八幡side
今日は日曜日、休日である。今はゲームしながら過ごしている。休日はこうするのに限る。勉強ならもうしたさ。多分、風太郎は1日勉強をしているんだろうな。ホントアイツ勉強ばっかだよな。まぁ…でも仕方ないのかもしれないな。アイツに関しては。
すると家のインターホンが鳴った。
小町「お兄ちゃ〜ん。今、小町手離せないから出て〜」
八幡「はいよ」
ったく…仕方ねぇな。ていうか誰だ?こんな休日にやった来るやつは?まさかセールスか?だったら即追い返してやる。そう思いながら玄関のドアを開ける。
八幡「はーい…どちら様でs…」
五月「…」
八幡「…」
バタン
思わずドアを閉めた。あれれ〜おかしいな〜。ドア開けたら五月がいたな。幻覚かな〜。
五月「ちょっと!?」
あれ?幻覚のはずが声まで聞こえる。幻聴かな〜。おっかしいな〜。そうだ!もう一度開けてみたらいいんだ。
八幡「…」ガチャ
五月「ちょっとなんで閉めるんですか!?」
八幡「スマンついな……。ていうかなんでオレの家知ってるんだ」
五月「すみません。今日はお渡ししたいものがありまして伺わせて頂きました。でもお家の事を聞くのは良くないと思ったのですが、父に聞きました」
八幡「まぁ、それは良いんだが…」
なるほど。という事は家庭教師関連なのか?
小町「お兄ちゃ〜ん。どうしたの〜」
八幡「あ、いや…」
オレの応対が長かったのか。リビングから小町が出てきた。
小町「あれ?その人は?」
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その後、小町が五月を家の中に入れて、リビングに案内した。
小町「いや〜、まさかお兄ちゃんの生徒さんだったとは。あ、初めまして、比企谷八幡の妹、比企谷小町です」
五月「これはどうも。私は中野五月と言います」
小町「どうもどうも。あ、五月さんって呼んでもいいですか?」
五月「ええ、構いません」
小町「ありがとうございます。それで五月さん。ウチの兄はどうですか?迷惑かけてませんか?」
五月「いえ、迷惑なんてかけてないですよ」
小町「そうですか。それは良かったです」
五月「それにしても…似てませんね」
八幡「フッ、まぁな」
五月「何故自慢げなんですか?」
八幡「まぁ、そんな事よりも五月。なんの要件で来たんだ?」
五月「はっ、そうでした!実は父から預かってるものがありまして」
五月はそう言いながらカバンから1つの封筒を取り出して机の上に出てきた。その封筒には給与と書かれていた。
五月「こちら比企谷君のお給料です」
小町「おお〜。お兄ちゃん頑張ったね」
八幡「まぁ、言っても2回しか行ってないしな。そんなに出ないだろう」
そう思いながら封筒を手に取り、中身を出す。するとそこには諭吉さんが5人いました。
八幡「…………は?」
小町「わぁ……」
ウソ、何これ?闇金?
八幡「ど、どうしてこんなに?なんかの間違いじゃねぇの?」
五月「いいえ、間違いではありません。1日5千円を5人分。計2回で5万円だそうです」
八幡「はい?いや、確かに相場の5倍を出すと聞いたけど、まさか…ここまでとは……」
けどオレは少し考え、お金を封筒に戻し五月の前に置いた。
八幡「すまねぇながこれは受け取れねぇ」
五月・小町「「え?」」
八幡「オレは…いや、オレと風太郎は確かに2回お前らの家に行った。だがな、オレらは何一つ教師らしい事はしていない。だからこれは受け取れない」
五月「いいえ、何もしていないという事は、無いと思いますよ」
そう言って優しい笑みを浮かべる。
八幡「いや、なんもしてねぇよ」
五月「いいえ、あなたのおかげで変わった人もいるんですよ。そうですね例えば…二乃ですかね」
八幡「何故、二乃の名前が出てくるんだよ」
五月「それは二乃があなたと出会って少し変わったからです」
八幡「そうか?オレにはそうは思わないけど」
五月「そうですか?私は二乃があなたに告白した事も知ってるんですよ」
八幡「は!?」
小町「え!?お兄ちゃん告白されたの!?」
八幡「あ…いや……それは……」
五月「私達が転校する前にしたと言ってましたよ」
八幡「なんで言うんだよ……」
小町「で?で?お兄ちゃん。その告白の返事どうしたの?」
八幡「なんでお前はそんなにグイグイ来るの?それにそれを聞いてどうするんだよ」
小町「別に良いじゃん!教えてよ!」
八幡「なんでだよ……」
五月「返事はまだしていないようですよ」
八幡「ちょっと!?」
なんでそこまで知ってるんだよ。また二乃の奴が言ったのか?
