相手の動きが分かるのは普通じゃないですか? 作:雑食で節操なし
作者の熱いパトスが溢れた結果色々と捏造してしまいました。
お許し下さい。
次の大規模侵攻に対して少しでも防衛力を高めるべしという市民からの声を受けた為、急遽スカウトに出ていた人材を呼び戻す事を決定したボーダー。
玉狛支部、支部長である林藤匠の姪っ子である林藤ゆりとミカエル・クローニンたちもまた呼び戻された人たちである。
玉狛支部の先輩を迎える為に玉狛支部に集合した修たちはそこで珍しいモノを見た、落ち着いた筋肉の異名で呼ばれるレイジがそわそわしているのだ、というかいったい幾つの異名を持っているのか。
そして現れたミカエルがネイバーだと驚愕の事実を聞かされる事となった、そして一緒に連れてきた人物がいるらしく今外で待っているらしい。
そしてその人物を招き入れる役目を受けたのは修だった、いつもどうり冷や汗をかきながら玄関まで行きドアを開けるとそこには自らの許嫁にしてA級4位草壁隊隊長兼オペレーターの才女草壁早紀がそこに居た。
突然の再開に目をパチクリさせるも直ぐに持ち直し「久しぶり、早紀」そう挨拶する修、草壁もまた久しぶりね、修と返す。
「初めて見る服だね、早紀らしくて良く似合ってる」
草壁に仕込まれた事の一つである女性の服装を褒める修に対し顔をプイッと背け「知ってるわよ」と不器用に返事をする草壁だが、その頬には若干赤みがさしているので照れているのが分かる人には分かる。
それに唖然としているのが千佳と遊真を除いた玉狛支部の者たちだ、あの修が女性の服装を褒めるなんて、というか修と草壁は面識が会ったのか、どうすれば俺もゆりさんと緊張せずに話せるだろうか、などだ、ちなみに上から小南烏丸レイジである。(レイジは小声だったが)
「早紀ちゃんと修くんが許嫁だって聞いてビックリしちゃった」
だから連れて来たの事もなしげに言うゆり、だが修に許嫁が居ることを始めて知った小南たちはそれどころではなかった。
先ほど以上にざわめき出して喧々囂々の大騒ぎである。
「えっ!嘘でしょ?!また私をからかってるんでしょ」
と確認をする小南、残念ながら事実である。
「まさか修に許嫁が居るなんてな、今夜は赤飯か?」
少しずれた事を言う烏丸、まだおめでたい事は当然起きていない。
「許嫁、か…その手が会ったか、いやダメだそしたらゆりさんが他の男の手に……いっそ婚約を前提にお付き合いを」
脳の処理が上手くいっていないのかブツブツと早口で呟くレイジ。
「はぁー…凄いね修くんその歳で許嫁なんて、流石メガネ!」
メガネは関係ありません宇佐美さん。
「なに?言ってなかったの修、その割にはその白髪の子は知ってるみたいだけど」
そう確認を取る草壁に対して空閑と早紀の隊員の緑川、後は緑川の幼馴染みの黒江には伝えている、とそう言う修。
「黒江?……もしかして加古さんの隊員の黒江ちゃんかしら」
「えっ、そう…だけど、どうしたんだ早紀、眉間に皺が」
「誰のせいだとだと思っているのよ……それで仲は良いのかしら」
その言葉に少しだけ考え込むも良くしてもらっている実感があった為今まであった事を伝える修。
「良く一緒に訓練に付き合ってもらってるよ、ただ…よく顔が赤く成るから体調が良くない時は無理しなくて良いて伝えてるんだけど」
そう語る修の眼には心配の色が濃く写し出されていた、それを聞き深くため息を吐く草壁、こうやって無自覚に人に優しくするのは相変わらずだと心の中でまた一つため息をついた。
その後草壁を家まで送って行こうとする修を小南たちが食い止め二人の話を聞こうと色々と画策した結果、ものの見事に捕まってしまっていた。
根掘り葉掘り聞き出された為修はぐでっと疲れはて草壁は顔を真っ赤に染め手扇で扇いでいる。
そこにしれっと登場した支部長の林藤匠は笑いながら更なる爆弾でもある動物園のペアチケットをプレゼントしてきた、それに反応してキャアキャア悲鳴を上げる小南や色めき立つ玉狛支部のものたちに睥睨する草壁だった。
そして数日後リフレッシュを兼ねて件の動物園に行くことになった修と草壁の二人は駅前にて待ち合わせしていた、そして現れた草壁のいつもとは違うよそ行きの服装に感嘆の声を漏らす修。
何時ものパリッとした服装とは違い可愛らしい格好をしている草壁に対して素直に誉め称えると短く返して顔を背けるのだった。
そんな二人から離れていく末を見守る小南に宇佐美、千佳と遊真、そして迅と陽太郎の六人は密かに着けた通信機を通してやり取りを聞いているようだ。
あの早紀ちゃんが照れてるとは誰の言だったかはさておき早速移動するようだ。
