遊☆戯☆王:OCGワールドストーリー”深淵の烙印世界” 作:erugon
龍淵のキャラに対して少し思うところがあってなかなか投稿できなかったわけでありますが、この際割り切って現状のまま行こうということで、本日投稿させていただきます。
マジで龍淵さんどうしたのあの格好……。
水を滴らせたアルバスが、湖底から浮上する。
その手に相剣を、氷水の光を宿し、両腕、額、胸の宝珠を輝かせる。
少年は、禁断の言霊を唱えた。
「烙印……融合!」
両目を真っ赤に染めて、髪を魔力で逆立てて、失われたはずの力を開放する。
アルベルに奪われた力、それは休めば戻るような容易いものではないはずだ。
しかし、相剣大公-承影と氷水帝コスモクロアの魔力を宿したアルバスは、己の心の在り方を剣と氷に映し出した。
いうなれば、今彼の全身そのものが、相剣師たちの使う相剣のような状態なのだ。
彼を包み込むのは炎ではなく水。
それは凍てつきながら四肢を、翼を、牙を形成していく。
二足歩行となった黒衣竜アルビオン。白銀と赤い差し色の髪を振り回し、承影の兜飾りに似た角を創る。背中から次々と生える氷柱は翼となり、白亜の鎧をまとった幻竜へと至らせる。
「託された希望。二つの力を一つにして、絶対零度の刃となる!」
託された。
相剣師と、氷水、二つの種族の長から、アルバスは託された。
大切なものを守り抜く、剣となれ。希望を担う、翼を広げよ。
彼らの心に応えるために、少年は今一度――竜となる。
「――
出現した四本の氷の剣は、その切っ先を七星龍淵へと向けていた。
「く、くくく、ははははっ!」
圧倒される七星龍淵。対してこの状況。ルベリオンは笑っていた。
「すごいよアルバス! 竜化の力を俺が奪ったのに、まだドラゴンになれた! ああいや違う、幻竜だ。俺が天使の力を宿して悪魔になったのなら、お前は異次元に通じる力を宿すことで幻竜になった!」
相剣師と氷水、そのどちらも力の源は、このイニオン・クレイドルの地下から溢れる大地の力だ。それはホールの力を封じるこの世界を巡る異次元のエネルギー。
ホールと対極にありながら、よく似たエネルギーだった。
「それでこそアルバスだ! ああ、その力を俺が飲み込めば……」
「恍惚としているところ悪いが、奴の指名は俺だ。邪魔立ては許さん」
氷の壁が立ち並ぶイニオン・クレイドルにおいて、驚愕から立ち直った七星龍淵は、寒さなどなんするもの。その動きを一切鈍らせてはいない。
睨みつけるミラジェイドに臆することなく、その尻尾と剣を構える。
「龍淵、あんたに……後悔はないのか」
ふいに、アルバス――ミラジェイドが問いかける。
「後悔……?」
「おれは、トライブリゲードのヒトたちと一緒に戦っていればと、もっと力があればと思うんだ」
ほんのわずかな邂逅だ。一日二日、相剣師とは半日にも満たない時間しか、ともに過ごしてはいない。
けれど、アルバスは思う。もっと力があれば、彼らを守れたのではないか、と。
傍らで倒れる承影。崩れ去ったコスモクロア。そのそばで泣く莫邪とエジル。
多くの悲しみ、苦しみが蔓延する世界に、彼は立っている。
「トライブリゲードのヒトたちが、どうなったのか、無事なのか、生きているのか。そんな不安を吹き飛ばせるくらいの力があったらって、思うよ」
「そうだ。力こそが全てを成し得る。恐怖も、苛立ちも、全て力がねじ伏せる!」
七星龍淵の言葉に、間違いはない。あらゆる事柄が弱肉強食であるというのなら、力を求める彼の持論に間違いはない。
けれど――。
「だけど、力があったとしても、あんたみたいな未来が待っているのなら、おれは力なんて欲しくない!」
