やはりオレが家庭教師の補佐なのは間違っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第13話どうぞ。


第13話

八幡side

 

林間学校から数日が経ったある日の学校。今日は家庭教師の日ではないので部室へと向かう。

 

八幡「うっす」

 

雪乃「こんにちは」

 

結衣「やっはろー」

 

いつものように挨拶を済ませて、いつもの席に座る。

 

雪乃「そういえば比企谷君、あなた身体は大丈夫なの?病み上がりでしょ?」

 

結衣「そうだよ。林間学校の時に病院に運ばれたって聞いてびっくりしたんだからね!」

 

八幡「ああ、もう大丈夫だ。ただの疲労とかからきたそうだ」

 

雪乃「そう。それならいいのだけれど」

 

八幡「悪いな心配かけたな」

 

雪乃「いいえ、あなたが良くなって良かったわ」

 

結衣「そうそう」

 

八幡「そうか…あ、そうだ。林間学校の時に五月を探すの手伝ってくれてありがとな。せっかくスキーを楽しんでいる時に」

 

雪乃「気にしなくて良いわよ。遭難の可能性があったのだから仕方ないわよ」

 

結衣「そうだよ」

 

八幡「そのおかげで範囲が狭ばって探すのが楽になった。ありがとな雪ノ下、由比ヶ浜」

 

雪乃「ええ、どういたしまして」

 

結衣「見つかって良かったよ」

 

八幡「そうだな」

 

その後、いつも通り過ごしていると部室の扉をノックされる。どうやら依頼人が来たようだ。

 

雪乃「どうぞ」

 

雪ノ下は本に栞を挟んで閉じた後、返事をする。

 

「し、失礼します」

 

そう言いながら扉を開ける。何やら緊張しているのだろうか、それが伝わってくる。というか何やら聞いた事のある声だな。そう思っているとその声の主の姿が現す。頭には特徴的な跳ねている髪の毛が1本ある。所謂アホ毛と言うものだろう。そして髪には星型の髪留めをつけている女子生徒。そいつはそいつはオレと風太郎の家庭教師の生徒である中野五月である。

 

八幡「よぉ、五月。どうしたんだ?」

 

五月「は、はい…えっと林間学校の時の事で雪ノ下さんと由比ヶ浜さんにお礼を言いに来たんです」

 

結衣「お礼?」

 

五月「はい、あの時私の為に比企谷君達と探すのを手伝ってくれてありがとうございました」

 

そう言って雪ノ下と由比ヶ浜に向かって頭を下げる。

 

雪乃「その事なら気にしなくて良いわよ。私達は比企谷君の依頼を受けただけだから。それに中野さんが無事で良かったわ」

 

結衣「そうだよ。中野さんが気にしなくて良いんだよ」

 

五月「そう言って貰えて良かったです。心の荷が下りました」

 

そう言って五月はオレの方に体を向ける。

 

五月「比企谷君もすみませんでした。私あの時確かめたくて」

 

八幡「ああ…話は風太郎と一花達からだいたい聞いたわ。まったく、お前はバカ不器用だな。だが、オレも余計な心配かけさせてしまった。悪い」

 

五月「い、いいえ!私があんな事しなければ比企谷君と上杉君が倒れることは無かったのに」

 

八幡「そんなことねぇよ。オレらが倒れたのは自分の体調管理を疎かにしたせいだ。だから五月が気にする事ねぇよ」

 

五月「で、ですが…」

 

八幡「はぁ…頑固だなお前は…」

 

五月「なっ!?あ、あなただけには言われたくありません!」

 

八幡「は?なんでだよ」

 

五月「なんでもです!」

 

八幡「意味わかんねぇよ」

 

まったく五月が言っている意味が分からない。何故五月はあんな事を言ったんだろう。

 

八幡「まぁいいや。んで、何か依頼でもあるのか?」

 

