やはりオレが家庭教師の補佐なのは間違っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第14話どうぞ!


第14話

八幡side

 

オレは驚いている。いつもノックをせず部屋に入ってくる平塚先生が初めて部室の扉をノックをしたからだ。

 

平塚「ん?どうした?」

 

八幡「いえ、平塚先生がノックをしたので、びっくりしているだけです」

 

平塚「そうかそうか…って私でもきちんとノックぐらいするわ!」

 

八幡「それはすいません。それで要件は?」

 

平塚「ああ、ちょっと頼みたいことがあるんだ。入ってきていいぞ」

 

平塚先生が扉に向かって声をかけると、失礼しまーすといほんわかした声音とともにしずしずとした足取りで見慣れた人物が入ってくる。お下げ髪に前髪をピンで留め、つるりとしたおでこが可愛らしい。我が校の生徒会長の城廻めぐり先輩である。そしてその後ろに見慣れない女子生徒がもう1人いた。

 

城廻「ちょっと相談したいことがあって……」

 

城廻先輩が話を切り出し、後ろについていた女子を振り返る。促されて、その子が1歩前に出た。歩み出た拍子にその亜麻色のセミロングが揺れる。どうやらその髪色は地毛であるらしく、キューティクルのおかげか、きらりと夕日が照り返し、光の粒子が舞った。ふわっとした髪とくりっとした大きな瞳は小動物めいている。制服もちょっぴりとだけ着崩していて、たるっと余ったカーディガンの袖口を控えめに握りこんでいた。今時女子高生って感じだもんな。というか誰だと思っているとその女子生徒と視線が合う。すると女子生徒は困ったように軽く微笑んできた。なんだこいつ…何故だろうアホ毛レーダーがビンビンに反応している。

 

結衣「あ、いろはちゃん」

 

由比ヶ浜が口を開くと、その女子生徒はふわっふわした声で返して、ちょこりと首を傾ける。

 

いろは「結衣先輩、こんにちは〜」

 

結衣「やっはろー」

 

どうやら由比ヶ浜は面識があるようだ。

 

八幡「知り合いか?」

 

結衣「あ、うん。いろはちゃんはねサッカー部のマネージャーをやってる1年生なんだ」

 

八幡「ほーん」

 

サッカー部のマネージャーね。

 

八幡「それで内容は?」

 

その問いかけに城廻先輩が口を開く。

 

城廻「もうすぐ生徒会役員選挙があるのは知ってる?」

 

と言われてもピンと来ない。でも学校行事では絶対にあるだろう行事。だけど強制的な参画させられでもしない限りは学校行事に対する興味関心などない。けれどもうそんな時期なのという気持ちも少なからずある。

 

八幡「その選挙がどうかしたんですか?」

 

オレがそう聞くと城廻先輩は一色をちらと見る。

 

城廻「一色さんは生徒会長選挙の候補者なの」

 

へー、こいつが候補ねぇ……。意外、と言ってしまえはなんだが一色いろはは生徒会活動に興味があるようなタイプにはまるで見えない。なんで立候補したのかね、と思いながら見ているとその視線を察したらしい。一色はオレの方を見た。そして目をぱちくりさせる。どうやらオレの存在を認識していなかったらしい。おかしいな……さっきオレの方を見たような気がしたんだけどな。まぁいいや。そして一色はオレに対して特に嫌悪するようなそぶりも見せず、それどころかはっと何かに気づいた様子で口元に手を当て微笑んでいた。

 

いろは「あ、今向いてなさそうとか思いませんでした〜?」

 

八幡「さぁ?」

 

なんで分かっちゃうの?エスパーかよ。

 

いろは「よく言われるからわかるんですよー!トロそうとか、鈍そうとか〜!」

 

一色は腰に手を当てむーっと不機嫌そうに身体を傾けてそう言う。

 

八幡「へー、あっそ。というより語尾を伸ばすな」

 

いろは「え〜?なんのことですか〜」

 

八幡「それだよ、それ」

 

