我が名を叫べ   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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ウマ娘のモブって普通に可愛い子とかカッコいい子とかいっぱいいるいね.....。
そんな中でも特にかっこいい名前の子がいたので、今はまだ居ないトリガーのアニメみたいなウマ娘も増えて欲しいという願いと共に書きなぐりました。
続きません。


私の名前は。

誰も居ない公園で、1人の少女が走っている。

振り絞るように、噛み締めるように、地面を蹴っている。

 

「まだだ.....」

 

全力を出して走る。例え気力が尽きたとしても、脚を前に出して錆びた歯車のように突き動かす。

 

「まだ......!!」

 

そして風を切り......

 

「......ダメだ」

 

それだけじゃダメだ。

 

『足りない』。そんな言葉が胸に溢れた。

気力はある。やる気もある。今までの積み重ねもある。

だがそれだけでは足りない。

あの【化け物】どもに打ち勝つには。

それ以上の何かが必要だ.....!!

 

 

貪欲に勝利を求めて伸ばす手を、勝利の女神は容易く振り払う。

なればこそ、自ら女神を掴み取り、すました顔に頭突きを入れてやればいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

トレセン学園。そこは、ウマ娘達が勝利を求めて研磨し合う至高の学び舎。

清濁をあわせ持つウマ娘の世界。レースの勝負は勿論、そこに至るまでの努力もまた、半端な覚悟を持つ者をふるい落とす。

 

「歓迎ッ!よくぞ我がトレセン学園に入学してくれたッ!!」

 

入学式が執り行われる中、理事長の祝辞を受け止めるウマ娘たち。勿論ここにいるウマ娘達は新入生ではあるが、それまでなんの努力もしていないのかと言われればそうでは無い。家の良さに上下はあるものの、全員我こそは頂点に立つのだと闘志に溢れるもの達ばかりだ。

入学までにも努力を積み重ね、ここトレセン学園をも踏み台にしてウマ娘達の頂点を掴み取らんとするもの達だ。

 

そんな中でも、既に頭角を表しているウマ娘も居る。

名家の生まれの者や、入学前から名前を轟かせる者だ。

期待され、走る前から喝采を浴びるもの達。

 

「羨ましいね.....。俺も1度は、拍手くらい受けてみたいもんだ」

 

 

 

 

 

デビュー戦の日程とトレーナー申請の期日が発表されてから数日、大体のウマ娘はトレーナーと一緒に訓練を始めていた。

一部のウマ娘はトレーナーが見つからず、迫る期日に焦りに焦っていた。

 

「どーすっかなー.....」

 

無論こいつもである。

何度かトレーナー候補の前で走ってはみたものの、どうにも選ばれないでいた。

雰囲気がそうさせるのか.....?と考えていると、

 

「君はまだトレーナーを見つけてないのかい?」

 

と後ろから声を掛けられた。身長はそれなりにあり、目の前のウマ娘より少し高い。

 

「それなら僕を、君のトレーナーにしてくれないか?」

「はぁ?走ったとこも見てないのにか?」

「あぁ。縁っていうのは何かと大事な物だ。だから君とここで出会えたのも、何かの縁だと思って」

「わけわかんねぇ.....」

 

トレーナーにしてくれという男の言い草に若干呆れるような素振りを見せて、少し考えたあと後ろを向いて歩いて行ってしまった。

 

「お、おいおい。まだ返事を貰って.....」

「何ぼさっとしてんだ」

 

 

 

「トレーナー申請は早めにした方がいいって理事長が言ってただろ?」

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでトレーナーとなった男と一緒に、来るべきデビュー戦に向けての訓練が始まった。

愚直に走っているだけだった今までとは違い、隣にトレーナーが居てくれる。なにか不調を感じて言ってみたら、今までの訓練を振り返って原因を探してくれた。

気分が乗らない時は無理に訓練するのはかえって逆効果だと言われ出かけたこともあった。

 

「なぁ、洗剤が安くなってるって。買お」

「俺はなんでトレーナーの買い出しに付き合ってるんだ......?」

「お出かけするって言ったらどこでもいいって言ったじゃないか」

「そういうことじゃねぇんだわ.....」

 