アルバスの目に映るのは、孤独となった龍淵の姿だ。
弟子も、盟友も、守るべき友も失った七星龍淵。その姿は酷く惨めで、醜く思える。
「あんたにだけは、もう奪わせない。絶対に、ここで止める!」
覚悟の咆哮も、七星龍淵を揺るがせることはない。
「後悔はないかと問うたな。あるはずもなし! 我は力を手に入れ、頂へと至る!!」
「なら、その頂から、蹴り落とす!」
ミラジェイドは自らの左右に浮遊する氷の剣を手で掴むと、七星龍淵に向けて加速する。背中の翼から吹き出す七色の光は、キングフィッシャーが纏っていたオーロラの輝きに似ている。
虹の軌跡を残しながら接近してきたミラジェイドに、七星龍淵は両手に作り出した相剣で対抗する。
奇しくも二刀流、手数は互角か。
高速の剣技の乱舞。本来ならば一人一つしか持てない相剣というものでありながら、七星龍淵はまるで長年二刀流の特訓をしたかのように、巧みに刃を振るっている。
「けれど、ついていける。おれは負けない!」
「やりおるわ。だが、我が真なる相剣はこの尾にあることを忘れたわけではあるまい!」
一瞬で何十合という剣戟を重ねたところから、つばぜり合いを行う二体の幻竜。その内黒き幻竜は自らの尾を突き立てんとする。
「尻尾が、どうしたって!?」
一方で、白亜の幻竜も己の尻尾を振るう。長大で太い尻尾はそれだけで武器となる。キングフィッシャーの巨体を生み出すコスモクロアの魔力。その力を受けたミラジェイドの体は全身が氷でありながら鋼より硬く、剣の如く鋭いのだ。
七星龍淵の尾を弾き、お互いの距離を開かせる。
竜化したとは言え、アルバスの剣技が自分と互角に渡り合える状況に、七星龍淵は一つの仮説を立てた。
「その剣技……なるほど承影の記憶と力を取り込んだか」
「ああ。大公の心が、お前を倒せと叫んでいる!」
アルバスの進化態は、取り込んだ力を何かしら受け継いだような印象を持つ。
ブリガンドは、エクレシアの聖痕を取り込んだことで彼女と同じようなバリアを展開する力を持っていた。
アルビオンの場合は、ゴルゴンダやエクレシアの力と言うわけではなく、ホールの烙印が他の物質に力と形状を与える力を、そのまま発展させたようなものになった。
そして、ミラジェイドは承影のような剣の力を持っている。
その肉体、技を模倣し、発展し、ミラジェイドは二刀を振るっている。七星龍淵の目には、ミラジェイドの背後で相剣を構える承影の姿が見えたことだろう。
「楽しめそうだな、小僧!」
「その余裕、へし折ってやる!」
同時に、ミラジェイドは空に舞い上がる。
自由飛行能力を持つミラジェイドの三次元的な猛攻を、七星龍淵は確実に捌く。
これは技量と言うより、経験値によってなせる行動だ。
相手の動き、技を見極め、確実に対処する。相剣軍師と呼ばれる知恵者は、決して頭脳だけの体いらずではない。
何合にも及ぶ剣戟。
それは七星龍淵の実力を示す、文句のつけようのない証拠だった。
「はぁぁぁっ!」
「うぉぉぉっ!」
いつしか、二人の刃を砕いた。本来なら心が折れることさえなければ砕けぬ相剣も、かりそめに作り出されたものでは砕ける。ミラジェイドの剣もまた、相剣師たちが使うものとは構造が違うのだ。
七星龍淵が尻尾の剣を素早く突き出すと、ミラジェイドはとっさに生成した剣を盾にして事なきを得る。何度も再生することができるのは、ミラジェイドの強みだった。
「ぐっ!」
「どうした、剣の勢いが鈍ったな!」
ただし、体力や集中力の問題は、別の話である。