五月「いえ、依頼があって来たのではないんです。さっきも言いましたが林間学校の時のお礼を言いに来ただけなので」

 

八幡「そうか」

 

五月「なので、ご迷惑をおかけしました。それとありがとうございました」

 

八幡「だとよ」

 

そう言ってオレは雪ノ下と由比ヶ浜の方を見る。さっきも五月は雪ノ下と由比ヶ浜にお礼を言っていたからな。

 

雪乃「さっきも言ったけれど気にしなくて良いわ。中野さんが無事ならそれでいいのよ。けれどその気持ちは受け取るわ」

 

結衣「あたしも同じ気持ちだよ」

 

八幡「だってさ」

 

そう言って次は雪ノ下達から五月の方へ視線を移す。

 

五月「はい、ありがとうございます」

 

そう言ってまた頭を下げる五月。ホント律儀だなこいつ。わざわざその為に部室に来たんだもんな。そして五月は要件が済んだので部室をあとにした。その後は部活終了時間まで依頼人が来ること無く時間が過ぎていった。

 

八幡「じゃあな」

 

結衣「バイバイ」

 

雪乃「さようなら。身体には気をつけてね」

 

八幡「おう、サンキュ」

 

そう言ってオレは部室を後にして、帰路に着いた。

 

 

 

そして今日は体に異常がないかという定期診察である。

 

先生「うん、もう大丈夫そうだね。もう診察は必要ないみたいだね」

 

八幡「そうですか。良かったです」

 

看護師「比企谷君忘れちゃいけないけど、君が林間学校が終わるまで病院に来なかったから定期診察をしなくちゃいけないんだよ。例え疲労だとしてもだよ」

 

八幡「はい…以後気をつけます」

 

看護師「うん、反省しているのなら良い」

 

そして診察も終わり診察室から出て会計を済ませる。もうこれで定期診察に行かなくても良い。これでやっといつもの生活ができる。だが風太郎はまだ熱が下がらない為まだ入院している。どうやらオレよりも風邪が酷かったらしいな。ついでに見舞いでも行ってやるか。そう思い風太郎の病室まで足を運ばせる。あれ?そういえばあの先生の声どっかで聞いたような、聞いてないような……ま、気のせいか。いつもみたいな変な勘違いだろうな。そう心の中で決める。そして風太郎の病室の前まで来たので、ノックをし風太郎の返事を待つ。

 

風太郎「どうぞ」

 

風太郎の返事が聞こえたのでオレは病室のドアを開ける。

 

八幡「よぉ、風太郎。具合はどうだ?」

 

風太郎「八幡か、ああ大分良くなった。けどまだ入院が必要らしいけどな」

 

八幡「そうか」

 

風太郎「はぁ…早く学校行きたいな」

 

八幡「まぁ、こればっかりは仕方ねぇよ。大人しくしとけ」

 

風太郎「そうだな。今はそれぐらいしかできねぇみたいだし」

 

八幡「お、珍しく素直だな」

 

風太郎「八幡だけに言われたくねぇ」

 

八幡「なんでだよ」

 

風太郎「それにしても八幡だけが退院するのはな」

 

八幡「オレはお前より風邪は酷くなかったからな。すぐに退院できたよ」

 

風太郎「お前と二人部屋だったのが、八幡が退院した後すぐに一人部屋に変えられたんだ」

 

八幡「みたいだな」

 

2人部屋の時もそうだったけど、こっちも相当広いな。すると後ろの病室のドアが開く。いや、ノックしろよ誰だよと思い振り返るとそこには二乃がいた。

 

風太郎・八幡「「二乃…」」

 

二乃「誰もいないわね」

 

何やら慌てているようにも見える。一体どうしたんだ?