小町「え!?お兄ちゃん返事してないの!ありえない!」
八幡「うっ…」
言い返せない。オレでも分かる。告白の返事もせずにいるのは確かにありえないし、最低だと思う。けどさ
五月「確かにありえませんし、最低ですね」
いや、もうホントやめてください。
五月「でも、二乃が言ってましたよ。あなたは二乃の事が好きかどうか分からないと」
小町「そうなの?」
八幡「ああ。オレは二乃と一緒にいた時間は楽しかった。けれどこれが恋心なのか友情としてなのかわからなかったから、そう答えてしまっただけだ」
小町「……そっか。まぁ、お兄ちゃんだし仕方ないか」
八幡「ちょっと酷くない?それよりも、話を戻すがこれは受け取れない。以上」
五月「返金は受け付けません」
八幡「くっ……はぁ…わーたよ。受け取るよ」
五月「初めっからそうすれば良いじゃないですか」
八幡「だが、次はこの給料の分も働くからな」
五月「ええ、わかりました。では私はここで失礼されてもらいます。この後は上杉君の家も行かないとダメなので」
八幡「風太郎にも給料渡しに行くのか」
五月「ええ、そうですが」
八幡「…そうか」
五月「?」
小町「そうだお兄ちゃん。風太郎さんの家まで送って行っていたら?」
八幡「は?なんでだよ」
五月「別にいいですよ。家は父から教えて貰っているので」
小町「そうは言っても入り組んでますから。道案内にウチの兄をお使いください」
ちょっと小町ちゃん。人使い荒くない?すると五月は顎に手を当てしばし考えるポーズをとる。
五月「そうですね。では道案内をお願いします」
八幡「は?なんでだよ。ていうか車で行けよ」
五月「車では行けないところでしたら歩かないとダメです。ですからその道案内をお願いしたいです」
小町「そうだよお兄ちゃん。もし、行かなかったら口聞かないから」
八幡「よし、行くか」
五月「ええ!?」
八幡「何やってんだよ。風太郎の家に行くんだろ。だったら早く行くぞ」
五月「は、はい」
八幡「じゃあちょっと行ってくるな」
小町「はいはーい、行ってらっしゃ〜い」
ということで五月を風太郎の家まで連れて行くことになった。
五月「なぜさっきまで嫌がっていたのに、引き受けたのですか?」
八幡「だってさ…行かないと小町が口聞いてくれないからだ」
五月「そんな理由で…」
八幡「ほっとけ」
五月「それでどういった道なんでしょうか」
八幡「いや、普通の道だぞ」
五月「え?じゃあ何故小町ちゃんはあんな事言ったのでしょうか」
八幡「オレが知るかよ」
いやホントあんな嘘を言ったのか分からん。その後時々会話する程度で五月を風太郎の家まで連れて行った。
八幡「ここだ」
五月「確かに場所はここと聞いてましたが…」
八幡「風太郎の家はこういう家庭事情なんだ」
五月「そうでしたか。そういえば三玖が言ってました。あなたが上杉君の家は特殊だと」
八幡「ああ、言ったな。だって勝手に人の家庭事情を言うのはダメだろ」
五月「確かにそうですね」
八幡「だからそういう風に言っただけだ」
五月「なるほど。そういうことだったんですね」
八幡「ああ。それよりも早く行くぞ」
五月「そうですね」
そんな会話をしながら風太郎の家の前に行き、インターホンを鳴らす。
風太郎「お金ならありま…せん」
そう言いながら風太郎が出てきた。
八幡「誰が借金取りだ」
風太郎「は、八幡!?それに五月まで!なんで!?」
八幡「それは五月がお前に渡したいものがあるらしく、それでオレは五月をここまで案内しただけだ」
風太郎「そ、そうなのか」
八幡「とりあえず入れてもらってもいいか?」
風太郎「あ、ああ…どうぞ」
八幡「じゃあお邪魔します」
五月「お、お邪魔します」
そう言って風太郎の家に上がらせてもらう。本当はここで帰ってもいいんだが、なんだかこの2人はもめるかもしれないからだ。
