やはりオレが家庭教師の補佐なのは間違っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第16話どうぞ!


第16話

八幡side

 

ある日、オレと一花と葉山は海浜総合高校の折本、仲町さん、そして佐藤と一緒に遊びに行くという事になった。本当に面倒な事になったわ。本当なら葉山が折本と仲町さんと遊ぶ予定だったのにな。あの時、陽乃さんの発言により、オレと一花まで遊びに行くことになった。ホントにあの人には困ってしまう。ホントにどうにかしてほしい。

 

葉山「まずは映画だったっけ」

 

折本「うん、映画見たいよね」

 

千佳「うん、見たい見たい」

 

佐藤「だな」

 

葉山は折本達との歩幅のズレを調整するように、話しかけ距離を縮めていた。流石は葉山と言うべきか、あれは葉山程のカーストの人にしかできないだろう。というか佐藤みたいな事言う葉山の取り巻きいなかったけ?まぁ、そんな事はどうでもいいや。今日の予定としては、映画を見て買い物、途中でゲーセン寄ってみたりして、で食事して解散。そんなところのようだ。

 

八幡「帰りたい」

 

一花「気持ちはわかるけど、それ言ったらダメだからね」

 

八幡「わかってるよ」

 

一花「うん、分かればよろしい」

 

はぁ……ホントにめんどくさい。風太郎みたいだけど、家に帰って勉強したい。そんな事思ったり、一花と会話をしていると葉山と折本達が見る映画を決めたらしい。種類は恋愛ものの映画らしい。そしてその映画は確か小説が原作だったような。というかオレ映画に着くまで話したのほとんど一花だけじゃん。たまに会話を振られるがそれに答えるだけだしな。

 

 

そして映画館につくと葉山が颯爽と映画のチケットを購入してくる。さっすがー。こういうことは余計なおまけであるオレがやるべきなのかもしれないが、所詮添え物だからね。時間もちゃんと調べてあったのか、待つことなくスムーズに劇場内へ進む。席順は仲町さん、葉山、折本、佐藤、一花、オレとなった。座ってもすぐに映画は始まらない。待っている間折本達と葉山はボリュームを下げたお喋りが盛んに行われた。すると一花が声をかけてくる。

 

一花「楽しみだね映画」

 

八幡「ああ、それなりに」

 

一花「ハチマン君がそんな事言うなんて珍しい」

 

八幡「お前失礼だな。オレだって1つや2つ楽しみな事ぐらいあるわ」

 

一花「ごめんごめん、冗談だって」

 

そんな事話していると、劇場の照明が落ちる。それにつれて皆が一斉にその口をつぐんだ。

 

 

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映画館をでると、夜の風が頬に冷たい。2時間ちょっとの間に、気温がぐっと下がったようだ。映画自体はまぁそこそこの出来だった。見どころもちゃんとあり、特に退屈に思うこともなかった。そんな事を思っていると葉山達もまた、ちょうどそのことを話していた。あれだね、これがデートで映画館が選ばれやすい理由なのかもしれないな。

 

折本「ていうか、あの爆発派手じゃなかった?比企谷とか爆発の時、超キョドってんの!マジウケる!」

 

あなたオレと2つ離れた席にいたよね。なのに見えたの?どんだけ視野広いんだよ。というかオレを見る余裕があったんだね。

 

八幡「まぁ、思ったより音が大きかったから……」

 

葉山「ああ、でもちょっと驚いたな」

 

仲町「でも、葉山くん超落ち着いてなかった?」

 

仲町さんは葉山の隣をキープしつつ、その顔を覗き込んで言った。すると、負けじと折本も葉山の横に並び、ちょっと大げさに手を打つ。

 

折本「あ、それ思った!わたしもちょっとビクッてして、でも葉山くん全然普通だったよね〜。でっも、比、企谷の動、き……っ!」

 

こらえきれなかった笑いが盛れ出て、折本の身体がプルプルしている。それにつられた仲町さんと佐藤もちらっとこっちを見てぷっくくと忍び笑いを漏らす。

 

一花「えーそうかな?」

 

そんな時に隣にいた一花が口を開いた。それを聞いた折本達は「えっ?」みたいな顔になりながら一花の方を見ていた。一体どうしたんだ?