 

風太郎「な、なんだ?俺の部屋だぞ」

 

二乃「いいでしょ、誰がお金払ってると思ってんのよ」

 

風太郎「だからって個室に移すとか無いだろ」

 

八幡「オレが退院した後すぐに個室にしたみたいだな。どうしてだ?」

 

二乃「仕方ないでしょ。あの子たちが心配してこうするようにしたんだから」

 

風太郎「そのせいか看護師の間では、俺は医院長の隠し子じゃないかとの噂で持ち切りだ」

 

八幡「え?マジ?」

 

風太郎「マジ」

 

八幡「ほーん、ま、でも人の噂も七十五日って言うし。気にしない方がいいと思うぞ」

 

風太郎「他人事みたいに言いやがって」

 

八幡「他人事だからな」

 

風太郎「ったく…ま、入院費を払ってくれたのはどうせ、お前たちの父親だろ」

 

二乃「そうよ!つまり私たちが払ったも同然よ!」

 

八幡「すげぇ…」

 

風太郎「お嬢様っているんだ…」

 

八幡「実際にお嬢様だしな」

 

風太郎「そうだな」

 

八幡「だがまぁ、オレもお前達の父親にお礼を言っとかないとな。オレの入院費まで払ってくれたんだし」

 

二乃「ハー君は気にしなくて良いのよ」

 

八幡「いや、流石にダメだろ。払ってくれたのにお礼の一言無いのはさ」

 

風太郎「ま、確かにな」

 

八幡「それにしても二乃が風太郎の見舞いに来るとはな」

 

風太郎「だな思ってもなかったぜ」

 

二乃「え、ええそうね…ってこんなことしてる場合じゃなかった」

 

そう言って二乃は部屋の端っこに行きカーテンの裏に身を隠そうとしていた。いや、何してんの?

 

二乃「いい?私のことは黙ってなさい。ハー君も」

 

そう言って完全に身を隠してしまう。

 

八幡「一体どうしたんだ?」

 

風太郎「さぁ?」

 

四葉「上杉さん、ここに二乃が来ませんでしたか?あ、比企谷さんも来てたんですね」

 

後ろから四葉の声が聞こえてくる。オレがいるとは思ってなかったのか、オレにも声をかけてくる。

 

八幡「おお…」

 

一花「やっほー林間学校ぶりだねフータロー君」

 

三玖「体調はどう?」

 

風太郎「お前ら」

 

四葉「良かった!生きてて一安心です!」

 

八幡「勝手に殺すなよ」

 

風太郎「まったく……誰が来いって言ったよ」

 

四葉「ん?やはり二乃の匂いがします」

 

そういうと四葉の頭についてあるリボンがピーンとレーダーの様に反応している。

 

風太郎「あいつそんなに体臭きついのか…かわいそうに…」

 

二乃(香水…)

 

八幡「いや、なんでそうなるんだよ」

 

風太郎「は?いや、だってそうだろう?匂いっと言ったら体臭だろ」

 

八幡「確かにそうかもしれねぇけどさ。その他の匂いって言ったら香水とかシャンプーとかあるだろ」

 

一花「お、さっすがーハチマン君。二乃の事わかってる〜」

 

八幡「いや、なんでそうなる」

 

普通考えればそうなるだろう。というかそれぐらいで二乃の事がわかるとは思ってねぇけどな。

 

一花「でもほんと一時はどうなるかと思ったんだよ。体温が真夏の最高気温くらいになってたからね」

 

八幡「大袈裟すぎないか?」

 

一花「それぐらい酷かったってことだよ」

 

八幡「さいですか」

 

三玖「回復して良かった。さみしくなったら呼んで、いつでも看病に来るから」

 

風太郎「サンキュー、でも1人の方が楽だから」

 

と風太郎が言った瞬間一花が風太郎の頭にチョップをする。チョップをした時ゴツンと音が聞こえた。痛そうだな。というか

 

八幡「おい、一応風太郎は病人なんだぞ」

 

一花「今のはフータロー君が悪いからね」

 

八幡「だからと言ってな」

 

