孫悟空を仕留め、宇宙船の中に戻るフリジット達。しかし、フリジットの憤りはこんなものでは収まらなかった。
「やりましたね...フリジット様。魔人ブウを倒したサイヤ人をも最も簡単に...」
「やかましい!これはまだ計画の第一段階にすぎん。誰が来てようが関係ない!」
サイヤ人を絶滅させる為に地球へやってきたフリジットは、たった1人サイヤ人を仕留めた程度では満足しない。次なる標的に向けての準備は怠らなかった。
「しかしフリジットよ、この地球にはドラゴンボールというどんな願いでさえも叶うと言われる願い玉も存在するらしい。先程のように一心不乱に街を破壊するようでは、その玉も無くなってしまうかもしれん。」
先程孫悟空との戦いに助太刀したカイスは、フリジット軍でも高い戦闘力と知力を持ち、フリジットからの信頼も厚い。
「ドラゴンボール...そういえば、フリーザが孫悟空と戦ったのは、そのドラゴンボールのあるナメック星みたいだが...何故その願い玉が、地球にも存在しているのだ?」
「かつて地球に移住したナメック星人がこの地球の神となり、ドラゴンボールを創り上げたかららしい。一度神は変わっているみたいだが、今でも訳なくドラゴンボールを使用することができるみたいだ。」
その話を聞いたフリジットは、ドラゴンボールの使い道を考えた。フリジットにとって、叶えたい願いはあまりに多かったのだが...
「まぁいい、今はサイヤ人を絶滅させることが最優先だ。それに、他のサイヤ人共がドラゴンボールについて詳しく知っているかもしれんからな。あの世に送る前に白状させてやる。」
フリジットの計画はサイヤ人の絶滅とドラゴンボール集めの同時進行で進めていく方針で固まった。兵士の数はわずかに100兵。フリジットは1人も失うわけにはいかないと考え、宇宙船で再び離陸を行い、上空での移動を試みた。
「サイヤ人共、明日には貴様らの見る景色を地獄に変えてやる...!」
「フリジット、随分やる気だな。」
「当然だ...フリーザがいない、そしてサイヤ人もいなくなれば、我が軍を脅かす者は誰一人として存在しなくなるのだからな。」
フリジットが打倒・サイヤ人に燃えている中、つい先程フリジットが破壊した『東の都』の様子が全世界で報道された。ブルマ達にも、その様子が伝わったようだ。
「みんな!東の都の方で、事件があったみたいだわ。」
カプセルコーポレーションで共にバーベキューを楽しんでいた悟飯と悟天も、その情報を耳にした。
「東の都と言ったら、数年前から復興が始まって、今ではだいぶ元通りの姿に戻ってきたって言う...」
「そう、十年前くらいにサイヤ人が壊滅させたって言う東の都よ。」
「その東の都ってのを壊滅させたのはナッパのヤロウだな。俺たちが地球に攻めた時一番最初に降り立ったのは、その都だったということだな...」
ベジータがナッパと共に初めて地球にやってきたエイジ762。ナッパのド派手な挨拶により、東の都は一度壊滅した。それから暫く経ち魔人ブウが襲来する前から復興が始まっていたが、フリジットに再び東の都は壊滅させられたというのだ。
「東の都は、復興が開始してから人口が急増していたのだけれど...」
「隕石にしてはかなり大規模だ、この破壊は人口的なものだろう。だが、それが出来るほどの気を感じない...今は力を隠しているか、あるいは既に地球から立ち去ったかのどちらかだろうな。」
「東の都ってことは、パオズ山とも距離は近い!急いで戻るぞ!悟天!」
「う、うん!」
ありとあらゆる情報が入り混じる中、東の都で事件が起こったことを冷静に振り返った悟飯は、悟天と共に急いでパオズ山に戻ることにした。
「それじゃあ、また!」
「うん、気をつけて。」
悟飯と悟天はパオズ山へと戻っていった。すると、ベジータが口を開く。
「ブルマ、もしあの破壊騒動が異星人によるものだとしたら、そいつらがドラゴンボールを求めて来ている可能性は高いはずだ。今のままドラゴンボールを見つける可能性はほぼないだろう...だが、ドラゴンレーダーの存在が知れてしまってはまずいかもしれん。ドラゴンレーダーはすぐに確保しておけ。」
「そうね、異星人かどうかはまだ分からないけど、あれほど大規模な破壊を起こせるほどのパワーの持ち主なら、ドラゴンボールが狙われても不思議じゃないわ。」
ベジータは、東の都を壊滅させる程の猛者は、ドラゴンボールを狙っていても不思議じゃないと考え、世界中に散らばったドラゴンボールを簡単に探し出せる機械・ドラゴンレーダーの確保をブルマに命じた。ブルマはすぐに家で保管していたドラゴンレーダーを、自分のポケットに仕舞い込んだ。
その頃、悟飯と悟天はパオズ山に向けて舞空術で帰る最中だった。
「な、なんだ?あの宇宙船は...」
すると、悟飯が上空に浮かぶ宇宙船を視認した。悟天は、宇宙船の大きさに驚くばかりだった。
「お、大きな宇宙船...ん?何かが近づいてくる!」
「本当だ...こ、この気は...ま、まさか...」
悟飯と悟天の前に颯爽と姿を現したのは、悟空をあっさりと仕留めた新時代の帝王・フリジットだった。
「サイヤ人共、たった今この場で死体を残して逝け...新たなる帝王・フリジットのお通りだ。」