我ら! チームSRW!   作:とんこつラーメン

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最近になってプライベートでストレスが溜まって来たので、それを少しでも発散する目的で書きました…なんて言ってるけど、本当は皆さんがウマ娘二次創作の良作を沢山作るからいけないんですよ!

お蔭で、私も書きたくなっちゃったじゃないですかぁ~!

アプリの方もめっちゃ楽しいし…こんなの、書くなって言う方が無理ですよ~!






流派! 東方不敗は王者の風よ!

 日本ウマ娘トレーニングセンター学園。

 通称『トレセン学園』。

 

 今や国民的スポーツ・エンターテイメントとして不動の地位にあるトゥインクル・シリーズでの活躍を夢見るウマ娘達が一堂に会する全寮制の中高一貫校。

 

 個性豊かなウマ娘達やスタッフが集うこの場所において、最も異色とも言えるウマ娘達が数名いた。

 

 その中の一人が今回の主役。

 

 他のウマ娘達とはあらゆる意味で違う彼女の名前は……

 

 

 

 

 

 

 

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 そのウマ娘は『異質』だった。

 

 誰よりも努力し、誰よりも己に厳しく、誰よりも高みを目指した。

 

 本人だけが知る『師』の背中を追い、その白き三つ編みを靡かせて今日も疾走する。

 

 もっと強く。もっと速く。もっと熱く。

 

 我、東方にて不敗也。

 

 我、アジアを制する者也。

 

 彼女の名は『フウウンサイキ』

 

 いずれは世界の頂を目指す者。

 

 そして、全てのウマ娘の頂点を目指す者。

 

 

 

 

 

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 今でも脳裏に浮かぶのは、私の『師匠』の最後の怒号。

 

『そこまでか! 貴様の力など、そこまでのものに過ぎんのか! それでもキング・オブ・ハートか!! 足を踏ん張り、腰を入れんかぁっ! そんなことでは悪党のワシ一人倒せんぞ! この馬鹿弟子がぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 彼は分かっていた。

 自分がやろうとしている事が間違っている事を。

 自分が『悪』であることを。

 

『何をしておる! 自ら膝を着くなど、勝負を捨てた者がすることぞ!! 立て! 立ってみせい!!』

 

 そうですね師匠。

 貴方は敵対しながらも、心の底では家族同然だった『弟子』の事を誰よりも案じていた。

 その優しさが、その清らかさが、貴方を狂わせてしまった。

 

『流派! 東方不敗は!』

『王者の風よ!』

『全新!』

『系列!』

『『天破侠乱!』』

『『見よ! 東方は赤く燃えている!!』』

 

 忘れはしない…あの人の最後を。

 そして、その後に『彼』と一緒に戦った最終決戦を。

 

 

 

 

 

 

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 とある山の奥にある大滝。

 激しく水が打ちつけるその場所に、一人のウマ娘が座禅を組んで滝に打たれていた。

 真っ白で長い髪を三つ編みに纏め、その肌もまた同じように白く美しい。

 だが、その美しさと相反するかのように、彼女の眼光は恐ろしく鋭い。

 白装束を着てはいるが、完全に全身ずぶ濡れ状態になっていて、その整ったスタイルがハッキリと分かるようになっていた。

 

「…………」

 

 彼女は何も言葉を発さない。

 それどころか、耳も尻尾も全く動かす気配が無い。

 体温が低くなり寒い筈なのに、凍えて全身を震わせることもしない。

 まさに無我の境地。

 一切の雑念を振り払い、彼女は唯只管に『水の一滴』だけを見つめていた。

 

 その時だった!

 滝の上から大きな丸太が落ちてこようとしていた!

 まるで予め仕掛けられていたかのようなタイミングで落下してくる丸太に対し、彼女は足元に密かに置いておいた『錆びた刀』を手にする。

 

 まさか、これで丸太を斬るつもりなのか?

 そんな代物では、斬る事は愚か刺さる事も難しいだろう。

 まさに無謀の一言!

 どう考えても大怪我は必至!