らいは「あれ?八幡さん…と、どちら様ですか?」
五月「初めまして、私は中野五月と申します」
八幡「らいは、五月は風太郎が家庭教師している家の生徒さんだ」
らいは「ああ、そうなんですか!初めまして、上杉らいはです!」
五月「らいはちゃんね。よろしくね」
らいは「はい!」
上杉「それで、渡したいものってなんだよ」
五月「そうでしたね」
そして五月はオレの家の時と同じようにカバンから1つの封筒を取り出して風太郎の前に出す。オレのと同じで封筒には給与と書かれていた。
五月「父から預かった上杉君のお給料です」
らいは「すっごーい、頑張ったね」
風太郎「と言っても今月は2回しか行ってないからな。あんまり期待はしない方が…」
と言っていた風太郎もさすがに言葉を失ったみたいだ。
五月「1日5千円を5人分。計2回で5万です」
風太郎「マジで…」
八幡「ああ、マジだ。オレも最初疑ったけどな。っていうか、おいおい、お前の手汗のせいで、諭吉さんがしわしわになってるぞ」
風太郎「え、あ、おう。けどすげぇな…これなら、借金もあっという間に……」
と言いかけたところで、風太郎は一瞬考えた。そしてオレの時同様、お金を封筒に戻し、五月の前に出した。
風太郎「受け取れねぇ」
五月「え?」
風太郎「確かにお前達の家に2回行った。だが、俺たちは何もしてねぇ」
五月「あなたも比企谷君と同じ事を言うんですね」
風太郎「八幡も言ったのか」
八幡「ああ。お前と同じだ。何もしてないからな」
風太郎「そうか。で、その給料はどうしたんだ?」
八幡「返金できないって言われたから、受け取ることにした」
風太郎「そうか」
五月「けど、何もしていない事は無いと思いますよ。あなたの存在は5人の何かを変え始めてます」
風太郎「…5人って…」
五月「間違えました4人です!と、とにかく返金は受け付けません。どう使おうがあなたの自由です」
あれれ?おかしいぞ〜。オレの時と違う事言ってるぞ〜。するとそれを聞いた風太郎は腕を組み、考えている。少し時間が過ぎた後、風太郎の口が開いた。
風太郎「らいは、何か欲しいものはあるか?」
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らいは「わぁー、すごーい」
ということでやってきましたゲームセンター。え?なんでゲームセンターに来ているのかって?それはらいはがゲームセンターに行きたいって言ったからだ。
風太郎「なんでお前も来てんだよ」
五月「仕方ないでしょ」
そうなんで五月までいるのかと言うと…風太郎の家でらいはが五月にこう言ったからだ。
らいは『五月さんももちろん行くよね?ダメ?』
とウルウルしながら言われたからである。
風太郎「断れよ!」
五月「断れませんよ。可愛すぎます」
風太郎「わかる!」
今のでわかるように風太郎はシスコンである。
風太郎「それに八幡もいるし」
八幡「いや、あんな言い方されたら行かないとダメだろ」
そうオレもらいはに誘われた。
らいは『八幡さんも来てくれるよね。ね?』
と涙目+上目遣いで言われたからだ。
八幡「それに断れば小町に何言われるかわかんねぇし」
風太郎「相変わらずシスコンだな」
八幡「お前にだけ言われたくない」
その後、オレ達はらいはと一緒にゲームセンターで色んなゲームをした。UFOキャッチャーやエアホッケーなど遊んだ。オレも久しぶりのゲームセンターだったからそれなりに楽しんだ。けど1番楽しそうにしていたのはらいはだった。そんな時だった。
風太郎「八幡、五月。なんか付き合わせちゃって悪いな。らいはには家の事情でいつも不便をかけてる。本当はやりたいことがもっとあるはずだ。あいつの望みは全て叶えてやりたい」
なるほど。こんな奴だけど、やっぱりいい兄をしているな。それに時々、小町もらいはの遊び相手になったりしてるしな。こういうところは滅多に来れないからな。
