遊☆戯☆王:OCGワールドストーリー”深淵の烙印世界” 作:erugon
氷水底イニオン・クレイドル。
神代の業火を纏うルベリオンと、相剣と氷水の力を受け継いだミラジェイド。
二体のドラゴンの激闘は、地底湖の形状を変化させるほどのものになった。
ぶつけ合う炎と氷。数合に及ぶ激突をもってしても、決着はつかない。
「いいぞ、いいよアルバス! 昂ってきたじゃないか!」
「うるさい! おれは、お前を絶対に……」
舞い上がった水蒸気の壁を突き抜けて、ルベリオンがミラジェイドへ跳びかかった。
「感じるだろう? 戦いの楽しみ、喜びを! 認めろよ、相手の敗北が一歩ずつ近づくにつれて昂る気持ちをさぁ!」
「黙れ……」
ルベリオンの両腕が、ミラジェイドの肩を掴む。お互いの高熱と低温がせめぎ合い、水蒸気が空間を満たす。
「気持ちいいだろう!? 俺を殺す感覚が!!」
「黙れって言ってんだろ!」
烙印の剣が放たれる。遠隔操作によって自由自在に動く氷の刃がルベリオンを狙う。だが神炎竜の激しい羽ばたきはそれだけで熱風を起こし、ミラジェイドの放つ刃を吹き飛ばした。
同時に吹き出した炎が赫灼竜を作り出し、命中しそうなものは相殺する。
「その気持ちが最高潮に達している時に悪いが、そろそろ次の段階に進む時だ」
「何っ!?」
突然、冷静な声となる。アルベル――ルベリオンは下から食い込むように体を捻ると、ミラジェイドは逃げるように上に距離を取ろうとする。
それは、傍からみればまるで赤いエネルギーと白いエネルギーが渦を巻いて一つにまとまろうとしているかのように見えた。
魔法の用語で、このエネルギーの重なり合いを融合と呼ぶ。
「見せてやろうぜ。俺とお前の、烙印融合!」
「そんなこと、させる訳が――ッ!?」
ルベリオンに変身する際、アルバスは竜化の力を奪われた。そして現在は承影とコスモクロア、相剣と氷水の長たちの力を取り込むことで為し得た。
その力、全てがルベリオンとの間、中心に向けて引きずり込まれるような感覚がある。
「なんで、抗え、ない……!?」
「大きな力に、俺もお前も逆らえない。俺たちのあるべき姿へと至るために、生まれ変わろうぜ。一緒に」
「やめろ……! おれは、まだ――」
「全てを捨てて、いこうぜ」
ルベリオンの腕が、ミラジェイドの体に触れる。強い力で抱きすくめられ、炎と氷が交わり、一つの巨大なエネルギー体を作り出す。
対消滅するようにぶつかり合いながら一つの光となり、新たな太陽を生み出していく。
地底湖での戦いは、地上にも大きな影響を齎していた。
大地は鳴動し、浮遊するデスピアンに対し、地上に足を付くエクレシアたちは苦戦を強いられる。
その中でも、ホールの短距離ワープを用いるアドリビトゥムの動きはまるで幻影を相手にしているようだった。
「このままでは少しずつ戦力が削られてしまいます! どうにかあの赤と緑のデスピアンを一掃しないと……」
「ガーディアン・キマイラや霊峰に住む獣たちだけでは対応しきれぬか……泰阿!」
「異次元より華の騎士を呼び寄せるか。しかしその隙も……」
赤霄、泰阿も奮戦するが、数の暴力というものには苦戦する。
エクレシアも鎚を豪快に振るうが、アドリビトゥムは簡単には倒れてくれない。
そんな彼女らの激闘に水をさすかのように、地底湖から衝撃が走り抜ける。
それは、霊峰の大地を二つに割った。そこから、巨大な太陽のような火の玉が現れる。中に何かいる、その気配だけははっきりと感じ取れる。
