No.2.1
「名前、決めてくれた?」
古い電車の夕陽の差す車内でシンジの母、ユイの声が聞こえる。
「男だったらシンジ。女だったらレイと名付ける」
ゲンドウがユイの問いに答える。
「シンジ、レイ、ふふっ。シンジ、シンジ、綾波、シンジ。レイ、レイ、碇レイ....」
「違う。……綾波、レイ」
暗闇からレイの顔が近づいてきた。
「はっ!」
シンジはその光景に驚いて眠りから目を覚まし起き上がった。シンジが居る場所は病院のベッドの上だった。部屋の窓からさ日差しが差し込んでいる静かな空間に、蝉の声が聞こえた。白く殺風景な空間に、何処となく孤独を感じた。それを紛らわしそうとした、シンジは起き上がったが、面倒くさくなって、もう一度ベッドに寝転がる。
「知らない天井だ……」
No.2.2
「どうだったーー?姫。ぽっと出のサードの戦いぶりは?」
暗い部屋で深く椅子に腰掛け、携帯に耳を傾ける眼鏡の少女。
「ぜっんぜん!だめだめね。アタシと弐号機だったら、瞬殺あんなの」
冷蔵庫の中から飲み物を出しながら、シンジの戦いを評価するアスカ。
「そっかーそっかー。むふふ。」
アスカの厳しい評価を聞きながら可笑しそうに笑う少女。
「何が可笑しいのよ…?」
アスカは目を細めて、話し相手を不審がる。
「なんでもないよーん。まぁ、そっちでも頑張ってねー」
応援の言葉を送って一方的に通話を切る。
「何よ、なぞメガネ。エヴァがないと、ほんと退屈。早くミサトー帰って来ないかなーー。はぁ…」
アスカは肘をつきながら、ため息を吐く窓から見える青空を見る。
No.2.3
使徒が自爆した爆心地を探索する偵察機。太陽が照りつける市街地は、ビルが倒壊し、輝く赤い液体で一帯染められていた。
暗く何もない空間に浮かび上がる七つの
「第5の使徒襲来とその殲滅、そして3番目の子供の接収、及びエヴァ初号機の初起動。使徒の順番に狂いが出た以外は、概ね既定通りだな」
モノリスに刻まれた番号01のキールが現状を振り返る。
「初号機本体の膨大な修理費も予定外だがね」
「凍結された零号機と比べれば、さして問題ではなかろう」
ゲンドウは手を組んで座り、ゼーレの音声を無言で聞いていた。
「多少不具合でも、第6の使徒出現時にまた役立てばよい」
キールが今回の件について言及する。
「ご心配なく。初号機の実戦配備。2号機と付属パイロットも、ドイツにて実証評価試験が終わり、パイロットは既に此方に到着しています。」
ゲンドウは答える。
「3号機以後の建造も、計画通りにな」
「NERVとエヴァの適切な運用は君の責務だ。くれぐれも失望させぬように頼むよ」
「さよう。使徒殲滅はリリスとの契約のごく一部に過ぎん。人類補完計画、その遂行こそが我々の究極の願いだ」
一堂の意見を聞いたゲンドウは、落ち着いた態度でそれに答える。
「分かっております。全てはゼーレのシナリオ通りに」