やはりオレが家庭教師の補佐なのは間違っている   作:チャキ

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どうもチャキです。これは思いつきで書いてみました。良ければ見ていってください。では第1話どうぞ!


第1話

八幡side

 

今は昼休み、人それぞれ購買に行ったり学食へ行ったりする。オレは学食に来ている。まぁ、理由は友人と一緒に食べるのだがな。え?オレに友人なんているのかって?い、いるに決まってるだろ。1人だけだけどな。そしてオレとその友人は学食で注文する。

 

「焼肉定食、焼肉抜きで」

 

この男至って真面目である。ライスだけでも金額は変わらんが、この頼み方をすると同じ金額なのに味噌汁とお新香がついてくると熱弁されたよ。そんな熱弁された相手の名は上杉風太郎。コイツは学年1位という成績。ガリ勉にも程がある。オレはと言うと学年3位だ。ま、そんな事よりもオレの番になったので、さっさと注文する。

 

八幡「きつねうどんで」

 

「はいよ」

 

注文した品をもらい会計を済まし、コップに水を注ぎ、いつも風太郎と一緒に食べている席に向かうが、そこには風太郎と他にもう1人誰かがいた。見るからに女子だな。

 

「私の方が先に席を取りました。隣の席が空いているので移ってください」

 

風太郎「じゃあ、俺の方が早く座りました!はい、俺の席!」

 

「ちょっ」

 

何やってんのアイツ?小学生かよまったく。というか女子の制服うちの学校と違うな。もしかして転入生?まぁ、いいや。そう思いながら風太郎と女子の隣の席に座る。

 

風太郎「よお、遅かったな」

 

八幡「いや、いつも通りだろ。あ、隣失礼するぞ」

 

「あ、はい。どうぞ」

 

女子の了承も得たことだし、麺が伸びる前にさっさと食っちまうかねと思い割り箸をわり、麺をすする。すると風太郎はテスト用紙を見ながら飯を食べいた。まぁ、いつもだけどな。すると

 

「行儀が悪いですよ」

 

ごもっともだ。けど…

 

風太郎「何?「ながら見」してた二宮金次郎は称えられてるのに、俺は怒られるの?」

 

「状況が違います!」

 

確かにこの女子の言う通りだ。

 

風太郎「テストの復習をしてるんだ。ほっといてくれ」

 

「食事中に勉強なんて…よほど追い込まれているんですね」

 

うん、違うぞ。むしろ逆だ逆。追い込まれてるのではなく。

 

「何点だったんですか?」

 

風太郎「あ、おい!見るな!」

 

「ええー…上杉風太郎くん。得点は…100点」

 

すると風太郎は片手で顔の半分を隠しながらこう言う。

 

風太郎「あー、めっちゃ恥ずかしい!」

 

と言ってくる。ぜってぇ嘘だなあれは。

 

八幡「お前、わざとだろ」

 

風太郎「さぁ?」

 

八幡「というより恥ずかしいよりも、自慢してるようにしか見えないが、オレの気の所為か?」

 

風太郎「さぁな。多分気の所為だろ」

 

コイツ…。

 

風太郎「で?八幡。お前はどうだったんだ?」

 

八幡「オレか?オレは96点だったよ」

 

風太郎「フッ、勝ったな」

 

八幡「あーはいはい、そうですねー」

 

風太郎「八幡は相変わらずだな」

 

八幡「お前だけには言われたくないな」

 

ホント学年1位でいつも自慢しているコイツに言われたくないものだ。

 

「あなたも成績良いんですね」

 

八幡「そうでもねぇよ」

 

「そうなんですか。あ、申し遅れました。私、中野五月といいます」

 

ほう、中野五月さんというのか…ん?中野?あれれ〜?おっかしいぞ〜。どこかで聞いたような気もするけど…いや、まさかな…あ、そうだ。相手が名乗ったんだ、オレも名乗らないとな。

 

八幡「比企谷八幡だ」

 

すると突然中野さんはパンと両手を叩いた。

 

