八幡side
今日は家庭教師の日。だからあのマンション前まで来たのはいいのだが…何故か風太郎がマンションのドアの前でなにかしている。もしかしてアイツ……オートロックの事知らねぇのか?
三玖「ハチマン何やってるの?」
八幡「ん?三玖か。いやな風太郎の奴あそこで何やってるんだろうなって思ってな」
三玖「ホントだ…何やってるんだろう?」
八幡「多分、オートロックの事知らねぇんじゃねぇの?」
三玖「今時オートロックも知らない人っているの?」
八幡「ん?ああそれは…」
と言いかけたが、止める。そういえばコイツらは風太郎の家の事知らねぇんだったな。勝手に言ったらダメだしな。どう説明すればいいのやら……。
三玖「それは?」
八幡「あ、ああ…風太郎の家はちょっと特殊でな。それで多分オートロックの事も知らないと思うんだ」
三玖「特殊?」
八幡「まぁ、詳しい事は言えないがな」
三玖「…そう」
何とか誤魔化せたのかな?
八幡「それより早く行くぞ。あれだと他の人に迷惑だ」
三玖「そうだね」
オレと三玖は未だにドアの前で突っ立っている風太郎に話しかける。
八幡「何やってんだよ風太郎」
風太郎「は、八幡、それに三玖。いや、このドア全然センサー反応しないんだ」
八幡「そりゃそうだろ。だってこれオートロックだぜ」
風太郎「オート…ロック?」
やっぱ知らねぇか、そりゃ仕方ないな。
八幡「このドアの前にある機械に三玖達の部屋番入れたら繋がるんだ。それでこのドアも開くシステムになってるんだ」
風太郎「そ、そんなことぐらい知ってたし」
本当かよ……
八幡「だったらなんでさっさと部屋番入れて入らない」
風太郎「い、いや〜…そ、それは……」
八幡「いいから、いくぞ。三玖、スマンが開けてくれるか?」
三玖「うん、わかった」
三玖にオートロックを解除してもらいドアをくぐる。
八幡「おい、何突っ立ってんだ。早く来い、でないと閉まっちゃうだろ」
三玖「そうだよ。それに…家庭教師、するんでしょ?」
風太郎「お、おう…」
そう言われて風太郎もドアをくぐり、三玖と一緒にエレベーターに乗り、30階にある三玖達の部屋に入る。
そしてまた初日みたいにそれぞれの部屋の前まで行き、姉妹達を部屋から呼び出そうとするのだが……
五月「やっぱり来ましたか。あ、比企谷君いらっしゃい」
八幡「お、おう」
やっぱりなんでコイツは風太郎よりオレの方だけ歓迎してるんだよ。五月は無理とわかったので次は四葉。
四葉「いらっしゃい上杉さん、比企谷さん」
風太郎「あ、ああ」
八幡「うっす」
四葉はオレと風太郎を嫌っていないようにも見える。オレ達2人を歓迎している。四葉は何とか勉強会に参加してくれた。次は二乃だな。大丈夫か?
二乃「ハー君いらっしゃい」
八幡「あ、ああ」
風太郎「俺は無視か!」
二乃「…」
バタン!
と少ししか開けていなかった部屋のドアを閉める。やっぱり風太郎を嫌っているようだ。
風太郎「前々から思っていたが、なんでアイツは八幡に懐いているんだ?」
八幡「懐くって、お前な。二乃はペットか?」
風太郎「いや、そうじゃあないけど」
八幡「はぁ…もういい、次行くぞ」
風太郎「お、おう」
そして最後に一花の部屋に来たのは良いが、やはり散らかっている。何この散乱した部屋は?
