やはりオレが家庭教師の補佐なのは間違っている   作:チャキ

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どうもチャキです!第3話どうぞ!


第3話

八幡side

 

家庭教師初日から翌日、オレは今中野姉妹の家に来ている。なぜって?なんでか知らねぇけど風太郎に呼び出されたのだ。なんでだよ。せっかくの休日が台無しだぜ。

 

風太郎「今日はよく集まってくれた!」

 

八幡「そりゃあコイツら家だからな」

 

何言ってんだよホントコイツ。

 

三玖「まだ諦めてなかったんだ」

 

五月「…」

 

二乃「家庭教師はいらないって。あ、ハー君だったら大歓迎よ」

 

いや、なんでオレは良いんだよ。昨日も確か五月にも言われてたな。意味がわからん。

 

風太郎「いらないって言うんなら、証明してくれ」

 

二乃「証明?」

 

風太郎「今からテストを受けてもらう!」

 

そう言いながら風太郎自作のテスト用紙を机の上に出す。

 

風太郎「合格ラインを超えた奴には、金輪際近づかないと約束しよう」

 

そういうと姉妹一同は驚いた顔になる。

 

二乃「…なんで私がそんなめんどーなことしなきゃ…」

 

五月「わかりました受けましょう」

 

と五月が二乃の言葉を遮りながら言う。

 

二乃「は?五月あんた本気?」

 

五月「二乃、合格すればいいんです」

 

そして五月はメガネケースからメガネを取り出しかけながら言う。

 

五月「これであなたの顔を見なくて済みます。それに勉強は比企谷君に教えて貰えばいいだけの話です」

 

八幡「は?」

 

オレは五月の言葉に驚いてしまった。そりゃあそうだ。確かに風太郎は合格ラインを超えた奴は関わらないと言っていたが、なんでオレが教えることになってるんだよ。いや、まぁ…オレは確かに家庭教師の補佐だけどよ。

 

八幡「なんでそうなるんだよ。風太郎は合格した奴には関わらないと言ってただろ?それだったらオレも自動的にハブかけるはずだろ?」

 

五月「確かに上杉君はそう言っていましたが、比企谷君あなたは別です」

 

八幡「ええ〜」

 

マジですか?

 

四葉「みんな!頑張ろ!」

 

一花「しょうがないな」

 

三玖「合格ラインは?」

 

風太郎「そうだな……何点ぐらいにする?」

 

八幡「何故オレに聞く?」

 

風太郎「いや、八幡も家庭教師だろ一応。だったら一緒に考えてくれよ」

 

八幡「ったく……まぁ、そうだな…50点とかどうだ?」

 

風太郎「よし!それで行こう!合格ラインは50点だ!」

 

と風太郎が言う。まぁ、50点も取れば赤点は回避できるだろう。だったらオレ達が家庭教師をする事ないだろう。すると二乃が溜息をつきながら…

 

二乃「そうね。別に受ける義理はないけど、さっさと終わらせ合格して、ハー君に勉強を教えてもらえばいいだけの話よ」

 

うん、なんで合格してもオレが教える前提なのかよく分からないんだが、まぁその前にテスト頑張って受けろよ。

 

二乃「それとあんまり私達を侮らないでよね」

 

そう言うと姉妹達は風太郎自作のテストを受け始める。終わるまで本でも読んで待つとするか。

 

 

 

数分後…

 

風太郎「八幡、テスト終わったぞ」

 

八幡「お、そっか。やっと終わったか」

 

風太郎「ああ、だから採点するの手伝ってくれ」

 

八幡「はいよ」

 

オレはそう言いながらほんを閉じてカバンにしまい、テストの採点する。そして採点が終わり風太郎が結果発表をする。

 

風太郎「採点が終わったぞ!凄ぇ100点だ!」

 

確かに100点だったな。これで家庭教師をしなくて済む…とはいかない。何故なら…

 

風太郎「全員合わせてな!」

 

八幡「こんな事ってあるんだな…」

 

風太郎「…ああ」

 

いや、マジですごいな。5人全員合わせて100点ってよ。平均20点ってところか。

 

二乃「逃げろ!」

 

二乃の一言で5人全員が一斉に走り出す。

 

風太郎「あ」

 

八幡「お前ら!」

 

というかコイツら5人全員揃って赤点候補かよ。ああ……これから辛い日々が始まりそうだな。ハァ……なんかもうやめたくなってきたよ。

 

 