五月「そうです!私良いこと思いつきました。せっかく相席になったんです」

 

相席?じゃあオレは違うな。だって相席じゃないからだ。

 

五月「勉強教えてくださいよ」

 

風太郎「ごちそうさまでした」

 

そう言って合掌し、お盆を持って席を立ち去ろうとする。ご飯と味噌汁とお新香だけだからな。そりゃ早いだろう。

 

五月「ええっ!?食べるの早っ…お昼ご飯それっぽちでいいのですか?私の分少し分けましょうか?」

 

風太郎「満腹だね」

 

中野さんの気遣いを即答する風太郎。けれど風太郎は続けて言う。

 

風太郎「むしろ、あんたが頼みすぎなんだよ太るぞ」

 

五月「!ふとっ…」

 

コイツ、やっぱりデリカシーねぇな。

 

五月「あなたみたいな無神経な人は初めてです。もう何もあげません」

 

そう言うと座り直す。風太郎は何やら電話が来ているのか、携帯を片手にどこかへ去っていった。

 

五月「まったく…あ、では比企谷さん。勉強を「ごちそうさん」って、えっ!?アナタも早くないですか!?それだけでいいんですか?」

 

オレは中野さんの言葉を遮り合掌し、席を立とうとすると止められる。

 

八幡「いいんだよ。小食なんでな。それと早く食べないと昼休み無くなるぞ。じゃ」

 

五月「え、ちょっと!?」

 

と後ろの方でそんな声が聞こえる。けどオレは無視してここを去る。なんだかめんどくさそうだし、それに嫌な予感もするんだよな。気の所為であってほいしがな。学食を出たオレは、今はトイレに来ている。すると、ポケットに入っていた携帯が振動する。なんだ?と思いトイレから出た時に見てみると差出人はうちの母親だった。一体なんだと思いメールを開いてみる。

 

――――――――――

 

送信者:母

 

八幡へ

 

八幡に良いバイトを見つけて来たわ。依頼人はお母さんの昔の同級生で、内容は娘の家庭教師の補佐をして欲しいそうよ。どう?やってみる?給料も高いそうよ。

 

―――――――――――

 

は?補佐だ?なんでオレが初対面の家庭教師の補佐をするんだ?けど、確かにバイトをしてみたいとは思っていたが、こんな都合のいいタイミングで来るもんなのか?しかも給料も高いのか…さてどうしたものか。

 

 

そして教室に戻ると何やら騒がしいようだ。一体何で騒いでいるんだろう。

 

「っべー、午後から転入生来るんだってよー」

 

「しかも可愛い女子らしいぞ」

 

「マジ?」

 

「マジマジ〜」

 

と教室の後ろの方で騒いでいた。転入生ね…。リア充は好きだねこう言う話。まぁ、多分学食で会った中野五月だろうな。もし、その中野五月さんに姉妹がいるのだろうか。そんな事考えているとチャイムが鳴り、午後の授業が始まる。確か5時間目は国語だったな。という事は平塚先生じゃん。そして平塚先生が教室に入ってくると。

 

平塚「急だが転入生を紹介する。訳あってこの授業から一緒に受けてもらう。それじゃあ入ってきてくれ」

 

「はい」

 

平塚先生の合図で転入生が入ってくる。どうせ中野五月だろうなと思っていたが、予想は大きく裏切られる。入ってきた生徒は中野五月ではなく、中野五月と似ている生徒だった。その生徒を見た瞬間思わず顔を伏せてしまった。

 

平塚「それじゃあ自己紹介を」

 

二乃「はい、中野二乃です。よろしくお願いします」

 

と挨拶をすると、クラスのヤツらが「おおお!」とか言って騒ぎ始める。いや、うるさいよ君達。そんな転入生ぐらいで騒ぐんじゃねぇよ。

 

「なぁ、あの制服って黒薔薇女子じゃない?」

 

「マジかよ。超金持ちじゃん」

 

「何者だよ」

 

ホントだよ。金持ちなのになんでここに転入生してきたんだよ。

 

平塚「席はあそこの比企谷の隣の席だ」

 

二乃「っ!…はい、わかりました」

 

なぜだろ声色を聞いただけでなんだか嬉しそうに聞こえるが、それはオレだけだろうか。いや、絶対気の所為だ。うん、そうに違いない。

 

平塚「おい、比企谷。起きろ!」

 

いや、別に寝てるわけじゃないですけどね。でも確かに顔を伏せていたら寝てるようにも思われるか。それはそれで仕方ないな。と思い顔を上げる。

 

平塚「スマンが中野はこの学校の事知らないから色々教えてやってくれ」

 

はい?