らいは「お兄ちゃん、八幡さん、五月さん、最後に4人であれやってみたい」
八幡「ん?」
風太郎・五月「「え…」」
らいはが指さす方を見るとそこには写真を撮ってデコる機械、すなわちプリクラがあった。
風太郎「そ、それよりあっちの方が楽しそうだぜ」
と風太郎は無理やり変えさせようとする中、五月が風太郎の肩をポンポンと叩き
五月「全て叶える…でしょ?」
となんとも微妙な笑顔で言ってくる。オレはと言うと、十八番のステルスヒッキーを発動させて逃げようとしたのだが、両肩をガシッと掴まれてしまったのだ。
五月「どこに行こうとしているのですか?」
風太郎「そうだぜ八幡」
八幡「い、いや〜、オレはこの後、アレがアレでして…」
五月「何訳の分からないことを言ってるんですか?あなたもやるんですよ」
風太郎「そうだぞ八幡。ではないと小町ちゃんに言うぞ」
八幡「おい汚ぇぞ!」
くっ、このままだと小町にあることない事言われてしまう。くっそ〜、諦めるしかないのか……。
らいは「八幡さん…ダメですか?」
八幡「ダメじゃないです」
あー、もう諦めよう。
そしてプリクラを撮り終えた後……
風太郎「ぶははは、お前なんて顔してんだよ。笑えるな」
五月「あなたの顔も負けず劣らずの酷さですよ」
と2人はお互いのさっき撮った写真を見て笑いあっていた。その写真には満面の笑みのらいはと引き攣ったなんとも言えない笑顔のオレ、風太郎、五月が載っていた。
風太郎「それにしても八幡は相変わらずの目だな!」
八幡「うるせぇよ」
いやもうホント、オレの目は腐ったまんまだな。いや〜、すげぇな。写真でも目が腐っているだなんて。
らいは「お兄ちゃん、八幡さん、五月さんありがとう」
そう言われたオレ達はらいはの方へ視線が集中する。
らいは「一生の宝物にするね」
とこれまた満面の笑みで言う。らいはが楽しそうで良かった。
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結局夕方まで遊んだ。そして帰り道
風太郎「結局日曜日が潰れちまった…いや、まだ夜があるか…」
ホント相変わらずだなコイツ。
風太郎「お前らも勉強しろよ」
わぁお、こんな時でも家庭教師ですか風太郎さん。
五月「……あ」
ん?なんだその『あ』は?
五月「私はここで…」
そう言うと、五月はそそくさとこの場を後にしようとする。
風太郎「なんだよ怪しいな。宿題は出てるだろ?済ませたのか?」
五月「わーっ、付いてこないでください!」
風太郎はそう言って五月に詰め寄ろうとしている。何やってんだよ。すると……
らいは「お兄ちゃん、八幡さん、五月さんが4人いる」
風太郎・八幡「「え?」」
そう言われて振り返るとそこには……
四葉「あ、上杉さん、比企谷さん」
二乃「え!?なんであんたいるの!というかハー君はなんでここに?」
八幡「あ、ああ…それはコイツに付き合ってたからな」
浴衣に身を包んだ、五月を除く四人の姉妹がいた。
八幡「ていうかなんでお前らはそんな格好なんだ?」
三玖「それはお祭りに行くから」
八幡「祭り?」
二乃「そうよ。花火大会があるのよ」
八幡「へ〜、だからそんな格好なんだな」
四葉「わぁー、可愛い子ですね。比企谷さんの妹さんですか?」
八幡「違う。らいはは風太郎の妹だ」
四葉「これは失礼しました。上杉さんの妹さんでしたか」
らいは「はい、上杉らいはです」
四葉「あ、そうだ。私達今から花火大会に行くんです。良ければ一緒に行きましょう!」
らいは「花火!」
となんだか嬉しそうな顔になるらいは。けど風太郎は
風太郎「ダメだ。俺は勉強をしなきゃダメだし。それにお前ら宿題があるだろ」
五つ子「「「「「!」」」」」
なんだそのあからさまな反応は。まさかしてないのか?