 

一花「確かにあの爆発はびっくりしたし、ハチマン君の驚きにもびっくりしたけど、私的にはかわいいと思ったよ」

 

折本「えっ…」

 

仲町「か、かわいい」

 

佐藤「……比企谷が?」

 

一花「そう、なんだか小動物みたいでかわいかったよ」

 

一花がそう言うと全員ポカーンとした顔になっていた。

 

一花「ね?ハチマン君」

 

八幡「何がね?だ。意味わかんねぇよ。それに男にかわいいとか言うんじゃねぇよ」

 

一花「えー、かわいいからそう言ったんだけどな」

 

八幡「あー、もうわかったわかった。葉山、今何時だ?」

 

そう言われた葉山は時計を確認する。

 

葉山「もうこんな時間か。急がないと店を回る時間なくなっちゃうな」

 

 

 

オレが無理やり話をそらし、時間を確認させる。そして場所は移動して、お買い物をすることになった。時間があまりないそうなので急いで回るみたいだ。別に無理しないで回らなくてもよくね?もう、帰っていい?と思いながらも一花に連行された。そしてついた場所はショッピングモール内にある服屋だった。そこでは折本と仲町さんが葉山に対してどの服が良いか聞いてファションショーをやっている。

 

一花「ね、ハチマン君」

 

八幡「なんだ?」

 

一花「この服とこの服どっちがいいと思う?」

 

一花は2着服を持ってきてオレにどっちがいいか聞いてくる。正直めんどくさい。

 

八幡「なんでオレに聞くんだよ。オレ服のセンスとか無いんだけど。それだったら葉山とかに聞いてこいよ」

 

一花「えー、私はハチマン君に聞いてるの。だからどっちがいい?」

 

八幡「わーったよ。ったく……そうだな。こっちがいいんじゃなか?」

 

そう言ってオレから見て左の服を選ぶ。

 

一花「こっちね、わかった」

 

そう言って試着室へと入っていた。そして数分後、試着室から出てくる。

 

一花「どうかな?」

 

一花はそう言ってくるっと一回転して見せてくる。正直、どれを選んでも一緒だと思うだけどね。めんどくさい。

 

一花「あー、今めんどくさいって思ってたでしょ」

 

八幡「なんでわかるんだよ。なに?お前エスパーなの?」

 

一花「違うよ。ハチマン君がわかりやすいだけだよ」

 

八幡「……さいで」

 

その後、折本と仲町さんは葉山にどれがいいか聞いたりしていた。佐藤は何も言ってないがその光景を見ていた。あいつなんだか空気みたいだな。え?なに?オレに言われたくないって?黙ってろ。そんなことよりオレは一花のファションショーに付き合わされていた。自分のだけではなく、二乃や他の姉妹にどんな服が似合うのか聞いてくる。そしてオレは聞き覚えのある声が聞こえたのでそっちを見てみるとそこには三浦と海老名さんがいた。ちょっと、なんでいるんすか。それよりやばい。ということでオレは葉山に早く行った方が良いと話す。そして次に葉山がスノボのウェアを見ておきたいらしい。

 

戸部「あんれぇ?隼人くんじゃね?」

 

茶髪のロンゲの男子生徒が葉山の名前を呼ぶ。こいつは同じクラスの戸部。こいつは葉山と同じグループの1人である。まぁ、オレは興味なかったが、べーべー、騒いでいたので何故か覚えてしまった。ホント残念だ。そして近くには亜麻色のショートボブの女子生徒。何故お前もいるんだよ。そして戸部は葉山に泣きつく。

 

戸部「ちょ、はーやとくーん!」

 

葉山「戸部、どうした?」

 

いきなり縋りつかれて、戸惑い気味の葉山が尋ねると、戸部は不満も顕に襟足を引っ張り、文句たらたら垂れ流す。

 

戸部「聞いてくれよー。いろはすが新しいジャージ欲しいっつーから買いに来たのにプロテインばっかり…」

 

言いかけてようやく折本達の姿が視界に入ったのだろう。戸部はそこで言葉を詰まらせると、2歩ほど後ろに引いた。

 

戸部「え、……あ。ごっめ、マジ邪魔した?わり、わりー!俺らすぐに行くから。な、いろはす?」

 

戸部は焦ったように言いながら、一色を振り返るが、そこに一色の姿がなかった。なぜなら一色は既にオレの横に回り込んでいるからだ。

 

いろは「せーんぱい」

 

とふわっとしてるような、甘ったるいような声ににっこり笑顔。速い!いろはす速い!怖い!