まったく、語尾を伸ばす意味が分からない。というよりやはりこいつは危険なようだ。見た目は雰囲気はふわっとしていながらも若さ全開で今時分の女子高生らしさをきちっと押さえている。膝よりもやや上のスカート丈にナチュラルさを意識した薄いメイク、袖を少し余らせたクリーム色のカーディガン、襟元のリボンは鎖骨が覗くか覗かないか程度に緩く締められ、そこに隙が生じているように思える。見た目の印象こそぽわりとしているものの、先輩である由比ヶ浜にも距離を感じさせない馴れ馴れしさ、もとい人懐っこさがある。オレのアホ毛レーダーはどうやら正確なようだ。まぁそんなことはどうでも良くて。

 

八幡「それでどうしたんですか?」

 

オレの問に城廻先輩が答えるため口を開く。

 

城廻「一色さんは生徒会長に立候補してるんだけど、そのー、はなんていうのかな。……当選しないようにしたいの」

 

城廻先輩はどう説明したものやらと考えあぐねているのか少し曖昧な言い方をする。立候補へしているが当選はしたくない、という言葉の意味を考える。

 

結衣「えっと…つまり生徒会長をやりたくないって事?」

 

いろは「はい、そうです」

 

由比ヶ浜の問に答える一色。

 

雪乃「…ならなぜ立候補を?」

 

確かに雪ノ下の言うことはわかる。立候補したのになぜ当選しないようにする必要があるのだろうか。

 

いろは「えっと、私が自分で立候補したんじゃなくて勝手にされてて…」

 

はぁ…なるほど、だいたい察した。こいつクラスの奴に好かれてないな。主に女子だと思う。こういう奴は男子を手玉するようなタイプかもな…………多分。そして一色はと言うとほっぺに指を当ててうーんと考える仕草を見せた。あ、これはあれだ…あざといというやつだな。

 

いろは「私、結構悪目立ちっていうんですか?そういうのが多かったし、サッカー部のマネージャーやってたりして、葉山先輩とか、上級生とも仲良しなんで、そういうイメージついちゃってるみたいで向いてるとかよく言われるんですよ〜」

 

あ、はい……。というか何言っちゃってるのこいつ?

 

八幡「いじめられてんのか?」

 

いろは「そういうのじゃなくて、ノリっていうか悪ノリっていう感じですかね〜。クラスの友達が何人か集まって、いじりっていうんですかねー」

 

一色はピンと立てた人差し指を顎に当て小首を傾げながら話す。

 

八幡「そうか……。というか勝手に立候補なんて、できたんですか?」

 

平塚「立候補の書類提出時に、本人確認はされていなかったんだ」

 

城廻「ううっ…。私達選管がもうちょっとちゃんとしていれば…」

 

そう言って城廻先輩は慚愧の念に駆られて呻く。

 

平塚「まぁ、まさかいたずらでそんな事する奴がいるとは誰も思わんだろう。選挙管理委員を責めるのはちょっと酷かもしれんな」

 

城廻「推薦人名簿はちゃんと確認したんだけどね」

 

八幡「推薦人名簿?」

 

城廻「うん、立候補には何人か推薦人の署名が必要で、それについてはちゃんと照会しめるの」

 

ほう、まずは推薦人が必要なのね。しかし、納得できる話ではある。人望ゼロの人間がいきなり会長やりますって、いいだしてもって話だし、そんな連中が大量に出てきても困るもんな。

 

結衣「取り下げとかはできないんですか?」

 

一色「それがー、担任もなんかやる気になってて、超応援とかされてるんですよー。やめるって言ったらなんか逆に励まされちゃって……。クラスの応援演説やるって言う人がいない時点でわからないもんですかね〜…。だいたい先生に応援されたところでって感じじゃないですかー」

 

そんな一色の隣で平塚先生も困っていた。

 

平塚「私も一色の担任と少し話したんだが、……まぁその、人の話聞かない系の人間でな」

 

八幡「ああ……なるほど」

 

平塚「それで困ったあげく、城廻に相談に来たのだよ」

 

八幡「はぁ…こりゃまた難問ですな」

 

結衣「あ、じゃあ1年生だから会長になれないってことにはならないのかな?」

 

八幡「ならんな」

 

結衣「え?なんで?」

 

そんな疑問に城廻先輩が力なく笑って答えてくれた。

 

