるが知らん知らん

 

あの後結局何回か別の依頼とかで妖怪退治を行ったがぶっちゃけ俺いらないのではと思い、聖に言ったら俺だけ遠い所の妖怪退治をすることになった

 

理由はこんな感じ

 

行きは飛んで行かなきゃ行けないけど帰りは灰になって数秒で戻れるから

遠方の妖怪はさっきひじり達が戦ったみたいな知性がある妖怪ではなくて、知性のない妖獣だから殺しちゃってもいいし、弱いから俺だけでも倒せるから

 

 

報酬は寝床とご飯

寝床はあってもなくてもどっちでもいいけどご飯があるとやっぱ違う

ふっふっふ、美味しい食べ物があるってだけで人生の価値観は10倍変わるね

 

 

そんな生活を続けてだいたい何年か経った、いや何十年だったっけ?よくわかんないしいーか

 

いやね、旅をするとは行ったけどもう何年もここに居座っちゃってるんだよ

別に悪いことではないんだけどなんというか居心地がいいと言うか飯が美味いとか、ご飯が美味いとか、米があるとやっぱり違うなぁとか色々離れ難い理由があるんだよ、あるんだよ

 

命蓮寺の連中はというとこれもまた大して変わっていない

 

聖は相変わらず殴って説法だし、村紗はでっかい船の上でぐーたらしてるし、一輪は聖の手伝いしてるしでそこまで変わらない

 

ああ、あとは何気にここで初めてあった屋根裏の守護者ことナズナズナズーリンとはたまに顔を合わせるだけ

聞くとご主人?がいるらしいけど特に会う理由もないから会ってない

でも多分知らないだけで何回か見たことはあるんだと思う、興味ないからいいけど

 

 

まあこんな感じでほんとに全然変わっていない

 

外を見る、まだ太陽が出たばかりでポカポカしてて気持ちいい

こんな日は人里にでも散歩していこーかな、気が向いたら魚でも釣って時間を潰すかー

 

そうと思えば即行動適当に下駄を履いて戸に手をかける

 

「あれ?あなた今日依頼を受けてなかったっけ?」

 

ピタリと体が止まる

……。

気のせいか、よしちょっと出かけるぞ〜

 

「あっサボりか〜、聖に言いつけちゃうよ?夕飯抜きにされるかもね〜」

 

…。

よし決めた、今度配膳する時は村紗のやつだけ少ないのにしよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつも悪いねぇ、こんな誰も受けたがらない遠いものばかり取ってもらって」

 

悪いと思っているならこんな依頼作るな

もちろん口には出さない、いつも通り無言で準備をする

何が面白いのかそんな様子をニコニコしながらおばちゃんは眺めていた

 

うん、特に問題なし。依頼料金ももらったし、さっさと行って帰るか

 

するとおばちゃんが何かを思い出したかのようにちょっと待ちぃと言った

 

まぁめんどくさいので無視するが、さっさと帰ってご飯たべたいし、

 

「今おむすび持って来てあげるから」

 

何分でも待とうじゃないか!いい人だなおばっちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目的地なのを確認してから飛行を止める

帰りは一瞬だけど行きはしっかり自分で行かなきゃならないから仕方ない

まあ、飛べるだけ他の人よりも早く行けるからマシだけど

 

適当に灰を飛ばして辺りを確認する

 

おー確かにこの辺妖獣が多いな、なんか狼っぽいのがいっぱい居る

 

早速狼達に近付く、俺の存在に気づいたのか警戒したように俺を見ながら歩いてくる

 

ハッハッハ!残念だった犬畜生!昔ならいざ知らず今の俺ならお前ら程度のワンコなんて何百匹来ようが怖くないわい!精々ストレス発散にひき肉にしてやるわ!

 

何匹かがこちらを威嚇するように吠えてくるがぬるい、ぬるすぎる

大妖怪の威圧感を間近で食らったことのある俺からすれば屁でもない!そうそう懐かしいなあの時もこんな感じの吐きそうなぐらい重苦しい空気でだっ、た………うせやろ?

 

それは忘がたい重み、記憶の奥底に鳥の糞のようにこびりついた取りたくても取れないトラウマ

 

「お久しぶりね灰の妖怪さん」

 

ギチギチと音を立てながらなんとかして首を回転させる

 

ハハハ、お、おひ、お久しぶりですねユカリさーん

 

やったね前回と比べて首を曲げてしっかり視認出来たよ!ハハ…笑えない

気がつけばあんなにいた犬共はほとんど皆逃げていった

 

俺も逃げれないかな…ダメですか、さいですか…

 

「少し、お話をしていきましょう」

 

ああ、クソほんとについてない

 

 

八雲の放つ威圧感が一気に強まった

 

 

 




白墨的な人物評価

聖…ご飯美味しい良い人、たまに叱ってくるのがめんどくさい

村紗…イタズラとサボりの密告ばかりしてくるので割とガチで1度痛い目見ろと思っている

一輪…めんどくさい、ダラダラしているとバシバシ叩いてくる、ただたまに美味しいご飯を作ってくれるのでその点に関して言えばGood

雲山…デカい、ゴツイ、オッサン、話してみるとただの過保護な頑固親父とわかってからは割と扱いが適当

ナズーリン…なにかと探すのが得意な妖怪

寅丸…話した記憶が無い、誰?



何となくわかると思いますが主人公は美味しい物が食べられれば他は大体どうでもいいやー、と能天気な感じです。
すんごい自己中心的なのでほとんどが自分基準
他人の事情とかも気付いてもめんどくさいなどの理由で無視
変な主人公だと思うかもしれませんが変な主人公を書きたかったのでヨシ!

次回はいつに投稿できるのかわかりませんが失踪はしないので気長に待ってくれると嬉しいです
ではまた次回

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