一花「あ、そうだ。これ、休んでいる間のプリント預かっちゃったけど、渡せて良かったよ」

 

風太郎「ふーん…学校行ってるんだな」

 

その一言でオレはわかってしまう。というか一花本人から聞いた。仕事の事で学校を辞めるか休学にするかって聞いた。でも、今は普通に学校に来ている。

 

一花「……うん」

 

八幡「普通に来ているぞ」

 

風太郎「ふっ、所詮その程度の覚悟か」

 

一花「もー、また意地悪言うんだから」

 

すると三玖がなにかに気づいたみたいだ。

 

三玖「ご飯…嫌いなものあった?」

 

風太郎「いや、ちょっと食欲がなくてな」

 

八幡「でもなにか口にしないとまた倒れるぞ」

 

風太郎「それはそうなんだが…」

 

三玖「言ってくれたら私が作ったのに」

 

風太郎「……ッ!!」

 

ぐるるるっと風太郎のお腹が鳴る。

 

三玖「大丈夫?」

 

風太郎「ああ…思い出し腹痛だ気にすんな。ちゃんと食べるから」

 

三玖「そっか」

 

そう言って三玖は風太郎の目の前にあった病院食のパンを1つ手に取り、それを風太郎の前へと差し出す。これは所謂……

 

三玖「あーん」

 

 

風太郎「いや、自分で食えるから」

 

そう言った後、反対側からもパンが差し出される。そっちを見てみると一花もパンを持っていた。

 

一花「ちゃんと食べないとダメだぞ」

 

風太郎「あのー…俺の口は1つなんだけど」

 

一花と三玖は風太郎の口の中に詰める。何やってんだか……。

 

四葉「あ!二乃いた!」

 

そう言って四葉はカーテンから二乃を引きづり出す。

 

二乃「あんた犬か!」

 

確かにそう思われてもしょうがないよな。

 

四葉「ほら、行くよ」

 

そう言って四葉は二乃を引きずって行く。

 

二乃「や、ややめなさい!」

 

二乃は二乃で抵抗し嫌がっている。何をそんなに嫌がっているのだろうか。

 

一花「じゃあ私達も…」

 

三玖「フータローも早く治るといいね」

 

そう言って病室を出ていく姉妹達。出ていった後風太郎は胸に手を当てていた。

 

八幡「どうした?」

 

風太郎「いや、なんだか少し楽になったような気がして」

 

八幡「…そうか。それは良かったな」

 

そしてその後風太郎は診察を受けるために診察室へと向かった。オレもさっさと帰ろうと思い出ようとすると、二乃が早歩きでこっちに向かってくる。その後ろには四葉達がいた。

 

四葉「あ!比企谷さん、二乃を捕まえてください!」

 

は?二乃を捕まえる?なんで?まぁ、なんで逃げているのか知らんが捕まえておこう。そう思い二乃の腕を掴む。

 

二乃「ちょっ、ハー君。離してお願い!」

 

八幡「お前は一体何から逃げてるんだよ」

 

二乃「え…そ、それは……」

 

そう言いながら顔を逸らす。

 

一花「それはね。注射からだよ」

 

と追いついた一花が教えてくれる。来たことで逃げられないのでオレは二乃の腕を離す。

 

八幡「は?注射?」

 

注射ってあの注射だよな。一体なんでだよ。

 

一花「そう、毎年この時期に受けているんだよ」

 

三玖「それなのに五月と二乃が逃げちゃって」

 

二乃「痛いのは嫌!」

 

そう言って二乃は抵抗する。そしてオレは盛大なため息をつく。

 

八幡「なんだそんな事で逃げてたのかよ」

 

二乃「そんな事って…私にしたら嫌な事なのよ」

 

八幡「まぁ、そりゃ人には苦手な物が1つや2つあるけど、注射を打っとかないと、病気にかかるぞ」

 

二乃「わかってるけど…」

 