城廻「それも、規約にはないの……。会長は2年生に限る、みたいなことは書かれてないんだよ」

 

雪乃「つまり、これまでは慣例的に2年生が会長職に立候補してきたということよ」

 

雪ノ下が補足すると、由比ヶ浜も納得して、小難しいそうな表情をした。

 

八幡「まぁ、でもやりたくないのなら落ちるしか無くなりますが」

 

これが1番確実だと思う。どれだけ生徒会長になりたくても選挙で勝たない限りは絶対になれない。つまり生徒会長にならないためには選挙で負けるのが良いだろう。だが、城廻先輩はそっと瞼を閉じた。

 

城廻「うーん……、ただ立候補が一色さんだけだから……」

 

雪乃「となると、信任投票ということになりますね」

 

八幡「だろうな」

 

いろは「信任投票で落選とか超カッコ悪いじゃないですか〜」

 

わがままだな〜こいつ。なんなのマジで。けどそうなると他の誰かが立候補するしかなくなってしまう。けれど、そんなやつ簡単に見つかると思えないし、というかいないだろう。

 

八幡「……最終手段としては……応援演説でクソみたいな演説をすることによって不信任にする、という手もある……」

 

オレがそう言うと不穏な沈黙が生まれる。由比ヶ浜は黙って悲しげな瞳で見てくる。雪ノ下も少し同じような瞳で見てくる。そして城廻先輩は戸惑いながらオレ達を見て、一色も居心地悪そうにしている。

 

八幡「だが…」

 

そんな中オレは続けて言う。

 

八幡「そんな事をしてくれる奴なんていないししな。それにもし仮にそれをしたら、また面倒くさい事になるからな……。どうすっかな」

 

そう言い終わると2人はさっきまで悲しげな瞳が無くなり、普通の瞳へと戻っていく。多分こいつらはそのクソ演説をオレがやるとでも思ったのだろうか。だからあんな目をしたのだろうか。やるわけねぇだろう。やっても良いかもしれねぇが、それをしたらオレはこの場所を離れないといけねぇし、あいつらの家庭教師をやめなくちゃいけない。せっかくやる気を出してくれる奴がいるのに、辞める訳にはいかないからな。

 

 

 

 

そしてその後も色々考えるが、まとまらないのでまた後日となった。

 

 

 

そしてそのまま帰ろうかなと思ったけど、小腹が空いたので何か食べようと思い移動を始める。

 

「あれ?ハチマン君」

 

すると聞き覚えのある声が聞こえた。と言うよりもそれが誰なのかわかってしまう。オレの事を名前で呼ぶのは風太郎、戸塚、一花、三玖だけだ。え?材木座?知らんな。その中で名前で君呼びする奴は1人しかいない。オレはその声のした方を見ると、やはりそこには一花がいた。

 

八幡「よお、一花」

 

一花「やっほ〜」

 

そう言って手をフリフリしながら近づいてくる。

 

一花「今帰り?」

 

八幡「まぁ、そうだな」

 

一花「おつかれ様」

 

八幡「どうも。それより一花は帰ってなかったのか?」

 

部活も入ってないし、家庭教師もないのにこんなところで何をやっているのだろうか。もしして仕事かと思ったけど、今日はそうでも無さそうだ。

 

一花「うん、ちょっと買い物をね」

 

八幡「そっか」

 

一花「そういえばハチマン君はこれからどっか行くの?家とは違う方向だけど」

 

八幡「うん?ああ、ちょっと小腹が空いたから何か食べようと思ってな」

 

一花「そうなんだ」

 

八幡「ああ」

 

さて何にするかな。と思い周りを見渡すと、ミスドが視界に入る。

 

八幡「ミスドか…」

 

一花「お、良いじゃん。じゃあ行こっ」

 

八幡「は?」

 

一花「え?」

 

いや、なんでお前もそういう反応するんだよ。それオレだよね。

 

八幡「なんで一花も来るだよ」

 

一花「いや〜、私もちょっと小腹が空いてたんだよね。だから私も何か食べようかなって思ってた時にハチマン君と会ったってこと」

 

八幡「それで一花もミスドに行こうと」

 

