八幡side
まさか五月の奴、サイフを持っていないとはな。という事は今どうやって過ごしているんだ?まさか路上生活でもしているのか?風邪ひいてないだろうか。心配だな。
八幡「…なぁ、風太郎」
風太郎「…なんだ」
オレは五月のことを考えながらも、一緒に帰っている途中の風太郎に話しかける。
八幡「オレら本当にこれで良かったのかね」
風太郎「どういう事だ?」
八幡「いや、さっきの二乃の言葉を聞いてさ思ったんだ。もし、オレらがアイツらの家庭教師をしなかったら、アイツらは喧嘩をして家を出ていかなかったんじゃないかってな」
風太郎「っ」
八幡「人の家庭に踏み込み過ぎたのではないだろうか」
そうだ。オレらは人の家庭に土足で踏み込み、荒らしたのだ。
風太郎「確かに…そうかもな」
八幡「……悪い。変な事言ったな」
風太郎「いや…大丈夫だ」
その後、風太郎とは何も話さず歩き続けた。
八幡「じゃあな」
風太郎「…ああ」
オレは風太郎と別れて家に帰る。1人で帰ってる時でもさっきの事を思いながら考えてしまう。家庭教師なんてしなかったらと。それでも受けてしまったものは仕方ない。それに二乃と五月を喧嘩させてしまった責任は取らねぇとな。二乃の居場所はわかったけど五月だよな。あいつ財布持っていないからホテルにも泊まれない。友達がいるのならその友達の家に止まってるかもしれないが、五月が誰とツルんでるのだろうか。同じクラスじゃないから分からない。ホントどこに行ったのだろうか。と思っていたがすぐに見つかった。
八幡「あ」
五月「…あ」
バッタリ会った…というのかなこれ?途中の公園で五月の姿を見つけて、思わず声が出てしまった。その声が聞こえてたみたいで五月がこっちに振り向き、オレと同じ言葉が出ていた。見つめ合うような形で数秒経ったあとオレが口を開いた。そして五月に近づいて口を開く。
八幡「何してんだ?」
五月「いや…これは……その…」
八幡「帰らねぇのか」
五月「嫌です!二乃が折れるまで私は帰りません!」
はぁ…ホント意地張ってるな。二乃も二乃で帰らねぇし。まったく、こういう時は似ているんだな。
八幡「じゃあ、これからどうするつもりだよ」
五月「それは……」
八幡「三玖から聞いたけど財布持ってねぇんだろ。それで一体どうするつもりだよ」
五月「うぅ…それは……」
はぁ……まったくどうするかね。一花達に言うか、それとも見捨てるか。一花達に言って迎えに来ても多分、五月は帰らねぇだろうし、見捨てるっていうのはな……。前のオレだったり、こいつらと関わりがなかったら、普通にスルーして見捨ててただろうな。マジでどうしょうかね。一応知り合いっていうか…友達というか…関わりがあるしな。もしここで見捨てたら、多分後々大変な事になるだろうな。もし、ここでいるわっていたら補導はされるだろうし、それで家にも連絡が行く。そうなれば二乃の耳にもその事が入るだろう。そうなれば大変な事になる。補導されなくても危険性がある。それに見捨てて何かあったら夢見が悪くなるだろうしな。
八幡「はぁ…………家くるか」
自分でも驚くくらいの事を言った。
五月「えぇ!?いえそれは比企谷君のご家庭にも迷惑をかけてしまいます」
八幡「じゃあ家に帰ることだな」
五月「それは嫌です!」
八幡「じゃあ友達に泊めてもらえよ」
五月「泊めてもらうほど仲のいい友達はいません」
八幡「八方塞がりじゃねぇか。じゃあどうするんだよ。このまま公園で二乃が折れるまで過ごす気か?」
五月「それは……」
まったく………
八幡「財布がない状態でどうやって過ごす気だ?もし仮に明日姉妹の誰かに持っててもらうとしても、今日1日乗り越えなくちゃならんぞ。あまり言いたくないが、こんな所でお前みたいな美人の奴がいたら危険だぞ」
五月「び、美人!?///」
ん?一体どうしたんだ?急に顔を赤くして俯いているんだ?すると五月は軽く咳払いした後、口を開いた。
五月「そうですね。比企谷君の言う通りです。……あの、申し訳ありませんが1日だけお世話になってもよろしいですか?」