いくら承影とコスモクロアの力を得ようとも、生来の技量差まではすぐには埋まらない。ドラゴンの体を取り戻しても、剣の斬り合いは七星龍淵が上を行く。
ならば、どうするか――。
「砂漠を渡る鋼の翼、氷の刃に宿り、悪を討て!」
承影にもコスモクロアにもない、アルバスだけの力が勝機を創る。
ミラジェイドが頭上に手を掲げると、そこには鉄駆竜スプリンドを象った氷が生まれた。アルバスとエクレシアが乗り回したキットお手製モービル。かの鉄竜を模した氷が生まれると、それはまるで生きているかのように動き出す。
「いっけぇ!!」
さらには氷の礫を飛ばし、七星龍淵の尻尾を迎撃した。
「なっ!? なんだこの力は……!」
困惑するのは七星龍淵だけではない。傍観していたルベリオンも、思わず身を乗り出すようにして氷の刃を凝視する。
「アルバスの戦いの経験が、ミラジェイドの武器になって形成された? 氷水の奴らがずっとアルバスたちの旅路を見守っていたからか……?」
ルベリオンの予想をミラジェイドは聞いているのか、聞いていないのか。
この際理屈など、彼は気にしない。ともかく次の攻撃を作り出す。
「深淵の大陸に現れし灰の竜、氷の刃に宿りて、竜を喰らえ!」
次に形成されたのは、灰燼竜バスダートの氷だ。スプリンドが鋭利な簇のような氷なら、こちらは厚く武骨な斧のような氷だった。
重い一撃を受け止めた反動でよろめく七星龍淵だが、彼は歴戦の戦士だ。自由自在に動き回る氷の刃を見切ると、最小限の動きで回避する。
そして枯れかけの大地を蹴って走り出すと、ミラジェイドへと肉片する。
「あまり、調子に乗るな!」
鋭く突き出される尻尾。その一撃にキングフィッシャーも倒れた。
だが、氷水の力を宿した氷剣竜に、彼の刃は届かない。
「鉄の獣とともに戦う金色の竜、氷の刃に宿りて、輝く盾となれ!」
今度はブリガンドの力を持った氷の塊が創り出される。
それはミラジェイドの左腕に保持され、楯かナックルダスターのようにして突き出される。ブリガンドの光の防壁と同じものが形成されると、七星龍淵の刃を弾いた。
「バカな! こやつ、他の形態の力を――」
「これが、承影とコスモクロアが与えてくれた力と、おれの力だ!」
氷の翼から光のジェットを噴射し、七星龍淵を振り払う。尻尾の一撃を牽制に叩き込み、隙の生まれた間に第四の刃を作り出す。
「光に導かれし烙印の竜、氷の刃に宿りて、焔となれ!」
固く凍結した氷の刃に、熱く燃え滾る烙印の炎が宿る。
冷と熱、本来交わることなどない力が一つとなり、アルビオンを模した刃が出現した。
「行けっ!」
鋭い鎌のごとき刃を高速回転させて放つ。
達人の投げナイフが確実に目標に突き刺さるように、氷の刃も七星龍淵の肩鎧へと飛び込んだ。
「ちぃっ!」
しかし、傷は浅い。あくまで鎧を傷つけた程度だ。
それでもミラジェイドは恐れも驚愕なく、攻撃の手も緩めない。
「あんただけは、倒す!」
舞い上がるミラジェイド。その腕を左右に広げれば、四つの氷の刃を柄として、新たに刀身が生み出されていく。
大霊峰の岩と同じ、黒い氷柱の中に赤い光を持っている。それはホールにも関わる烙印の力を宿したものこそが――
「烙印の剣……!」
放たれた冷気が、イニオン・クレイドルをさらに凍てつかせる。七星龍淵は自分の周りの水が凍てついていくのも構わず、尻尾で薙ぎ払う。
ここからが、相剣師としてのアルバス――ミラジェイドの本当の攻撃だ。
「承影に勝ったというのだ。こんなところで、貴様に負けていられるか!」
七星龍淵の体表から黄色と青の炎が立ち上がる。
七星龍淵へと覚醒した際にも放出していた、彼の相だ。両手それぞれに握った仮初の刃、力強く振り回す尻尾の刃。