らいは「お兄ちゃん……ダメ?」
風太郎「……もちろんいいさ」
おい
こうしてオレと風太郎の日曜日は潰れてしまったのだ。
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こうしてオレは風太郎とらいはと五つ子で花火大会に行くことになったのだが、今はあいつらのマンションにいる。え?なんでかって?それは…
風太郎「行くのはいいが、その前に!お前らは宿題を終わらせてからだ!」
と風太郎に言われてマンションにいる。
二乃「もう!花火大会始まっちゃうわよー!」
風太郎「週末なのに宿題を終わらせていないからだ」
八幡「やらないと成績落ちるからな」
というかなんでオレまでコイツらの見張りをしないとダメなんだよ。オレは良いだろ。帰らせてくれよ。こんな日に働くとかマジありえない。
二乃「うう…」
すると二乃は片手で頭を抱えていた。どうやら苦戦しているようだ。それになんだか少し焦っているようにも見える。そんなに早く花火大会に行きたいのだろう。はぁ…仕方ねぇな。
八幡「どこがわからねぇんだ」
と二乃の隣に立って言う。
二乃「え?」
八幡「早く花火大会に行くんだろ」
二乃「あ、うん」
八幡「けどヒントくらいだぞ」
二乃「わかった」
オレはこの後、二乃だけではなく、他の姉妹にも宿題のヒントを教えてあげて何とか宿題を終えることができた。
四葉「やっと終わった〜」
らいは「みなさんお疲れさま〜」
四葉「これも比企谷さんがヒントをくれたおかげです」
八幡「お前が1番苦戦したけどな」
四葉「あ、あははは……」
ったく…
五月「けれど思ったよりも早く終わりました。ありがとうございます」
八幡「まぁ、それは気にするな。オレが勝手にやった事だから」
五月「それでもです」
八幡「わかったわかった。その気持ちは受け取っとくから」
五月「はい」
まぁ、これで花火大会には間に合うだろう。さて、オレは帰るとするか。
一花「あれ?ハチマン君帰っちゃうの?」
八幡「ああ、そうだが」
二乃「ハー君も一緒に行こうよ」
八幡「いや、オレはいい」
二乃「ダメ…なの?」
ちょっと二乃さんや。涙目で上目遣いは卑怯ですよ。しかも他の姉妹からもすげぇ視線で見られてる。
八幡「わ、わかった。行くから。行くからそんな目で見ないでくれ」
二乃「ホント!ありがとうハー君!」
うわぁー、さっきまでの表情が嘘みたいに今は満面の笑みを浮かべている。
こうしてオレは家に帰らず、風太郎達と花火大会に行く事になった。そしてその花火大会の会場に行くとそこは人でいっぱいだった。いや、多すぎだろ。
二乃「花火って何時からだっけ?」
三玖「19時から20時まで」
一花「じゃあまだ時間もあるし屋台行こー!」
はぁ…コイツらいつにも増して騒がしいな。それにしてもコイツら宿題をすんなりやってたな。そんなに花火が見たいんだな。
風太郎「はぁ…」
すると隣にいた風太郎がため息をついた。
五月「なんですか。その祭りにふさわしくない顔は」
風太郎「!」
そう言われて振り返ってみると長い髪を後ろでまとめ浴衣を着て、ホットドッグをほおばっている美少女が話しかけてきた。その姿にオレと風太郎は不覚にも見とれていると
五月「あ…あんまり見ないでください///」
風太郎「誰だ?」
五月「え?」
八幡「もしかして…五月か?」
五月「ええ、そうです。よくわかりましたね」
八幡「いや、何となくだけどな。雰囲気的にそうかなって思っただけだ。まさか当たってるとは思わなかった」
五月「そうですか」
風太郎「というよりただでさえ顔が同じでややこしいんだから、髪型を帰るんじゃない」
五月「なっ!どんなヘアスタイルにしようと私の勝手でしょう!」
そう言って五月はスタスタと去っていった。おいおい、怒らすなよ。それでなくてもお前は五月に嫌われているんだから、余計嫌われることするなよ。もしこのまま行けばオレ1人で家庭教師をすることになってしまうだろ。
一花「もうわかってないな。女の子が髪型を変えたらとりあえず褒めなきゃ」
八幡「とりあえずでいいのかよ」
一花「それでも褒められたら嬉しいものだよ」
八幡「へ〜」
確かに五月は髪型を変えていたが、オレが言う必要は無いからな。
一花「もう〜、2人とももっと興味持ってよ〜。ほら、浴衣は本当に下着を着ないのか興味ない?」
八幡「ない」
一花「即答!?」
風太郎「ていうかそれは昔の話だろ」
一花「本当にそうかな〜……なーんて冗談でーす。どう?少しはドキドキした?」
風太郎・八幡「「めんどくせぇ〜……」」
一花「もう〜、酷いなー」
なんか知らんけどいつも以上にウザイな。なんでこうもテンション高いんだよ。
二乃「あんた達こんなところで何してんのよ。一花、行くよ」
一花「ごめーん、ちょっと電話」
そう言って一花はその場を離れた。
二乃「ていうか今日は5人で花火を見ようとしてたのに、なんでアンタがいるのよ。ハー君ならまだしも」
八幡「だからなんでオレは良いんだよ……」
風太郎「俺は妹と来てるだけだ」
あ、そういえば小町に花火大会に行くって連絡してないな。今からでも連絡しとくか。そう思い急いで小町にメールを送った。
らいは「お兄ちゃ〜ん」
そう呼ばれて声のした方を見ると、そこにはらいはと四葉がこっちに向かって歩いて来ている。ん?というからいはの持っているものなんだ?