「なっ!? 相剣門の大地が、砕け――!」
「まさか、アルバスくんに、何か……!!」
青ざめるエクレシアを嘲笑するように、目の前にホールを抜けてアドリビトゥムが飛び出した。
「始まるぞ! 全ての希望を絶望へと変えて、深淵はこれより獣の闊歩する混沌へと変わり果てる!」
振り下ろした爪と、ゴルゴンダハンマーがぶつかり合う。激しく火花が散り、エクレシアは歯を食いしばって攻撃を耐える。
「そんなこと、させません! フルルお姉ちゃんたちが、必ずドラグマを止めます! アルバスくんが、必ずアルベルを止めます!」
「そのような戯言は、いつまでも客は聞き入れない。見ろ、あの太陽を」
太陽とは、炎ではない。
あれは二つの力がぶつかり合った時に発する光で構成された存在だ。
炎と氷――相反するはずの力は融け合いながら深淵の空に姿を見せる。
「白と赫――異なる色が交わる時、最後の扉は開かれる」
その声は、アルバスのものに思えるが、同時に全く違うものにも聞こえる。
浮かび上がった太陽から、その腕が姿を見せる。後ろ足が殻を突き破るかのように伸ばされ、翼はまとわりつくエネルギーを吹き飛ばす。
赤熱し、漆黒の身に緋色の鱗を纏うドラゴン。
「
真紅のルベリオン。
ミラジェイドの姿はなく、アルベルの進化態しか、太陽の中にはいなかった。
巨大な咆哮がイニオン・クレイドルから大霊峰にまで響き渡り、巨大なホールを背にして舞い上がる。
それは、まるで滅びが世界を包み込むような光景だった。邪竜となった太陽に、全てが焼かれていく光景を、この場にいた誰もが幻視した。
「全てが上手くいく。そんな夢幻の理想の未来が、来ると思っていたのか!?」
「きゃっ!」
怒り、もしくは嘲りを含んだアドリビトゥムの叫びとともに爪が振るわれ、エクレシアの両足は地面を離れた。純鈞がすぐに受け止め、追撃のデスピアンたちを薙ぎ払う。
痛みに顔を歪めながら、エクレシアは無事だった。
「夢でも幻でもありません。わたしは、わたしの願う未来を諦めない!」
「……その気高さこそ、まさしく聖女たるが由縁。なら、その心を砕き折る絶望を、我らがドラマトゥルギアはお示しになる。さぁ、絶望を振りまけ、アルバ・レナトゥス! 我らの神をお迎えに上がるのだ!」
アドリビトゥムは歓喜に打ち震えながら、上空を睥睨する。
舞いがったアルバ・レナトゥスの姿に、同じく地上にいる者たちの視線は釘付けとなっていた。幻視した未来から、眼を離せないのだろう。
恐ろしいものほど見たくなってしまう。そんな心境であったかもしれない。
「この気配、アルバス……くん?」
エクレシアには、アルバ・レナトゥスの内部にその存在を感じ取っていた。
巨大な力に呑み込まれた少年の意識が、少しずつ薄れていくのもわかる。
「アルバスくん!!」
起き上がり、駆け出した聖女に、アルバ・レナトゥスの視線が向いた。
「ああ、その絶望に染まろうとしている顔。もうあと一押しだね」
気配はあれど、アルバスの声はない。
「その声、アルベルですね! アルバスくんを、彼を離しなさい!」
「いやだよぉ。どうしてアルバスを俺が離さなくちゃいけない? 俺たちの間に割って入るなよ。無粋って奴だぜぇ?」
「ふざけ、ないで! ロッキーちゃん!!」
「スラスターゼンカーイ!!」
飛び上がるエクレシア、それに続くロッキー。爆炎を加速装置にしてアルバ・レナトゥスへと飛び上がる。
……だめだ、逃げろ、エクレシア!
