八幡side
なんやかんやあった花火大会を終えて、そろそろ風が冷たく感じる季節となった。
今日も時間は過ぎて部室にいる。
雪乃「どうぞ」
八幡「サンキュ」
どうやら雪ノ下が紅茶を入れてくれたみたいだ。オレは淹れたての紅茶を冷ましながら飲む。こうやって本を読みながら紅茶を飲むのは落ち着くな。とその時ポケットの中に入っていた携帯が振動する。一体誰だよと思い携帯を取り出し送り主の名前を見る。するとそこにはオレがバイトしている家庭教師の補佐をする相手上杉風太郎だった。一体なんだよと思い内容を見るとそこには今すぐ図書館に来てくれという内容だった。いきなりなんだよ。まっ、しょうがない。いってやるか。
八幡「悪い、ちょっと呼び出しされたから行くわ」
雪乃「例の家庭教師かしら?」
八幡「ああ」
雪乃「そう、わかったわ」
八幡「おう、悪いな」
そう言って残っていた紅茶を一気に飲み。
八幡「じゃ、行くわ」
雪乃「ええ、また明日」
結衣「またねーヒッキー」
八幡「おう」
本をカバンにしまって肩にかけて部室を出て風太郎に呼び出された図書館に向かう。図書館ということは勉強でもしているのだろうか。図書館につくとそこには風太郎と一花、三玖、四葉がいた。やはり予想通り勉強をしていた。なんで呼び出しんたんだよ。すると一花と目が合う。
一花「あ、ハチマンくん」
八幡「おう」
四葉「あ、ホントだ!比企谷さんだ!」
三玖「どうしたの?」
八幡「いや、そこの風太郎に呼び出されたんだ」
一花「あ、それ私がお願いして呼んでもらったの」
八幡「は?一体なんで?」
一花「いや〜、それはね。はい」
そう言って一花は携帯を取り出す。
八幡「え?何?主語を言え主語を」
一花「メアドを交換しよってこと!」
八幡「え?なんでまた」
一花「いや〜、この先必要かなって思ってさ。風太郎くんにも言ったけど家庭教師的にもしておいた方がいいでしょ」
八幡「…なるほどな。確かにそうだがいいのか?」
一花「私から提案してるんだし良いに決まってるじゃん」
八幡「ああそうかい。わかったよやればいいんだろうやれば」
一花「うん、素直でよろしい」
はぁ…まったく。でもまぁ、確かに連絡先を交換しておいた方がいいかもしれないな。そしてオレは一花と連絡先を交換した後、三玖も連絡先を交換してくれた。それより
八幡「おい、風太郎。その頬はどうした?」
風太郎の頬には人の手形の後がついていた。
風太郎「いや、ちょっと…な」
八幡「二乃か五月に何したんだよ」
風太郎「おい待て!なんで俺が何かした前提なんだよ!」
八幡「違うのか?」
風太郎「そ、それは……」
あ、これはなんかあったな絶対。多分、二乃か五月に勉強をしろとか言って何から言ったからこうなったのだろう。まぁ、こいつだしな。
風太郎「そ、そういういえば八幡。もうすぐ中間試験だけど、どうだ?」
こいつ露骨に話を変えたな。
八幡「まぁ、ぼちぼちかな」
風太郎「へ〜、そうか。でも、こいつらはこのままではとてもじゃないが乗りきれない!」
八幡「…かもな」
風太郎「だから中間試験まで残り1週間の間、試験内容である国数英理社の5科目をこいつらに徹底的に教えるから手伝ってくれ!」
八幡「ええ〜、めんどくせぇ」
風太郎「お前は家庭教師の補佐だろ。だったら手伝う義務があるはずだ!」
八幡「いや、まぁそうかもしれねぇけどよ。……はぁ…わかったよ。やりますよ、やればいいんだろまったく」
風太郎「初めっからそう言えよ」
八幡「うるせぇよ。それで、残りの2人はどうするんだよ」
風太郎「それはおいおいする。今はここにいる一花と三玖と四葉が先だ」
八幡「へいへい」
まったく、なんでこんな仕事受けてしまったのだろう。まぁ今は手伝ってやるか。
風太郎「よし、それじゃ三玖。日本史以外にも他の教科の…!」
風太郎が何か言いかけた時、風太郎の顔は驚いた表情になった。
風太郎「み、三玖が自ら苦手な英語を勉強をしている…熱でもあるのか?」
八幡「お前、何気に酷いぞ」
でも、確かにこれは驚いた。三玖が苦手な英語を勉強をしているとは思わなかった。
風太郎「だ、大丈夫か?」
お前まだ言うのか?