そう言って顔を俯かせている。どんだけ怖いんだよ。はぁ…仕方ない。そう思ったオレは二乃の頭に手をのせる。

 

二乃「あ…」

 

八幡「頑張れよ。でないと元気にいられないぞ」

 

二乃「うん…」

 

八幡「じゃオレは帰るからな。ちゃんと見張っておかないとまた逃げられるぞ」

 

四葉「はい!お任せ下さい!」

 

一花「またねハチマン君」

 

三玖「また明日ね」

 

八幡「ああ」

 

そう言ってオレは病院を後にして家に帰った。

 

 

そして風太郎が退院早々の家庭教師の日…なのだがオレと風太郎の目の前に同じ髪型にした五つ子がいた。

 

一花「急にどうしたの?」

 

三玖「同じ髪型にしろって」

 

ホントなんでコイツらを同じ髪型にしたのだろうか。そして風太郎は人差し指を右にいる五つ子に指して

 

風太郎「五月、三玖、四葉、二乃、一花」

 

と言いながら左へ指を移動させて行く。どうやらコイツらの名前を言っているようだが

 

二乃「二乃、三玖、五月、四葉、一花よ。髪を見ればわかるでしょ?」

 

いや、すまん二乃。オレもさっぱり分からん。

 

風太郎「…と、このようになんのヒントもなければ誰が誰かもわからない。最近のアイドルのようにな」

 

八幡「アイドルは関係ないだろ」

 

一花「それにそれはフータロー君が無関心なだけでしょ」

 

八幡「んで?なんでこんな事したんだ?」

 

風太郎「ああ、それはこれを見てくれ」

 

そう言って数枚の紙を見せてくる。オレはそれを手に取り見てみる。その紙はどうやらテスト用紙のようだ。そのテスト用紙は全ての枠は埋まっているが、全て間違っている。そうこのテスト用紙は全て0点である。しかもそのテスト用紙はご丁寧に名前の部分だけ破られている。多分どれが誰のテスト用紙かをわからなくさせるためにだろう。

 

八幡「こりゃまた酷いな」

 

風太郎「だろ?」

 

八幡「それでこれどうしたんだ?」

 

風太郎「ああ、実はほんの10分前のことだ……」

 

風太郎はこのテスト用紙の事で説明してくれた。今日風太郎はいつものようにこの家のインターホンを鳴らし、この部屋に入った。でも入った時、バスタオル姿の五つ子の1人と鉢合わせしてしまったらしい。その時にそいつが「変態」と言いながら持っていた紙袋を投げつけたらしい。そして投げつけられた紙袋の中からさっきのテスト用紙が出てきたらしい。

 

風太郎「という訳だ」

 

八幡「なるほどな」

 

四葉「全教科0点…」

 

風太郎「まったく…バスタオル姿でわからなかったが、犯人はこの中にいる!」

 

八幡「だろうな」

 

風太郎「四葉白状しろ」

 

四葉「当然のように疑われている!」

 

八幡「風太郎、それはあまりにも理不尽じゃないか?」

 

三玖「それで同じ髪型だったんだ」

 

風太郎「そうだ。というかなんでお前らは顔だけで判別つくんだ?」

 

八幡「そりゃ、家族だからじゃないか?」

 

風太郎「そんなもんか」

 

四葉「いいえ、違います」

 

だが、それを四葉が否定してくる。オレはてっきり家族だから姉妹だから見分けられると思っていたが、どうやら違うらしい。

 

八幡「は?じゃなんだよ」

 

オレは四葉にそれがなんなのかを聞く。

 

四葉「私たちの見分け方はお母さんが昔言ってました。それは愛です。愛させあれば自然とわかるって」

 

八幡「あ、そうですか」

 

風太郎「…道理で分からないはずだな」

 

愛さえあればって、なんか聞いた事あるような。まぁ、そんな事は置いといて。さて、このテストの犯人は誰なのだろうか。

 