風太郎「なんで昼過ぎまで寝てるんだよ」
八幡「はぁ…オレらは下に行こうぜ」
風太郎「そ、そうだな」
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四葉「準備万端です」
何とか二乃以外は下に降りてきてくれた。まさか五月が下に降りてきてくれるとは思わなかったな。
一花「私も、まぁ、見てよっかな」
五月「私は、ここで自習してるだけなので、勘違いしないでください」
ああ、なるほど、そういう事ね。自習するために降りてきてたのね。だったら自分の部屋とか、図書館とか、ファミレスとかでやった方が集中できると思うんだがな。
八幡「んじゃあまぁ、始めるか」
風太郎「だな」
ま、でも初日に比べたら少しはマシにはなったかな。
二乃「まだいたの?まーた懲りずに来たのね?」
風太郎「どうだい。二乃も一緒に…」
二乃「死んでもお断りよ」
風太郎の言葉を遮り、風太郎の誘いを断る。
二乃「ハー君ならまだしも、なんであんたなんかに」
風太郎「そ、そうか……よし、今日は俺らだけでやるかー」
四葉「はーい」
さて、始めるか。と思っていたら…
二乃「そうだ四葉。バスケ部の知り合いが大会の臨時メンバーを探してるんだけど、あんた運動できるし今から行ってあげたら?」
四葉「いっ、今から!?」
おいおい、急だなおい。
四葉「えっと…でも…」
と言いながら四葉はオレ達の方を見てくる。
二乃「なんでも、5人しかいない部員の1人が骨折しちゃったみたいで、このままだと大会に出られないらしいのよ。頑張って練習してきただろうに。あーかわいそう」
おいおい、なんかそんな言い方されたら行ってしまうだろ。優しい人なら行くだろうな。
風太郎「そんなのやるわけないだろ」
と四葉に問いかける。
四葉「上杉さん、比企谷さんすみません!困ってる人をほっといてはおけません!!」
そう言って走って出ていった。あ、やっぱりこうなるのね。
一花「あの子断れない性格だから」
だと思ったよ。
二乃「一花も2時からバイトって言ってなかったけ?」
一花「うっわ!やっば!忘れてた!」
風太郎「え?」
二乃「五月もこんなうるさいとこより、図書館とかに行った方がいいよ」
五月「それもそうですね」
風太郎「え?」
そして残ったのは三玖と二乃だけになってしまった。
風太郎「あ、あ、あ…」
なんだかカオ〇シみたいになってしまった風太郎。
風太郎「よーしお前ら集まれー。授業を始めるぞー」
八幡「目を覚ませ風太郎」
というかなんで二乃は授業を邪魔してくるんだ?
二乃「あれー?三玖、まだいたの?あんたが間違えて飲んだ私のジュース買って来なさいよ」
…おう。まさか三玖もか…。
三玖「それならもう買ってきた」
二乃「えっ」
おお、まさか三玖の奴こういう事になるって予想していたのか?さすが姉妹だな。
三玖「そんな事より授業始めよう」
風太郎「そ、そうだな。切り替えていこう」
二乃「ちょっと、あんたらいつからそんなに仲良くなったわけ?」
と二乃が口を挟む。
二乃「三玖はこういうのがタイプなの?」
風太郎「今、酷いこと言ったな」
三玖「二乃はハチマンのところに行きなよ」
八幡「なんでそこでオレに振るんだよ」
まぁ、確かにここはワンツーマンの方がいいかも知れないな。だって残ったの2人だけだしな。
八幡「おい、風太郎」
風太郎「ん?なんだ?」
八幡「お前は三玖の勉強をみろ。オレは二乃の勉強を見るから。それで勉強を始めよう」
二乃「え?ちょっ!ハー君!?」
風太郎「お、おう。でもなんでだ?」
八幡「ここで1人に2人が勉強を見ても仕方ないだろ。だったら1人に1人がついてマンツーマンにする方が良いだろう」
風太郎「な、なるほどな。え、でもなんで俺が三玖で八幡が二乃なんだ?」
八幡「その方が良いだろう。それとも何か?チェンジして欲しいか」
二乃「ちょっと無視しないでよハー君!」
風太郎「そうだなわかった。そうしよう」
二乃「ちょっと!話聞いてよ!」
風太郎「じゃあ三玖。三玖の勉強は俺が見る事になった」
三玖「うん、わかった」
そう言って風太郎と三玖はリビングにある机へと移動していく。さて、オレもさっさとやりますか。
八幡「ということだ。さっさとやるぞ二乃」
二乃「え、いや、ちょっ、ちょっと!まっ、待って!」
八幡「?どうした?」
何やら慌ててるようだ。一体どうしたんだ?しかも気の所為なのか、二乃の顔がみるみる赤くなっていく。
二乃「ちょっと…こ、心の準備というかなんて言うか…えっと…そ、その…///」
八幡「は?心の準備?なんでだ?」
二乃「な、なんでもよ!///」
八幡「お、おう。そうか」
え?なんでオレ怒られてるの?
二乃「あ、そ、そうだハー君。ハー君はお昼食べた?」
八幡「ん?昼か?そういえば食ってきてないな」
二乃「だ、だったら私作ってあげるよ!」
八幡「いや、別にそこまでいなくていいって。オレはそこら辺のコンビニで済ませるからさ」
二乃「だ、ダメだよ!そんなのばっかり食べてたら健康に良くないよ!だから作ってあげる!あ、ついでに聞くけどキミは?」
風太郎はついでなんだね。中々辛辣だな。
風太郎「俺はついでかよ…そういえば俺も食ってなかったな」
八幡「お前もか」
風太郎「ああ」
二乃「そ、じゃあ三玖。この男にお昼作ってあげたら?」
三玖「え?」
二乃「だって、その人お腹すいて困ってるんだよ。だったらお昼作って助けてあげなよ」
風太郎「八幡も言ってただろ。そこまでしなくてもいいって」
八幡「そうだ。だから作らなくてもいい」
二乃「そ、そんなに私の作った料理食べるの…いや?」
二乃はそう言って少し涙目になりながら上目遣いをしてくる。ちょっとそれは、あまりにも卑怯ではないですかね二乃さん。
二乃「ねぇ…ハー君…いや?」
八幡「うっ……いや…では無い」
二乃「良かった!じゃあ作るから待っててね」
さっきまでの涙目がまったく無くなり、満面の笑みに変わりキッチンの方へと向かっていく。
八幡「はぁ…」
するとオレの横を通り過ぎ、二乃同様キッチンの方へと向かう三玖の姿があった。まさか三玖、お前もやる気なのか?