一花「そうそう。ハチマン君も行くんでしょ?だったら一緒に行った方がいいでしょ?」

 

八幡「いや、一緒に行く理由も無いだろ」

 

一花「え〜、良いじゃん。どうせ同じ所に行くんだしさ」

 

八幡「じゃあ、オレは違う所に「ほら行くよ」、っておい!ちょっ!引っ張るなって!」

 

オレは違う所で食べようと思い移動しようとした時、一花に腕を取られ引っ張られる。そしてそのままミスドへと連れて行かれた。

 

 

 

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その後、オレは一花とミスドに入る。オレは適当なドーナツとカフェオレを選び、会計を済ませる。一花もドーナツを選び会計を済ませる。1階は2人席が無かった為、2階へ目指す。オレが1人なら適当に座ったんだけどな。無視して1人で座っても良いんだけど、また連行されそだからやめておこう。

 

「おや?珍しい顔だ」

 

そんな声が聞こえた。聞き覚えもあるし、嫌な予感がする。そんな事を思いながら声をかけられた方を振り向く。するとそこには1人の女性が手をひらひらと手を振ってニコッと笑ってくる。その女性は立ち襟の白いブラウスに目の粗いニットのカーディガン、ロングスカートに包まれていてもわかる長くしなやかな脚。冬の装いなのに、軽やかさを感じさせるのは普段の印象ゆえだろうか。そんな女性の名は雪ノ下陽乃。奉仕部部長の雪ノ下雪乃の姉である。

 

八幡「げっ…」

 

思わずそんな声が出てしまった。とりあえず適当な所に座ろうかね。

 

八幡「おい、一花。どこに座る?」

 

一花「え?いや、あの人ハチマン君と知り合いなんじゃないの?無視して良いの?」

 

言い訳無いだろう。こんな時に厄介な人と出くわすとかオレ運無さすぎだろう。

 

八幡「いいから、どっか座ろうぜ」

 

一花「え、あ、うん」

 

そしてオレは一花と一緒に離れた席に座る。くっそ…なんでいるんだよ。テイクアウトか、あの時そのまま違う所へ行った方が良かったな。とか思っていると陽乃さんはオレらと隣の席へと移動してくる。なんで移動する必要があるんですかね?

 

陽乃「別に逃げることはないじゃない。失礼だな〜、もう」

 

いや、もうホント勘弁してくださいよ。こっちはゆっくりしようと思ってたのにな。

 

陽乃「それにしても比企谷君が女の子と一緒とはね〜。もしかして彼女?」

 

一花「はい、そうです」

 

陽乃「え?」

 

陽乃さんは面白半分で聞いてきたのだろう。そんな陽乃さんの問に一花が答える。その答えに驚く陽乃さん。

 

八幡「おい、一花。何勝手に答えてるんだよ。それにオレらは付き合ってないだろう。勝手な事言うなよ」

 

一花「あっははは、ごめんごめん」

 

八幡「まったく。そういう事なんで、一花は彼女じゃないです。一花はただのど…」

 

同級生と言うとしたが途中で止める。

 

陽乃「ただの何?」

 

八幡「…友達です」

 

一花「!」

 

陽乃「へ〜、友達なんだ」

 

一花「はい、そうなんです」

 

またもや陽乃さんの問に一花が答える。

 

陽乃「そうなんだ。まさかあの比企谷君に友達がいるなんて」

 

八幡「失礼ですね。オレにも友達はいますよ。戸塚とか風太郎とかいますよ」

 

陽乃「そっかそっか。あ、そういえばまだ自己紹介してなかったね。私は雪ノ下陽乃よろしくね」

 

一花「中野一花です。……あれ?雪ノ下?」

 

そうか、一花は雪ノ下に姉がいる事は知らなかったな。

 

八幡「雪ノ下さんは雪ノ下の姉だ」

 

一花「あ、そうなんだ」

 

陽乃「雪乃ちゃんを知ってるの?」

 

一花「はい」

 

陽乃「そっか。で?比企谷君達はこんなところで何してるの?」

 

八幡「オレはちょっと小腹が空いたから寄っただけです」

 

一花「私も小腹が空いて何か食べようと思ってた時に、ハチマン君と外でばったり会ったんです」

 