八幡「ああ、わかった」
そうと決まれば小町に連絡だな。
小町『もしもしお兄ちゃん?どうしたの?』
八幡「小町、今から晩飯1人分増やせることできるか?」
小町『え?夜ご飯?うん、それはできるけどなんで?』
八幡「今から1人客を連れていくからだ」
小町『およ?誰?雪乃さん?結衣さん?それとも他の人?』
八幡「前に家に来た五月覚えてるか?」
小町『五月さん?うん、覚えてるけど』
八幡「その五月を連れていくからだ。だから頼めるか?」
小町『うん、わかった!小町に任せて!五月さんの為に手によりをかけて作るよ!』
八幡「おお、頼もしいね。じゃあそういうことだから」
小町『うん、待っているよ~』
そしてオレは通話を切る。
八幡「という訳だ。いくぞ」
五月「あ、はい」
オレは五月を連れて自宅へと歩き出す。その帰っている途中、五月が突然口を開いた。
五月「ホントに申し訳ありません」
八幡「気にするな。もし、あそこで見捨ててお前に何かあったら夢見が悪いしな」
五月「そうですか」
八幡「ああ、だからお前が気にする事はない」
五月「…はい」
そして自宅に到着し家のドアを開ける。
八幡「たでーま」
五月「お、お邪魔します」
小町「あ、お兄ちゃんおかえり。それに五月さんいらしゃいです!」
五月「小町ちゃん今日はお世話になります」
小町「いえいえ、五月さんならいつだて大歓迎です!」
五月「ありがとうございます」
八幡「五月、洗面所は突き当たりを左だ」
五月「あ、はい。わかりました」
八幡「小町、今日の飯はなんだ?」
小町「今日は小町特製のカレーだよ!」
八幡「そうか、わかった」
そしてオレは2階へ上がり制服から部屋着へと着替えて、手洗いなどを済ませてリビングへ向かう。ついた時にはもう食卓にカレーが準備されていた。
小町「五月さん、遠慮せず食べてくださいね」
五月「は、はい…ありがとうございます」
「「「いただきます」」」
こうして1人増えたけど、3人で夕食を食べることになった。うん、やはり小町の作ったカレーは上手いな!うん、流石小町だな。
小町「五月さん、どうですか?小町の作ったカレー、五月さんの口に合いましたか?」
五月「はい、とても美味しいですよ」
小町「ほんとですか!?良かった〜。あ、おかわりもありますので遠慮せず言ってくださいね」
五月「はい、ありがとうございます」
五月は小町の作ったカレーを美味しそうにバクバク食っている。そりゃそうか。1日はお金を持たず過ごししてもんな。
その後、五月はカレーをおかわりをしていた。それだけお腹が空いていたのだろう。でも、大盛りとかこいつどんだけ食うんだよ。そういえば最初に会った時もかなりの量を食っていたな。オレはと言うと食べ終わった後、小町に頼まれたので風呂の用意をした。
小町「ねぇ、お兄ちゃん」
八幡「なんだ?」
小町「なんで急に五月さんを家に連れてきたの?」
まぁ、そりゃそうなるよな。オレだって不思議に思う。でも、五月達の事でオレが勝手に言って良いものなのか。オレもなんでこんな事したのだろうか。まぁ、理由が理由だしな。
八幡「どうする五月。オレが言おうか?それともお前が言うか?」
五月「私が言います」
八幡「そうか」
五月「はい、助けて貰ったのでこれくらいは言いますよ」
八幡「わかった」
五月「それでは言います。実は…」
五月はここまでの経緯を小町に説明した。小町はそれを黙って聞いていた。オレはそれを見ているだけだ。
五月「…と、言う訳でして。それで比企谷君に誘われたと言うことです」
小町「そうだったんですか」
五月「はい」
小町「小町もお兄ちゃんとは喧嘩したことあるけど、どう言って良いか分かりません」
八幡「まぁ、家は兄妹で、五月のところは姉妹だもんな」
小町「うん、言い方はそれで良いのか分からないけど、お兄ちゃんの言い分もわかるような、分からないような気もするけどね。喧嘩をしたという事は一緒だけどね。すみません、アドバイスが思いつきません」
五月「い、いえ!そんな事はありません!聞いていただけただけでも嬉しいですから」