 

いろは「先輩どうしたんですぅ〜?(お前仕事忘れて女の子と遊んでるとか)あ!遊んでるんですか〜?(いい度胸だな)

 

みたいな意味をはらんでいそうだ。いや、忘れてないですよ。ちゃんと考えてるからね。

 

八幡「いや、別に遊んでる訳じゃ」

 

と言いかけた時、一色はオレの袖をきゅっと掴み、小動物みたいな瞳で上目遣いでオレを見てくる。予期せぬ力にガクッと肩が落ちて、一色の顔の高さと同じになる。そして一色の口が動く。

 

いろは「ていうか、あの女なんですか。あ!先輩の彼女さんとかー?え、でもだとすると3人いるじゃないですかー。1人は同じ学校の制服ですよね。…………どういうつながりですかー?」

 

こわっ。……こわぁ。なんでめっちゃ笑顔なのにこんな冷たい声出るんだよ……。

 

葉山「いろは、ごめん。俺が付き合ってもらってるんだ」

 

いろは「あ〜、そうなんですね〜。あ、ちょうど今、わたしも遊んでるんですよね。良かったら一緒にどうですかー」

 

ぱっとオレの袖を離して、くるりと葉山へ向けて身体をターンさせる。一色。おお、意外にぐいぐいいくんだねこいつ。

 

戸部「ほら、いろはすー。俺らもう行こうぜー。な?」

 

そう言われて渋々といった感じで戸部と去っていくが、葉山が、またなと言うと可愛らしく手を振っていた。

 

葉山「いろはも、君にはああいう姿を見せるんだな……」

 

八幡「はぁ?お前何言っちゃってるの?」

 

葉山「いろはは色んな人に、可愛い自分を見せたがる。きっと愛されたいんだろうな。……だから素を見せるのは珍しいよ」

 

ほお、それはオレには愛されたくないから素を見せてるってことになっちゃうんだけど、それでOK?その後、移動しながらさっきの戸部の話をしていた。友達?とか葉山はサッカーって感じとか言っていた。というかどんな感じだよ意味わかんねぇよ。そして何故か知らんが勉強の話に変わった。

 

折本「ね、葉山くんの成績ってどのくらいなの?」

 

葉山「俺か?俺は学年5位だよ」

 

折本「うっそー!すごい!でも1位じゃないんだね」

 

仲町「もっと上だと思った」

 

佐藤「俺なんて中位だから羨ましいぜぇ」

 

といった会話をしていた。もちろんオレには聞かれてない。別に聞いて欲しいなんて思ってないけどな。

 

折本「比企谷ってどれくらいなの?確か中学でも勉強ばかりしてた記憶あるけど、そんなに成績やばいの?」

 

なんでオレにも振るんですかね。

 

八幡「別にそういう訳じゃないんだけどな」

 

佐藤「じゃあどれくらいなんだよ」

 

なんでオレまで言わなくちゃいけない空気になってんだよ。というかここでオレが葉山より上だと言ったらどうなるのかわかったもんじゃない。

 

葉山「比企谷は学年3位だよ」

 

折本「うっそ!?マジ!」

 

なんでお前が言うんだよ。なんで教えちゃうんだよ。意味わかんねぇよ。

 

佐藤「比企谷、お前、すごいんだな」

 

八幡「別にオレは順位なんて興味ねぇよ」

 

折本「え?そうなの?」

 

八幡「…ああ」

 

はぁ…ホントめんどくさい。

 

 

 

葉山「中学の頃の同級生だって?」

 

八幡「あ?」

 

その後女子3人と佐藤がスキーウェアを見ていて、それ待ちの時に葉山が唐突に割とどうでもいいことを聞いてくる。

 

八幡「だったら?」

 

葉山「ああいうのがタイプだったりするのか?」

 

八幡「なんでそうなるんだよ」

 

葉山「ちょっとした与太話さ。本気で言ってるわけじゃない。気を悪くしたなら謝ろう」

 

八幡「いや、そういう訳じゃない。なんでそういう話になるんだろうと思ってな」

 

葉山「そうか。で?どうなんだ?」

 

八幡「あまり関わったことないからな」

 

葉山「そうなのか?」

 

八幡「ああ。今までそういう事考えたことなかった」

 

葉山「結局、本当に人を好きになったことがないんだろうな」

 

八幡「そう……かもな」

 

告白されたことはある。けれど未だに好きというのが分からない。こんなに好意を向けられているのにオレは分からないと言って逃げているのではないだろうか。

 

