使徒戦は、色々手を加えたい!使徒線終わらせてアスカ早く登場させてええええええ!
No.1.97
「これも父の仕事ですか」
シンジは不安な表情を少し強張らせた。
「そうだ」
シンジたちのいる空間にゲンドウの低い声が響いた。
「久しぶりだな」
シンジが上を見上げると、高い位置に設けられたコントロールルームのガラス窓から、ゲンドウがシンジを見下ろしていた。
「父さん……」
シンジはゲンドウから目を逸らす。
「ふっ。……出撃」
ゲンドウは不敵な笑みを浮かべながら、何の前触れも無く出撃を命ずる。
「出撃!?零号機は凍結中でしょ!?……まさか、初号機を使うつもりなの!?」
ミサトは、ゲンドウのからの命を聞いてリツコに詰め寄り、そして、初号機の方を見てから、自分が聞かされていた話の流れとは違うことに困惑して表情を曇らせる。
「他に道は無いわ」
リツコは、出撃は想定済みという様子で、表情は変わらず平然としてる。
「碇シンジ君?」
リツコはシンジの方を見た。
「はい」
シンジは突然名前を呼ばれてリツコの方へと顔を向ける。
「あなたが乗るのよ」
リツコは鋭い視線をシンジに向ける。
「え?」
シンジは、突然突きつけられた現実を理解できずに、目の前にある初号機を見て立ち尽くす。
「父さん、なぜ呼んだの?」
「お前の考えている通りだ」
ガラスの向こうでポケットに手を入れて立っているゲンドウが、シンジを見下ろす。
「じゃあ、僕がこれに乗って、さっきのと戦えって言うの?」
シンジは下を向いたまま、目線を合わせずゲンドウに聞く。その声は震えている。
「そうだ」
ゲンドウは、即座に答える。視線は、シンジへと向いてる。
「嫌だよそんなの!何を今更なんだよ!父さんは、僕が要らないんじゃなかったの?」
シンジは目に涙を浮かべながら、反抗的な顔をゲンドウに向ける。
「必要だから呼んだまでだ」
ゲンドウは一定の口調で冷淡に話を続ける。
「どうして、僕なの?」
シンジは、声色を落とす。
「他の人間には、無理だからな」とゲンドウは言い切る。
「無理だよそんなの!見たことも聞いたことも無いのに、出来るわけ無いよ!」
シンジは、床に視線を落として声を震わせる。
「説明を受けろ」
ゲンドウは、言い訳を一切受け付けないという態度を続ける。
「そんな...できっこないよ!こんなの乗れる訳無いよ!」
シンジは、目の前の事実を受け入れないように強く目をつむって言葉を吐き出す。
「乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ!」
使徒の放つ光線がジオフロント内部を揺らした。
揺れに気づいたゲンドウは天井を見て、つぶやく。
「奴め、ここに気付いたか」
『第1層・第8装甲版、損壊』
使徒が放った第二波の影響を報告するオペレーターの音声が流れる。
リツコは、シンジの方を見つめ決断を迫る。
「シンジ君、時間が無いわ」
『Dブロック各所にて火災発生。指定域内の全通路を緊急閉鎖』
シンジは思い悩んで言葉を失う。自分ではどうしていいのか分からずに、助けを求めるような表情でミサトを見る。
「乗りなさい」
事態を把握したミサトは、腕を組んでシンジに指示する。
「嫌だよ……せっかく来たのに、こんなの無いよっ!」
ミサトにまで撥ね付けられたシンジは、再度下を向いてしまう。
「シンジ君、何のためにここに来たの?だめよ逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から」
ミサトは、少し腰を屈めてシンジに目線を合わせる。シンジは、ミサトの目から逃げるように下を向く。一瞬であるが自分を見つめ直す。
「父さん、僕が乗らないって決めたらどうするの?」
決心しないシンジを見たゲンドウは、モニター越しに冬月を呼び。シンジの方を見つめたまま言う。
「冬月、レイを起こしてくれ。お前の代わりはいる。」
それを聞いたシンジは、自分の弱さに不甲斐なさを感じ下にまた顔を向ける。
「使えるかね?」
冬月はゲンドウの意図を察するが、念のため確認を取る。
「死んでいるわけではない」
「分かった」
冬月がモニターから姿を消すと、別の画面に切り替わる。ゲンドウは音声通信のみになったモニターに話しかける。
「レイ……」
「はい」
ゲンドウが呼びかけると、モニターから少女の声が聞こえる。その声は、細く平坦で冷たいというような、感情の純度が極めて低く、乾いた声だった。
「予備が使えなくなった。もう一度だ」
「はい……」
そしてその声は、ゲンドウの指示に驚くほど素直だった。
No.1.98
「初号機のコアユニットを、L-00タイプに切り替えて、再起動!」
リツコは作戦の変更に備えてオペレーターに指示する。
「了解、現作業を中断、再起動に入ります」
オペレーターの一人、伊吹マヤがそれに応じた。
(やっぱり僕は、要らない人間なんだ。)
シンジは、慌しくなった周りの大人たちに置いていかれてるた感じ、自分の存在を否定する。そうしていると、奥のドアが開き、移動式のベッドに乗せられて少女が運び込まれてくる。その青髪の少女は、シンジと同じ中学生くらいの年齢で、細く、透き通るような白い肌をしていた。シンジは、彼女を見て驚いた。なぜなら、左手に点滴、右目に眼帯をして、どう見ても怪我人の格好をしているのだから。
「くっ……!はぁっ、はぁっ!」
自力で起き上がろうとするが、苦しそうな表情を見せる少女。
その時、またしても使徒の光線がジオフロントを襲う。放たれた光線は、ジオフロントの天井に張られた装甲を貫いて、収納されていた第3新東京市ビル郡を破壊する。破壊された建物は瓦礫となり、NERV本部へ雨のように降り注ぐ。その衝撃で、NERV本部を大地震並の揺れが襲う。