その中で、結構トレーナーは抜けたとこがあるってことも知った。

 

「いたた....」

「怪我の調子はどう?」

「いやこれくらいなんてことねぇよ」

「ダメだって、ちゃんと休まなきゃ.....」

「むぅ.....分かった。最初に訓練の判断を任せるって言ったのは俺だからな......」

 

訓練中に怪我をしたこともあったが、トレーナーの判断で訓練は休みにした。今思えば、この判断に助けられたと思っている。

そして、ついにその時が来た。

 

 

 

「じゃ、適当に走ってくるわ」

「うん。適当に1位になって来て」

 

私の番号は6番。そして7番人気。ここにいる中では最下位だ。

いつも通り、誰も期待しちゃいないってことだ。

位置に着く。息を整え、前だけを見つめる。

出走の合図に意識を集中させて。

 

駆ける。

出遅れはしなかった。最初の直線、コーナーを通り過ぎて、それぞれの得意な位置の奪い合いになる。そんな中、1人だけ飛び抜けて早いやつが居た。既に1位をキープし、それでもまだ余力を残しているようだった。中盤を超えてもその構図に変わりはなく、そのまま終盤が迫ってきていた。

そこで、もう1人が抜け出して、先頭のやつを追い越そうとデッドヒートを繰り返し、お互い加速していく。ドンドン遠くなる背中に、妙に冷静になった俺は、「まぁ、そりゃそうか」と達観していた。今前に居るのは1番人気と2番人気。多方ここに居る奴らの期待通りってこった。力が抜けた私は少しずつ後ろに下がっていく。5着、6着と少しずつ落ちていく順位に諦めかけていた。

 

だけど不意に、トレーナーの顔を思い出した。

 

『うん。適当に1位になって来て』

 

さっきのやり取りを思い出して、少し笑いそうになる。

 

 

「なんだ......。期待、もう貰ってたじゃん」

 

 

地面を蹴る足に力が入る。終盤に差し掛かり、体勢を低くする。

さながらスタートダッシュのように。

そうだ。ここからが......!!

 

「まだだッ......」

 

ここからが!!

 

「まぁぁぁだだぁぁぁあああああッ!!!」

 

ここからが、俺の本当のレースだ!!

 

【我が名を叫べ Lv1】

 

「うおおおおおおお!!!!」

 

跳ね上がる自分の速度に、私を抜いたヤツらが目を見張るのを横目に一気に先頭に追いつく。

余裕の無い表情を浮かべる2人の間をなんとか通り抜け、ゴールに突っ込んだ。

 

ボードには、私の番号が最初に浮かんでいた。

少し静かになった会場から、割れんばかりの歓声が響いた。

同時に実況が1着となった俺の番号を叫ぶ。

 

《なんと!!1着となったのは、後半怒涛の追い上げを見せた6番!!これぞまさにダークホースです!!》

 

興奮する実況を後ろに、周りに人が集まる。

 

「すっごい!!最後の何!?」「私を抜くとはね.....」「ねぇねぇ、君なんて言うの!?」「そうだよ!!名前は!?」

 

「あ、あぁ.....。ありがと。俺の名前は.....」

 

自分の名前を言おうとした時、実況が一際大きな声で叫んだ。

 

《1位となったのは.....6番、シャウトマイネームです!!!》

 

「.....ってんだ。よろしくな。」




ウマ娘のキャラってこう、固有スキル使う時みんな笑顔だったり誇らしげだったりして、レース楽しんでるぜ!!って顔だったり、シンボリルドルフとかがちょっとカッコイイくらいで、食いしばりながら走る絵のキャラって少ないなと思ってそういうキャラがもっと増えて欲しいよね、って話。

あとこの名前の子に関しては実際にゲーム中のウマ娘のモブに居るので、気になった人は探してみてね!!

最後に発動した固有スキルは、「終盤で追い抜かれた時に加速度が上がって抜け出しやすくなる」みたいに考えました。
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