声ではない言葉が聞こえる。驚愕に顔を染めるエクレシアを、アルバ・レナトゥスは睨み腕を振り上げる。
「少し座ってなよ」
本当に、軽く腕を振るった程度だった。それだけで、エクレシアの体は吹き飛ばされる。声を上げることもできず、焼け焦げた大霊峰の地面を転がっていった。
「聖女殿!」
「純鈞、泰阿、周りのザコはいい! 奴に刃を集中させる!」
大量のデスピアン、そしてアドリビトゥムの相手をしていた赤霄が、仲間に向けて声を上げた。生真面目なる泰阿、聖邪を見極める純鈞、そして多くの相剣師、見習いも導く赤霄の攻撃目標が、一気にアルバ・レナトゥスへと集中する。
「それだけじゃあ、物足りないなぁ」
アルバ・レナトゥスの左右に、ルベリオンをはじめとする様々な幻影が生まれる。まるで烙印竜アルビオンや、ルベリオンの力と似ているが、大きく違う点が一つ。
生まれた幻影が、アルバ・レナトゥスの形を取ると、本体へと戻っていくことだ。
アルビオンやルベリオンが体外にエネルギーを放出して分身を創っていたが、アルバ・レナトゥスは違う。放出したエネルギーを再度取り込むことで、己の力を何倍にも増幅させている。
「喪失と向き合え、
逃げろ、などと誰も言う暇はない。アルバ・レナトゥスの放った輝きは、大霊峰相剣門の大地を抉り削り、仲間であるはずのデスピアンたちごと破壊する。
赤霄、泰阿、純鈞ら相剣師までもが、放たれた一撃に撃退された。
唯一倒れたままだったエクレシアだけが、攻撃を受けずに済んでいた。
ただ、起き上がった彼女が見たのは、相剣門上空に出現した巨大なホールだった。
「さぁ席につき私語は慎め。これより、我らの悲喜劇の幕が上がる!」
アドリビトゥムの言葉は、狂気に満ち溢れながらも世界の行く末を示している。これから先、巻き起こるのは大衆のための悲劇と、絶望のための喜劇であるのだ。
「聖女たる心もまた、周りの影響が――時間と場所、そして聴衆の存在失くしては成立しない」
「一体、何を言っているんです……」
傷つき、起き上がることもままならないエクレシアが吠える。対してまるで合いの手でも受けたかのように、アドリビトゥムは声の調子を上げていく。
「そなたがするべき役割を、我らは示そう。ここはそなたの表舞台、我らが大導劇神の脚本役、そなたが全うするときこそ、そなたの
頭上で交差する両腕を、大きく広げた。
「汝、六百六十六の魂の一つとなりて、深淵の獣の聖女に至らん」
広げられたホールの向こう側、そこには傷つき捕らわれたフルルドリスの姿があった。
「あれは――お姉ちゃん!!」
「エクレシアよ。全ては喪失された。追放されし聖女たちの、断罪が待っている」
その言葉は、ホールから姿を見せたドラマトゥルギアのものだった。
「…………――――!!」
もう一度エクレシアは彼女の名を呼ぶ。
けれど、最強の聖女は答えることなく、暗闇の中へと消えていった。
◆
少し、時間は遡る。
ドラグマの王城跡に突入したフルルドリスたちは、見事に大神祇官より大導劇神へと変貌したドラマトゥルギアを討伐に至った。
至った――はずだった。
今、フルルドリスの目には、赤黒い爪に腹を貫かれた、アディンとテオの姿が映っている。
「アディン先生……テオ……?」
震える手を伸ばそうとした時、自分の両脇を通っている腕の存在に気づく。
全身を鳥肌が走り、怒りで食いしばった歯が砕けそうになる。予備の剣まで抜き放って斬り捨てようとしたのだが、それより早く爪は主の許に戻っていく。
倒れ伏す軒轅の相剣師。彼らを助けている余裕は、フルルドリスにはなかった。