一花「もう戻していいかな〜」

 

八幡「いいんじゃないか?」

 

一花「わかった。それにしてもなんで今日はそんなに真剣になってるんだろ」

 

そう言って束ねていた髪をほどく。

 

風太郎「ん?…シャンプーの匂い」

 

そう言いながら近くにいた二乃の髪の匂いを嗅いでいた。

 

二乃「えっ…なんかキモ」

 

うん、確かにな。というか何やってんだよ。

 

風太郎「これだ!」

 

風太郎は何か思いましたのか急に大声を出してくる。

 

風太郎「お前達に頼みがある!俺を変態と罵ってくれ!」

 

は?コイツ一体どうしたんだ?頭でも打ったか?それとも変なもの食ったか?そんな言葉を聞いたオレを含め五つ子達は引いていた。当たり前だな。

 

二乃「あんた…手の施しようのない変態だわ…」

 

風太郎「違う、そういう心にくる言い方じゃなくて」

 

うわぁ…オレにもきたわ。心に深刻なダメージを受けてしまうわ。雪ノ下もこんな罵倒するのかね。

 

三玖「ほくろで見分けることもできる」

 

風太郎「お手軽ぅ!どこにあるんだ?見せてくれ」

 

そう言って詰め寄る風太郎。詰め寄られた三玖は後ずさりする。けれどすぐ近くにソファがあり、そこに足を取られソファに倒れ込む。

 

三玖「フータローになら見せてもいいよ」

 

五月「ダメです!そもそも、犯人のほくろを見てないと意味がないでしょう」

 

風太郎「それもそうだな」

 

八幡「そうだな」

 

オレは見てないから分からないけどな。すると突然一花が口を開いた。

 

一花「フータロー君、ハチマン君…もしかしたらこの中にいないのかもしれないよ…」

 

八幡「は?何言ってんの?」

 

一花「あのね、落ち着いて聞いてね。私たちには六人目の姉妹…六海がいるんだよ」

 

風太郎「!」

 

四葉「なんだってー!」

 

と横から四葉が入ってくる。

 

四葉「む…六海は今どこに…」

 

一花「ふふふ…あの子がいるのはこの家の誰も知らない秘密の部屋…」

 

風太郎「勝手にやってろ」

 

八幡「あー、もうそういうの良いから」

 

風太郎「もう、分からん!最終手段だ」

 

そう言ってカバンの中から風太郎はテスト用紙を出してくる。なるほど、それで犯人をあぶりだそうとしている訳か。そしてそのテストを五つ子達は受けている。このテストは風太郎曰くさっきのテストの応用らしい。それで1番解けなかったやつが犯人…らしい。そんなテスト中五つ子達はそれぞれ文句を言っている。

 

一花「はーい、一番乗り〜」

 

そう言ってテスト用紙を風太郎に渡す。そのテスト用紙をオレも見せてもらう。なるほど……

 

風太郎「ふむ」

 

どうやら風太郎もわかったらしい。風太郎は立ち上がりテスト用紙を一花の頭にのせ口を開く。

 

風太郎「お前が犯人か」

 

一花「あれっ…なんで…筆跡だって変えたのに」

 

八幡「フッ、墓穴を掘ったな一花」

 

一花「えっ?…あ」

 

八幡「どうやらわかったらしいな。筆跡を変えたという事は、あのテストと同じ筆跡にしない為に変えたという事を、わざわざ教えてくれたって事だよな。一花」

 

一花「はめられた…」

 

八幡「まぁ、確かにそうかもしれないが、お前が犯人だとわかった訳はもう1つある。風太郎説明」

 

風太郎「ああ、ここのbの書き方。1人だけ筆記体で書くことは覚えてた。俺らはお前達の顔を見分けられるほど知らないが、お前達の文字は嫌という程見てるからな」

 