らいは「見て見て〜、四葉さんが取ってくれたの」
と手に持ったものを見せてきた。その見せてきたものは3つか4つ程の袋に沢山の金魚達が入っていた。
八幡「うわぁ…」
思わずそう口からこぼれた。
風太郎「もうちょっと加減はできなかったのかよ」
四葉「いや〜、らいはちゃんを見ていると不思議とプレゼントしたくなっちゃいまして」
うん、それは分からんでもないが…やりすぎだろ。
らいは「見て〜、これも買ってもらった」
らいははそう言って花火セットを見せてきた。
八幡「いや、今から見るのにいらねぇだろ」
風太郎「だな」
らいは「だって待ちきれないんだもん」
八幡「そうか、ならちゃんとお礼言わなきゃなダメだな」
らいは「うん!ありがとう四葉さん。大好きっ」
そう言ってらいはは四葉に抱きついた。
四葉「〜〜〜っ///」
うわっすげぇ顔になってるな四葉の奴。
四葉「あーん、らいはちゃん可愛すぎます。私の妹にしたいです。待ってくださいよ、私が上杉さんと結婚すれば合法的に義妹にできるのでは…」
何言っちゃってるのコイツ?
二乃「自分で何言ってるのかわかってる…?それにあんた!四葉に変な気起こさないでよ!」
そう言って二乃は風太郎に詰め寄ってくる。
風太郎「ねぇよ!」
風太郎もそう言って二乃に詰め寄られた分後ろに下がっていく。
八幡「あ、おい!危ねぇぞ!ちゃんと後ろをm」
ドンッ
と風太郎が後ろにいた三玖とぶつかってしまった。
風太郎「す、スマン」
三玖「い、いい///」
八幡「ほら、ちゃんと周り見ないと危ねぇだろう二乃、風太郎」
二乃「そ、そうね。ごめん」
風太郎「なんで俺まで…」
八幡「当たり前だろ。まったく……」
一花「ごめんおまたせ。行こ」
電話を終えたのか一花が戻ってきた。
風太郎「ん?どこか行くのか?」
三玖「二乃がお店の屋上を貸し切ってるから」
風太郎「かりきるだと!?ブルジョワか!」
八幡「うるせぇぞ」
そうしている間にも姉妹達はそのお店に行ことしていた。オレも何となく付いていこうとした時…
二乃「待ちなさい」
と二乃が呼び止めた。
二乃「せっかくお祭りに来たのに、アレも買わずに行くわけ?」
風太郎・八幡「「アレ?」」
とはなんぞや?お祭りのアレとはなんぞや?