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そしてテストをやった日から2日後。オレは急いで学校に向かっている。でないと遅刻しそうだ。くそ!風太郎と家庭教師のことで話したり、自分の勉強をしたりしたけど、この両立はちょっと厳しいな。だから寝坊してしまったから急いで自転車をこいで行く。

 

八幡「フゥ…これなら何とか間に合うな…ん?」

 

学校の前に黒塗りのリムジンが止まっていた。え?何?あの車に乗って登校するやついるのかよ。でも雪ノ下なら登校しそうだけどな。ん?リムジンの前に誰かいるな。誰だ?あれは……風太郎か?もしかしてアイツも寝坊だろうか。そんな事を考えていると風太郎とリムジンの前に着く。

 

八幡「よう、風太郎」

 

風太郎「おう、八幡」

 

八幡「何やってんだ?」

 

風太郎「いや、かっけー車だなと思って見てたんだ」

 

八幡「見るのはいいけどあんま見すぎるなよ。相手がもし怖い人だったらどうするんだよ」

 

風太郎「あ、ああ。そうだな」

 

そんな会話をしていると車のドアが開き人が出てくる。出てきたのは見覚えのある女子生徒5人だった。あ、君達だったのね。

 

五月「な、なんですかジロジロ不躾な」

 

八幡「な?」

 

風太郎「あ、ああ…」

 

そして五月に続いて次々と車から出てくる。

 

四葉「おはようございまーす」

 

二乃「またアンタ?あ、ハー君おはよう」

 

八幡「お、おう」

 

二乃は相変わらず風太郎には冷たいな。

 

一花「あ、フータロー君、ハチマン君」

 

八幡「おう」

 

すると姉妹達は校舎の方へと歩いていく。オレはオレで自転車を駐輪場に止めに行く。すると後ろの方から声が聞こえた。

 

風太郎「おい、おまえら。一昨日はよくも逃げたな!」

 

そう風太郎が言うと姉妹5人は一斉に走り出す。

 

風太郎「ああっ!また!」

 

すると風太郎は手に持っていた参考書を投げ捨てながら

 

風太郎「よく見ろ!俺は手ぶらだ。害はない!」

 

と両手を広げて安心安全アピールをしている。いや、それはちょっと無理があるのでは?

 

二乃「騙されないわよ」

 

三玖「油断させて勉強を教えてくるかも」

 

風太郎「お前らは俺を一体なんだと思ってるんだ」

 

そう言いながら姉妹達に駆け寄ってくる。すると一花が近づいてきて

 

一花「ハチマン君助けて!」

 

と言ってくる。

 

八幡「いや、なんでオレに助けを求める?」

 

二乃「そうよハー君助けて」

 

八幡「なんでお前まで助けを求める」

 

いや、ホント意味がわからん。というか一昨日逃げたんだからそりゃ風太郎は怒るだろうな。そんな事を考えていると

 

五月「確かに私達の力不足は認めましょう。ですが、自分の問題は自分で解決します」

 

三玖「勉強は1人でもできる」

 

二乃「そうそう」

 

五月「それに前にも言いましたが、勉強は比企谷君に教えてもらいますので」

 

二乃「そうそう。ハー君1人だけでいいの」

 

八幡「いや、だからなんでそうなるんだよ。オレは風太郎の補佐として雇われたんだ。風太郎が居なきゃ意味ねぇだろ」

 

風太郎「そうだ、八幡の言う通りだ。けどそこまで言うのなら一昨日のテストの復習は当然したんだろうな」

 

ピシ

 

風太郎の一言で何故か空気が凍ったような感じになる。

 

風太郎「問1、厳島の戦いで毛利元就が破った武将を答えよ」

 

風太郎が昨日のテストの問1の問題を聞く。すると五月が振り向いてふっと軽く笑った。おお、まさか答えられるのか?と思っていたら

 

五月「…」プルプル

 

まさかの無言!?しかもなんかプルプルと震えているし。そしてオレは他の姉妹に視線を移す。するとものすごい勢いで目を逸らした。

 

 

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この3日間でわかった事がある。この5人は極度の勉強嫌い、5人全員赤点候補、そして…風太郎の事も嫌いらしい。それならオレも嫌いになると思っていたがそれは無かった。好きとまでは言わないが風太郎よりは好かれている……らしい。まぁけど二乃はオレの事嫌いではないだろう。だって中学の時あんな別れ方したんだ。今も同じなら嫌いではないだろう。すると隣にいた風太郎が1冊のノートを開く。そこには一昨日やったテスト結果が記入されていた。誰がどの問題を正解して間違えたのかを記入されていた。それを見ていると…