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そして二乃と三玖の料理は終了した。
二乃「じゃーん。旬の野菜と生ハムのダッチベイビーよハー君」
八幡「お、おお…美味そうだな」
二乃「あたりまえよ。…だってハー君の為に料理頑張ったんだから」
八幡「え?なんだって?」
オレは難聴主人公ではない。だだ単に声が小さくて聞こえなかっただけたがらな。
二乃「え?ううん、なんでもないよ」
八幡「そうか。で?三玖のは?」
三玖「お、オムライス…」
なるほど。これは三玖に失礼だが由比ヶ浜ほど危険は無いな。クッキーに桃缶やコーヒーとかを入れようとしてたからな。え?由比ヶ浜にも失礼だって?
…………気の所為だろう。
八幡「風太郎、せっかく作ってもらったんだ。食べようぜ」
風太郎「そうだな」
三玖「え?」
八幡「アレだ。オレら腹が減って仕方ないんだ。だから食う」
風太郎「そういうことだ。早く食わせてくれ」
まずはオレが二乃の作った、旬の野菜と生ハムのダッチベイビーを、風太郎は三玖の作ったオムライスを口運ぶ。
八幡「うまいな」
二乃「ホント!?」
八幡「ああ、店を出しても良いんじゃねぇか」
二乃「そ、そっか」
八幡「そっちは?」
風太郎「普通にうまいぞ」
三玖「っ!?」
二乃「!」
八幡「ほーん、それじゃあ交換するか」
風太郎「ああ、いいぞ」
その後、風太郎から三玖の料理オムライスを受け取り口に運ぶ。正直言うと、お世辞でもうまいとは言えない。けど、きちんと頑張って作ったという気持ちが伝わってくる。
八幡「まずは味だが…二乃のやつと比べたら、うまいとは言えない。だが、これは三玖が頑張って作ったという気持ちがきちんと伝わったぞ」
風太郎「言われてみればそうかもな」
八幡「だろ?それに二乃も三玖の作ったオムライスを食べてみたらわかるはず…いや、見なくてもわかるはずだ」
三玖「え?」
二乃「…」
八幡「な?そうなんだろ二乃。三玖や風太郎は気づいていないが、オレは気づいてるぞ。お前が料理を作っている間、時々三玖の様子を伺っているのを」
二乃「…………やっぱハー君には敵わないな」
三玖「え?じゃあ…」
二乃「そうよ。ハー君の言う通り、三玖が料理を作っている時、時々様子を伺っていたわ」
三玖「なんで?」
二乃「…………心配なのよ」
三玖「え?」
二乃「怪我しないかとか、ヤケドしないかとか色々考えちゃって、それで思わず様子を見てしまうのよ」
三玖「そう…だったんだ」
そして沈黙が流れる。けどその沈黙の時間も終わる。それは二乃の口を開いたからだ。
二乃「……今度」
三玖「え?」
二乃「今度、美味しいオムライスの作り方教えてあげる」
三玖「…え?いいの?」
二乃「勘違いしないでよね。これはただ私が勝手にやるだけだから」
三玖「……ふふっ、何それ」
二乃「う、うるさいわね」
ふっ、もういいみたいだな。それじゃあ…
八幡「風太郎。もう遅い帰るぞ」
風太郎「え、あ、おう」
こっから先はこいつら姉妹の時間だからな。だからオレらは退散するまでだ。
八幡「じゃあ、また来るからな」
二乃「うん、わかった。なんかごめんねハー君…それと上杉も」
八幡「気にするな」
風太郎「別にいい」
三玖「またね。フータロー、ハチマン」
風太郎・八幡「「ああ」」
オレらはそう言って部屋を出ようとした時、机に財布が置いてあった。この財布は…
八幡「おい、風太郎。財布、忘れてるぞ」
風太郎「え?うお!やっべ!サンキュ八幡」
八幡「ったく…気をつけろよ」
風太郎「悪い悪い」
改めてオレらはマンションから出て家に帰った。
いかがでしたか?今回は展開を変えたり、二乃の性格も変えたりしてみました。どうでしたか?デレ二乃に姉妹を心配する二乃を送りました。ではまたお会いしましょう。