三つの刃を全て、ミラジェイドへと突きつける。
「絶望染まりて、
烙印の力が、七星龍淵の両手から尻尾へと集まる。全ての力を、この一撃に込めようというのか。
地に伏せるような体勢を取った七星龍淵は、両手両足で地面をしっかり掴む。
龍淵とは、深淵を望むが如く、巨龍が
知恵が回り、深淵を望むが如く絶望を覗き、覗き返された彼には相応しい名前だったのかもしれない。
「――
彼の今の構えは、地に臥せた龍。全身のバネと筋肉を使って放たれる突撃は、天より振る流星の如く。
承影の奥義が力を集め、巨体を切り裂くことに特化していたが、こちらは一点集中、目の前の敵を屠ることに重点をおいていた。
「行くぞ、バスタード、ブリガンド、スプリンド、アルビオン!」
対して、突きつけられる四本の氷の刃。相対する邪悪なる一撃を迎撃するために全ての刃を結集する。
これから訪れる戦いの定め、勝ったとしても終わらぬ脅威――絶望に閉ざされた深淵の大地の地下深くで、彼らは吠えた。
「おれは、絶対に、絶望なんてしない!!」
「全ての希望は、我が砕く!!」
終わりなき戦いの幕開けに、刃が解き放たれる。
飛び上がる七星龍淵へと氷の刃は突撃し、その尻尾の先端と衝突した。威力は互角、せめぎ合う刃と刃は削れあい、光の欠片が宙を舞う。
衝撃波に大地は揺れ、氷は砕け、全てが滅び去らんとする。
跳んでくる魔力の波動に、ミラジェイドの体は仰け反っていた。
「ぐぎいぃぃっ!」
「砕けるがいいっ!」
それでも、ミラジェイドはさらに魔力を高めていく。
ただし、込めるべきは刃ではなく、自らの腹の内。丹田に集中する。
幻竜であろうと、彼の姿は今もなおドラゴン。
その最大の力は、口腔より放たれる
――
この世にあるはずがないものの例え。または、性質が逆のもの同士が助け合うことの例えだ。
炭の火で氷は溶けて、氷の溶けた水で炭の火が消えるという意味から、氷と炭が愛し合うことはできないということ。
逆に、氷のとけた水で炭の火を消して燃え尽きるのを防ぎ、炭の火は氷を本来の姿である水に戻すという意味から、性質が反していても互いに助け合って本質を保つことができるということを示す場合もある。
ホールに由来するアルバスという少年と、その力を封印する氷水に由来する相剣の力。異なる力が一つとなるその様は、まさしく氷炭相愛。
この一撃こそ、彼の本当の相剣。吹き荒れる竜の息吹が、邪悪を貫く刃となる。
それは、伝説の白竜に並ぶ威光。
「――
空間を貫く藍白色の光が放たれた。
氷の力、剣の力が烙印の力で一つとなってドラゴンのブレスを形成している。烙印の剣を砕け散らせた七星龍淵へ、アルバ・ストライクは迫りゆく。
回避の隙は無い。氷鍛相藍弾は、無数の氷剣がまるで一本の剣になったかのように高密度に束ねられた刃の塊だ。
「うぉぉぉぉぉっ!!」
氷鍛相藍弾が、彼の胸を貫く。
直後、余波で降り注ぐ氷剣の欠片が、全身を傷つける。
「ぐぅぉぉぁおぉぉぁぁあああ!」
空中にダイヤモンドダストをまき散らしながら、七星龍淵は倒れた。
抵抗もなく、反撃もなく。
強力無比なる、彼の掲げる強き力が、絶望に染まった相剣師を蹂躙した。
「グォォォォォォッ!!」
勝利の咆哮を上げる氷剣竜ミラジェイド。
その雄叫びは、どこか物悲しさを伴っていたことを、倒れ行く七星龍淵だけが知っていた。その体は、熱い氷へと閉ざされる。
◆
アルバ・ストライクが命中する前、ほんの刹那。
迫りくる自らの死を前にして、七星龍淵の視線はミラジェイドでもルベリオンでもない方向へ向かっていた。
「……莫邪」