八幡「そういう事だ。わかったか一花」

 

一花「くっ…やられた〜」

 

そう言ってガクッと膝をつく一花。

 

風太郎「フハハハ」

 

フゥ、これで犯人は一花とわかったな。

 

五月「あのー、一応私たちも終わりました」

 

八幡「そうか、おつかれさん」

 

そう言って他の姉妹のテスト用紙を受け取る。さーてと、採点をするかね。そう思い受け取ったテスト用紙を見る。

 

八幡「ん?」

 

風太郎「どうした八幡?」

 

八幡「おい、風太郎これ見て見ろよ」

 

風太郎「なんだ?」

 

八幡「この五月の「そ」犯人と同じ書き方じゃねぇ?」

 

風太郎「ホントだ…」

 

八幡「そしてこの二乃の門構え」

 

風太郎「同じだ。…あ、三玖の4に四葉の送り仮名」

 

そう、どれも0点の犯人と同じ書き方なのだ。という事は……

 

風太郎「……お前ら…」

 

八幡「一人ずつ……」

 

風太郎・八幡「「0点の犯人じゃねーか!」」

 

二乃「何してんのよ一花。ハー君達が来る前に隠す予定だったでしょ」

 

一花「ごめーん」

 

八幡「はぁ…まったく」

 

風太郎「俺らが入院した途端これか…」

 

ホントなんでだろうな。するとそんな中五月が風太郎の近くまで来る。

 

五月「上杉君。今日あなたが顔の判別にこだわったのは、昨日話してくれた5年前の女の子と関係があるのでしょう?」

 

その話はオレも知っている。

 

五月「私たちの中の誰かだったと思ってるんですね」

 

風太郎「…そうだ…」

 

え?そんな事ってあるのか?でも確かその女の子は同じお守りを何個も買ってたって風太郎が言ってたな。それにその女の子の面影がコイツらの誰かと重なったのか?そして風太郎は1歩前に出て

 

風太郎「この中で昔俺にあったことがあるよって人ー?」

 

そう言った。けれど誰も手をあげない。

 

二乃「何よ急に」

 

三玖「どういう事?」

 

風太郎「そりゃそうだ。そんな都合よく近くにいるわけがねぇ。それに……お前らみたいな馬鹿が、あの子のはずねーわ」

 

何故最後の方棒読みなんだよ。というかそれはそれで酷くね?

 

五月「ば…馬鹿とはなんですか」

 

そりゃ怒るわ。

 

風太郎「間違ってねーだろ。よくも0点のテストを隠してたな。今日はみっちり復讐だ」

 

そう言ってまた前に出て五つ子の1人の肩に手を置き

 

風太郎「五月」

 

そう言った。けれど反応がないので風太郎が見るとそこには五月ではなく

 

三玖「もしかしてわざと間違えてる?」

 

三玖がいた。

 

三玖「フータローの事なんてもう知らない」

 

風太郎「す、すまん!」

 

四葉「あはは、まずは上杉さんと比企谷さんが勉強しないといけませんね」

 

八幡「え?オレも?」

 

四葉「当たり前じゃないですか」

 

八幡「なん…だと…」

 

二乃「そうね。ハー君には早く私の事を見分けてほしもん」

 

いや、そんな事言われましてもね。そんなに早くできる訳もないし、多分こいつらを見分けられるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

 

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ある日の放課後。今日は家庭教師の日では無いので部室に来ている。いつものように雪ノ下が入れてくれた紅茶を飲みながら本を読む。そして偶に雪ノ下と由比ヶ浜が会話を振ってくるのでそれに答えたりして過ごしている。そんな時だった。コンコンと軽いノックの音がした。

 

雪乃「どうぞ」

 

そのノックに雪ノ下が答える。そしてガラッと勢いよく扉が開け放たれる。

 

平塚「邪魔するぞ」

 

そう言って入ってきたのは平塚先生だった。

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。
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