三玖「平気、少し頑張ろうと思っただけ」
ほう…あの三玖がやる気に満ち溢れている。なら、オレと風太郎はそれに精一杯答えるだけだな。四葉も元々勉強にやる気はあるが…まだまだ赤点回避は厳しいだろう。一花も途中から勉強をし始めてくれている。少しでも良いから赤点を回避をしたくてはならないだろう。もし、無理そうならあいつらに頼るか?いや、でもなあいつらにも試験勉強がある。そんな中時間を分けて貰うのはちょっと気が引ける。だったらオレと風太郎でやるしかないな。
その後、オレ達は時間いっぱい勉強をした。最終下校の時間になったので勉強を終えて外に出る。もう外は夕焼けの景色が広がっていた。
四葉「あー、疲れた〜」
三玖「一刻も早く帰りたい…」
あ〜、ホントやっと終わったよ。マジで疲れた。こんなにやってもこの3人の点数はあと時のまま。どうすれば良いのだろう。と風太郎は考えているだろう。立ち止まって顎に自分の手を持ってきて考えるポーズをとっている。すると一花が風太郎の耳に息を吹きかける。
風太郎「ひいいっ!」
一花「そんなに根詰めなくていいんじゃない?中間試験で退学になるわけじゃないんだし。私たちも頑張るからさっ、じっくり付き合ってよ。ま、ご褒美くれるだったら、もっと頑張れるけどね」
本命はそっちかよ。
四葉「あ、私駅前のフルーツパフェがいいです!」
三玖「私は抹茶パフェ」
一花「なんか言ってたら食べたくなってきた」
三玖「みんな誘って今から行こうか」
あれ?そういえばさっき三玖は一刻も早く帰りたいとか言ってたような?
風太郎「一刻も早く帰りたいんじゃなかったのか?」
どうやら風太郎も同じことを思っていたらしい。でもオレは思ったけど口にはしていない。したのは風太郎。だから風太郎が悪い。よし、これで大丈夫だ。
四葉「上杉さんっ!比企谷さんっ!早くしないと置いてっちゃいますよ」
四葉が腕を振りながら騒がしくオレらを呼び、一花と三玖は微笑みながらこちらを振り返っている。そんな光景に、自然とオレらも笑みを浮かべるのだった。
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さて、帰るか。早く帰らないと小町が待っている。愛しのシスターが暖かいハイムで待っている。そう考えながら自転車に乗る。え?一花達と一緒に帰ったんじゃないのかって?んなわけねぇだろう。オレが一緒に帰ると思うか?オレは一刻も早く家に帰りたい思いでいっぱいいっぱいなんだ。それにオレも家に帰って勉強をしねぇといけねえしな。そう思い自転車を漕ぎ家に帰った。
そして翌日。オレは風太郎からある事を聞かされる。それは…
八幡「……は?5人全員赤点回避をしないとクビ?」
風太郎「あ、ああそうなんだ。あいつらの親父さんからそう言われた」
おいおいまじかよ。試験は来週だそれまで5人全員を何とか赤点回避をしないといけねぇのかよ。絶対に無理だろう。オレはクビになってもなんも心配はいらねぇが、風太郎はこれを続けないといけない理由はある。それより…
八幡「他になんかあったのか?」
風太郎「い、いや〜別に…なんにもないぞ」
怪しいな。他になんかあっただろう。そうだな例えば…二乃と五月のどちらかと何かあったか、妹のらいはと喧嘩したとかだろうか。こいつはシスコンだかららいはに嫌われるとかなり落ち込むんだよな。