 

八幡「お、オレですか?」

 

平塚「ああ、そうだ。頼んだぞ」

 

ええぇ〜。そんなバカなことがあるのか…。というかそういう事なら事前に言うもんじゃないのか?報連相って知ってる?

 

平塚「中野も何か困った事があればなんでも比企谷に聞け」

 

二乃「はい、わかりました」

 

…ああ…もう諦めよう。言うだろ?押してダメなら諦めろって。え?聞いた事ない?マジで?そして隣にいる中野二乃の方を見ると、片手で頬杖をつき、満面の笑みでこちらを見ていた。

 

二乃「よろしくね」

 

その後中野二乃は口パクでこう言う『ハー君』と。昔の変わらない可愛い笑顔の彼女がいた。

 

八幡「お、おう。よろしく」

 

と挨拶を返すとオレは前の方へと視線を移すが、中野二乃の視線は何故かオレの方をずっと見ている。いや、ホントそんなに見られたら気が散るからやめてお願い。そんな事思っていると授業が始まる。フゥ…これで視線を気にせず授業を受けられるなと思っていた数秒前のオレを殴ってやりたい。

 

平塚「じゃあ授業始めるぞ〜。あ、比企谷」

 

八幡「なんですか?」

 

平塚「中野はまだ教科書とかが届いていない。だから今日は一緒に教科書を見せてやってくれ」

 

なん…だと…。オレが二乃に教科書を見せるだと。何故オレなんだ?反対側の奴に頼めば良いじゃん。けどまた何か言えばブリット系がとんでくるから諦めよう。

 

八幡「わかりました」

 

平塚「よし、それじゃあ中野。比企谷に教科書見えてもらえ」

 

二乃「はい」

 

二乃はそう言って自分の机をオレの机の隣まで持ってきて、机同士をくっつける。そして椅子に座る。

 

二乃「ありがとうねハー君」

 

八幡「別に気にするな」

 

二乃「ふふっ、相変わらず変わってないなハー君は」

 

八幡「それはお前もな……二乃」

 

二乃「そうだね。それにしても久しぶりだね」

 

八幡「ああ、そうだな。それと話は後でいいか?授業も始まるからさ」

 

二乃「うん、わかった」

 

よし、これで良い。授業中にしゃっべていると絶対怒られるからな。それに授業にも集中したかったし、言うこと聞いてくれて助かった。それからの二乃は最後まで授業を真面目に受けていたが、時折頭を抱えているようにも見えた。まさか二乃の奴成績悪いとかじゃないよな。そういえば家庭教師をする相手の名前聞いてないな。帰ってきたら聞いてみるか。

 

そして午後の授業も終わり、クラスの奴らは二乃の周りに集まり、二乃に質問攻めをしていた。内容は至ってシンプルな内容だった。趣味とか色々聞いていたが、あのリア充、改めて戸部が質問する。

 

戸部「ねぇねぇ、中野さん。中野って好きな人っているの?」

 

と聞く。ホント好きだよねそういう質問。なんでそういう質問するのかオレにはわからん。

 

二乃「好きな人はいるよ。その人の事はものすごい好きだよ」

 

戸部「べー、マジかー」

 

「その人ってどんな人なの?」

 

二乃「そうね〜。カッコよくて、優しくて、ちょっと不器用で、時々かわいい所もあるのよ」

 