三玖「そういえばアレ買ってない…」
一花「あ、もしかしてアレの話してる?」
五月「アレやってる屋台ありましたっけ…」
四葉「早くアレ食べたいなー」
何やら姉妹だけで盛り上がっている。それにしてもアレって言っただけでわかるとか、やっぱり姉妹なんだなと思う。
全員「「「「「せーの……かき氷(りんご飴)(人形焼き)(チョコバナナ)(焼きそば)!!」」」」」
バラバラだった…。
全員「「「「「全部買いに行こーっ!」」」」」
風太郎・八幡「「お前ら本当に五つ子なのか?」」
と風太郎と一緒の事を言ってしまう始末。
そして全員で移動することになり、オレはそのあとを付いて行く形となっている。
風太郎「らいは、あんまり離れると迷子になるぞ。ここ掴んでろ」
らいは「はーい」
五月「納得いきません!」
五月は人形焼きを片手にご機嫌ななめだった。なんでも、人形焼きの屋台の店主が、一花には美人だということでおまけしたにもかかわらず、五月にはなにもなかったらしい。
五月「同じ顔なのに……不公平です!」
意外と大変なんだな五つ子って。
三玖「複雑な五つ子心」
みたいだな……。
四葉「らいはちゃん!次は輪投げしよっか!」
らいは「うんやる!」
そう言ってらいはは四葉と一緒に輪投げをしに行った。
風太郎「迷子になるなよ」
五月「あ、焼きそば焼きそば」
そう言って五月は焼きそばの屋台へ向い、一花はその五月のあとを付いて行く。
二乃「あんた達遅い!」
偉く張り切ったんだな。
風太郎「二乃の奴気合はいってんな。お前らもずっとテンション高いし、花火なんて毎年やってるんだろ」
八幡「何かしらの理由でもあるのか?」
三玖「うん。実は花火はお母さんとの思い出だから。お母さんが花火が好きだったから、毎年揃って見に行ってた。お母さんがいなくなっても毎年揃って。私達にとって花火ってそういうもの」
なるほどな。所謂家族の思い出。それで二乃はいつも以上に気合入ってるんだな。
八幡sideout
二乃side
『大変長らくお待たせ致しました。まもなく花火大会を開始致します』
とアナウンスされる。
二乃「あんた達?…ってあれ?」
周りを見渡しても他の姉妹と妹ちゃんと、ハー君がいなかった。
二乃「ちょっとみんなどこ!」
そうして探しているうちに人がドンドン押し寄せてくる。その所為であの子達と妹ちゃんとハー君を探すことができない。一体どこに行ったよの。その場で探していると誰かに足を踏まれてしまった。
二乃「痛っ、足踏んだの誰よ。ちょっと皆どこ!?四葉!一花!五月!三玖!どこ!?」
あーもう!人が鬱陶しいわね!これじゃあ身動き取れないじゃない!一体どうしたら…と考えていたら不意に誰かに手を引っ張られた。私の手を引っ張ったのは……
八幡「大丈夫か二乃?」
二乃「は、ハー君…」
私の想い人のハー君だった。
八幡「怪我はないか?」
二乃「う、うん、大丈夫」
八幡「そうか。なら良かった。風太郎も無事か?」
風太郎「あ、ああ。なんとかな」
ハー君の呼び掛けに答える上杉。なんであんたもいるのよ。せっかくハー君と一緒だったのに。
八幡「ここじゃ埒が明かない。ひとまず二乃が予約したという店まで行くぞ。二乃、悪いけど案内頼む」
二乃「え?」
八幡「5人で花火見るんだろ?」
二乃「う、うん。わかった」
ああ、やっぱりなんだかんだ言ってハー君は優しいな。
二乃sideout
八幡side
ひとまずオレと風太郎は二乃に道案内されながら人混みを抜け出すことに成功した。
八幡「で?次はどっちだ?」
二乃「あそこのお店よ」
八幡「はいよ。風太郎大丈夫か?」
風太郎「何とかな。それよりも早く行こぜ。そこに他の奴らもいるんだろ」
八幡「そうだな。じゃあ行くぞ二乃」
二乃「うん」
オレ達3人は走ってお店まで向かい、屋上へ続く階段を駆け上がる。
二乃「きっともうみんな集まってるわ」
そして上がりきったと同時に
ドォォォォン!!!!
二乃「あっ」
夜空に大きく綺麗な花火があがった。それに続いて、二乃が思い出したかのように言う。
二乃「どうしよう…よく考えたら今年のお店の場所。私しか知らない…!」
八幡「なん…だと…!」
マジですか二乃さん……。
花火大会終了まで00:59:51
いかがでしたか?ではまた会いましょう。