八幡「まぁ、言いたくなければそれでいいさ。無理に聞き出そうとは思わん」
風太郎「…あ、ああ」
ホント何したんだろうな。
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そして今日はあいつらの家で家庭教師をする日なのだが…
四葉「私、結婚しました!ご祝儀ください!」
風太郎「あ、ああ」
八幡「ほらよ」
と四葉にゲームの金を渡す。え?なんでゲームのお金かって?それは今オレ達は人生ゲームというものをやっている。え?勉強してないって?これは息抜きにしている…らしい。
風太郎「ゲームでも貧乏な俺…」
いや、風太郎さん。それは笑えないのでやめてください。オレは大金持ちではなく、貧乏でもなく、普通くらいの金を持っている。
風太郎「ってエンジョイしてる場合か!」
そう言って立ち上がる風太郎。
風太郎「ほら休憩終わり。勉強の続きをするぞ」
一花「ええ〜!今日はいっぱい勉強したし」
四葉「もう頭がパンクしそうです」
三玖「無理は良くない」
まぁ、確かにな。無理して体調を崩したら元も子もないからな。それでも風太郎はあのクビの件で焦っているのだろう。
三玖「フータロー。なんかいつもより焦ってる…私たちそんなに危ない?」
さてどうするんだ風太郎。正直に言っても良いし、誤魔化すのもお前の勝手だ。……でも正直に打ち明けてもそれがプレッシャーになるかもしれない。オレもどうするかね。
風太郎「実は…」
二乃「あー!」
風太郎が何か言いそうになったのを二乃が遮る。
二乃「なんだー、勉強をサボって遊んでるんじゃない。私もやる。あんたわかりなさいよ」
三玖「フータロー、実は何?」
風太郎「あ、いやなんでもない」
二乃「うわ、お金少な!」
まぁ、今は言わない方がいいのかもしれない。この事を二乃にしれたらどうなるのかわかったもんじゃない。
二乃「あんたも交ざる?」
二乃がそう言いながら風太郎の後ろの方に視線を送る。それにつられてオレと風太郎も振り返ってみるとそこには五月がいた。
風太郎「五月…昨日は…」
とだんだん声が小さくなっていく風太郎。もしかして風太郎の奴、五月と何かあったな。
五月「私はこれから自習があるので」
風太郎「お、おい!」
五月は部屋に戻ってしまった。
二乃「ほら、あんたも今日のカテキョーは終わったんでしょ。帰った帰った」
そう言いながら風太郎を玄関まで押していく二乃。けれど風太郎はそれを抵抗してくる。何やってんだよまったく。
八幡「それもそうだな。帰るぞ風太郎」
風太郎「え?」
八幡「五月と何があったか知らんが今日のところは一旦引いた方が良い。お前も少しは頭を冷やせ」
オレは風太郎の耳元でそう囁く。いくらここで足掻いても良い方には向かないだろう。
風太郎「そ、そうだな」
どうやら風太郎もわかってくれたみたいだし、帰る時にでも話を聞いてやるか。そう思いながらオレと風太郎は部屋から出ようとした時だった。
一花「ちょっとフータロー君、ハチマン君。約束が違うじゃん」
二乃・風太郎・八幡「「「え?」」」
約束?約束ってなんだ?風太郎と戸塚しか友達はいないけど、約束なんてした覚えがないぞ。一体一花は何を言っているだ?