小町「そうですか」
五月「はい」
小町「でも、その時お兄ちゃんも居たんだよね。何してたのさ」
うっ、痛いところついてくるなこの妹は。でも、確かにオレもいたのに何もしなかった。
八幡「……何も出来なかった」
小町「…そっか。……そうだ、この事雪乃さん達に言って相談に乗ってもらったらどう?」
八幡「いや、それはできない」
小町「なんでさ」
八幡「五月達姉妹の関係に関わっているオレが言うことではないが、これ以上増やしたら面倒な事になってしまう。それにもうすぐテストだ。勉強をしなくちゃいけないのにアイツらに迷惑をかけたくないんだ」
小町「でも…」
八幡「それにこれはオレと風太郎のせいでこうなってしまったかもしれないからな」
五月「そ、そんな事はありません!」
八幡「いや、オレらが早く止めていれば…」
五月「比企谷君達のせいではありません。だからそんな事言わないでください」
八幡「…わかった」
五月の目を見たらそれ以上言う気にはなれなかった。
その後風呂が湧いたので先に五月を入らせた。オレの番になるまで部屋で勉強をすることにした。でも、どこか集中できない。やはり気になってしまい集中できなくなっている。どうすれば良いんだ。やはり雪ノ下達に相談…いや、それはできない。部活も今は中止しているし、それにさっき自分の口から迷惑をかけたくないって言ったのにな。
コンコン
とアレコレ考えていると部屋のドアをノックする音が聞こえた。オレは考えをやめてノックに返事する。
八幡「なんだ?小町か?」
部屋のドアを開けるとそこにはジャージを着ていて、少し頬を赤くした五月がいた。どうやら風呂上がりのようだ。
八幡「五月か。どうした?」
五月「お、お風呂いただきました。後、空いたことを伝えに来ました」
八幡「お、おう、そうか。小町は入らないのか?」
五月「小町ちゃんとは一緒に入ったので」
八幡「あ、そう」
もうそういう仲になったの?仲良くなるの早くないですか?
八幡「わかった。というかジャージ持ってたのかよ」
五月「はい」
八幡「そっか」
なんでジャージを持ってるくせに財布を忘れるんだよ。と思ったが言わないようにした。そしてオレもさっさと風呂を済ませることにした。風呂から上がりリビングに行くとそこには五月と小町がいた。
小町「あ、お兄ちゃんお風呂終わったの?」
八幡「ああ。で?何してんの?」
小町「お話したながら勉強」
八幡「そうか」
小町「五月さん教えるの上手ですね」
五月「そんな事はありません。小町ちゃんが呑み込みが早いだけですよ」
小町「いえいえ、そんな事ありませんよ。出来の悪い小町でも分かりやすかったですし」
それ自分で言うことかよ。
五月「そんな事はありませんよ。でも、もしかしたら比企谷君がいつも私達に教えてくれてますから、それが身についたのかもしれませんね」
小町「へ〜、お兄ちゃん案外家庭教師のバイト上手くやってるんだね」
八幡「まぁ…ぼちぼち程度だな」
これ、答えになってるかわからんがな。
八幡「それより五月はどこで寝るんだ?小町の部屋か?」
五月は泊まっていく事は親も了承済みだ。まぁ、小町の頼みは大抵は聞いてるからな。主に親父。
五月「はい。そのように小町ちゃんから聞いております」
八幡「そうか。それとあんまコン詰めすぎないようにな」
五月「はい、わかってます」
八幡「なら良い」
そう言ってオレは自分の部屋に戻った。戻った後、風呂に入る前あんまり集中出来なかった分、勉強をすることにした。
あれから何分経った分からないが、かなり集中できたと思う。今日は終わりにして、そろそろ寝るとするか。そう思いノートなどを片付けていると…
コンコン
部屋のドアがノックされる。まさか幽霊!?とくだらない事を思ってない。小町か?それとも五月かと思いながらドアを開ける。するとそこには五月の姿があった。
五月「あ、良かった。まだ起きてましたか」
八幡「なんかあったか?」
五月「いえ、そうではなくて」
八幡「どうした?」