 

八幡「ん?」

 

風太郎「八幡も気づいたか」

 

八幡「ああ、一昨日のテストの1問目、三玖は正解しているのになんでさっき答えなかったんだ?」

 

風太郎「そう、そこなんだよ。どうして答えなかったのか、分からないんだ。それに三玖は何考えているのかわかんねぇな」

 

八幡「そりゃ人間誰しも何考えているかわからねぇしな」

 

風太郎「そりゃそうだけど」

 

八幡「だってそうだろう。人の考えている事が分かったら苦労しねぇよ」

 

風太郎「八幡は相変わらずだな」

 

八幡「何言ってる。オレはオレだ。それより三玖が何故言わなかったか、何か理由があるんじゃねぇの?知らんけど」

 

風太郎「そうだな。何か理由があるのかもしれないな」

 

まぁ、別に無理して答える義務はないけど、でも答えられたはずなのになんで答えなかったんだろうな。まぁ、どうせ言いたくなかったんだろうな。その後、風太郎と別れて自分のクラスへ入る。

 

「あ、おはよう。八幡」

 

八幡「おう、おはよう戸塚」

 

オレに話しかけてきたのは戸塚彩加。戸塚とはテニスで強くなりたいと、奉仕部に依頼してきたのがキッカケで仲良くなった。

 

戸塚「珍しいね八幡が遅刻ギリギリに来るなんて」

 

八幡「ああ、ちょっと寝坊してしまってな」

 

戸塚「そうなんだ。何してたの?」

 

八幡「ん?ああ、ちょっと本を読んでいたら遅くなってしまってな」

 

戸塚「そうなんだ。でもちゃんと寝ないとダメだよ」

 

八幡「ああ、気をつける」

 

戸塚「うん」

 

ああ……やっぱり戸塚の笑顔は癒されるな〜。小町と同じ位癒されるな〜。そんな事思いながら自分の席に着くと、隣から視線を感じたので見てみると、何やら不機嫌そうな顔で二乃がこちらを見ていた。

 

八幡「なんだよ二乃。どうかしたか?」

 

二乃「別に……ただ戸塚さんと仲良いんだなと思って」

 

ああ…なるほど。多分二乃は戸塚の事を女の子だと勘違いしているんだな。まったくかわいい奴め。確か中学の時も似たような事もあったような気もするな

 

八幡「まぁ、確かにオレなんかと仲良くしてくれてるよ戸塚は。あ、あとそれと勘違いしてるかもしれないが、戸塚は男だ」

 

二乃「……え?」

 

すると二乃は目を大きく見開いて驚いている様子だ。まぁ、そりゃそうなるわな。オレも最初そうだったからな。

 

二乃「う、うそ…ハー君それ本当なの?」

 

八幡「ああ、本当だ。信じがたいけど」

 

二乃「そ、そうなんだ。まさかあんなにかわいいのに男の子だなんて…」

 

ああ…こりゃ相当驚いているな。まぁ、ほっとけばいつも通りの二乃に戻るだろう。

 

 

そして昼休み。食堂では風太郎がいつも通り焼肉定食焼肉抜きを注文し、それを手に持ち三玖の方へと向かって行っている。あいつもしかして今朝の事を聞こうとしているのか?そう思いオレも風太郎と三玖の近くまで近寄る。

 

風太郎「よ、よう三玖。今、昼ごはんか?え、えっと…350円のサンドイッチに…なんだその飲み物…」

 

風太郎に言われてオレも横から見ると、緑の色の缶の飲み物があった。

 

三玖「抹茶ソーダ」

 

風太郎「ま、抹茶?逆に味が気になる!」

 

八幡「抹茶でソーダって…一体どんな味だよ」

 

三玖「いじわるするフータローには飲ませてあげない。けどハチマンにだったらいいよ」

 

八幡「あ、いや…結構です。お気持ちだけ受け取っときます」

 

というよりなんでオレはいいんだよ。二乃も五月もそうだったけど、なんでオレは風太郎よりも気を許されてるか分からない。

 

風太郎「あ、そうだ。1つ聞いていいか?今朝の問題の件なんだが」

 

やっぱりそうか。風太郎はやはり三玖が今朝の問題どうして言わなかったのか気になるんだな。とその時

 

四葉「上杉さん!比企谷さん!」

 

と突然後ろから方を捕まれ大声で言われた。

 

風太郎・八幡「「うおっ!」」

 

思わずオレと風太郎も大声出してしまったじゃねぇか。

 

八幡「突然後ろから大声出すな四葉」

 

四葉「あ、すいません」

 

八幡「で?何か用か?」

 

四葉「あ、そうでした。朝は逃げちゃってすみません〜」

 

八幡「あ、なんだそんな事か」

 

風太郎「ったく…それで三玖「これ見てください。英語の宿題」」

 

ちょっと今風太郎がしゃべっている途中だから遮らないでくれるかな?