一花「今日は泊まり込みで勉強を教えてくれるって話でしょ?」
二乃・風太郎「「え?」」
八幡「……はい?」
あれれ〜?おっかしいぞ〜?そんな約束をした覚えがない。いや、絶対にしてない。
二乃・風太郎「「ええーっ!?」」
そんな事を考えていると近くにいた風太郎と二乃が大声を出す。いや、ちょっと声を小さくしてくれませんかね。鼓膜破れちゃうだろ。だが、ここでオレの十八番であるステルスヒッキーを発動させて部屋から出る。幸いにもドアの近くだったのでラッキーだ。そしてドアノブを手にかけた瞬間、反対の腕が誰かに掴まれたのだ。まさかのステルスヒッキー失敗とは。オレは後ろをゆっくりと振り返る。そこにはオレの腕を掴んでいる二乃の姿があった。なんだかすげぇニコニコしてやがる。
二乃「もぉ、ハー君ったらそういう事なら早く言ってよ〜。色々と準備したのに」
八幡「はい?じゅ、準備?」
二乃「そうだよ」
八幡「具体的になんの準備なんだ?」
二乃「それはご飯の準備とかお布団の用意とかだよ」
八幡「けどオレはそんな事一切聞いてないぞ」
一花「えぇ〜、約束したじゃん。忘れるなんて酷いよハチマン君」
八幡「いや、そんな約束した覚えがない」
一花「もういいじゃん。だから今日はよろしくね」
八幡「なんでだよ」
いくらなんでも横暴過ぎるだろう。
八幡「オレは帰らせてもらうぞ」
そう言って帰ろとしても無駄だった。それは二乃がオレの腕をガッチリと掴んでいた為帰ることができなかった。これが風太郎や材木座が掴んでいたら無理やり引き剥がすのだが、相手は女子だ。そんな事してケガでもしてらオレは悪人にたなってしまうので、できながった。
八幡「二乃さんや、離して貰えないでしょうか?」
二乃「い・や・よ。だって今日はハー君は泊まり込みで家庭教師をするんでしょ。だったら帰らす訳にはいかないよ」
くっ、こんな時だけそういうことを言うんですねあなたは。でも待てよ。これは一花が風太郎に対しての助け舟ではないだろうか。いや、でもそうと決まった訳でもない。じゃあなんで?くっ、これ以上考えても無駄か。ここは大人しく一花の言うことに従っておくか。
八幡「わかったよ。帰らないから離してくれ」
二乃「ホントに?」
八幡「ああ」
二乃「わかった」
わかってくれたのかオレの腕を解放してくれた。ああ……もう、どうにでもなれだ。
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そしてあれから晩飯を食べた後、お風呂に入ってさっぱりした後、オレは一花達の勉強を見ている。風太郎は今は入浴中であるためオレが見ることになった。まぁ、泊まることは小町には報告済みである。まぁ、これでこの3人くらいは赤点回避が出来ればいいんのだがな。
四葉「上杉さんお風呂長いね」
勉強に四葉そうつぶやく。
一花「きっと美少女たちの残り湯を堪能しているんだよ。ね、ハチマン君」
八幡「何故オレに聞く?」
一花「いや〜、ハチマン君もそうかなって思ってさ」
八幡「はぁ…そんな事言っている場合に1問でも答えられるだろう。さっさとやれ」
一花「もぉ、つれないな〜」
八幡「はいはい」
いやもうホント何考えてんだよ一花の奴。からかうためだけにこんな事をしたのか?
三玖「…お風呂」
そう考えていると三玖は小さくつぶやく。
一花「呼びに行く?」
一花の問いかけに首を横に振る三玖。けど一花はさらに三玖近づき三玖の耳ほどまで近寄る。
一花「せっかくフータロー君いるんだから積極的にアプローチしなよ〜」
三玖「な、なんのことだかわからない」
一花「あの二乃だってハチマン君にアプローチしてるじゃん」
三玖「二乃は二乃だよ。私は私」
一花「ふーん。ま、そういう事にしておくよ」
なんの会話しているのかオレには聞こえなかった。別に聞きたいとは思わないから良いけどよ。そんな事をしていると風太郎がやっと風呂から上がってきた。
八幡「遅かったな」
風太郎「ああ…待たせて悪かったな。早速試験対策をしないとな」
何やら前よりも焦っているようにも見える。だって目がちょっと泳いでいるからな。風呂で何かあったのか?それともペースを早めていく方針か分からないけど、前よりも様子がおかしい事が分かる。一体どうしたんだ?それに風太郎が出てくる前にも二乃の様子がおかしかったな。何やら悩みながら自分の部屋に入っていったし、何かあったのか?