 

 

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外に出ると完全に夜で寒くなっていた。葉山が時計を確認すると、折本たちに声をかけた。

 

葉山「ちょっとお腹減らない?」

 

折本「減った!」

 

折本が即答すると、葉山が苦笑いする。

 

葉山「じゃあ何食べる?」

 

仲町「なんでもいいよ」

 

折本「何食べよっか」

 

折本がくるりと振り返り、オレの顔を見た。なんでそこでオレの顔を見るんですかね?それに何やら面白がっている様子にも見える。まぁ、でも意見を聞かれれば答えるくらいのことはする。

 

八幡「サイゼ、とか」

 

仲町「えー」

 

お前さっきなんでもいいって言ってただろ。そして結局葉山の選んだカフェになりました。だったら初めっから葉山に聞けよコノヤロウ。

 

折本「しかしサイゼはないわー」

 

仲町「ちょっと、ないよね」

 

佐藤「だな」

 

そう言って3人はくすくす笑い出す。ふと視界に見覚えのある女生徒4人の姿があった。何してんの?君達。

 

一花「そうかな?私はサイゼもいいと思うよ」

 

と横にいた一花が口を開いた。え?何、お前何してんの?

 

佐藤「いや、そうかもしれないけどさデートで選ぶにはどうなの?って思うけどな」

 

折本「それある!」

 

一花「そう?私は好きな人と一緒に居られればそれでいいんだけどな」

 

仲町「えっ…」

 

佐藤「え、え…っと」

 

3人は戸惑っている。

 

一花「そりゃあ、好きや嫌いや良いやダメとか思うのは人それぞれだけどさ。それを押し付けるのはどうかなって思うんだ」

 

八幡「お、おい一花?」

 

一花「それよりもさ」

 

一花はオレを無視して続ける。

 

一花「あなた達さ、ハチマン君の事バカにしてない?」

 

折本「え、あ、いや…そんなつもりは」

 

「じゃあどういうつもりよ」

 

と聞こえた。その声は一花でもない別の人だった。そしてその声は聞き覚えがある。声のした方を見るとそこにはやはりと言うべきか、ロングヘアーで黒い蝶の髪飾りを左右に着けたツーサイドアップをした女生徒。中野二乃である。

 

折本「な、……中野さん」

 

折本と佐藤は驚きを隠せていないみたいだ。オレもだ店の端っこにいたのになんでここにいるの?

 

二乃「久しぶりね。折本さん、佐藤くん」

 

さも普通に言っているように見えるが、ちょっと怒っているようにも見える。

 

二乃「それで?ハー君をバカにしてないんでしょ?じゃあどういうつもりだったの?」

 

そしてさっきの続きなのか追求を続ける。いや、もうホントやめてあげて。折本達も少しだけど怯えてるよ。葉山もポカーンと口が開いてるし。すると後ろには三玖、四葉、五月もこちらに来ていた。

 

二乃「さっきまで見てたけどさ。ハー君が何も言わないことをいい事に言いたい放題言ってさ。これさ、いじめに近いんじゃないの?」

 

折本「いや…そんなつもりはなくて」

 

二乃「へぇ、中学の時私の事見て見ぬふりしたくせに、ハー君にはしてもいいんだ」

 

折本「あ…いや…それは…」

 

佐藤「……」

 

仲町「ふ、2人とも?」

 

仲町さんは2人の様子がおかしいことに気づいた。けれど2人は何も言わない。

 

二乃「原因はほんと些細な事だった。いじめもエスカレートしていった時、誰も助けてくれなかった中、唯一助けてくれたのはハー君だけだった。なのにそれをハー君にしてるんだね」

 

折本「…うぅ」

 

佐藤「…」

 

仲町「……」

 

これ以上はダメだ。止めないと。そう思い立ち上がり二乃の前へ立つ。

 

八幡「お、おい、二乃。もう良いから」

 

一花「良くないよ」

 

二乃に言ったのに一花が反応する。

 

八幡「一花、オレは気にしてないから大丈夫だ。二乃も」

 

一花「ハチマン君が気にしてなくても私達が気にするの!友達が悪く言われてるんだよ。気にしない人なんていないよ!」

 

二乃「そうよハー君」

 

それはもう必死のように言ってくる。それぐらいオレにも伝わってくる。

 

八幡「わかった。わかったからもうやめてくれ。オレは本当に気にしてないから。な?」

 