 

風太郎「さっきの話「全部間違えてました。あはははは!」」

 

だから遮るなよ。それとあははじゃないからね。全部間違えておいて笑っている場合じゃないからね。

 

一花「ほら、邪魔しちゃ悪いよ」

 

と言いながら四葉と風太郎の間に入る一花。

 

四葉「ねぇ、一花も勉強見てもらおうよ」

 

一花「うーん、パスかな。私たち、ほらバカだし」

 

風太郎「だからってなぁ…」

 

まぁ、確かにバカだからと言って勉強しない訳にはいかないだろ。あの由比ヶ浜だって勉強を頑張っているんだしさ。

 

一花「それにさ高校生活勉強だけってどうなの?もっと青春をエンジョイしようよ。例えば恋とか!」

 

八幡「おいバカ。それを風太郎の前で言うんじゃねぇ!」

 

一花「え?どうして?」

 

そう、風太郎に恋とか言ってはダメなのだ。何故なら…

 

風太郎「恋?アレは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ。したい奴はすればいい…だが、そいつの人生のピークは学生時代となるだろう」

 

こういう風になってしまうのだ。こうなったらもうめんどくさくなる。

 

八幡「こうなってしまうからもう風太郎の前で恋とか言うなよ」

 

一花「あ、うん…分かった。でもこの拗らせ方手遅れだね」

 

八幡「頼むぞ」

 

一花「じゃあハチマン君はどうなの?恋とかしたくない?」

 

八幡「しねぇよ。自分で言うのもなんだが、オレは人を好きになった事ないからな」

 

一花「そうなんだ。ふーん……こりゃあ二乃も大変だな」

 

ん?最後の方だけ聞こえなかったな。何言ったんだ?

 

四葉「あはは…恋愛したくても相手がいないんですけどね。三玖はどう?好きな男子とかできた?」

 

三玖「えっ……い、いないよ」

 

そう言って三玖はこの場から離れて行った。

 

風太郎「?急にどうしたんだ…」

 

八幡「さぁ?」

 

四葉「あの表情、姉妹の私には分かります」

 

一花「間違いない!」

 

一花・四葉「「三玖は恋をしているね(います)」」

 

風太郎「…え?」

 

八幡「は?」

 

三玖が恋している?

 

 

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時間は流れ今は放課後、今日は家庭教師の日ではないので部活に来ている。と言っても部室ではいつもみたいに本を読むのではなく、アイツらにどうやって勉強してもらうか考えながら、風太郎みたいに自作のテストを作っている。しっかし風太郎もよく自作のテストなんてよく作れるなまったく。そう思いながら作業をしていると…

 

雪乃「はい、紅茶よ」

 

八幡「ん?ああ、サンキュ」

 

どうやら雪ノ下が紅茶を入れてくれたみたいだ。

 

雪乃「それは例の家庭教師の件かしら?」

 

八幡「まぁ、そんなところだ」

 

雪乃「どうなの?その家庭教師してみて」

 

八幡「ああ…思ったより大変だったよ」

 

ホント、大変だよ。5人揃って100点なんてさ。それに5人揃って勉強嫌いで風太郎も嫌いで何故かオレはあまり嫌われてない。

 

結衣「そんなに大変なの?」

 

八幡「まぁな。思ったりより教えるって大変なんだなと思ったよ。雪ノ下は良く由比ヶ浜に教える事ができるな」

 

結衣「それどういう意味だし!」

 

八幡「あー悪い悪い。そうじゃないんだ。人に教えるのが難しいのに雪ノ下はわかりやすく教えているなって意味だ。気を悪くしたのなら謝る」

 

結衣「なんだそういう事だったんだ」

 

八幡「悪いな」

 

結衣「う、ううん。あたしも早とちりしちゃってごめん」

 

八幡「いいよ。気にしてないから」

 

結衣「ありがとう」

 

八幡「でだ、雪ノ下。何か教えるコツとかないか?」

 

雪乃「そんな急に言われても…私は自分なりに教えているだけよ」

 

八幡「なるほどね」

 

雪乃「ごめんなさい。あんまり良いアドバイスが思いつかなくて」

 

八幡「いや、気にしてねぇから大丈夫だ。オレもオレなりに教えてみるよ。サンキュな雪ノ下」

 

雪乃「どういたしまして」

 

まぁ、雪ノ下の言う通り自分なりに教えるしかないか。そう思った時だった。何やら廊下の方で誰かが走ってこっちに向かってきているようだ。誰だよ廊下走っている奴は。小学校の時に教わらなかったか?廊下は走るなってよ。

 

バァン!