八幡sideout
二乃side
今日はハー君が家に泊まることになった。それを聞いて嬉しかったけど、あいつも一緒なのはちょっと嫌だけど仕方ない。けど、さっきあいつから聞いた事、今度のテスト1人でも赤点とったらクビという話。いい事を聞いたけど、あいつがクビになるのならハー君までもクビになってしまう。せっかく再会できて家庭教師という口実でハー君を私たちの家に入れることができたのに、もしこれで赤点をとったら、ハー君は家庭教師じゃなくなってしまう。そうするともう家に入れる口実ができない。赤点回避をしたらハー君のクビは無くなり、また家に入れることができるけど、そうすればあいつもクビじゃなくなってしまう。赤点をとってあいつをクビにしてハー君もクビするか、赤点を回避してこれまでのようにハー君に家庭教師を続けてもらうか。と言っても私は今まで勉強してない。でもハー君ともっと関わっていたい気持ちもある。一体どうすれば良いのよ!
二乃「はぁ…ちょっと水でも飲もう」
そう思い部屋から出ると何やら話し声が聞こえてくる。
風太郎「よーし、俺の好きな女の子の要素は言った!次は八幡お前だ!」
え?今ハー君の好きな女の子って言った?それを聞いて私は2階からハー君達を見る。ここでハー君の好きなタイプを知ることができるのはラッキーだわ。
八幡「なんでオレまで言わなくちゃならん!一花達は風太郎の好きな女の子のタイプを聞いたんだろ?だったらオレが言う必要ないだろ」
それを聞いて私はハー君らしいやと思った。
一花「そんな事無いよ。私も聞いてみたいと思っててさ。」
八幡「前にも言ったがオレは人を好きになった事は無い」
一花「確かにそれは聞いたけどさ。ほら、何か無いの?フータロー君みたいに元気な子とか、料理上手な子とかさ」
八幡「はぁ…それを聞いてどうするんだよ」
一花「別にただ私が聞きたいだけだよ」
三玖「私も聞いてみたい」
四葉「私もです!」
風太郎「ほら、こういってるんだし何か言ってやれよ」
八幡「原因を作った奴が何を言うか。……はぁ、まったく。あーもう!わかったよ!言えば良いんだろ言えば!」
一花「わーい、やったー」
どうやらハー君は言うみたいね。これはちゃんと聞いとかなくちゃいけないわね。
八幡「まぁ、そうだな風太郎みたいに家庭的な女の子は良いかもな」
一花「へ〜、そうなんだ。で?他には無いの?」
八幡「そうだな……今はそれぐらいしかないかもな」
一花「そっか〜」
どうやらハー君は家庭的な女の子が好みらしい。これは私にもチャンスはある。自分で言うのもあれだけど私はかなり料理は上手い方である。だからもっと家事とかをできるようになってハー君を絶対に振り向かせてやるんだから!そう思いまた部屋へ戻った。
二乃sideout
八幡side
八幡「ほら、言ってやったんだから勉強の続きをしろ」
一花「はーい」
そして勉強の続きをしようと思ったら三玖が課題を終わらせていたのを一花が気づき、風太郎の手を取って三玖の頭に乗っける。そして一花がドキドキしたと聞いても風太郎は別にと答え、それが気に入らなかったのか四葉にチェックの指示を出す。それを風太郎は拒否をして四葉から逃げ回る。やっと捕まえてチェックするとドキドキしていることがわかるがあんなに走ったらそうなると答える風太郎。いや、マジでなにしてんのコイツら?そう思っていると2階にある部屋のドアが開く音が聞こえたと思ったら
五月「騒がしいですね。勉強会とはもっと静かにやるものだと思ってましたが」
五月がそう言いながら下に降りてきた。まぁ、確かに騒がしかったな。
一花「ごめんねー」
五月「三玖、ヘッドホンを貸してくれませんか?」
三玖「いいけどなんで?」
五月「1人集中したいので」
風太郎「五月!お前の事信頼していいんだな」
五月「足手纏いにはなりたくありません」
そう言い自室に戻る五月の後ろ姿を、オレはただ眺めることしかできなかった。ここでオレが何ができる?下手な事言って火に油を注ぐような事になればもっと大変な事になるだろう。今は黙っておくしかないな。