二乃は少し頬を赤く染めながら言っている。それを聞いた周りは「おお!」と声が上がる。周りが少し騒がしい中、二乃はオレに視線を移し満面の笑みで見ていた。オレは思わず顔を逸らす。

 

オレは中学時代の記憶が蘇る。中学の時、二乃が転入生として、通っていた中学にやってきた。初めは他の女子と仲良さそうにしていたが、なにかのいざこざがあったのか、二乃がいじめをうけていたのだ。けれどオレは最初関係ないと思っていたが、いじめはエスカレートしていった。オレはいじめを受けていた二乃を助けるような形で助けた。オレは別に助けた訳じゃなくて鬱陶しかったからだ。ホントしょうもない事で喧嘩して、弱い相手をいじめてなんの得があるのかわからなかった。だから助けた訳じゃない。そしてその日を境に二乃へのいじめは無くなった。けどその代わり二乃がオレの近くにいるようになった。けどオレはそんな二乃を適当にあしらうようにしていたが、ある事に気づいたのだ。オレは二乃といると楽しい事に。こんなオレなんかに気兼ねなく接してくれた。最初は何か企んでいるのかと思っていたが、そんな気持ちがまったくない事がわかった。そんな二乃と中学校生活を過ごしていたが、ある時二乃が転校する事になった。オレは気づいたら寂しい気持ちになっていた。そして転校前日オレは二乃に呼び出されていた。

 

八幡「…行っちまうんだな」

 

二乃「…うん」

 

その後は何も言えなかった。何を言っていいのかわからなかった。そしてなんだか悲しい気持ちにもなった。

 

二乃「そんな寂しい顔しないでよ」

 

八幡「っ!」

 

オレは気づかなかった。無意識だった。そして気づいたのだこの気持ちが寂しい気持ちだということに。そうかこれが寂しいとう気持ちなんだ。そうかだったら少しでも素直になってもいいかな。

 

八幡「二乃、オレは…二乃といた時間はその…楽しかったぞ」

 

二乃「っ!……ふふっ、そっか。私も楽しかったよ」

 

八幡「…そっか」

 

オレはすごく嬉しかった。勘違いではなく本当の気持ちだった。二乃も同じ気持ちだった。

 

二乃「ねぇ、ハー君」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

二乃「私、好きな人いるんだ」

 

八幡「え…」

 

二乃に急にそう告げられた。そりゃそうだよな。二乃ぐらいになると好きな人ぐらいいるよな。でもなんだろうこのモヤモヤとする感じは。

 

二乃「何勘違いしてるか分からないけど、私の好きな人はハー君、あなたよ」

 

八幡「え!?お、オレ?」

 

二乃「そうよ」

 

あまりにも急なことだったので、驚いてしまった。二乃がオレの事を好きだとは思ってなかったのだ。

 

二乃「ハー君は私の事好き?」

 

と二乃に聞かれるがこれが本当に恋心なのかわからなかった。けど、二乃と一緒にいた時間は楽しかった。けれどこれが恋心なのか友情としてなのかわからなかったオレは…

 

八幡「…分からない」

 

と答えるしかなかった。こんな事言ったらどう思われるかわからなかったが、答えないともっと大変な事なるのではないかと思いそう答えた。

 

二乃「そっか…」

 

八幡「…悪い」

 

オレは思わず謝ってしまった。

 

二乃「ううん、ハー君が謝ることじゃないよ。ハー君は今までそういった経験ないんだから仕方ないよ」

 

八幡「なんかそう言ってもらえるとなんだか助かる」

 

二乃「どういたしまして。だからちょっとずつでも良いから慣れていこう」

 

八幡「そうだな」

 

二乃「でもね」

 

八幡「ん?」

 

二乃「私、そんなの待っていられないから」

 

八幡「え、は?待っていられない?どういう事だよ」

 

二乃「どういうことも何も、そのままの意味よ。もし、ハー君が私の事意識していないというのなら、意識させるような女になってやるって言うことよ!」

 

あまりにも事でオレは開いた口が閉じれなくなっていた。

 

二乃「だ・か・ら!」

 

