エヴァンゲリオン : traf   作:444k

6 / 6
脳死。


No.2.1-2.2

No.2.1

「名前、決めてくれた?」

 古い電車の夕陽の差す車内でシンジの母、ユイの声が聞こえる。

 

「男だったらシンジ。女だったらレイと名付ける」

 ゲンドウがユイの問いに答える。

 

「シンジ、レイ、ふふっ。シンジ、シンジ、綾波、シンジ。レイ、レイ、碇レイ....」

 

「違う。……綾波、レイ」

 

 暗闇からレイの顔が近づいてきた。

 

「はっ!」

 

 シンジはその光景に驚いて眠りから目を覚まし起き上がった。シンジが居る場所は病院のベッドの上だった。部屋の窓からさ日差しが差し込んでいる静かな空間に、蝉の声が聞こえた。白く殺風景な空間に、何処となく孤独を感じた。それを紛らわしそうとした、シンジは起き上がったが、面倒くさくなって、もう一度ベッドに寝転がる。

 

「知らない天井だ……」

 

No.2.2

「どうだったーー?姫。ぽっと出のサードの戦いぶりは?」

暗い部屋で深く椅子に腰掛け、携帯に耳を傾ける眼鏡の少女。

 

「ぜっんぜん!だめだめね。アタシと弐号機だったら、瞬殺あんなの」

冷蔵庫の中から飲み物を出しながら、シンジの戦いを評価するアスカ。

 

「そっかーそっかー。むふふ。」

アスカの厳しい評価を聞きながら可笑しそうに笑う少女。

 

「何が可笑しいのよ…?」

アスカは目を細めて、話し相手を不審がる。

 

「なんでもないよーん。まぁ、そっちでも頑張ってねー」

応援の言葉を送って一方的に通話を切る。

 

「何よ、なぞメガネ。エヴァがないと、ほんと退屈。早くミサトー帰って来ないかなーー。はぁ…」

アスカは肘をつきながら、ため息を吐く窓から見える青空を見る。

 

No.2.3

 

 使徒が自爆した爆心地を探索する偵察機。太陽が照りつける市街地は、ビルが倒壊し、輝く赤い液体で一帯染められていた。

 

 暗く何もない空間に浮かび上がる七つの黒い板(モノリス)。ゲンドウは、SEELEの会合にて、円を描くようにして並んだモノリスに囲まれている。

 

「第5の使徒襲来とその殲滅、そして3番目の子供の接収、及びエヴァ初号機の初起動。使徒の順番に狂いが出た以外は、概ね既定通りだな」

モノリスに刻まれた番号01のキールが現状を振り返る。

 

「初号機本体の膨大な修理費も予定外だがね」

 

「凍結された零号機と比べれば、さして問題ではなかろう」

 

 ゲンドウは手を組んで座り、ゼーレの音声を無言で聞いていた。

 

「多少不具合でも、第6の使徒出現時にまた役立てばよい」

 キールが今回の件について言及する。

 

「ご心配なく。初号機の実戦配備。2号機と付属パイロットも、ドイツにて実証評価試験が終わり、パイロットは既に此方に到着しています。」

ゲンドウは答える。

 

「3号機以後の建造も、計画通りにな」

 

「NERVとエヴァの適切な運用は君の責務だ。くれぐれも失望させぬように頼むよ」

 

「さよう。使徒殲滅はリリスとの契約のごく一部に過ぎん。人類補完計画、その遂行こそが我々の究極の願いだ」

 

 一堂の意見を聞いたゲンドウは、落ち着いた態度でそれに答える。

 

「分かっております。全てはゼーレのシナリオ通りに」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:25文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。