 

 …だが、現実は違った。

 

 徐に立ち上がり、彼女は落下してくる丸太と対峙する。

 両手でしっかりと錆びた刀を握りしめてから下段に構えた。

 そして……。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 一刀両断。

 

 錆びた刀で彼女は太く大きな丸太を真っ二つにしてみせた。

 その切断面は剣の達人が名刀を使って切り裂いたかのように綺麗で、錆びた刀の方は折れる事すらなく、刃毀れもしていない。

 余りにも現実離れした光景。

 それを成したのが、この美しきウマ娘。

 彼女の名は『フウウンサイキ』。

 この世界でただ一人、『流派 東方不敗』を継承するウマ娘である。

 

「ふぅ……」

 

 刀を鞘に仕舞ってから、フウウンサイキは滝から出てきた。

 水も滴るいい女とはよく言ったもので、其処らの男連中ならば一発で欲情しそうな魅力を醸し出している。

 

「まだまだ、師匠やドモン君には遠く及ばないな……」

 

 自分が目指しているもの、追うべき背中は何も変わっていない。

 例え、己が全く知らない世界に『ウマ娘』として転生をしても。

 

「さて…と。これで朝の日課は終了。朝ご飯にでも……ん?」

 

 ここでふと、自分のスマホにメールが届いているのが見えた。

 どうして彼女がスマホを持っているのか。

 それは単純に、放浪癖のある彼女の事が心配な『トレーナー』に無理矢理に近い形で持たされたから。

 最初は戸惑ったが、善意から出た行動を無下にするなど言語道断。

 なんとか頑張って使い方を覚えた。

 

「これは……メジロマックイーンから…か?」

 

 確かに連絡先の交換はしたが、彼女からのメールなんて今回が初めてだ。

 珍しいと思いながら開いた瞬間、フウウンサイキの顔が固まった。

 

「……姿が見えなくなった私の事をトレーナーが凄く心配して、ゾンビのように学園内を徘徊している……って、なんだこりゃ」

 

 自分の事を心配してくれたのは素直に嬉しいし、同時に申し訳ないと思う。

 けど、この『ゾンビのように徘徊』とはなんぞや?

 

「と…兎に角、修行は一旦中止にして学園に帰った方が良さそうだな…。何日で帰れるかな……」

 

 因みに彼女、今いる場所に来るまでに公共交通機関の類を一切使っていない。

 完全に徒歩でやって来ていた。

 

「…これもまた修行の一環として走って帰るか。そうすれば少しは早く着くだろうし、トレーナーに心労を重ねさせてはあの世にいる師匠から『この馬鹿弟子が!』って怒られそうな気がする」

 

 溜息を吐きつつ、フウウンサイキは帰り支度を始める為に移動するのだった。

 

 

 

 

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・・

 

 

 

 

 一週間後。

 フウウンサイキは無事にトレセン学園へと帰ってきていた。

 勿論、ちゃんと制服を着用している。

 

「相変わらず、ここは賑やかだな」

 

 なんて呑気な事を言っていると、なにやら校舎の中から強烈な殺気を迸らせながら何者かが全力ダッシュしてきた。

 

「フウウンサイキさん~!!」

 

 その正体はメジロマックイーン。

 チームも寮も違うが、それでも不思議と話す機会が多いウマ娘の一人だ。

 

「どうしてすぐに戻ってこなかったんですの!! メールを送ってからもう一週間も経過しているというのに!!」

「す…済まなかった。これでも全力疾走してきたのだが、途中で何回か体力が尽きてな。休憩をしていたらこうなってしまった」

「……今、なんて仰いました? 全力疾走? どこから?」

「どこだろうな? 自分がどこにいたかは本気で分からん。適当にいい感じの山を見つけて、そこで修行するつもりだったから……」

「そーゆー時は! ちゃんとスマホの地図機能なりナビ機能なりを使えばいいでしょう!!」

「そんなのまであるのか。便利だな」

「はぁ……全く…貴女って人は……」

 