そう言って一歩一歩近づいてくる二乃。オレも二乃に合わせて一歩一歩下がっていく。そして距離はほぼゼロになり、二乃は満面の笑みでこう言ったのだ。

 

二乃「覚悟してねハー君♡」

 

とウインク混じりで言われたのだ。オレの顔はみるみる暑くなってきてるのが自分でもわかった。

 

二乃「ふふっ、赤くなったハー君の顔、かわいい」

 

八幡「……お、男にかわいいとか言うな」

 

二乃「あれ?もしかして照れてる?」

 

八幡「うっせ!」

 

二乃「ふふっ」

 

オレは人から好意を向けられたことがなかったので、その初めてが二乃だった。まだこの気持ちがなんなのか分からないけど、いつかこの気持ちを答えるようになりたいなと思った。

 

まったく懐かしい記憶だな。横を見ると二乃はまだ質問攻めにあっていた。いや、そんなに聞くことあるの?まぁ、いいや。あ、そうだ、家庭教師の補佐のバイトをするのなら、部活にもあんまり行けないことを平塚先生とアイツらにも言わねぇとな。そうと決まればさっさと伝えよう。そう思い席を立つ。まずは平塚先生がいる職員室に向かうか。教室を出て職員室に向かっていると…

 

二乃「ハー君待って!」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

二乃「なんで先に行っちゃうのよ」

 

八幡「いや、別に待つ理由もないしな。後それとその『ハー君』呼びは他の奴らの前ではやめとけよ」

 

二乃「なんで?」

 

八幡「いや、そうでないと変な噂されるぞ」

 

二乃「別に私はそんなの気にしてないもん」

 

八幡「だがな…」

 

二乃「中学の時も言ってたね」

 

八幡「っ…覚えているのかよ」

 

二乃「まぁね。それと変な噂されようが関係ないから」

 

八幡「関係なくないだろ。困るだろこんなオレと「ハー君、それ以上は言わせない!」っ!」

 

オレの言葉は二乃によって遮られた。

 

二乃「ハー君は自分の事卑下し過ぎ!ハー君はこんなとかなんかじゃない!ハー君は優しくて、私を助けてくれた人なんだから!」

 

八幡「お、おう…悪い」

 

二乃「ホントよ!私はそんなハー君は見たくないの!だから…もうそんな事言わないで」

 

オレはここで後悔した。オレはまたやってしまった。中学の時も似たような事をして、二乃を悲しませた事があった。だからオレは…

 

八幡「…悪かった。もう言わない」

 

二乃「ホント?」

 

八幡「ああ、もう言わない約束する」

 

二乃「約束よ!もし破ったら」

 

八幡「破ったら?」

 

二乃「覚えてなさい」

 

八幡「肝に銘じておきます」

 

いや、そんな事言われたらそういう風に言ってしまうだろ。もし破ったら何されるのか、考えただけで怖い。

 

二乃「なら良し。じゃあ一緒に帰ろ」

 

と二乃に誘われる。けど、またさっきみたいな事言ったら、後が怖いからやめておこう。

 

八幡「あー…悪い。せっかく誘ってくれたのに、これからちょっと先生に相談しに行かないとダメなんだ。だから一緒には帰れない」

 

二乃「そう…なんだ…」

 

と悲しそうな顔になる二乃。そんな顔されたらオレが悪いみたいになっちまう。

 

八幡「あー…その…なんだ。他の日なら一緒に帰るぞ」

 

二乃「ホント?」

 

八幡「ああ、だからその時は一緒に帰ろ…ぜ」

 

二乃「うん、わかった!」

 

さっきまでの悲しそうな顔とは大違いので、嬉しそうな顔だ。

 

二乃「あ、そうだハー君」

 

八幡「どした?」

 

二乃「あのさ連絡先交換しよ」

 

八幡「オレのとか?」

 

二乃「うん。中学の時は交換できなかったから」

 

八幡「そうか。まぁ、そういう事ならいいぞ」

 

二乃「ホントに!ありがとうハー君!」

 