陽乃「へ〜、そうなんだ」

 

八幡「そういう雪ノ下さんはどうしてここに?」

 

陽乃「私は友達とご飯行くまでの時間潰し」

 

八幡「そうなんですか。じゃあ尚更邪魔しちゃ悪いですね」

 

陽乃「まだ先の話だよ。いいじゃん、一緒に暇つぶししようぜー」

 

八幡「いえ、結構です」

 

陽乃「もう、つれないな〜」

 

八幡「はぁ…」

 

陽乃「ため息着くと幸せ逃げちゃうぞ」

 

八幡「元からないですよ」

 

陽乃「悲しい事言うねぇ。それよりさ、もう進級しないと大きな行事もなくなるんじゃない?」

 

八幡「いや、そうでもないですよ。生徒会選挙とかまだなんやかんやありますし」

 

陽乃「あー、もうそんな時期か〜」

 

八幡「進級で思い出したが、一花お前らちゃんと勉強しているんだろうな」

 

一花「うっ…ちゃ、ちゃんとしてるよ」

 

八幡「ホントかよ」

 

一花「ホントだって!」

 

八幡「この前の小テストみたいな事にはならんだろうな」

 

一花「あ、あはははは」

 

八幡「笑って誤魔化すな」

 

まったく…この前みたいに0点なんて取ったらさすがにオレと風太郎は解雇だろうな。

 

一花「あ、そうだ。丁度ハチマン君に聞きたい所があったんだ。えっとね…」

 

一花はそう言いながらカバンからノートを取り出す。そしてノートを開きオレに見せてくる。それを見るとかなり勉強をしていることがわかる。

 

八幡「ほぉ〜、頑張ったな」

 

一花「まぁね」

 

八幡「で?どこが分からないんだ?」

 

一花「ここなんだけど」

 

八幡「あー、ここはな……」

 

オレは一花が分からない所をわかりやすく教える。

 

八幡「……という感じで解くんだ」

 

一花「あ、なるほど。ありがとうハチマン君。おかげでわかったよ」

 

八幡「そうか」

 

陽乃「…」

 

ふと陽乃さんの方を見ると口を小さく開けていた。まるでポカーンとしているようだ。

 

八幡「雪ノ下さん?どうかしましたか?」

 

陽乃「や、ちょっと驚いちゃって。比企谷君て勉強教えるの上手なんだね」

 

八幡「別にそうでもないですよ」

 

陽乃「いやいや、私でも分かりやすかったもん」

 

八幡「またまた、そういうこと言って。あなたならすぐにわかってたんじゃないんですか?」

 

陽乃「もう、そういう事は言わないの。そこは素直に受け取っとくもんだよ」

 

八幡「そういうもんですかね…」

 

素直に受け取っとくもんだって言われても、この人に言われても素直に喜べねぇな。そんな事を思っている間にも一花は次々と問題を解いていっていた。そんな中の1問に目が止まる。

 

八幡「一花、そこ間違ってるぞ」

 

一花「え、ウソ。どこ?」

 

八幡「ここの問題だ。こういう問題はちょっと引っ掛け要素があってな。ここをこうして、これを代入すれば解けるはずだ」

 

一花「うわぁ、ホントだ。全然わからなかったよ」

 

八幡「まぁ、こういう問題もあるから気をつけないとダメなんだ」

 

一花「そっか……覚えることいっぱいだな」

 

八幡「まぁ、それは徐々に覚えていったらいいさ」

 

一花「うん、そうするよ」

 

その後、一花はノートをしまい注文したドーナツを食べながら、カフェオレを飲んでいる。オレも一通り教えたので、こっちも注文したドーナツを食べ、時々カフェオレを口につける。

 

「あれ?比企谷?」

 

そんなオレらがゆったりとしている時に声をかけられる。その声のした方を見るとそこには女子高生2人がいた。うち1人は、くしゅりとしたパーマが当てられたショートボブ。その下には少し釣り目がちな顔がきょとんとしている。オレに声をかけたのはこっちの人だろう。オレの家からほど近い海浜総合高校の制服に身を包み、なのに持っている鞄は都内の私立高校のものだ。

 

八幡「折本か」

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。
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