 痛そうに頭を抱えるマックイーン。

 彼女はゴルシとはまた別の意味での問題児なので苦労が絶えない。

 本人が真剣に修行をしていることが更に質が悪い。

 決して悪気があっていなくなるわけではなく、ちゃんと成果を引っ提げて帰ってきて、それを後のレースで遺憾なく発揮して成績を残しているから、学園側としても強くは言えないのだ。

 

「兎に角、まずはご自分のチームの下に行くことをお勧めしますわ。貴女達のトレーナーさん、凄くご心配なさってましたから」

「それは本当に悪かったと思っているよ。しかし…ちゃんとウララの奴にトレーナーへの伝言を頼んでおいた筈なのだが…修行に行ってくるって」

「ハルウララさんに…ですの?」

 

 どうしてかは完全に不明ではあるが、フウウンサイキと同じチームに所属しているハルウララ。

 それを聞かされたマックイーンは、冷や汗を流しながら猛烈に嫌な予感が背筋を過った。

 

 というか、スマホを使って連絡すればいいとかツッコまないでほしい。

 基本的に修行馬鹿であるフウウンサイキの頭には、自分から文明の利器を使うという発想が存在しないのだ。

 『使えない』と『使わない』は似て非なる言葉だ。

 ついでに言うと、基本的に修行中はスマホの電源を切っているので、向こうから連絡したくても出来なかったりもする。

 マックイーンのメールが届いたのは、フウウンサイキが気紛れに電源を入れていたからに過ぎない。運がいいのか悪いのか。

 

「まさか……」

「ど…どうした?」

 

 いきなりマックイーンが何処かへ向けて走り出す。

 それを追ってフウウンサイキも共に走り出すが、その途中で簡単に追いつかれて地味にマックイーンが落ち込んだのは、また別のお話。

 

 

 

 

 

 

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 到着したのは、フウウンサイキが所属している『チームSRW』のメンバーが使っている部屋。

 トレセン学園にあるチームには基本的に一等星の名前が使われているのだが、どうしてこのチームだけ例外的に違うのかは謎で、実はトレセン学園の七不思議の一つだったりする。

 

「失礼しますわ! ウララさん、いますかッ!?」

「あっ! マックイーンちゃん! それにフウウンサイキちゃんもいる~! 帰って来たの? おかえり~!」

「あぁ…ただいま。ウララ」

 

 全く疲れた様子も見せずにハルウララの頭を撫でるフウウンサイキ。

 完全にスタミナがSSぐらいになってるだろ…とか考えつつ、マックイーンは疑問に思っている事をぶつけた。

 

「ウララさん…いきなりで申し訳ないのですが、一つだけ聞いてもよろしいですか?」

「なに~?」

「フウウンサイキさんに言伝を頼まれていたと聞きましたけど…ちゃんとそれをトレーナーさんにお伝えしましたの?」

「言伝……?」

 

 ポク…ポク…ポク…ポク…チーン!

 

「あっ! すっかり忘れてた! ごめんなさぁ~い!」

「やっぱりかぁ~い!」

 

 思わず関西弁になってしまったマックイーンだが、ここにいるのはフウウンサイキとハルウララなので的確なツッコミは期待できない。

 せめて、スペシャルウィークやトウカイテイオー辺りがいれば大丈夫だったかもしれない。

 

「仕方あるまい。こうなったら、私が直に寺田トレーナーの所まで行って謝って来よう。どっちみち会いに行くつもりではあったしな」

「それじゃ、私も一緒に行く~!」

「はぁ~……」

 

 色んな意味で真逆の二人なのに、どうしてか仲がいい。

 完全に振り回されっぱなしになっているマックイーンは、本日二回目となる大きな溜息を吐いた。

 そんな彼女が、後で保健室にて胃薬を貰ったのは言うまでも無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第一弾は風雲再起こと『フウウンサイキ』ちゃんです。

ウマ娘になった事で本格的に流派東方不敗を習得しました。

トレーナーである寺田さんは謎多き人物で、その過去や経歴は一切不明。
超一流のトレーナーってことしか分かっていません。
今のところは名前だけで、実際に登場する日が来るかは不明。
名前の由来は言うまでも無いと思うので言いません。

次回は、両手足にタービンがあるロボットアニメから、あのデータウェポンが…?
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