彼の視線と心は、すでに幻へと還った盟友がいた場所にある。そこに力なく膝を折り、泣き崩れていた弟子へ彼の意識は向いていた。
「この絶望に染まる世界に、お前を残していくか」
ふと、そんな言葉が漏れる。自分でも予想していない言葉の登場に、七星龍淵ははっとする。まだ、そんな心が自分にあったのか、と。
気づけば、彼はミラジェイドの刃にその身を晒していた。
文字通り、両手を広げるように、ぶつけていた相剣を捨てるように。
「やれ、アルバス! 穿て、我が相を!!」
その直後、アルバ・ストライクは彼の体を貫き、全身を氷の刃で切り裂いた。
敗北した七星龍淵の体からは、氷が溶けるように赤黒い魔力が抜けていく。
デスピアの力によって作り出された鎧は砕け、莫邪から奪い取り戻した相剣の力は抜けて、体が萎びたように縮んでいく。
一切の抵抗もなく倒れたその姿に、莫邪は顔を上げた。
「龍淵……様!」
莫邪の呼びかけに、七星龍淵――相剣軍師-龍淵は、何も答えない。
答える力すら残っていないと言った方が、正しいか。
ただ、その顔は弟子の方へ向いていた。小さく口元は動くか、声は出ない。ほんの少しだけ浮いた手は空を切り、地面へ落ちる。
そんな龍淵の最後を見ないようにしたのは、アルバスなりの配慮だったのか。師匠に駆け寄り、涙を零す莫邪から目を逸らすように、もう一人の敵へと首を向けた。
「終わったよ。承影、コスモクロア……」
邪悪に染まった相剣師は討たれた。
だが、犠牲は大きすぎる。相剣師の大公-承影。氷水の帝であるコスモクロア。二つの勢力の長を失ってなお、戦いは終わっていない。
「だから、後はおれの問題だ」
アルバスの言葉に同意するかのように、なによりこれからが本番だとでも言いたげに、ルベリオンはその足で地面を叩く。
「すごかったよアルバス! 氷剣竜ミラジェイド。二つの力を合わせることで、他の竜化より強い力を使える……いいなぁ。その力」
「アルベル……」
「そろそろさ、やろうぜ。同じ烙印の力を司る者同士、この世界の絶望の向こう側で、一緒に生まれ変わろう」
「いい加減、お前の誘い文句は聞き飽きた!」
ミラジェイドの裂帛とともに、周囲の水が氷の剣へと変わる。
七星龍淵とあれだけの戦闘を繰り広げた後でも、氷の刃は鋭いままだ。
このイニオン・クレイドルに満ちる魔力が、ミラジェイドに力を与えてくれる。
「お前が、お前たちがここに来なければ……」
「ふっ、俺たちデスピアは、呼ばれたから来たんだ。責任なら神様気取りのあの大神祇官に言いな」
責任転換したいわけではないだろう。
しかし、コスモクロアが言っていた。絶望に染めることそれ自体が、デスピアの目的なのだと。
彼らにとって、その行為は悪意ある行動ではない。人間が日常的に空気を吸い、物を食べ、何かに祈るのと変わらない。
絶望こそが、彼らの神。
「さぁ、世界に見せつけよう。俺たちの合体を! 俺とお前の、烙印融合!!」
「させると思うな!」
さらなる進化を測ろうとするルベリオンに、ミラジェイドは突撃する。
ルベリオンの牙と、ミラジェイドの相剣がぶつかり合う。直後、赤黒い炎と青白い冷気が渦を巻く。
ぶつかり合う魔力は紫電を生み出し、余波が大地を崩壊させる。
神々の頂上決戦もかくやと言わんばかりの激突。
「凍って砕けろ……白焉のアルバ・ストライク!!」
「絶望に染まれ、赫焉のリベリオン・バースト!!」
全てを凍てつかせ貫く、青白き反撃の息吹。
対するは神代の業火を呼び起こす、暴虐の
反発する異なる魔力。その二つがぶつかり合うことで新たな魔力を生み出していることに、ミラジェイドは気づけていなかった。