目の前に現れた、漆黒の怪物と相対するためには、全神経をそちらに注がなくてはならなかった。
「何者だ、お前は……」
「ふるるどりす、見ツケタ」
酷く鈍い声が、漆黒の怪物――デスピアン・クエリティスから発せられる。
聞いているだけで怖気が襲ってくるが、それよりも意識を裂くべきは目の前の相手だ。
怪物の背には白い服を纏う、白髪の聖女もいる。
「貴様、アルバス・セイントとか言ったか。その怪物は何なんだ」
「あら、つれないヒト。あなたのかつての相棒を、怪物だなんて」
「相棒……まさか、アルバス・ナイト、いや、私の神器か!?」
「そう、せーかい。あなたが大切に大切に使って、力を溜め込み、ドラマトゥルギアが変質させた、ホールの鎧。真なる名を、デスピアン・クエリティス」
白髪の聖女アルバス・セイントの答えに、フルルドリスの顔は青ざめる。アルバス・ナイトになったときですら特大の嫌悪感を抱いたものだが、今はその領域を超えている。
目の前にいる存在は、絶対に破壊しなくてはならない。そう思えるほどに、彼女の心臓は早鐘を打ち、魂が伝えてくる。
「この子、ずっとあなたを探していたの。その途中で片翼の鳥さんを蹴っ飛ばしたり、そこに転がってる奴らを刺したり、いろいろやんちゃしちゃったの。でももう大丈夫ね! なんてったってあなたからこっちに来てくれたんだもの!」
嬉しそうにするアルバス・セイントの下で、クエリティスは体表に纏わりついている布状のものを引き剥がす。
それはドラマトゥルギアの姿形を写し取った者で、先ほど彼女が斬ったのはこのクエリティスが化けた姿だったのだ。
強固な鎧ゆえに、フルルドリスの一撃は致命傷足り得なかった。
そのゆるみが、仲間の負傷という最悪な形で帰ってきた。
しかも、この怪物はシュライグを倒したとのたまっている。
「許さんぞ、貴様らだけは、絶対に!」
フルルドリスの体表から、高圧の雷が放出された。地面に波紋を作り出し、周囲、体表に雷撃を纏う。空気を叩く音が響き、独特の匂いが蔓延する。
体表を紫電が走り、剣の切っ先には黄金の雷が集まる。
「砕け散れ!」
その加速力は、まさしく弾丸の如く。
自らの体に纏った紫電の力が彼女を加速させた。デスピアン・クエリティスを叩き潰そうと威力、速度、どちらも強化している。常人なら、追いつく道理などない。
「あらあら、さすがクエリティス。昔の主様の動き、ちゃんとわかってるのね」
シュライグを捕らえる速度を持つデスピアン・クエリティスの腕は、フルルドリスの一撃も止めていた。
神器と同等の強度は彼女の剣を受け止め、雷を通さない。漆黒の鎧に跨る聖女はその余裕の笑みを崩さず、フルルドリスを見下ろしている。
「守るべき民も、救うべき教義もない。何もかも失った哀れな聖女フルルドリス。あなたの魂に、安寧を」
その杖を彼女へ向けると、にこりと微笑む。
「そんな仕草で――!?」
突如、フルルドリスの体の自由が奪われる。四肢に刻まれた聖痕は、コスモクロアによって浄化されている。烙印の力ではない。
目の前の存在から放たれる波動が、フルルドリスの体を地面に縫い付けていた。
「な、ぜ……動け……ない?」
「クエリティスは絶望の使徒。その力の前に、ホールの力を持たぬ存在は、あらゆる抵抗を許されない。さぁ、私の力を上げるわ。クエリティス」
「ふるるどりす、待ッテタ、ヤット、会エタ!」
その身に、赤黒いオーラが纏われる。アルバス・セイントから放たれた光がデスピアン・クエリティスを強化しているのだ。それだけではない。周りのデスピアンたちも、自分たちの大将へ力を注ぐ。