五月「今日はありがとうございました。すごく助かりました。それに昨日のことも…」
八幡「別にお礼は良いって」
五月「そうはいきません。助けて貰ったのにお礼の1つもないのは失礼ですから」
まぁ、それはわからんでもないが。
八幡「で?それだけ言いに来たのか?」
五月「それもありますが。もう1つ」
八幡「なんだ?」
五月「比企谷君。今日は月が綺麗に見えます。少し歩きませんか?」
八幡「今から外にか?」
五月「はい」
なんで外に出る必要があるのかわからん。家の中でも良いのでは?と思った。だが、ここでは言えないことではないかと思った。仮にオレの部屋にしても、リビングで話をしても、小町や遅くに帰ってくる親に聞かれる可能性だってあるしな。
八幡「…少しだけなら」
五月「では行きましょう」
八幡「ちょっと待て」
五月「?どうかしましたか?」
オレは部屋に吊ってあった上着を五月に渡した。
八幡「外はちょっと冷える。これでも着ておけ、湯冷めするかもしれないからな。まぁ、オレのが嫌じゃなければな」
五月「い、嫌な訳ないですよ。あ、ありがとうございます。でも比企谷君のは?」
八幡「あるから問題ない」
五月「そうですか」
オレはもう1着の上着を取る。
八幡「行くならさっさと行くぞ」
五月「あ、はい」
五月はそう言いながら八幡から渡された上着に腕を通した。
五月(これは多分比企谷君が着ていた上着。結構大きいんですね。そ、それにこれがひ、比企谷君の匂い…って!!わ、わ、わわわ私は一体何を考えているのでしょうか!!こ、こんな事二乃にバレたら…///)
八幡「おい五月」
五月「ひゃっ!?」
八幡「っ!ど、どうした?」
五月「い、いえ」
八幡「もしかして小さかったか?」
五月「い、いえ!そんな事ありません!ちょっと大きいくらいですが大丈夫です」
八幡「そうか?なら良いが。というかどうした?下に降りても一向に来ないから」
五月「ちょっ、ちょっと考え事を!」
八幡「そうか?」
五月「は、はい!で、では早く行きましょう」
八幡「お、おう」
一体どうしたんだ?ちょっと様子がおかしいような。
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その後、オレと五月は外を歩いている途中だ。
五月「少し曇ってしまいましたね。せっかく今日は月が綺麗に見えていたのに」
八幡「…ああ、そうだな」
五月「全く…風情がないですね」
八幡「あんなにカレーをバクバク食ってた奴が何を言うか」
五月「なっ!し…仕方ないでしょう…1日ぶりだったのですから…」
八幡「はぁ…明日には帰れよ。三玖も心配してたし」
五月「それはできません。公園の時に言ったように二乃が先に折れるまで帰りません。もちろん、ご家族にはこれ以上迷惑をかけられません。明日には…」
八幡「出ていってどうするんだ?財布もないし、行く当てもないんだろ」
五月「うっ…も、もう少しだけ、いさせてください!なんでもお手伝いしますので」
八幡「はぁ…まぁ、幸い他の姉妹達はオレの家は知らないから丁度いいかもしれないな」
五月「え?二乃は知らないんですか?」
八幡「ああ」
五月「遊んだことあるんですよね?なのに知らないんですか?」
八幡「家は教えてないからな」
五月「そうなんですか」
五月(てことは二乃よりも私が比企谷君の家を先に知ったことになりますね。それに比企谷君の上着も…って!また私はなんて事を考えているのでしょうか///)
八幡「おい、五月。大丈夫か?顔赤いけど」
五月「へっ!?だ、大丈夫です!///」
八幡「そ、そうか。なら良いが。それより金持ちのお嬢様が庶民の生活耐えられるのか?」
五月「私はお嬢様ではありません…私達は数年前まで上杉君に負けず劣らずの生活を送っていましたから」
八幡「は?マジ?」
五月「はい。今の父と再婚するまでの私達は極貧生活でした。当然です。5人の子供を同時に育てていたんでますから」
ん?とするとこいつらの母親は女手一つで5人を養ってきたのだろう。それに比べたらオレの暮らしなんて楽な方だな。