そう言ってポケットから携帯を取り出す。二乃のスマホカバーはうさぎの様な形をしていた。そういえば二乃はうさぎが好きだったな。あ、でもオレ連絡先を交換したことないから、交換の仕方わかんねぇんだった。

 

八幡「あー、スマン二乃。オレ、連絡先の登録の仕方わからねぇんだ。だから教えてくれないか?」

 

二乃「うん、良いよ。でも連絡先の登録の仕方知らないとか、ハー君らしいな」

 

八幡「うるせぇ。そんな事言うんなら交換しねぇぞ」

 

二乃「あー、ごめんごめん。謝るから交換して」

 

八幡「フッ、冗談だ」

 

二乃「もぉー!」

 

八幡「仕返しだ。じゃ教えてくれ」

 

二乃「うん、わかった」

 

その後無事二乃と連絡先の交換を終える。すると二乃はものすごく嬉しそうな顔になっていた。

 

八幡「これで完了だな。じゃオレはもう行くな」

 

二乃「あ、うん。じゃあまた明日ねハー君」

 

八幡「ああ、また明日」

 

そう言ってオレは二乃と別れて職員室に向かった。

 

八幡「失礼します。2年の比企谷です。平塚先生はいらしゃいますか?」

 

平塚「おお、比企谷。ここだ」

 

と軽く手を上げる平塚先生の姿があった。オレは職員室の中に入り平塚先生の元へ行く。

 

平塚「どうした何か用か?」

 

八幡「はい、実はバイトをする事になりまして」

 

平塚「君がバイトか?」

 

八幡「ええ、まぁそうですね」

 

平塚「そうか君もバイトをするようになるとは、私も嬉しいぞ」

 

八幡「ははは…それで部活に出られない日もあるので」

 

平塚「わかった。それなら仕方ない。了承しよ」

 

八幡「ありがとうございます」

 

平塚「あの2人にも言っとけよ」

 

八幡「はい、わかってます」

 

平塚「そうか。ならよし」

 

八幡「はい、失礼します」

 

そう言ってオレは職員室を出て部室がある特別棟へと足を運ぶ。さて、オレがバイトをするって言ってアイツらは信用するのだろうか。まぁ、いいや。そん時はそん時だ。そう思い部室のドアを開ける。

 

八幡「うっす」

 

「こんにちは」

 

ドアを開けてオレに挨拶をしてきた人物、それは雪ノ下雪乃。雪ノ下は学年2位と言う成績で風太郎とトップ争いをしている。

 

八幡「あれ?由比ヶ浜は?」

 

雪乃「由比ヶ浜さんは今日は三浦さんと遊びに行ったわ」

 

八幡「そっか」

 

雪乃「ええ」

 

八幡「そうだ雪ノ下」

 

雪乃「何かしら?」

 

八幡「実はオレバイトをする事になってな」

 

雪乃「あなたがバイト?」

 

八幡「ああ」

 

雪乃「それはどういった内容なの?良ければ教えてくれないかしら」

 

八幡「そうだな。その内容は家庭教師の補佐なんだ」

 

雪乃「家庭教師の補佐?」

 

八幡「ああ。けど詳しい内容は聞いていないが、する事になってな。それで部活に来れない日も来るからその事を伝えようと思ってな」

 

雪乃「そう、わかった」

 

八幡「よろしくな」

 

よし、これでOKだ。後は相手の名前と、補佐する家庭教師の名前を母ちゃんから聞くとするか。

 

雪乃(ま、まさか比企谷君がバイトをするんだなんて。それにそのバイトがある日は部活に来れないだなんて。なんだかちょっと寂しいわ。どうしたら良いのかしら?…あ)

 

雪乃「比企谷君」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

雪乃「私も由比ヶ浜さんに勉強を教えてる身。もし、何かに行き詰ったときは相談くらいはのってあげるわ」

 

八幡「偉く上から目線だな」

 

雪乃「ええ、そうね。人に勉強を教えるに関してはあなたよりは先輩だからよ」

 