見て小南、修くんさりげなく車道歩いてる。こういう所ポイント高いわよ、覚えておきなさい迅。わぁあ、修くん何時もみたいにメガネかけてない、服もカジュアルで似合ってるね、遊真くん。
はしゃぐ女性陣と逆に著しくテンションが低い、遊真は何が面白いのか分からず頭の上で疑問符を飛ばし、迅はこの未来は読み逃がしたと頭を抱えている、なお陽太郎は動物に会えると素直に喜んでいる。
動物園に着いた二人は人気のエリアであるパンダに会いに行くことにした、実はつい先日パンダの赤ちゃんが公開され始めたばかりなのだ。
まあもっともお互いに頬を緩めておらずどちらかと言うと話のたねとして利用しているといった様子である、ともすれば近状報告と思われるやり取りをしている。
そのやり取りにやきもきする小南たちだが二人が別の場所に向けて歩き出した為急いで追いかけるようだ。
その後小動物コーナーにやって来た修と草壁、部屋の中に入った瞬間大小様々な愛玩動物たちが一斉に修の元へと駆け寄り毛玉団子が出来上がる。
無理やりはね除ける事も出来るのだがそんなことをすれば傷つけてしまいかねず唯唯耐える選択肢が無い、その間草壁は無言でカメラのシャッターをきっていた。
やがて少しずつ修の周りから離れていく動物たち、そして何故かドヤ顔で誇る草壁に思わず助けてくれても良いだろう、とツッコミを入れるもあんたならこれくらいどおってことないでしょと反論されてしまい少しむくれる修、それを見た草壁はプイッと顔を背ける。
「それにしても全く離れないわね、この子」
今なお修の腕の中で丸くなっている一匹のウサギがいてまったく離れようともせず、顎を擦り付け自分のものだと主張するのだ。
最初は微笑ましげに見ていた草壁も次第に眉間に皺を寄せ始めている、手を伸ばすとブッブッと鳴くのだ、このやり取りも既に三回目である。
(まったく、動物にも好かれるのは良いけどこのままじゃあ他の場所に行けないじゃないの、久しぶりのデートなのに)
内心苛立ち始め徐々に険しい顔になる草壁、それに対して自分だけが抱いているからかなと的外れな感想を抱く修。
遂に我慢の限界に達した草壁が意を決してウサギを持ち上げ床に下ろし修の手を取ると足早に出口へと向かう草壁、ダンッ!瞬間に響くスタンプ音、恐る恐る振り替えると、そこには真っ直ぐに此方を見据えるウサギの姿が。
それを見て草壁の手を優しくほどきウサギの目の前でしゃがみこむ修、ゆっくりと頭を撫でながら静かに声をかけていく。
程なくして行こう早紀、そう言い手を取り所謂恋人繋ぎの状態でそのまま出口へと歩いて行くのだった。なお修の心情としては、ウサギを一人じめしていた償いの方が大きかった為と記載しておこう。
それから幾つもの施設を巡り帰宅の時間となり修は草壁を自宅まで送っていた。
因みに玉狛の者たちは、草壁の嫉妬している所や、修の団子状態、虎が吠えた際にスッと草壁の前に立ち眼を細める修を見てまたもや騒ぎ始めていた。
お互いに何か話題を出す訳でもなく唯唯無言で歩く二人、だがその事が嫌ということもなく心休まる時間だった。
そして草壁の家の前に着いた二人、するとおもむろに草壁がこう切り出した。
「修、あんた……遠征部隊を目指してるんですってね」
「なら私の部隊に来なさい、それが一番確実な方法よ、あんたも入れたら五人編成に成るけどそれも今までの実績で黙らせられるわ」
だから……あんたの返事を聞かせてちょうだい、そう言い切ると口を閉じる草壁。
「僕は……僕たちは三人で遠征部隊に成ると決めたんだ、僕だけが選ばれても意味がない」
だから…ごめん早紀、そう言い頭を下げる修。
暫しの沈黙の後大きなため息を吐くと、分かってたわよバカ修、相変わらずお人好しなんだから、千佳ちゃんとあの子…空閑くんの為なんでしょ、頑張んなさいよ。
そう言い素早く玄関を潜る草壁、ドアに背を向けたまま。そんなあんただから…私は好きなのよ、そう呟いた。
修くん
動物にも好かれるのは生まれ持った特技の一つ、幼少期から母親や許嫁に女性の扱いを仕込まれた結果、若干ジゴロの特性を持っている。
今一番欲しいものはトリオン能力。
草壁早紀さん
作者の熱いパトスの影響で暴走させられたお人、その結果が修くんの許嫁であり、修くんの一番の理解者。
なお修くんとの思い出アルバムは15の大台に突入した模様。
今一番欲しいものは修くんと離れていた際に起きた数々の写真。
黒江ちゃん
本作のヒロインの一人なのに今回の話では影も形もなかった人、なお動物園のくだりでの出演のパターンも用意されていたがハンカチを噛む展開かハイライトオフの展開しかなかった為むしろ出番が無くって良かったと思う。
今一番欲しいものは修くんの隣。