一花「フータロー君、見て星が綺麗だよ。ちょっと休憩しよ」
風太郎「一花また突飛なことを…」
八幡「行ってこい」
風太郎「八幡……」
八幡「三玖と四葉はオレが見とくからよ」
風太郎「わかった」
そう言って風太郎は一花と一緒にベランダへと出ていく。オレはさっきも言ったように三玖と四葉に勉強を教えようとしたけど、三玖は四葉に戦国武将の名前を教えていた。ここは三玖に任せておくか。何かあればオレに聞いてくるだろう。
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その後寝る時間になったので寝る訳だが、オレと風太郎がソファーか床で寝ると言ったら、頑なにそれを阻止してベットで寝させようとしていた。いくらなんでもそれはダメだろうと思いオレは何とか毛布を貰いソファーで寝れる事ができた。風太郎に関しては三玖の部屋のベットで寝ることになり、部屋の主である三玖は一花と一緒に寝るそうだ。まぁ、そんな事より風太郎は五月に何をしたのかわからんがこのままで良いとは思っていないだろうな。それとあと一つは二乃だ。あいつは勉強をしているようでしていない。風太郎も勉強をさせようとするが頑なにしようとしない。オレも二乃に勉強をさせる案を考えているがいい案が思いつかん。一体どうすれば良いのだろうか。そんな事を考えていると次第に瞼が重くなり思考が鈍ってくる。
八幡「まぁ、後はおいおい考えるか」
そうリビングに1人でそう呟きながら意識を手放した。
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なんだかオレの体が揺れているような気がする。でもそれはなんだかオレを気遣うように揺らす柔らかい手。その感覚でオレの瞼が開く。
八幡「ん…?」
朝の光が眩しい。その光の中見えてきたのは、この家の次女である中野二乃だった。あ、そういえばオレはコイツらの家でお泊まりしていたんだったな。
二乃「おはようハー君」
八幡「あ…ああ、おはようさん」
二乃「どう?眠れた?」
八幡「ああ、よく眠れたよ」
二乃「でもソファーで寝たら体が痛くならない?」
八幡「いや、別に痛くなかったぞ」
二乃「そう?なら良いけど。あ、朝ごはん作ってあるから」
八幡「え?何?作ってくれたの?」
マジですか。昨日も作ってくれたし、風呂まで貸してくれたのにまた朝飯まで作ってくれるだなんて。
二乃「当たり前でしょ」
八幡「そうか。ありがとな」
二乃「どういたしまして」
その後着替えた後、オレは二乃が作ってくれた朝飯を食べるため席に着く。するとそこには一花と五月が既にいた。
一花「あ、おはようハチマン君」
五月「おはようございます比企谷君」
八幡「おう、おはよう」
一花「ソファーで寝たんでしょ?よく眠れた?」
八幡「ああ」
一花「そっか」
八幡「で?風太郎は?」
一花「さぁ、まだ寝てるんじゃない?」
二乃「あいつ本当に泊まったのね」
八幡「いや、オレが泊まったんだから、風太郎も泊まってるに決まってるだろ」
二乃「それもそうね」
いや、ホントどんだけ風太郎の事嫌いなんですか二乃さん。まぁ、そんなことよりもせっかく作ってくれた朝飯を食べるとするか。
八幡「いただきます」
二乃「どうぞ」
オレは作ってくれた朝飯を1口、口の中へ運ぶ。
八幡「…うまい」
二乃「ホント!?」
二乃はそう言ってズイッと顔を近づけてくる。ちょっと二乃さん近いですよ。
八幡「あ、ああ…店に出せるレベルだと思うぞオレは。後それとちょっと…近い」
二乃「え?あっ!ご、ごめん!///」
八幡「い、いや、大丈夫だ」
二乃は落ち着いたのか先程座っていた席に座り直す。オレも朝飯の続きを食べる。
一花「良かったね二乃」
二乃「う、うっさい!」
一花「あはは、もう照れちゃって」
二乃「一花、あんたねぇ!」
一花「まぁまぁ。それと二乃も勉強参加すればいいのに案外楽しいよ」