「きゃぁっ」
攻撃による揺れでベッドが倒れ、床に投げ出される少女。
「大丈夫ですかっ!」
シンジは少女の下へ駆け寄って行く。
その光景を見つめながら、ゲンドウは不敵な笑みを浮かべる。
「くぅっ!」
少女は、体の痛みに耐えながらも、苦痛の表情を浮かべる。
シンジは、少女の苦しむ姿を目の当たりにして、自分の置かれた状況と向き合う。少女が自分の代わりなのだと、自分はこのまま少女を行かせてもいいのかと、自問自答をする。背後に立っている初号機を振り返って確認する。自分の手を見ると、少女の流した血が付いている。それを見たシンジは、手を握りしめ、強く目を瞑って自分に言い聞かせる。
「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだっ!」
それを言い切ったシンジは、決意を固めて顔を上げゲンドウを見つめる。
「やります、僕が乗ります!」
No.1.99
初号機の発進準備が着々と進められている、メカニックが作業の進捗状況を伝える。初号機の格納庫から発令所に戻ってきたミサトとリツコがモニターを見守る。
『第3次冷却、終了』
『フライホイール、回転停止。接続を解除』
『補助電圧に問題なし』
「停止信号プラグ、排出終了」
マヤはモニター越しに状況を確認した。
『了解、エントリープラグ挿入。脊髄連動システムを解放、接続準備』
『探査針、打ち込み完了』
『精神汚染計測値は基準範囲内。プラス02から、マイナス05を維持』
「インテリア、固定終了」
マヤは、シンジが乗り込んだエントリープラグが無事に固定されたことをリツコへと報告する。
「了解。第一次コンタクト」
それを受けてリツコが指示を出す。
「エントリープラグ、注水」
マヤは次の段階に作業を進めた。
「うわっ、何ですか!?これ!うわっ…!」
コックピットの中がオレンジ色の液体で満たされていく。シンジは、次第に液体に包まれてしまい、思わず息を止める。
「大丈夫、肺がL.C.L.で満たされれば、直接血液に酸素を取り込んでくれます。すぐに慣れるわ」
リツコは、マヤの後ろに立ってモニター越しにシンジを落ち着かせようとする。
『主電源接続接続完了』
「了解」
リツコが言う。
「第2次コンタクトに入ります。インターフェイスを接続。A10神経接続、異常なし」
それに続けて、マヤが報告を続ける。
『L.C.L.転化状態は正常』
「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、全て問題なし」
シンジの乗ったコックピットから見える景色が移り変わり、正常に目の前の映像が映し出される。
「コミュニケーション回線、開きます。ルート1405まで、オールクリア。シナプス計測、シンクロ率45.3%」
マヤは、モニターに送られてくるデータを読み上げた。
「プラグスーツの補助も無しに?すごいわね」
エヴァに初めて乗るシンジの出した数値を見て表情を変えぬままリツコが驚く。
「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」
モニターを見つめながらマヤが告げる。
「いけるわ」
リツコは、後ろに立っているミサトの方に振り向いてゴーサインを出す。
「発進準備!」
それを聞いてうなずいたミサトは力強く号令を掛けた。
『発進準備!』
初号機の体を満たしていたプールの液体が抜かれて水位を下げていく。
『第1ロックボルト外せ!』
『解除確認』
『アンビリカルブリッジ、移動開始!』
初号機を固定していた橋が、ワイヤーとモーター音を鳴らしながら移動を始める。
『第2ロックボルト外せ!』
『第1拘束具、除去。同じく、第2拘束具を除去』
初号機の肩から腕にかけて固定していた壁のような機械がスライドを始める。
『第1番から15番までの、安全装置を解除』
『解除確認。現在、初号機の状況はフリー』
これまで初号機を固定していた拘束具が全て外され、エヴァンゲリオンの体が現れる。
『外部電源、充電完了。外部電源接続、異常なし』
「了解、EVA初号機、射出口へ!」
初号機を乗せたリフトがゆっくりと移動して、発射場所へと運んでいく。
『各リニアレールの軌道変更問題なし』
『電磁誘導システムは正常に作動』
『現在、初号機はK-52を移動中』
『射出シーケンスは、予定通り進行中』
『エヴァ、射出ハブターミナルに到着』
初号機が発射台に到着すると、射出口のドアが開いていく。
「進路クリアー、オールグリーン」
マヤがモニターのステータスを確認する。
「発進準備完了!」
リツコが最終的な確認を取る。
「了解。……構いませんね?」
ミサトは後ろの司令席へ戻ったゲンドウの方を振り返る。ゲンドウは机に肘を付いて顔の前で手を組み、落ち着いた態度で答える。
「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」
「碇。本当にこれで良いんだな?」
ゲンドウの傍らに立っていた冬月が念を押す。ゲンドウは、無言のまま不敵な笑みを浮かべる。ミサトは主モニターの方へと向き直すと大声で号令を掛ける。
「発進!」
自分は、シンエヴァ3回観ました。この小説を書くにあたってですが、シンエヴァ関連の考察は一切観ておりませんので、これが正しいんだ。などのご意見がある方もいらっしゃると思いますが、心の内にしまってくださると嬉しいです。
後に判明しますが今出ている使徒は、第五の使徒です。これは、ミスではありません。以後御見知りおきを。