五月「その頃の私達はまさに五つ子。見た目も性格もほとんど同じだったんですよ。けれども女手一つで育ててくれた母は体調を崩し、入院してしまって……だから私は母の代わりになって、みんなを導くと決めたんです。……決めたはずなのに…うまくいかない現状です…」
つまりあの行動も母親を真似ての事だったのだろう。
八幡「…なんかすげぇな。お前」
五月「…え?」
八幡「だって普通はそこまでしねぇだろ。だってお前五つ子とは言え末っ子なんだろ。なのに家族の事を思って大変な役目を背負おうしている。そんなお前はすごいと思った」
五月「…比企谷君」
八幡「でもあんまりそうやって1人で背負い込む必要はないだろ」
五月「え?」
八幡「お前、オレの知り合いに少し似てるからな。別に母親の真似をする事や、全員をまとめあげるのは悪いとも言わん。でも、誰かに頼ってもいいんじゃないか?例えばお前の姉とか。4人もいるんだし誰かしらに頼ってもいいんじゃないか?アイツらなら絶対にお前を助けに来るはずだ。だから1人で背負い込む必要ないんじゃないか?」
五月「…」
五月は何やら口をポカーンと開けていた。
八幡「おい、どうした?」
五月「い、いえ。まさかあなたにそんな事を言われるとは思いませんでしたから」
八幡「ひでぇなお前」
五月「ふふっ、冗談ですよ」
八幡「ったく」
ていうかオレは何を言っているのだろうか。今更だが恥ずかしくなってきた。これは黒歴史を作ってしまったらしい。
五月「…でももしみんなに頼れなかった時は比企谷君に頼ってもよろしいですか?」
八幡「っ!」
ちょっと上目遣いは卑怯ですよ。……だが、本当にオレらはこいつらとこのまま関わっても良いのだろうか。また、あのような事が起きるかもしれないのに。
八幡「…まぁ、話を聞くくらいしか出来ないが、それでも良いのなら」
五月「ふふっ、全くあなたらしいですね」
八幡「…ほっとけ」
オレは誤魔化すようにして言うが、五月はまだ笑っていた。
ガサ
八幡「っ!」
突然後ろから音が聞こえたので、後ろ振り向く。
五月「ど、どうしましたか?」
八幡「いや、今誰かがいた気がして」
五月「こ、怖いことを言わないでください!」
八幡「気の…せいか」
ラップ音か風のせいかもな。
五月「あ、ほら比企谷君。見てください。雲が晴れましたよ」
そう言われて空を見上げると、さっきまで曇っていた空から、綺麗な満月が見えていた。
五月「見てください。本当に今日は綺麗な満月ですよ」
そう言って月光に照らされながら笑う五月は、思わず見とれてしまうほどの美しさだったが、オレはすぐさま我に返り五月にこう言った。
八幡「お前…その言葉の意……いや、やめておこう」
五月「な、なんですか!最後まで言ってくださいよ!気になるじゃないですか!?」
八幡「いや、お前はまだまだ勉強不足と言うことだ」
五月「ちょっ!なんですかそれ!」
八幡「さぁな。ほら、行くぞ」
そう言って階段を登る。
五月「ちょっ、ちょっと待ってくださ、あっ」
五月はこっちに駆け寄ろうとした時、五月は階段を踏み外してしまった。
八幡「おっ…と」
後ろへ倒れそうな五月を掴んだ。咄嗟とはいえ五月の腰を触ってしまった。
八幡「大丈夫か?」
五月「は、はい。ありがとう…ございます///」
八幡「まったく…暗いから気をつけろよ」
五月「…はい」
八幡「それにしても…」
そう言ってオレは五月を見る。
五月「な、なんですか?」
八幡「案外ドジな1面もあるんだな」フッ
五月「~~っ///」
するとみるみる五月の顔が赤くなっていく。
八幡「どした?顔赤いぞ?もしかして熱でもあるのか!?」
五月「だ、だだだ大丈夫です!な、何もありません!」
八幡「そ、そうか?なら良いが。でも無理せず言うんだぞ」
五月「は、はい。ありがとうございます」
八幡「んじゃ、そろそろ帰るか」
五月「そうですね」
こうしてオレと五月は夜の散歩を終えて、家に帰った。
いかがでしたか?今回の話では五月を八幡の家にお邪魔することにしました。ではまたお会いしましょう。