 

と勢いよく部室のドアが開き入ってきたのは

 

風太郎「八幡!聞きたいことがあるんだ!」

 

八幡「うるせぇよ。静かにドアを開けろよ」

 

風太郎「あ、す、スマンつい」

 

八幡「はぁ…んで?聞きたいことってなんだ?」

 

風太郎「あ、ああ。スマンがここじゃ話しにくいから…」

 

八幡「はぁ…わかったよ。雪ノ下、ちょっと席外すな」

 

雪乃「ええ、構わないわ」

 

風太郎「ありがとう雪ノ下。行くぞ八幡」

 

八幡「へいへい」

 

そう言ってオレは風太郎の後をついて行く。多分風太郎が聞きたいことって言うのは、家庭教師の事じゃないかな?

 

そして奉仕部の部室から離れた場所にて

 

八幡「で?聞きたいことってなんだ?」

 

風太郎「ああ、実は…」

 

風太郎の説明によればどうやら三玖は戦国武将が好きらしい。四葉から借りたゲームがキッカケで好きになったのか。けど三玖は戦国武将が好きなことは隠している。周りはイケメンや俳優やモデルが好きだから隠していたらしい。それで色々話して友好の印として抹茶ソーダを貰う時に三玖にこう言われたらしい。『鼻水なんて入ってないよ』っと。それを聞いたオレは

 

八幡「ああ…あれか…」

 

風太郎「っ!知ってるのか八幡!」

 

八幡「まぁな」

 

風太郎「教えてくれないか?」

 

八幡「あ、ああ……いや、やっぱやめとく」

 

風太郎「な、なんでだ?」

 

八幡「いや、これはオレが教えてもいいかもしれないが、これはお前への挑戦状みたいなもんだ。あんな煽られ方されてさ人に教えて貰っていいのか?自分で調べてみろよ。こんなの簡単だろ?学年一位さんよ」

 

風太郎「っ…………ああ、やってやるよ。意地でも勉強を教えてやる!」

 

八幡「まぁ、頑張れよ」

 

風太郎「ああ」

 

フッ、悪い笑顔になったな。まぁ、三玖は風太郎に任せておけば良いか。四葉は物分りが良いし、勉強も教わろうという姿勢はある。けど、他の3人だよな。特に二乃と五月は風太郎の事嫌ってるしな。オレが何とかするしかないのかね……。

 

 

そして数日後の放課後の図書室にて

 

風太郎「だから何回言ったらわかるんだ…ライスはLじゃなかてRだ!お前シラミ食うのか!」

 

四葉「あわわわ」

 

四葉に宿題を教えている。家庭教師の日ではないけど教えている。というか教えてくれって頼まれたからな。だから今日は部活は休みにしてもらっている。それより

 

八幡「四葉。お前なんで怒られてんのにニコニコしているんだ?」

 

四葉「えへへ。家庭教師の日でもないのに、上杉さんと比企谷さんが宿題を見てくれるのが嬉しくって」

 

風太郎「残りの4人もお前くらい、物分りが良いと助かるんだが」

 

八幡「そうだな」

 

四葉「声掛けたんですけどね」

 

八幡「そうなのか?」

 

四葉「はい……あ、でも残り4人じゃなくて3人ですよ」

 

風太郎・八幡「「え?」」

 

四葉「ね?三玖」

 

八幡「え?」

 

振り返ってみるとそこには三玖の姿があった。

 

風太郎「来てくれたのか…」

 

風太郎が言いかけた時、三玖が風太郎の目の前を通り過ぎて奥にある、本棚へと向かい何冊かの本を手に取って見ている。何しているんだ?

 

三玖「フータローのせいで考えちゃった。ほんのちょっとだけ、私にも…できるんじゃないかって。だから…」

 

三玖は立ち上がりこちらを振り向き

 

三玖「責任取ってよね」

 

風太郎「ああ、任せろ。な、八幡」

 

八幡「え、お、おう」

 

ま、何とか三玖に勉強を教える事ができたが、風太郎の奴何したんだ?そこんところは後で聞くとするか。けど後3人か……先は遠いな。

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。

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