八幡「へいへい、そうですか。けど、多分行き詰ったときはその補佐する家庭教師の人と相談するから必要ないと思うぞ」

 

雪乃「そ、そう……」

 

そう言ってなんだか悲しそうな顔になる雪ノ下。そんな顔されたらまたオレが悪いみたいになっちまう。

 

八幡「あー、でも、その人と相談しても行き詰まるようなら、お前にも相談するわ」

 

雪乃「っ!え、ええ!そうしてちょうだい。その時は教えてあげるから」

 

八幡「はいよ」

 

フゥ…これで何とかなったかな?けど、なんで急にそんな事言い出したんだろう雪ノ下の奴。いつもならあんな事言わねぇくせによ。明日、雪でも降るんじゃねぇよな。

 

雪乃(ふふっ、これで良し。後は比企谷君から相談をしてくるだけ。それで私が答えて解決する。そうすれば比企谷君はもっと私を頼るはずよ)

 

なんだか今日はいつもより機嫌が良いような気もするな雪ノ下の奴。何かあったのか?まぁ、オレには関係ないけどな。

 

そして今日は依頼人も来ないということでいつもより早く部活が終わった。

 

雪乃「それじゃあまた明日」

 

八幡「ああ、また明日」

 

オレは雪ノ下と別れて家に帰った。

 

八幡「たでぇーま」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん」

 

出迎えてくれたのは我が妹、比企谷小町。かわいいかわいい我が妹だ。

 

八幡「おう」

 

するとリビングのドアが開き出てきたのはオレと小町の母だった。どうやら今日は早く帰れたみたいだ。

 

母「あら、おかえり八幡」

 

八幡「ああ、ただいま」

 

母「それでどうする?家庭教師の補佐のバイト」

 

小町「え?お兄ちゃんバイトするの?しかも家庭教師のバイト?」

 

八幡「まぁ、そうだな。それと家庭教師のバイトじゃなくて、家庭教師の補佐のバイトな?」

 

小町「あんまり変わんないじゃん。それでするの?」

 

八幡「ああ、しようと思ってる」

 

母「そう、わかったわ。じゃあ依頼主にそう伝えとくわ」

 

八幡「わかった。あ、それと相手の名前なんて言うんだ?」

 

母「あ、そういえば伝えてなかったわね。えーっとね…」

 

そう言いながらスマホを操作しながら相手の名前を確認している。

 

母「あ、あったわ。えっとその子達の名前は」

 

ん?達?

 

八幡「母ちゃん、達という事は1人じゃあねぇのか?」

 

母「ええ、そうよ。その子達は5人で」

 

八幡「え、は?ご、5人!?姉妹?それとも兄弟?」

 

母「姉妹で五つ子らしいわよ」

 

八幡「い、五つ子!?」

 

小町「小町、五つ子なんて初めて聞いたよ」

 

八幡「ああ、オレもだ」

 

いや、まさか家庭教師をする人が五つ子だなんて。聞いたことねぇよ五つ子なんてよ。

 

母「アットホームで楽しい職場!相場の5倍の給料が貰えるらしいわよ」

 

なるほど五つ子だから相場の5倍と言うわけなのか?しっかし、オレともう1人の2人で5人全員教えるのか?大丈夫かよ。

 

母「で、その子達の名前なんだけど言うわね」

 

八幡「…ああ、頼む」

 

もうこうなったらやけだ。2人でやれる所までやってやるよ。

 

母「1人目が中野一花、2人目は中野二乃、3人目は中野三玖、4人目は中野四葉、そして5人目は中野五月さんという人達よ」

 

うっそ〜ん。5人の内2人は知っている。しかも予想通りその2人は知り合いだった。まさか姉妹だなんて。

 

母「じゃあそういう事だからよろしくね」

 

小町「頑張ってねお兄ちゃん!」

 

八幡「あ、ああ…わかった」

 

ハァ…ホント大丈夫かな。もう1人の家庭教師の人とも連携できるか心配だし、相手は知っているし、ホントどうなるのか心配だわ。

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。
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