「さぁ、喰らいなさい。六百六十四番目の魂を、我らのプロスケニオンへ!」
「なめ、るなぁ!!」
だが、こんな状況でも、フルルドリスの魂は抗うことを辞めない。
デスピアン・クエリティスの放つ波動を振りきり、その身から雷撃を放つ。
アルバス・セイントごと吹き飛ばさんとする一撃に、デスピアン・クエリティスは彼女の愛用していた武具が変化した槍を掲げる。
「ガァァァッ!!」
全身に纏った波動を放つ絶望の化身。大地を抉る雷撃を、絶望の波動がかき消していく。
ピシッ! と、フルルドリスの持つ機械剣が割れる。彼女の放つ出力に耐えられないのはもちろん、押し退けて来た絶望の波動を受け止めるだけの耐久値も、もう残っていないなかった。
「ぐ、あ、あああっ!!」
被っていた傘が吹き飛んだ。
剣は砕け、体は地面へ投げ出される。地に放り出された四肢をデスピアン・クエリティスは逃がさないと伸びる翼で捕まえると、人形のように彼女を掲げる。
「離、せ! お前が、かつて私の神器だったというのなら、あるべき姿を……取り戻せ!」
「何を言っているの、この姿こそ神器のあるべき姿。聖痕が全て烙印であるように、神器とはそれすなわち全て絶望の使徒なのよ」
「……そんな、ことは……!」
断じてない――ドラグマの教義は人々を救い、安寧を齎した。聖女としての闘いの日々は人々の幸せを作り出した。そう信じる彼女の言葉は、決して他人に非難されようと折れるものではない。
だが、その言葉が途切れる。
地下より現れた巨大な二頭の竜を象った石像――テトラドラグマ。今やその姿は絶望を集約する大舞台、デスピアン・プロスケニオンへと変貌していた。
「テトラドラグマが、そんな……こと……」
「あら、そう言えば、これを見るのは初めてだったかしら」
地下から現れた紫色の禍々しいそれは、頂点部分にある筒状の物体を左右に開く。その中にあるのは、無数の針。閉じ込められたものへあらゆる苦痛を与え、その血を絞り出し、全ての命を吸い尽くす拷問の代名詞――
充血した怒りの眼を向けるフルルドリスにアルバス・セイントは臆することなく微笑み返す。
「大丈夫よ。全ては、ホールの彼方の、我らの神の御心のままに」
傷つき、囚われた聖女フルルドリスの姿がホールに向けて晒される。ホール越しにエクレシアの許に届いたのは、その瞬間だった。
彼女の側からも、エクレシアが手を伸ばしているのが見えていただろう。
それを嘲るようにデスピアのドラマトゥルギアがホールの前に浮遊し、両手を広げている。抗いようのない敗北が、すぐ真後ろに迫っていた。
しかし、体は思うように動かない。心が震えることも、魂が沸き立つこともない。
ただ静かに、断罪の瞬間を待っていた。
大舞台に備えられた最大の舞台装置、その中へ放り込まれたフルルドリスは声を発することすらない。
呼びかけてくる最愛の義妹へ、言葉を届けることもできない。
「ごめんね、エクレシア」
ただそれだけしか、口に出来なかった。彼女の言葉は、エクレシアには届かない。
「フルルおねーちゃぁぁぁぁぁあああん!!!」
呼びかける声に、心が答えない。デスピアン・クエリティスが触れた箇所から、彼女の心を蝕むような力が流れ込んできていた。
全ての抵抗は、終焉を迎えた。鈍い音を立てて、絶望の門は閉じる。
武器も持たず、仲間も連れず、ただエクレシアはホールへ向けて飛び込む。最愛の義姉を助けるために、ホールを飛び越えて、彼女の姿はドラグマへと辿り着く。
「これで、六百六十五」
アルバス・セイントの嬉しそうな声だけが、劇場に響き渡る。