お、どうやら一花は二乃を勉強に誘ってくれてるみたいだ。これで二乃も参加してくれたら……
二乃「嫌よ」
はぁ…やっぱり無理だったか。それと…
八幡「どうした五月」
五月「え?」
八幡「なんだか様子がおかしいと思っただけだ。なんかあったのか?まぁ、ただのオレの思い違いならいいんだが」
五月「……」
八幡「まぁ、言いたくなければそれで良い。別に無理やり聞こうと思わないからな」
五月「…はい」
八幡「ごちそうさん」
二乃「お粗末さまでした」
八幡「スマンがトイレ貸してくれるか?」
二乃「ええ、いいわよ。トイレはあそこにあるから」
八幡「サンキュ」
さてと、このままじゃ本当にクビだろうな。もし、そうなると風太郎は新しいバイトを探すか、前みたいに家で勉強ばっかのどっちかだろうな。もしそれで新しいバイトを探すのであればオレも手伝ってやるか。そんな事を考えながらトレイを済ませて、リビングに戻ると
五月「もう、結構です!」
バタン
五月がそう言いながら自分の部屋へ戻っていく場面だった。え?一体何があったの?すると風太郎が三玖の部屋から出てきた。あー多分予想はつく。
一花「フータロー君。三玖どこ行ったか知らない?」
風太郎「あ、えーっと……図書館…かな」
一花「おお!いいね。じゃあ私達も気分を変えて図書館で勉強しよっか」
風太郎「そ、そうするか。八幡も行くぞ」
八幡「へいへい」
ということでやってきました図書館。ここに三玖がいるらしいが本当かどうか知らない。
四葉「えーっと三玖はどこかなー?」
そう言いながら四葉と一花は三玖を探すために周りを見渡している。そんな光景をオレと風太郎は見ていた。が、何やら風太郎は悩んでいる様子だ。さっきの五月の件だろうか。
八幡「おい、風太郎」
風太郎「ん?なんだ?」
八幡「何があったか知らんが、良いのか?」
風太郎「わからん。でもあいつは1人でできると言ってたんだ。それに賭けるしかない」
八幡「そうか。お前がそう決めたのなら、オレは何も言わない。けど、もし何かするのなら言ってくれ。手伝ってやるからよ。奉仕部の一環として」
風太郎「…八幡」
四葉「上杉さん、比企谷さん。どうかしたんですか?」
風太郎とそんな話をしていると四葉が話しかけてきた。
風太郎「え、あ、いやその………四葉例えば…例えばの話なんだが、この先五人の誰かが成績不良で進学できなかったとする。その時、お前はどうする?」
四葉「私ももう1回2年生をやります」
風太郎の問いかけに相当する四葉。一瞬でも考えるかと思ったがすぐに答えたな。
四葉「と言っても私が一番可能性がたかいんですけど、あはは…。でも、上杉さんと比企谷さんがいればそんな心配いりませんね」
風太郎「…そうか」
八幡「…さいで」
すると四葉の後ろにいた一花が風太郎に近づいてくる。
一花「フータロー君、ハチマン君、私うっかり筆箱忘れちゃった」
風太郎「…え」
四葉「一花、書くものなら私がたくさん…」
と言いかけたところで一花が手を出して遮る。それを見た四葉は不思議そうにする。
一花「私たちだけで先に始めてるから、忘れ物取ってきてくれる?」
そう言いながらウインクする一花。それを見たオレは一花が考えている事がわかった。なるほど、そういう事か。だったら手伝ってやるか。
八幡「そうだな。オレが2人の事見とくから、お前はさっさと忘れ物を取ってきてくれ」
風太郎「…ああ、わかった。行ってくる」
そう言って風太郎は図書館から去っていった。四葉は何が何だか分からない様子。
八幡「下手くそだな」
一花「ハチマン君だけに言われたくないな」
八幡「そうか?」
一花「そう」
八幡「そうかよ。ま、後は風太郎に任せて勉強を始めるか」
一花「うん、そうだね。ほら、四葉行くよ」
四葉「あ、待ってよ一花、比企谷さ〜ん」
後は任せたぞ風太郎。そう願った後、オレは一花、四葉、後から来た三玖の3人の勉強を教えた。
いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。