二乃「……ハー君がそう言うのなら」

 

一花「仕方ないね」

 

ホッ、良かった。なんとかなった。

 

八幡「悪いな葉山、折本達も」

 

葉山「あ、ああ。大丈夫だ」

 

折本「あ、うん。こっちもごめん」

 

仲町「ごめん」

 

佐藤「悪い」

 

八幡「オレは気にしてないから大丈夫だ。じゃあ悪いけど帰るな。ほら、お前らも行くぞ」

 

一花「はーい」

 

二乃「…わかった」

 

四葉「わ、わかりました」

 

さっきまでアワアワしていた四葉も落ち着いてきているようだ。三玖は小さく頷いていた。五月も頷いていた。フゥ、なんとかなったな。そしてオレが一花達と帰ろうとした時だった。一花が最後に一言折本達に言った。

 

一花「あ、後最後に言うけど、ロクに知りもしない、知ろうともしないのにハチマン君の事、勝手な事を言うのはやめてね。今度したら……わかるよね」

 

そう言ってこの場を去っていった。こっわ、こわぁ……一花さんマジで怖いっす。そう思いながらその場を去った。二乃達もオレの後に続いてこの場を去った。

 

 

 

 

 

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八幡「で?なんであんな事を?」

 

途中の公園で問いただす。

 

一花「だってハチマン君がバカにされてるの見たら我慢できなかったんだもん」

 

八幡「だからってな…」

 

二乃「だって、あの3人ハー君の事バカにしてたんだもん。それでガマンできなくて…」

 

八幡「…」

 

五月「比企谷君」

 

八幡「五月…?」

 

五月「私も一花や二乃と同じであの3人には怒りを覚えました。私だけではありません。三玖も四葉も同じです。私達はまだあなたと付き合いは短いですが、あなたをバカにされて怒らないほど浅い関係ではありませんよ」

 

三玖「そうだよハチマン」

 

三玖もそれを肯定するように言ってくる。

 

五月「私達はまだまだですが、少なからず比企谷君の事を知っているつもりですよ」

 

こいつら……。…………そうか。こいつらはオレのためにやってくれたんだ。言ってくれたんだ。オレも多分こいつらの努力や雪ノ下や由比ヶ浜そして風太郎の事をバカにされたら怒るかもしれないな。それが誰であっても。それと同じなのかもしれないな。

 

八幡「……そっか。ありがとうなお前ら」

 

すると5人はポカーンと口を開けていた。え?何?オレ何か変な事言った?するとほぼ同時に5人はぷッと笑い出すと…

 

5つ子「「「「「あっははは!」」」」」

 

と笑いだした。

 

八幡「お前らな」

 

一花「ごめんごめん」

 

笑いながら一花は言ってくるが、絶対に謝る気無いだろう。

 

五月「まさかあなたの口からそんな事聞くとは思ってなかったので」

 

八幡「ひでぇな。オレでもお礼の一つや二つ言えるわ。そこまで腐っちゃいない。それにオレのためにやってくれたんだろ?だったらお礼を言うのが筋だろ」

 

五月「そうですね。あなたの言う通りです」

 

一花「じゃあ言う事は決まってるね」

 

二乃「ええ、そうね」

 

三玖「うん」

 

四葉「ですね!」

 

五月「では、せーの」

 

5つ子「「「「「どういたしまして!」」」」」

 

どびっきりの笑顔で5人はオレに向かって同時にそう言った。まったく勉強のことでは苦労するのに、こういう時の行動力はすごいな。でも、その行動力をもっと勉強の方に使ってもらいたいもんだな。その後、5人を家まで送った後、帰路へついた。

 

 

 

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おまけ

 

ショッピングモール内で、八幡がいろはとの距離が近づいた時、その光景を見ていた4人のうち1人が反応した。

 

二乃「な、なんなのあの子!ハー君とあんなに近づいて!もうちょっと離れなさいよね!」

 

四葉「お、落ち着いて二乃」

 

五月「そうですよ」

 

三玖「ハチマン達に気づかれたらどうするの?」

 

二乃「うっ……わかったわよ、もう…」

 

そう言って大人しくなった二乃だったが……。

 

二乃「早く離れなさいよね。いつまでそうしているつもりなのよ。ハー君もハー君よ…」

 

その後も二乃は何やらブツブツ言っていた。そしてその後も八幡達を尾行し続けた4人であった。

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。

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